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【MH3】第80回 ふたりの死角、ペッコの死角 

 ある夜。

 家でひとり晩酌しながらテレビ朝日の『お試しかっ!』を観ていたら、江野本ぎずもからメールが届いた。そこにはこんな一文が。

「あれえ?? 『3(トライ)』やってないんすか? “ふたりでどこまでできるかな?”をやりますよっ!!

 ……って、おめえが晩飯食ったらソッコーで寝てばかりいたからぜんぜんできなかったんだろが!! ……とは返さず、俺は「いまからつなぐー」とだけ返信していそいそとロックラックに向かって歩き始めた。

 “ふたりでどこまでできるかな?”とはその名のとおり、俺と江野本のコンビで上位の大型モンスターとどれくらい渡り合えるのかを試す、という企画だ。やろうやろうと話はしていたのだがナゼかふたりの足並みが揃わず、この日までペンディングされてしまっていたのである。でもようやく、ロックラックで顔を合わせることができたぞ。企画倒れ寸前だったが、これで一気に前に進むことができる!! 俺はうれしさのあまり、ロックラックの酒場の真ん中でウキウキとダンスを踊った。

 ではさっそく、クエストに行くとするか。江野本の「なにからやります?」という問いかけに対し、俺は「もちろん最初はペッコでえす!!」と力強く応える。上位とは言え、クルペッコはひとりでも余裕で討伐できてしまうが、久しぶりに『3(トライ)』に触る江野本のリハビリも兼ねて、クルペッコ先生にお世話になることにしたのだ。ちなみに武器は、俺が“仙石鎚【響】”、江野本が“アジダル・ハーカス剛”。ハンマーと片手剣だ。ハンマー×片手剣によるクルペッコ討伐は2009年の狩王決定戦予選に向けてさんざん練習したので、俺たちの立ち回りにまったく死角はない

 クエストが始まってすぐに、俺は最初にクルペッコがウロウロしているエリア7に向けて走り出した。一方、マップに映る江野本のカーソルを見ると、エリア7とはまったく違う場所でやたらとちょこまかと動き回っている。不審に思って、俺はたずねた。

「えのっち、そこで何してんの? ペッコがいるの、エリア7だよ?」

 すると突然、江野本のカーソルはピタリと止まり、7.4秒ほどの沈黙のあとにチャットウインドにつぎのような台詞が表示された。

……操作忘れちゃった……

 さっそく死角キターーーーーーッ!!! 俺は心から呆れ果て、「……」とだけ応えてクルペッコ戦に集中することにした(苦笑)。

 それでも、クルペッコを前にした瞬間に叩き込んだ蓄積がズルズルと記憶の底から引きずり出されてきたのだろう。江野本はタイムアタックのときと同じようなポジションに陣取り、ザクザクとクルペッコを斬り刻み始めた。こうなればこっちのものだ。武器が闘技訓練のクルペッコ討伐のときに持つア・ジダハーカ(麻痺属性の片手剣)の最終形態であるアジダル・ハーカス剛なので、かわいそうな気まぐれ鳥はビリビリとやたらと麻痺りまくる。おかけでハンマーの俺も非常に容易く頭ばかりを攻撃することができ、クルペッコにしたら悪夢としか思えない麻痺→気絶→麻痺→気絶……という地獄のレールに乗せることに成功する。しかし、そこはクルペッコ。タダではやられない。いきなり、「よよよよくも好き放題にやってくれやがったな……。い、いま怖いの呼んでやるど。あああ謝ったって遅いかんな!!」と言うやいなや、ブオオオオ!! と必殺の“鳴きマネ”を炸裂させて大型モンスターの援軍を要請したではないか!! この様子を見て、俺は叫んだ。

「やばい!! イビルジョーが来るかも!!」

 江野本も悲鳴を上げた。

「もうちょっとなのに!! なにこのトリ!!

 逆鱗日和コンビは恐慌を来たし、「ヤバイヤバイ!」、「ジョーが来るまでに狩らないと!」とかなんとかわめきまくりながら、必死になってクルペッコを追い回す。しかし、そう簡単に事は運ばず、俺と江野本の背後に別のモンスターの気配が……。キ、キタ……。イビルジョーだ!!! 若干チビりそうになりながら、同時に振り向くふたり。すると……!!

「うは!! ドスジャギィか!!w ビビって損した!!www

 そう、瀕死のクルペッコが呼び寄せたのは、鳴きマネで現れる大型モンスターの中では最弱と思われるドスジャギィ。これには、決死の覚悟で援軍を要請したクルペッコがいちばん驚いたことだろう。

「おおお、おめえじゃねえよ!!!」

 てな感じで(笑)。狩りにはいたるところに死角がある。

 ドスジャギィの顔を見てすっかり安心した俺と江野本は、落ち着いてクルペッコを料理した。クエストに要した時間は5分程度だろうか。余裕もいいところの勝利である。

 この勢いに乗って、俺たちは続けざまにリオレイア、チャナガブルを撃破。特筆することは何もないくらい順調な狩りで、ちょっと拍子抜けしてしまったくらいだ。さらに俺たちは調子に乗って、「こいつもやっちまおうぜ」と言いながらボルボロス討伐にも出向く。対ボルボロス用の立ち回りもふたりでさんざん練習したので(詳しくは発売中の新刊『本日もただいま! 逆鱗日和』を読もう!)、今度こそ俺たちに死角はない。……ない、はずだった……。

 長くなったので、続きは次回〜!

※緊急告知! またまたイベントやっちゃいます!!※
 1月22日に無事、『逆鱗日和』シリーズの最新刊『本日もただいま! 逆鱗日和』が発売になりました〜! シリーズ本編としては1年2ヵ月ぶりの発売となる本書ですが品切れになってしまっている書店も多いらしく、ありがたいやら申し訳ないやらでホントになんて申してよいやら……。
 さて! そんな『ただいま!』の発売を記念しまして、『逆鱗日和』の新刊発売時にはおなじみとなったイベントを開催することになりました!! ひさびさに読者の皆さんの前に生身をさらすことになるイベントです! 現在必死こいてダイエットしています!!w 詳しくは2月上旬にこの場でお知らせしますので、ぜひぜひお見逃しなくー!

投稿者 大塚角満 : 14:21

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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