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大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHF】第4回 サルかカニか

 つい先日の話。

 その日もいつものように、江野本ぎずも、たけちー、そしてWiiの『モンスターハンターG』のころからいっしょに遊んでいるハンター、こーへーちゃんの4人で狩りをしておりました。たけちーとこーへーちゃんはすでにそれなりのハンターランクになっているが、俺と江野本のふたりはいまだ一桁台に止まっている。となると、4人で行けるクエストはかなり限られてしまいそうだが、『フロンティア』には無数と言っていいほどたくさんのクエストが用意されているのでそのへんは心配いらない。俺はもっともハンターランクが低い江野本にこう言った。

「ぎずもさん、何でも好きなクエスト貼ってください」と。

 そして江野本はフロンティアクエストの“猿蟹合戦・闘技場”を受注してクエストボードに貼り付けた。闘技場を舞台にコンガ4頭を討伐することが目標のクエストで、脇役としてダイミョウザザミが現れてハンターの邪魔をする……という“例のアレ”である。俺とたけちーは嬉々として「はいはい、アレねww」「りょーかいりょーかいww」と言いながらクエストを受け、さっそく闘技場に向かった。

 ベースキャンプに降り立つと、たけちーとこーへーちゃんのふたりは支給品ボックスになど目もくれず闘技場に飛び込んでいった。俺と江野本は持っている武器の特性もあって、いつもちょっと遅れてからベースキャンプを出ることになる。そう。ガンランスの俺は弾丸を装填する動作をする必要があり(べつにしなくてもいいんだけど)、狩猟笛の江野本はいくつかの音色を奏でてドーピングをする流れになっているのだ。当然、俺のほうが早く準備を終えて江野本に先んじて闘技場に突入した。しかしその瞬間、画面に信じられない文字が表示された。

「クエストを達成しました」

 どうやら早々に、サルどもが屠り去られてしまったようだ。……って、違うでしょーーーっ! そうじゃないでしょが!! 俺は笑いながら憤慨して、キーボードに文字を打ち込んだ。

「ちょww これはそういうクエストじゃないでしょ!!ww サルやっちゃダメ!!

 俺の発言とほぼ同時に、たけちーもこう言った。

「ここはあえてのダイミョウ狩りでしょ!!www」

 するとこーへーちゃんは「あwww」と短く言ったあと、こう言って反省した。「そうだったw 忘れてましたww」。そしてひとり取り残された江野本は、ぽかーんとしながらつぶやいた。「……何が起こった?? ウチまだ闘技場に入ってない……」。

 じつはこのクエスト、メインターゲットがコンガ4匹になってはいるが、サブターゲットのダイミョウザザミを討伐しないとろくな報酬がもらえない仕組みになっている。なのでダイミョウザザミを葬り去るまでは、もろくて儚いサルどもに攻撃を加えてはいけないのである。俺たち4人は「サルに触れないでください!!」を合言葉に、再び同じクエストを受注した。「やることがわかってりゃカンタンだよな^^」とかなんとか言いながら……。

 2回目。俺たちはコンガをシカトして、迷わずダイミョウザザミに襲い掛かった。4人だったらそれほど時間をかけずに討伐することができるはずである。ところが開始1分も経たないうちに、画面にまたまたあの文字が表示されたではないか。

「クエストを達成しました」

 ちょっと……。誰だ、サルに触ったのは!! 俺は腹を抱えて笑いながら文字を打った。

「コンガに触るの禁止っつったべ!w 誰だサルをやったのは!」

 たけちーとこーへーちゃんは揃って「おっかしいなあ……」、「む、難しい……」と首を捻っている。江野本も「勝手にサルが寄ってくるんだもん!!」とお怒りモードだ。

 このままじゃラチがあかない。いくらコンガに攻撃を当てないように注意しても、勝手にヤツらが「ナンダナンダ。何の話だ」ってな感じでドカドカと近寄ってくるので、不慮の事故が起こってしまうのである。なので俺は言った。

「閃光玉を投げまくって、コンガの足を止めようか」

 たけちーが同調した。

「ですね! 僕もそう思っていました!」

 俺たちはディアブロス討伐にでもいくかのように大量の閃光玉をアイテムポーチに詰め込み、闘技場に向かった。ちなみに武器は、俺がガンランス、江野本が狩猟笛、こーへーちゃんがハンマー、そしてたけちーはライトボウガンである。

 闘技場に飛び込む俺、たけちー、こーへーちゃん。江野本は狩猟笛を吹いてからになるので、どうしてもワンテンポ遅くなる。とりあえず計画どおり、めったやたらと閃光玉を投げまくってコンガの足を止め、ダイミョウザザミに襲い掛かった。そのうち、江野本も合流。ようやく、うまくいきそうだ。

 ところが。

 画面にいきなり「江野本が力尽きました」という予期せぬメッセージが表示された。と同時に、またまた「クエストを達成しました」の文字が……。「ぎょええええ!!」と江野本。いったい、どうなっとんねん……。

 今回、俺は徹底的に注意して立ち回っていたのでコンガ殺害の犯人ではないと断言できる。こーへーちゃんも「な、なんで??」と本気で戸惑っているので、身に覚えはないのだろう。なので俺はズバリ、“あの人物”を糾弾した。

「たけち!!! おめえの流れ弾が全部サルに当たってるんだろ!!! たけちのせいだたけちのせいだ!!」

 たけちーは悲鳴を上げた。

「うへえ!! ち、違いますよ!! 当たってない当たってない!!

 そして4回目。かつてはモンハンアスリートのひとりに数えられていたたけちーが本気になった。

「みんないっしょに闘技場に入ったら、僕が睡眠弾でコンガを寝かせます。そうすればダイミョウと立ち回っているところに乱入されないでしょうから。とりあえずダイミョウに気づかれないうちに、コンガを1ヵ所に集めましょう。いっしょに闘技場に飛び込んだら、左隅のほうに走っていってください」

 残る3人は「おお! さすがたけちよさん!!」ともろ手を挙げてたけちーの案に賛成し、うきうきしながら闘技場の人となった。

 しかし。

 首尾よくたけちーが2匹のコンガを眠らせたが、なぜか早々にダイミョウザザミに我々の動きが悟られてしまい、2匹のコンガが叩き起こされてしまった。けっきょく、いつもと同じ阿鼻叫喚の地獄絵図となりクエストは失敗(いや成功なんだけど)。メゼポルタ広場に戻ってくるなり、たけちーが江野本を非難した。

「ぎずもさん!! 闘技場に入るタイミングがワンテンポ遅いっすよ! ダイミョウに見つかったでしょう!!」

 いつもはいじられキャラのたけちーにいきなり追及されて、江野本はオロオロである。「は、はひ……。すんません……w」

 5回目。今度はなんとなくだが、うまくいったかのように見えた。しかしやはり、時が経つごとにコンガはばたばたと斃れてゆき、クエスト失敗(成功だけど)の影がよぎる。しかもまたまた画面に「江野本が力尽きました」の文字が表示されたすぐあとに「クエストを達成しました」というメッセージが現れたではないか……。俺は呆然としながら、チャットでこうつぶやいた。

……4匹目のサルって、えのっちのことなんじゃねえの……w」

 たけちーも追随した。

「これ、ぎずもさん討伐クエストだったんスね……ww」

 江野本、瞬時にグレムリン化した。

「しつれいな!!! サルといっしょにすんな!!!」

 江野本がサルかどうかの議論は置いておいて、このままではいつまで経っても先に進めない。コンガを避けて攻撃しようにも、ヤツらは勝手にこちらの攻撃の間合いに入ってきやがるので「あっ!!」と思ったときには武器が当たって「ハイ、ご愁傷様」ってことになってしまうのだ。どうにかして、コンガを引き離すことができれば……。

 しかしここで、俺はピンとひらめいた。誰かがコンガを引き付けることができたら不慮の事故は激減するのではないか、と。俺は言った。

「誰かがコンガを引き付けて闘技場の端っこのほうで逃げ回っていれば、ダイミョウザザミとの一戦に干渉しないんじゃないかね? 誰か逃げる役に立候補しない?」

 すると江野本が嬉々として、この案に乗ってきた。「ウチ、逃げる役やる!」。

 でもこれだけで十分とは思えなかったので、たけちーの睡眠弾作戦と併用することにした。しかし誰がやったのか知らないがそうそうに3匹のコンガが天に召され(苦笑)、残り1匹となってしまう。でもこのコンガはなかなかしぶとく、俺たちにダイミョウザザミ討伐のチャンスを与えてくれているではないか! しかし、いよいよシビレを切らしたのか、ダイミョウザザミと立ち回っている俺たちに接近してこようとした。俺は慌てて閃光玉を放り、ラストコンガの足を止める。ホッ……。これでしばらくは安心だぞ。見ると、ダイミョウザザミも地下に潜って、闘技場内に不気味な平穏が訪れている。こ、このチャンスを何としてでもモノにしたい! 最後のサルを大事にしないと!! と思ったところで、ダイミョウザザミの渾身の突き上げ攻撃が地面を割って飛び出してきた。ダイミョウザザミの攻撃の中で、もっとも注意しなきゃいけないのがこいつなんだ。装備が整っていないと、1発で昇天させられるほどの破壊力を秘めているんだよな。

 そしてこの一撃は見事、闘技場の中央で目を回していたコンガをピンポイントで貫き通して、一撃で息の根を止めてみせた。もちろんこれで、クエスト失敗(成功……ってしつけえ!)である。

「……」と俺。

「…………」とたけちー。

「………………」とこーへーちゃん。

「……………………」と江野本。

 どうやらこのクエストに完璧な解答は用意されていないようだ。

 このあと、「こうなったら爆弾に頼るしかない」と言って全員で大タル爆弾を持ち込んだり、「僕も攻撃力の高いハンマーでやります」とたけちーが武器を変えて臨んだりもしたが、どれも決定打にはならなかった。それでも、コンガやダイミョウザザミといった決して強くはないモンスターを相手にここまで熱くなれることがたまらなくおもしろく、俺たちはくり返しくり返しこのクエストを受注しては“惨敗”を刻み続けた。失敗することそのものが、おもしろくてしかたがなかった。

 そして、何回目の挑戦だったろうか。ついに俺たちはダイミョウザザミの討伐に成功した。江野本はやはりサルだったのか、うまいぐあいにコンガどもを引き付けてくれて、ダイミョウザザミと引き離すことに成功したのである。俺たちは喜びを爆発させた。

「うおおおお!! やったやった!!」と俺。

「やったーーーーーっ!! いけましたね!!」と江野本。

「信じられん!!ww」とこーへーちゃん。

「やっとこのクエストから解放される……w」とたけちー。

 こういった遊び心のあるチャレンジも、たまには悪くないね。

投稿者 大塚角満 : 17:12

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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