大塚角満の ゲームを“読む!”
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ものすごくどうでもいいことなんですが、ちょっとショックだったので書かせていただきます。
さきほど、通勤電車の中で仲のいい友だちとメールのやり取りをしておりました。でまあ、細かいやり取りは関係ないので省きますが、とにかく「17−10」という算数の引き算が話題に。そこで俺はすかさず「じゅうななひくじゅうだから……答えは10だね!」と素早く返信したのです…………。すぐに間違いに気がついて「ごめ……まちがっちった……」とメールを送ったのですが、あまりにも恥ずかしくてその友だちからの返信メールがいまだ開けられません……。
以上、夏の怪奇現象のお話でした。
さて。
夏休み特別企画・大塚角満のモンハン妄想小説も今回で7話目。もうちょっと続きますので、読者の皆さま、ぜひぜひついてきてくださいねw
第7話は、江野本がふと口にした「無印の世界を舞台に、誰もが経験したことのあるような体験を小説にしてほしいなぁ」というひと言をきっかけに書いてみたものです。ご堪能くださいませ〜!
※著者の妄想が多分に含まれているので、ご了承ください……。
■知ったかぶりのビビりハンター(無印)
ハンターになんて簡単になれる……と思っている人がいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。屈強なモンスターと命のやりとりをしなきゃいけない危険で危ない職業なんですよ? そうそう誰にでもなれるというものではありません。人並み以上の体力、狩猟に関する知識、そしてどんな困難に遭遇しても折れない心があって初めて、ギルドにハンターとして認められるのです!
じゃあどうすればギルドに認められてハンター登録できるのかというと、方法はいくつかあります。ハンター養成所、つまり訓練所に入所して鬼教官に鍛えられ、一定の課題をクリアーして"卒業"するのがもっともポピュラーな方法。ほとんどのハンター志望者はこの方法をもってギルドにハンターとして認められています。
でも僕はあえて、この方法は採用しませんでした。一応、もっともオーソドックスなこの方法でハンターになろうかとも思ったのですが、どうにも教官とソリが合わなくて入所早々に脱走……じゃなくて辞めちゃったんですよね。
結果、僕は通信教育の"ハンター講座"を受講して、そこでなんと"首席"を取ってハンターになる権利を得たんです! 訓練所で危険な思いをして、泥にまみれてからハンターになるなんて、もう古いんです。身を汚す必要はありません。頭脳と理論を駆使して要領よく立ち回れるハンターこそ、次世代の狩猟シーンの中心となるのでええええす! はあはあはあ。
というわけで、僕はハンターになりました。なんたって首席ですから、狩猟における知識はそんじょそこらの上位ハンターにも引けを取るものではありません。ハンターって、飛び級はないんですかね? 僕クラスになったら、いきなり上位から狩猟に出てもいいかと思うんですけどね。まあ、ルールだから甘んじて下位の狩猟を受け入れますけど。あっと言う間に駆け抜けてしまうと思いますけどね。
さっそく僕は、クエストを受注しました。森丘フィールドを舞台にした"サシミウオの納品"です。何度も言いますけど、いきなりグラビやディア(ベテランは略して呼ぶんです)でもいいんですけどねえ。ま、仕方ない。
僕は森丘フィールドに向けて出発しました。ハンターの登竜門的な、もっともポピュラーなフィールドですね。ちなみに僕の装備は、武器がハンターナイフで防具はインナー……。首席ハンターとしてはじつに不本意な格好なのですが、ナニゴトも順番があるということなので受け入れざるを得ません。ま、すぐにきらびやかな上位装備が山ほど作れると思いますけど。
しばらく歩くと、森丘のベースキャンプに到着しました。実物を見るのは初めてですが、なんたって首席の僕ですからベースキャンプのこともよく知っていますよ。ここには休憩できるベッドと、ギルドからの支給品が入った支給品ボックスがあるんでしょ? ……ホラ、あった。青い箱。でも僕はあえて、この箱を開けることはしません。だって上位のクエストになると、ギルドの人間すらフィールドに近づくのが危険ってことから支給品が来なかったりするわけですよ。僕が上位ハンターになるのは時間の問題ですから、いまからそれに合わせて調整しておいて損はないかな、と。ていうかそもそも、首席の僕が下位のクエストごときで支給品の世話になんてなるわけないんですけど(笑)。
僕はすぐさま、フィールドに飛び出しました。目指すはサシミウオ。じつに安いクエストですが、森丘の見学もかねて、いろいろなエリアに行ってみましょうかね。
ベースキャンプからトンネル状の通路を潜り抜けると、目の前に広大な平原が広がりました。おお……。ここが森丘か……。背後からなんとなく、「チャ〜チャラララ〜♪」って雄大なBGMが聞こえたような気がしました。それほど、ここは美しい土地なのです。見るとこのエリアの平地部で、草食竜・アプトノスの親子が平和に草を食んでいるじゃないですか。僕の中の、首席ハンターの血がたぎります。
"アプトノスを見たら生肉と思え!"
通信教育のハンター教科書の、最初のページに書いてある格言です。ハンターはまず最初にアプトノスを狩り、その身体から剥いだ生肉でこんがり肉のお弁当を作らねばいけないらしいじゃないですか。確かに、腹が減っては狩りはできませんからね。僕は先人の例に倣ってハンターナイフを抜き、アプトノスの群れに飛び込みました。アチョーーーッ!
ところがいくら斬っても、アプトノスは倒れません。
正確には倒れる以前の問題で、アプトノスは2、3回斬りつけるとひどくイヤがり、急に早足になってスタコラサッサと川を渡って対岸に行ってしまうのです。いっそ追いかけて向こう岸で狩ってやろうかとも思いましたが、じつは僕は生来のカナヅチで毎朝顔を洗うのも躊躇われるほどの水恐怖症でして。なので左手に片手剣をぶら下げながら、川を渡るアプトノスをおとなしく見守るしかありませんでした……。
けっきょく、7頭もいたアプトノスはすべて向こう岸に渡ってしまいました。でもまあ、いいんです。いま僕、お腹減ってないし。そんなときに殺生しても寝覚めが悪くなるだけだ。「まあいいやどうでも……」とつぶやいてから、僕は森丘の奥地を目指して走り出しました。
しかし走り出したのはいいものの、一瞬で僕は道に迷いました。じつは僕は生来の方向音痴で自分の家の中でも迷ってしまうほどでして……。そんな僕の目の前に、パッと見は人に見える赤ら顔の小さな生き物が現れました。かなり小柄です。
こ、これはナニモノだろう……?
首席脳ミソの中にあるモンスターリストで、キーワードが該当するモンスターがペカペカと明滅します。うーん、どれだ……? どのモンスターか決めかねていると、いきなり赤ら顔の生き物が声を発しました。
「おお! おぬしの持っている何かを、ワシのトッテオキと交換する気はないかや!?」
な、なに? アイテムを出せって言ってんの? も、もしかして、カツアゲ……? ……あ! わかった! こいつがモノを盗むという噂のモンスター、"メラルー"らしいな。危ない危ない。しっかり勉強しといてよかったよ。じゃなきゃ身ぐるみ剥がされるところだ。
僕はメラルーの前を早々に立ち去り、再び走り出しました。すると目の前の木に、茶色いボールのような物体がぶら下がっているのを発見しました。
あ! ハチの巣だ!
ハチの巣からは回復薬グレートを作るのに必須な素材、ハチミツが採れるのです。さっそく採ろうすぐ採ろう。僕はハチの巣に接近し、その茶色い塊をしげしげと眺めました。
でもこれ、どうやってハチミツを取り出すんだ? 教科書には「ハチの巣にはハチミツが入っていて採取することができる」って書いてあるだけで採りかたなんて書いてなかったけど……。
でもきっと、この乾いた球体の中にじゅぶじゅぶにハチミツが詰まっているのだろう。となると、こいつを壊して取り出すしかないな。ヨシ、壊しちゃえ。えい。パキャン! 壊れた! ……おお! 無残に壊れた巣の中から、ハチミツがどろどろと流れ出てきたぞ! おーし、さっそく採集するぞ……ブーンブーンブーン! ってハチだ! ハチが襲ってきたぞ! チクチクチク。痛い痛い! 刺すな刺すな! やめろやめろやめろ!
僕はほうほうの体でハチの巣の近くから逃げ出しました。まったく、泥棒モンスターは出るわハチに刺されるわでロクなことがないよ。あームシャクシャする。八つ当たりしたい。お? ちょうどいいところでステキなモンスターに出会ったぞ。あのブタだかイノシシだかに見える四つ脚のモンスターは……モスだ! おとなしい草食種のモスじゃないか! よーし、やつを蹴っ飛ばしてやれ。うりゃ! ボコ! 当たった! あーすっきりした。ちょうどここ、渓流地帯になってて釣りもできそうだから、サシミウオも釣ってやれ。えーっと、竿を出して……ってぎにゃああああ!! さっきのモスが突進してきたあ! 草食種が放ったものとは思えない、体重の乗った体育会系なタックルをモロに食らい、僕は壁際まで吹っ飛ばされました。その直線的で無骨な動きは猪突猛進を地でいくもので、モスを「人畜無害でおとなしい草食種」なんて最初に言ったヤツをこの場に連れてきたくなりましたよ……。しかもこのモス、やたらと好戦的で、振り返ったと思ったらまた突進、振り返ったと思ったらまた突進……と、何度も何度も僕目がけて突っ込んでくるではないですか! しかたないので僕は剣を抜き、1回、2回とモスを斬りつけました。しかしどうにか狩れたときには僕の身体はボロボロで、いますぐにでも回復アイテムを摂取しないと力尽きてしまう……ってところまで追い詰められていました。しかし自信満々でここに来たものだから回復系のアイテムなんてひとつも持っていやしない。もちろん、支給品の応急薬も取っていません。
でもこんなときこそ、僕の知識が役に立つのです。フィールドで傷つき、体力が減ってしまったら"薬草"を現地調達して食べりゃあいいんです! というわけで僕は、そこらに生えている草をいくつか採取しました。僕くらいの知識があれば、本物の薬草を見たことがなくてもカンだけでそれがどれかわかってしまうものなのです。えーっと、薬草はと……コレだ! 間違いなくコレだ! ギルドの掟では、フィールドでは特定のもの以外食べちゃいけないことになっているけど、薬草は大丈夫。さっそく食べよういま食べよう。いっただきまーす! ムシャムシャムシャ…………zzzzzzzzzzz
は! 恐ろしいモンスターが跋扈するこのフィールドで、なぜか突然寝てしまったぞ! どうなってんだ!? ま、まあ最近寝不足だったからな。こういうこともあるよな。ウンウン……。あ、もしかしたら薬草って、その場で強引に眠らせて体力の回復を図らせる……っていうアイテムなのかもしれない。うん、そうだ。そうに違いない。
体力があまり回復したとは思えませんでしたが、僕はクエスト遂行のために渓流に糸をたらしました。とっととサシミウオを釣って、村に帰ろうと思ったのです。しかしここで、またまた問題が発生しました。
サシミウオって、どのサカナだ……?
そう、サシミウオの実物を見たことがないのです。いつも目にするのは切り身になっているものなので、サシミウオがどんな姿をしているのか皆目見当がつきません。納品数は3匹。いろいろなサカナを片っ端から釣り上げてすべて納品ボックスに入れる……っていう方法も考えましたが、それじゃあ首席のプライドが許しませんよ。やっぱりどうにかして、サシミウオを突き止めないといけませんよね。そしてほどなく、僕はサシミウオを判別する方法を思いつきました。
そうだ。食ってみりゃいいんじゃん。
サシミウオだったら子どものころから、幾度となく食べたことがあります。舌はキチンと、その食材の味を覚えているものですからね。それでサシミウオがどのサカナかわかったら、集中的にそいつを釣り上げればいい。うん、完璧。さすが首席。
さっそく僕は、1匹のサカナを釣り上げました。かなりの大物で、引き上げるのには苦労しましたよ。これだけたいへんだったんだから、こいつがサシミウオである可能性はかなり高いと思われます。よし、では食ってみよう。僕は食べでのあるそのサカナの背中付近に思いっきり歯を立てました。すると……!
ボカーーーンっ!!
なんとサカナがいきなり破裂……。その衝撃で僕は力尽きたらしく、気がついたら診療所のベッドに横たわっていました。いったい、あのフィールドで何が起こったんだ……。
しばし呆然としていると、診療所の先生が入ってきました。僕が気を失っている間に、いろいろと検査をしてくれたようです。神妙な顔で、先生はこう言いました。
「おまえさん、いったい何をしてきたんじゃ? えーっと、まずはハチに刺されたことによるハチ毒による重度のアレルギー、それとネムリ草の中毒症状、そしてハレツアロワナの暴発による外傷性ショック……。どれもこれも、ふつうのハンターは決してやらないことばかりじゃぞ」
ふつうのハンターじゃやらないことばかり、か……。
僕は先生に「どうもスミマセン」と頭を下げながらも確信していました。
やっぱ、僕って天才?
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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