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【MHP 3rd】番外編 『3rd』について聞いてみた!(その1)

 さまざまなビッグタイトルが展示、発表された今年の東京ゲームショウだが、その中でも堂々の主役を張っていたのはカプコンのPSP用ソフト『モンスターハンターポータブル 3rd』だ。初のプレイアブル出展はもとより、イベントステージでも出るわ出るわ新情報の数々が……! そこで俺は辛抱たまらなくなり、ゲームショウの会場で『3rd』の辻本良三プロデューサーと一瀬泰範ディレクターに捕獲用麻酔玉をぶつけまくって見事に捕獲! 『3rd』の試遊コーナーの目の前で話をうかがった。

大塚 たくさん聞きたいことがあるので、よろしくお願いしますね。
辻本 ちなみに、このインタビューは何に載るんです?
大塚 ファミ通.comの、僕のブログですよ。
辻本 はいはい(ニヤリ)。じゃあ、いつものゆる〜い感じでオーケーなのね(笑)。


▲辻本良三プロデューサー。


▲一瀬泰範ディレクター。

一瀬 大塚さん、録音されてますけど、これも趣味ですもんね?
大塚 違いますよ!! 趣味で録音するって、どんな変態っすか(苦笑)。でね、大連続狩猟とティガレックス亜種のクエストをやらせてもらって、両方ともガンランスで挑んだんですよ。なぜ2回ともガンランスにしたかというと、1回じゃわからなかったからなんです。相当変わってますね、動きが。
一瀬 いやあ、そんなことないッスよ。
大塚 そんなことありますよっ!! めっちゃ変わってるじゃないですか!!(怒)
辻本 (笑)。ガンランスはかなり変わっていて、いろんな人に見せようとするんですけど、意外とガンランサーがいなくてどうしようかと思っていたんですわ(笑)。
一瀬 ガンランスを見せても、あんま喜んでもらえなかったんですよね。めっちゃ変わってるからその部分を見せているのに、どうも反応がない……っていうか、響かなくて。
辻本 なんでかなあ? って話していたんですけど、けっきょく使っている人が少ないんかなぁって(笑)。
大塚 そんなことないでしょう!! ガンランスですよ!?
辻本 だって、大塚さんが初めてですもん。「ガンランス、変わりましたね!」って面と向かって言ってくれたの。いやあ、よかったわ。
大塚 うそばっかり(笑)。でも操作がいままでよりも複雑……というか、過程が増えた感じなんですかね?
辻本 慣れだと思いますけどね、そこは。
一瀬 いままでとは違うことが増えているので、遊び込むまでは違った感覚を味わうことになると思うんですよね。
大塚 無印(初代『モンハン』のこと)をやり始めたころの、「どうやるんだろう!?」という驚きと喜びに似ている気がしましたよ。
辻本 そこをクリアーしていくと、自分のプレイヤースキルが上がったという達成感につながると思いますよ。
大塚 うん、わかる。でも、何度やってもフルバーストが出なかったんですよね、俺。
辻本 それは単純にヘタなだけやと思います(笑)。
一瀬 うんうん。
大塚 ええええ!? 世界一のガンランサー(笑)をつかまえて、それはないでしょう!!
辻本 あはははは!! でもそれ、『2nd G』までの話でしょ?
一瀬 『3rd』は新しいんでね。そのへんの称号も、イチからのスタートですよ。
大塚 う……。そ、そうですか……。
一瀬 でもガンランスについては、これまでの弱点とされていた部分を克服できるように見直しているので、そういった意味では、以前より攻めの幅……というか遊びの幅は広がっていると思いますよ。
大塚 うんうん。
一瀬 とは言っても、これまでのガンランスでの主軸の遊び自体は変わっていないと思います。新しい動きを組み込んで遊んでみよう……と思ったときには慣れが必要かもしれませんけどね。それと、今回のTGSバージョンのように新モンスターが相手だとそれにどう対応するか……っていう部分が出てくるので、なかなか一筋縄じゃいかないかもですね。……大塚さん、全部の動きをベースキャンプでやってみました?
大塚 はい(笑)。ひととおり、新しいモーションはキャンプで試していました(笑)。
一瀬 やっぱり(笑)。でも、フルバーストは出なかったと。
大塚 う、うん。
一瀬 ははあ。そこはやはり、腕ですねえ……。
大塚 ……。
江野本 そんなに難しいものなんですか?
一瀬 いや、そんなことないよ。僕、目を瞑っててもできますもの。
大塚 そりゃ一瀬さんは、このゲーム作ってる人だから出るでしょが!
江野本 その、出るとか出ないとかの意味がわからないんですけど。
辻本 あのね、大塚さんは出せないんですよ。(腕を叩いて)ココの問題で(笑)。
大塚 問題ってなんですか!!
一瀬 でも、15分かそこらの体験プレイで極めようってのがいけませんよ。
大塚 うん、ですよね。
辻本 『3(トライ)』のスラッシュアックスもそうだったじゃないですか? なかなかコンボを覚えられなかったけど、慣れれば自由につなげることができるというね。それといっしょですよ。
大塚 それは言える!!
一瀬 この15分の体験プレイで新しくなっていることを感じてもらって、発売日以降にそのあたりも極めてもらえればな、と。立ち回りがかなり変わるものがあるのでね。遊び込めると思いますよ。
大塚 ガンランスについて言えば、かなり砲撃が目立つ武器になった気がします。
一瀬 うん、そうですね。今回は砲撃のほうの動きを重点的に盛り込んでいますから。ランスとの差別化をより強くしたかったので。
辻本 ランスは『2nd G』と比べてだいぶ変わっているのでね。ランスとガンランスって比べる部分があるじゃないですか? そうなったとき、じゃあ今回のガンランスはどうするか? って考えた結果、こうなったということですね。
大塚 なるほどねー。
辻本 ……ってこの記事、ガンランスのことだけになるよ(笑)
大塚 ダメ!! さすがにそりゃマズい!!
一瀬 えー、だって大塚さん、ガンランスしか触っていないんでしょう?
大塚 いやでも、聞くところによると狩猟笛もぜんぜん違うんでしょ?
一瀬 なんでそんなこと知ってるんですか?
大塚 ファミ通に書いてありました。
辻本 あははは!
一瀬 狩猟笛は、いちばん変わったかもしれませんね。
辻本 うん、そうやね。
一瀬 あれは慣れるのに1ヵ月くらいかかるかも。
大塚 あ、そんなに!
一瀬 いままでの狩猟笛もいいところはあるんですけど、今回のは動きながら……というか立ち回りながら笛を吹くということになっているので、かなりアクティブに遊べると思います。以前のように遊ぶこともできますけどね。
大塚 へー! あと双剣も、かなり変わったみたいですね!
辻本 双剣はね、さらに自分に酔えるようになったと思う。
大塚 以前、「双剣はスタイリッシュになった」って言ってましたよね。
一瀬 これまでの双剣って、鬼人化一辺倒のところがあったと思うんです。今回はその鬼人化に新しいシステムである“鬼人強化”というのを加え、そこを切り替えることによる遊びができました。これが、双剣の進化のポイントですね。
辻本 鬼人回避という動きが、めちゃめちゃ気持ちいいんですよ。意図していないときに避けられたりするんです。それがもう……!
大塚 はいはい。意図していないときね。良三さんぽいですね。
辻本 そうそう……って、どういうこっちゃ(笑)。双剣、動いているだけで楽しいですよ。
大塚 「俺ってかっこいい!」って瞬間が多くありそうですねえ。
辻本 そうそう! 「避けられるぜ俺!」っていう。
大塚 各武器ともに、そういう瞬間があるんでしょうね。
一瀬 はい。それはもう、ひととおり何かしらありますね。まあ大塚さんはガンランスしか触っていないうえに、いちばん気持ちのいいフルバーストを出せていないんじゃわからないでしょうけど……。
辻本 まったくや。
大塚 ……。でもね、今回はちょっとだけ感触を確かめられればいいかな、って思っていたんですよ。
辻本 うん、そうですね。……ていうか大塚さん、モンスターの話もしましょうよ(笑)。


▲突っ込んだり、突っ込まれたりしながら、ゆる〜い感じでインタビューは進行した。

大塚 そうだった! モンスターはジンオウガ、アオアシラ、ティガ亜種とやりましたけど、意外だったのがジンオウガ。もっとどっしり構えているモンスターなのかな……と思ったら、かなりアグレッシブに動くんですね!
辻本 うんうん。
一瀬 そうですね。けっこうトリッキーというか、アクロバティックな要素もありますね。その中で力強さをどうやって見せていくか? ってところで考えたんです。単純に山のように動くだけだとゲームとして成立させるのが難しいので、激しく動く中でパワー寄りのエッセンスも盛り込んで。そういう部分で、プレイヤーに恐怖心とかを与えることができますからね。
辻本 それとジンオウガは、帯電ですね。これがいいゲーム性につながっていくと思います。
一瀬 “超帯電状態”って、見ましたか?
大塚 見ました! もう、怖くて近寄れんかった(苦笑)。
江野本 ジンオウガが帯電して動きを止めているとき、アテンドのお姉さんが「攻撃してー!!」って言ってましたけど、あれは近づいて攻撃しちゃっていいんですか?
辻本 あそこは、攻めるか、自分が回復するかのせめぎ合いなんですよ。
一瀬 雷光虫を集めて、雷を溜めているんです。ゲーム的には、いかに超帯電状態にさせないで立ち回るか、ってところがジンオウガにおける楽しみ、遊びになります。
大塚 なるほどー。あと、ティガ亜種で「おお!」と思ったのが、大咆哮をするまえに思いっきり空気を吸い込むモーション。ああいった部分がいちいちかっこよくなっているんですよね。
辻本 そうですね。そこはいつものこだわりです。ティガ亜種は、より狂暴になった……というか、野生的になりましたよ。
大塚 ああ、確かに野生的ですね!
辻本 これまでのティガレックスって、直線的な怖さだったでしょう? 今回のは“暴れている”怖さ
大塚 速いですもん、怒ったときの動きが!
一瀬 そうですね。あと、通常種と比べてさらに吠えるモンスターになりましたね。そういう部分で、より“轟竜”の名にふさわしいモンスターになりました
辻本 亜種を見てからだと、ノーマルのティガがスマートに思えますもん(笑)。いままでティガレックスに対してそんな印象を受けたことないのに。
大塚 ティガ亜種を導入してくれたこと自体に、僕らは喜んでいますよ。
辻本 『3rd』を立ち上げたときから、ティガレックス亜種の導入は決めていましたから。
大塚 へぇえええ!
一瀬 期待度も高かったですしね。
大塚 色は、黒にするって決めていたんですか?
一瀬 それはもう、強く見える象徴的な色は黒だろうってことで、決めていました。
大塚 そうなんだー! でも、まだまだ発表されていないモンスターもたくさんいるでしょうし、楽しみですねえ。
辻本 そうですね。新しいPVにこっそり出ているモンスターもいますしね。
大塚 え! 新しいPV流れてるんですか!?
辻本 ちょっとぉ。流れてますよー!
一瀬 何を言っちゃってるんですか。それを見てから出直してくださいよ。
辻本 でも、それを見て質問されたところで、それらのモンスターについては何も答えられないけど(笑)。
大塚 えええええ!
一瀬 いやいや、いま聞いていただけていたら、新しいモンスターについてもバンバンしゃべったのに。
大塚 ウソばっか!!
辻本 そのPVと、これからステージで行う発表の様子を見てから、改めてインタビューしてくださいよ。話せることがグッと増えますので。
一瀬 発売日も言えますからねえ。
大塚江野本 それはもう知ってます!

 というわけで15分ほどの立ち話でしたが、いつもの調子でいろいろと聞かせていただきました。インタビュー中にもありますが、このあとカプコンのステージイベントで『3rd』がらみの新情報が多数発表になります。それを受けて辻本良三プロデューサーに行ったインタビューについては、またのちほどアップさせてもらいます!
 

投稿者 大塚角満 : 16:09

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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