大塚角満の ゲームを“読む!”
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前回の続きです。
江野本ぎずもとふたりでクルペッコ、リオレイア、チャナガブルを難なく撃破し、いよいよ調子に乗ってきた逆鱗日和ファミリー。「オイオイ、もしかして俺たち、強いんじゃないのぉ〜?^^」と相好を崩し、何の危機感も持たぬままボルボロス討伐クエストも受注した。
じつはこのボルボロス討伐こそ、俺たちは自信を持っている。詳しくは絶賛発売中の『本日もただいま! 逆鱗日和』に書いてあるのだが、いち時期、俺と江野本はボルボロス討伐のタイムアタックを詰めていたことがあり、苦難の末に「ボルボロス、おそるるに足らず!!」という境地にまで到達することができたのだ(ちょっとオーバーだな)。
タイムアタックを始めた当初は、それはそれはたいへんだった。ボルボロスの動きが読めずに攻撃を食らいまくり、頭にきて斬りかかってもヤツは軽快なバックステップをくり出してハンターと距離を取ってしまう。ブチ切れたハンターは「うがああぁぁああ!!!」とどっちがモンスターなのかわからないほどいきり立って接近を図るもすぐに泥の飛礫をぶつけられて「シュン」となり、やっと攻撃が当たったと思ったらまんまと堅い脳天で、弾きモーションをしたところを猛タックルにさらわれて大ダメージを負う……。そんなことのくり返しで俺と江野本は本当にいち時期、心が壊れてしまっていた。ボルボロスの姿を見た瞬間、「ぎゃはははは!!!」と大笑いしてしまうほどに……(ホントにダイジョブか)。
それでもうまくできているもので、しつこく同じクエストをやり続けていれば必ず光の道が見えてくる。じょじょにボルボロスの攻撃を避けられるようになり、攻撃もびっくりするほど当たるようになって、とたんに俺たちは「ボルボロスって楽しい!!」というモードになった。それからは闘技場のタイムアタックだけでなく、一般のクエストでも喜んでボルボロス討伐に出向くようになり、かつてよく叫んでいた角満オリジナル格言「やることなければレウスかレイア!」はいつの間にか、「やることなければボルボロス!」に取って代わったのだった。
この日のボルボロス討伐も、非常に順調に進行した。武器は、俺がランスで江野本が太刀。江野本は対ボルボロスのときは必ず太刀を持ち出してくる。じつは『3(トライ)』どころか『2nd G』までひっくるめても、江野本が太刀を使うのはここだけ。ボルボロスのときだけ(『2nd G』にボルボロスはいないけどね)。理由は、「タイムアタックのときに使っていた武器が太刀だから」ってだけなのだが、太刀嫌いを公言して憚らなかったのにこのときばかりは「太刀って楽しい〜♪」なんて言うのだからオンナってわかりませんネ。ちなみに、俺はこのときはたまたまランスで行ったが、じつは江野本とまったく同じ理由でボルボロス討伐のときは徹底してスラッシュアックスを使います。
こんな感じで順調に回っていたボルボロス討伐だが、ある瞬間に突然、平和な日々に終止符が打たれた。そう、“あいつ”が現れたのである。泥んこ遊びをしていた3人を蹴散らすように、暗黒の闘気をまとったイビルジョーが乱入してきて狩場を混沌の深淵に叩き込んだのだ。
「ちょっと……。またイビルジョー!? 無理ムリむり!!」
と、江野本が悲鳴を上げた。それに対し、イビルジョーの追跡を振り払いながら懸命に俺が応える。
「“また”って、昨日のペッコ戦で現れたの、ジョーかと思ったらドスジャギィだったじゃねえかwww ……って、笑い事じゃねえ! 逃げろ逃げろ!! 無理! 絶対無理!!」
それにしても、逃げ惑いながらつくづく思ったが、このイビルジョーというモンスターは本当にデカい。十分ゴツいボルボロスも、イビルジョーが近くにいたらてんで形無しである。これを見て、リアル世界で見る食物連鎖の不等号が、いま自分の分身がいる『モンハン』世界にも厳然として存在することを否応なく思い知らされる。この場に現れた不等号は明らかに、
ブナハブラ<ハンター≠ボルボロス<イビルジョー
だった。どっからどう見てもイビルジョーは、何の準備もなく挑んで勝てる相手ではなかった。
そんなあるとき、イビルジョーが放った投石攻撃がボルボロスに直撃した。どうやら俺を狙って放たれた剛速球がビーンボールとなり、哀れなボルボロスに“流れ弾”として激突したようだ。「うは!!!www」と思わず吹き出す俺。しかも当たり所が悪かったのか、なんとこの一撃でタフなボルボロスがドゥと横倒しになってしまったではないか。衝撃の一発KOである。フラリと“野良の”モンスターが現れ、ハンターだけじゃなくほかのモンスターにも影響を与えるという『3(トライ)』ならではの風景。こういうことがフィールド上では起こり得る……ということは十分理解していたつもりだったが、モロにその光景を目の当たりにした俺のショックは大きかった。そして同時に、俺はある映像を鮮明に思い出していた。
それは、『3(トライ)』のオープニングムービーだ。
アプトノスの群れを追いかけるジャギィとドスジャギィの行列に、上空からいきなり襲い掛かるリオレウス。口から焔の滴を垂らしながらジャギィの群れをねめつけるリオレウスの眼前に、今度は海からラギアクルスが現れてその場を支配しようと目論む。バチバチの睨み合いを展開するリオレウスとラギアクルス。“両雄並び立たず”を絵にしたような対決シーンは、この世界の中には悲しいほど真摯な生き物たちの奪い合いが存在することを教えてくれているようで、ハンターの心を捕らえて止まなかった。それと同じシーンがリアルに、登場モンスターは異なりながらも眼前で展開されている……。俺は強く、心を打たれた。そして「上位のフィールドは本当に気の抜けない、オープニングムービーと同じ苛烈な生き物の世界なんだ……」と思い知らされた。
そんなカッコイイことを考えているうちに、イビルジョーの度重なる援護(?)のおかげもあってか、我々は25分ほどでボルボロスを討伐してしまう。うーん、なんて順調なんでしょう。この勢いで、つぎはベリオかガンキンか、それともラギアあたりを狩っちまうか!! コーフンしながら「つぎ、何やる何やる??」と迫る俺に向かって、江野本はシレっとこんなことを言った。
「おいどん、まだハンターランク38なので、こっから先は進めないっすw とりあえず、ポイント稼ぎ手伝ってくださいww」
しまった……。忘れてた!!! 上位のベリオロスやらウラガンキンのクエストは、ハンターランク40以上じゃないと参加もできないんだった!!
というわけでしばらくのあいだ、江野本のハンターランク上げ作業に従事します……。“ふたりでどこまでできるかな?”の続きは、またそのうちに……(苦笑)。
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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