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大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MH3】第71回 牙は、どこに行った

 ハンター100人に対して「『3(トライ)』になって劇的に地位が向上した素材アイテムとして真っ先に思いつくものは?」と質問をしたら、どんな答えが返ってくると思いますか? これもう、俺の中での答えが決まりまくっているものなのでアレコレと思考を巡らせてもあまり斬新な回答は出てこない。なのでいつものクダラナイたとえ話はやめて単刀直入に思うところを発表してしまおう。『3(トライ)』で地位向上した素材アイテムトップ3は、間違いなく以下のものだ。

1位 雷光虫
2位 カクサンデメキン
3位 クモの巣

 これを見て数十万人の『3(トライ)』ユーザーが「うん、そのとおり!!」、「こう思っていたのは俺だけじゃなかったんだ!!」ともろ手を挙げて大賛同したに違いない。本当にこの3素材は、いきなり大貧民が大富豪に、紙飛行機がスペースシャトルにステップアップしたってくらい、驚くべき急成長を遂げた……というか、その存在価値が急上昇したのである。

 とくに、1位の雷光虫だ。こやつの地位向上っぷりはちょっと空恐ろしいものがある。ここでは便宜的に1位、2位、3位……と順位をつけているので、なんとなく「この3素材はきっとデッドヒートをくり広げているんだろうな」と思われそうだが、じつはさにあらず。1位と2位のあいだには決定的な開きがある。競馬で言ったら、2位のカクサンデメキンがようやく第三コーナーを回るころには1位の雷光虫はゴール板を駆け抜けており、「ライコウチュウ! ライコウチュウ!!」というファンの熱烈なコールに包まれながらウイニングランをしている……ってくらいの状況だ。……なんだか、たとえ話を書けば書くほど意味がわからなくなるという不思議なことになってしまっているが(苦笑)、とにかく2位以下なんてどうでもいいほど、雷光虫はぶっちぎりで存在価値を高めたのであります。

 ではなぜここまで、雷光虫は注目されるようになったのか? それまでも雷属性の武器を作るときなどにさりげなく要求され、「あれ……。雷光虫が必要なのかよ。1匹もいねえ……。しかたない、捕りにいくか」ってことになって虫あみを抱えてわっせわっせと森丘やら樹海やらを駆け回ったものだが、武器を作るときに必要となる雷光虫の数なんてたかが知れているので“雷光虫=重要素材”という公式はなかなか成り立たなかった。雷光虫なんかよりも圧倒的に光蟲のほうが素材としての地位が高く、同じ“光”を掲げる虫族の一員として雷光虫はつねに肩身の狭い思いをしていたのである。

 しかし『3(トライ)』で、素材カーストの根底はガラガラと崩れた。光蟲と雷光虫の地位を逆転させるほどに。その原因はただひとつだ。

 雷光虫がシビレ罠の素材に大抜擢されたから。

 これに尽きる。

 シビレ罠はご存じのとおり、ほとんどの大型モンスターの動きをしばらくのあいだ封じることが可能な、ハンター必携の頼りになるアイテムだ。これを生産する調合レシピは、『2nd G』までは“トラップツール×ゲネポスの麻痺牙”がモンハン世界の常識だったのだが(トラップツール×麻痺袋、ってのもあったなぁ)、あいにく『3(トライ)』にはゲネポスがいない。ゲネポスの麻痺牙なんて、ゲネポスやドスゲネポスを狩ってりゃうるさいくらい剥げるし、狩りをせずともお店にいけばじつに安価で売ってもいる。行商ばあちゃんの半額セールの日なんて1本あたり40ゼニーしかしないので、なんの躊躇もなく200本、300本といった個数をまとめ買いすることができた。どっちかと言えば1個あたり200ゼニーかかるトラップツールを見て「高ぇなぁ……」と思っていたくらいである。

 しかし、いくら便利な牙を引っこ抜こうと思っても『3(トライ)』にはゲネポスはいない。でも、ゲネポスの麻痺牙がないからって利便性の高いシビレ罠を廃止にすることはギルドの人間も調合屋のおっさんも本意ではなかったのだろう。何かしらの代用アイテムでシビレ罠を存続させなければいけない……ってことで白羽の矢が立ったのが雷光虫だったってわけだ。

 ところが……。

 雷光虫は、ゲネポスの麻痺牙ほど生易しい素材ではなかった。そう。気安く手に入らないのである! 確かに、フィールドに飛び出して虫あみを振るっていれば、毎回2匹とか3匹くらいは雷光虫をとっ捕まえることができるであろう。しかしこのペースだと、クエストに出て大型モンスターと対峙したら兎にも角にもシビレ罠を作りまくらないと安心できないチキンな俺では、すぐに雷光虫不足に陥ってしまうのだ。

 そこで、俺は考えた。なんとか楽をして雷光虫を手に入れてくれようと。まず俺はロックラックに出向き、『3(トライ)』から導入されたアイテム交換所ににじり寄って手持ちの何かと雷光虫を交換しようと試みた。しかし、俺が見た限りでは雷光虫は交換リストに上がってこなかったのであえなく断念。となれば、ここは原点に戻ってモガの村に引き返し、農場やら交易船を活用して雷光虫セレブになろうと思い立つ。が、残念ながら農場の虫箱には雷光虫は寄り付かないことが判明。唯一、交易船を利用すれば雷光虫と特産品を交換することが可能だが、雷光虫を5匹もらおうと思ったらかなりの量の特産品を渡さねばならず、いまいちレートに納得ができなかったのでこちらもあまり使っていない。うーん、こいつはどうしたものか……。

 と思っていたある日、女子大生ハンターのKちゃんに「ロックラックの素材屋でときたま、雷光虫を売っているよ」と教えてもらった。なーんだ、売ってるんじゃーん^^ 金で解決できるなら、それでいいんだよお^^ ゼニーだけは潤沢に持っているんだ。俺は雷光虫が売っている日を見定めてロックラックに突入し、「とりあえず、1000匹買ってくる!!」とKちゃんに宣言した。するとKちゃんは大慌てで「ちょっとちょっと!!」と俺を制してから信じられないことをのたまった。

雷光虫、1匹700ゼニーもするんだよ?w たまーに半額で売られているけど、それでも350ゼニー……。そんな値段やけど、本当に1000匹買うん?w」

 な、ななひゃくぜにぃ?? は、半額でも、さんびゃくごじゅうぜにぃだって???

 俺は、極端に数字に弱い脳ミソをフル回転させて、1匹700ゼニーの雷光虫を1000匹買うために必要なお金を導き出そうと努力した。しかし、数字が大きすぎて答えに到達することができず、超優秀な理系脳を持つKちゃんに助け舟を出した。

「えーっと、1000匹買ったら、いくらになるのん?? 俺、何も買わずにコツコツお金貯めてたから、けっこう持ってるよー」

 笑いを堪えながら、Kちゃんがスラスラと答えた。

「1匹700ゼニーだとしたら、1000匹買うのに70万ゼニー必要やねw 半額でも35万ゼニー。それでも、買っちゃうの?w」

 な、ななじゅうまんぜにぃ……。は、半額でも、さんじゅうごまんぜにぃ……!!

 俺はシュンとしてお財布からなけなしの7000ゼニーを出し、素材屋に「雷光虫、10匹だけくだちゃい……」と消え入るような声で告げた。そしてその日からクエストに出向く俺のアイテムポーチには必ず、虫あみと虫あみグレートがこっそりと忍ばされるようになった……。

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投稿者 大塚角満 : 18:14

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。

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