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【ファンタジーライフ】第30回 サンサン砂漠の逃亡者たち

 江野本が合流するのを待っていたら、すっかり更新が滞ってしまいました。

 ……ウソです。更新できなくてゴメンナサイ。

 2本目の原稿に手を付け始めたころ(意味のわからない人は前回のブログを読もう!)、ようやく江野本が「とうちゃ〜〜〜く!」と言って、我が街に現れた。ヒマなあまり、意味なくクルブルク大通りを全力疾走していたせいでダッシュのレベルが上がってしまった俺は、プリプリと江野本を叱責した。

「ったく、ダッシュのレベルが上がっちまったうほど待たせおってからに……」

 江野本が目を見開いた。

「えええええ!! よかったですね!! ウチのおかげでレベルがあがって!!

 もうそれ以上、何も言わないことにした。

 まあでもようやくメンツが揃ったので、俺はダルスモルスに向かうことにした。クルブルクからの最短ルートは別荘を使った瞬間移動だが、協力プレイ中はできないので、飛行場から飛行船で向かうことにする。江野本のキャラがパタパタと後とついてきているのを確認しながら、俺は飛行船に乗り込んだ。

 まもなく、我々ふたりはダルスモルスに到着した。江野本はほぼ初めての場所になるので、見るもの触るものが珍しくてタマラナイらしい。おかげで、うるさいったらない

あ!!! あの金色の結晶はなに!!?」

 ああ、あれがダルスモルス金が採れる鉱床だよ。

お!!! おひさまわた、だって!!!」

 はいはい。そんなの採れたなココ。

「え!!! いやし草って何コレ!!!

 ……ってそれ、そこらじゅうに生えとったろが!!!!

 そんなやり取りをしつつ、まずはそこらじゅうにある金色の鉱床をぶっ叩いてダルスモルス金を採掘した。とは言え、金とは言えどレアな素材ではないのでウジャウジャゾロゾロといくらでも採れてしまう。おかげで、最初こそ「うおおお!! 金だ金だ!!」と騒いでいた江野本もすぐに興味をなくし、先ほどから「イネムリレッグは?? イネムリはどこ??」とうわごとを言っている。なので俺は、ダンジョンに入る決意をした。

「んじゃ、イネムリレッグの化石を掘りにいくとするか。ダンジョンに入るけど、大丈夫だよな?」

 俺のセリフを受けて、江野本は「ふんっ!」と鼻息を吹き出した。

把握!! 問題ナシ!! いこういこう!!!」

 あまりにも元気にうなずくので、俺は逆に不安になった。

「あのな、いまから“ホネの洞窟”ってところに行くんだが、道中にいるゴーレムとかデカいハチとか、黄色いピラニアにちょっかいだすなよ。めんどくさいから」

 俺の後ろを走りながら、江野本は再び元気に答えた。「がってん!! 早くいきましょ!!」。

 そしてやってきた“サンサン砂漠”は、それまでのパーテル大平原やマバラッパ諸島を小鮒が釣れる春の小川とするならば、いきなり体重300キロオーバーのカジキと格闘しなければならない太平洋のど真ん中……ってくらい危険度の違う場所である。……いや我ながらわかりにくい例えだとは思うが、とにかくスケールが違うのだよ。

 俺は江野本に「はぐれないように、後ろからくっついてこいよ」と注意しつつ、砂漠の西側につらなる崖を目印にパタパタパタと走り続けた。するとまもなく、巨大な生き物の肋骨とおぼしきアーチが見えてきたのでそれをくぐり、ポカンとできた箱庭のような空間に入ってゆく。ここが、ホネの洞窟に通じる唯一の道なのだ。

「あ!! なんかいますよ!!!」

 突如、江野本が叫んだ。そう、ここにはホネの洞窟のガーディアンのような“サンドゴーレム”という巨大な敵がいて、侵入者を排除しようとするのである。しかし、他のゴーレムと同じように動きが緩慢なので、あえて相手をする必要はない。なので俺は、江野本に先を促そうとした。

「えのっち、そいつは相手にし」

 そこまで言いかけたところで俺は言葉を飲み込み、

「ピュンピュンッ!!!」

 と言いながら無謀な攻撃を仕掛けている狩人に雷を落とした。

「……だからピュンピュンじゃねえええよ!! そんなの相手にしてねえで、早く来いっつーの!!」

 なかなかイネムリレッグの化石に遭遇できない……。

 次回に続く。

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投稿者 大塚角満 : 19:19

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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