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大塚角満の ゲームを“読む!”

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『モンスターハンター3(トライ)G』、そして……!!

 “Nintendo 3DS Conference 2011”の会場に出向き、さまざまな発表を目の当たりにした。この秋から年末にかけてラインアップされているニンテンドー3DS用ソフトは思わず笑みがもれてしまうほどキラキラとしていて、思わずiPad2のテキストエディターを立ち上げて発表内容を片っ端からメモしてしまったよ。ニュース記事を書くわけじゃないんだから、そこまでする必要ないんだけど。このへんはやはり、職業病と言ったところか。

 さまざまなタイトルがお披露目されたこの日の発表会において、その存在感がとくに際立っていたのはやはり、先ごろ発表されたばかりのニンテンドー3DS用ソフト『モンスターハンター3(トライ)G』だった。このタイトルの存在が明らかになって以来、俺が日ごろのことを書き綴っている個人ブログのメッセージボックスには「『3(トライ)G』について何か書かないんですか!?」、「モンハンブログの更新楽しみにしています!」、「早く書いてください!!」という迫力に満ちたメッセージがたくさん届いていたんだけど、あまりにも多くの情報が飛び出してくれたため心が恐慌を来たし、「あわあわあわ」と言うだけでこのソフトについて書くことも言うこともできずにいた。結果、今日の今日まで「俺は何も見なかった。俺は何も知らない」と個人的な絶対安静の状態に突入していたのです。

 しかし、本日のとてつもない発表の破壊力により、俺の金縛りは完全に解けた。

「一筆も残さぬうちには死ねない!!」

 そんなことすら思った。いや、死なんけど。なので長々と書かせていだだきます。

 カンファレンスのトリを飾るタイトルとして、『3(トライ)G』の映像が会場の大型スクリーンで流された。動いている映像を観るのは、俺もこれが初めて。数ある『モンハン』シリーズの中でもっとも自由度が高く、そして作りこまれた世界観を誇る『3(トライ)』が携帯ゲーム機にどのように落とし込まれているのか? まずはそこに、興味が集中した。

 そして観た『3(トライ)G』の映像は、信じられないほど『モンスターハンター3(トライ)』だった。たゆたう水の中を泳ぐハンター。その背後で名曲『生命ある者へ』が流れる。砂原で暴れるボルボロス、ディアブロス。火山ではウラガンキンが縦横無尽に転がり、アグナコトルが気持ちよさそうに地面に突き刺ささりまくる。氷原に映えるベリオロスの美しさは、動く彫像のよう。水中で大口を開けるチャナガブルの憎めない姿を見るのはいつ以来だろうか。そして、無音の深奥に鎮座するのは巨大古龍・ナバルデウス。出し惜しみなし(ってこともないだろうがw)の贅沢極まる映像は、それが携帯ゲーム機で描画されているとは思えないほど美しく、怖いほどの迫力を持ったものだった。

 しかもここまではあくまでも、『3(トライ)』で見られたシーン。“G”の冠が付いた本作には、“この上”がある。

 まずは武器。『3(トライ)G』には『3rd』にある12種の武器カテゴリーが導入されることが判明しているが、ネット上では「水中ではガンランスの砲撃ができないのでは?」、「狩猟笛の演奏は水中では無理?」なんていうリアル思考からくる懸念の発言をけっこう見かける。しかしそんな心配を吹き飛ばすように今日のデモ映像では、ガンランスは元気に水中でフルバーストをぶっ放し、弓は曲射を放ち、狩猟笛は演奏攻撃をくり出していた。なんとなくわかっていたことだけど、それら水中というステージから生まれる心配事はことごとく杞憂であることがわかりました。ま、そりゃそうだよな。

 そしてモンスター。わかっちゃいたけど“こいつ”と水中で対峙しているハンターの映像を見たときには、心臓がビチビチと跳ね回って興奮を抑えるのがたいへんだったよ。

 “こいつ”とはもちろんガノトトスだ。無印(初代『モンハン』のこと)の時代、ハンターが入ることのできない水の向こうから頭を出し、バチュンバチュンと水鉄砲を発射しては「ギョギョギョギョギョ!」と高笑いしていたこの水竜と、ついに同じ土俵で渡り合うことができるようになるのだ。もうこれで、なかなか水から上がってこないガノトトスを見て「は、早く陸に上がれ! 時間がなくなるだろ!!(泣)」と歯軋りする必要もなくなる。泳ぐガノトトスの背中目掛けてプチュンプチュンとボウガンで攻撃して思わず討伐してしまい、水に没していくガノトトスを「………………」と見つめ続けることもない……。ヤツの生活圏に乗り込んで、対等な生存競争をくり広げることができるのだ!

 そんなガノトトスの水中の動きもデモで流れたが、いやあこいつ、本格的におサカナだったのね(感動)。どこかぎこちなく見えた陸上とは打って変わり、水を切り裂いて高速で突き進む姿は丸っきり魚雷そのもので、タックル、水のブレスの迫力も陸上とは桁違いだ。こういうのを“水を得た魚”って言うんだろうな(そのまんま)。

 ……って、ほっとくとガノトトスのことだけでコラムを3、4本書いてしまいそうなのでこのへんでやめておこう。映像ではこのほか、リオレウス亜種、リオレイア亜種が大暴れし、ジエン・モーランが決戦場でアカムトルムのソニックブラスト(※間違えてソニックブームって書いてました……。それガイルじゃねえか!)を思わせる衝撃波を口から発射していたりした。G級が導入されることで既存のモンスターの動きにどんな変化が起こるのか? このへんも楽しみにしたいと思ったね。

 そんな迫力の映像を露払いに、ステージには『モンハン』シリーズのプロデューサー、辻本良三さんが現れた。良三さんは『3(トライ)G』の発売日を「2011年12月10日、5800円[税込]です」と電撃発表して会場を沸かせ、「3DSならではの機能も盛り込んでいるので、今後の発表をお楽しみに」と続ける。そして「最後に、もうひとつ用意した映像をご覧ください」と言い、静かにステージを下りていった。よどみのない、見事なプレゼンテーションだった。

 さてこのとき、来場者の頭の上からプカプカと浮かんでいた心のフキダシには押しなべて「『3(トライ)G』のオープニングムービーキター!!!」と書いてあった。俺にははっきりと見えたので間違いない。っていうか、俺の頭上のフキダシにもそう書かれていたはずだ。俺は跳ねる心を押さえつけながら、『3(トライ)G』のオープニングムービーが流れるのを待った。そして、あの映像が流された−−。

 スクリーンに、大剣を持った男性ハンターが現れた。彼が立つフィールドは…………見覚えがない。どこだここは。『3(トライ)G』に導入される新フィールドなのか? しかしオープニングムービーにしては、装飾が少ない気がする。なんか、プレイアブルっぽい映像に見えるし。

 若干「?」となっていると、ハンターの目の前にティガレックスが降り立った。彼はいきなり猛り狂っており、ハンターを見るやカタパルトから発射されたかのように、一直線に突撃してくる。この様子にキモを潰したのか、ティガレックスに背を向けて逃げ出すハンター。「リアルでこいつに会ったら、間違いなく俺もこうするナ」と、俺は妙に納得した。

 ティガレックスの追走は、ことのほか執拗だった。ハンターは石柱のような奇勝を足場にピョンピョンと上へ上へと逃げるのだが、ティガレックスは石柱そのものを蹴散らして追いかけてくる。それでもどうにか、高台に逃げ伸びたハンター。悔しそうに吠えるティガレックス。しかし今度は新たにリオレウスが現れて、ハンターに襲い掛かってきた。モンスターが跋扈するフィールドに出てきた以上、束の間の休息も許されないってことか。しかもレウスにビビっているうちにティガレックスも高台に飛び上がってきてしまい、状況は完全に前門の虎、後門の狼。万事休す。そう思った。

 でもそのとき、テーブル上になっていた高台がグラリと傾き、ティガレックスがズルズルと滑り落ちていった。高所恐怖症の人が見たら、身が縮こまるシーンである。その隙を突いて、ハンターは壁の側面に取り付いてリオレウスから逃げようとする。器用に壁を伝って逃亡を企てるハンター。しかしリオレウスは見逃してくれず、壁に引っ付いているハンター目掛けて猛烈な攻撃を始めたではないか!! 火球を吐くだけではなく、ワキャキャとキックもお見舞いしてくる。この状態になったらハンターには成す術はなく、一方的にやられるだけになる……と思ったら、ハンターは片手で壁に取り付き、もう一方の手で剣を振り回してリオレウスに反撃を始めたのである。しかもそれだけではなく、猛るリオレウスが壁にいるハンターに踊りかかったかと思ったら、なんとハンターがリオレウスの背中に乗って、ガシガシと脳天や翼に剣を突き立てている……!! やられたレウス、相当効いたのか、ハンターを背中に乗せたまま地面に墜落−−。いままでの『モンスターハンター』シリーズでは見たことのない、まったく新しいアクションシーンだった。

 ここまで見たとき、俺はマヌケにも、

(なるほど。『モンハン』世界ではこういうことも行われているんですよ……という、世界観を膨らませた架空の映像なんだなコレは。オープニングムービーとしてはかなり意表を突かれたけど、かっこいいな!)

 と思った。

 しかしこの数秒後、ブラックアウトしたスクリーンに衝撃の文字が表示されたのである。

“モンスターハンター4”

 …………………はい?????

 い、いまの文字はナニ??? なんか“モンスターハンター4”って見えたんですけど、どんな冗談なの……?

 このときの会場の空気は、この業界で17年もメシを食っている俺をして、ついぞ感じたことのない異様なものだった。通常、この手のサプライズ発表がされたときは万雷の拍手が起こるか、「おおおおおお!!」というどよめきが起こる。でも、このときは違った。その様子を文字で表すのは、じつに簡単である。こうなったのだ。

ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ

 みな、いま見た映像の正体が『3rd』でも『3(トライ)G』でもない『4』のものだと知り、驚く以上にざわめきしか出てこなかったのである(苦笑)。海千山千の記者や業界関係者がこれほど「ぽか〜ん」とさせられること、あとにも先にもこれっきりなんじゃないかと本気で思ったよ……。

 しかしいま冷静に思い返してみても、『モンスターハンター4』の映像はすごかった。起伏の激しいステージ、どこにいても容赦なく襲い来るモンスター、そして、猛るモンスターにしがみついて攻撃をくわえるハンター……。これを見た全国のハンターは、こう思ったはずだ。

「こ、こんなことができちゃうの……?」

 と。それに対しモンハン開発陣は、この鬼気迫る映像の説得力を持って「できる!!」と言っているのだろう(と、勝手に思う)。

 当然ながら今日の段階では、『4』の詳細は何も語られていない。しかし無印の登場から8年を迎える『モンスターハンター』に、新しい風が吹いたことだけは間違いない。


投稿者 大塚角満 : 18:12

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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