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【MH3】第56回 モンハンフェスタ`09札幌大会 全部まとめてリポート!

 今回の札幌行は、呪われていたとしか思えない。

 まず、札幌に向かう前日の金曜日。会社に、最近すっかり凝って肌身離さず持ち歩いているコーヒー用タンブラーを忘れた。

「飛行機の中でおいしいコーヒーを飲もうと思っていたのに……」

 取りに戻るのも面倒だったのでそのまま帰宅。家に帰ったら江野本ぎずもとロックラックで落ち合うことになっている。ふたりとも同じタイミングで上位に上がるための緊急クエストが出ていたので「最後の地区大会のまえに上位ハンターになろう!」と話していたのだ。ところが、深夜に帰宅したこともあって、俺はそのまま寝てしまう。江野本から朝の4時半に「もう、寝ます……」というメールが届いていたことに気づいたのは、翌土曜日の正午だった。

「やばい! 飛行機に乗り遅れる!」

 慌ててカバンに着替えや取材道具、そしてWiiを1セットぶち込み、江野本に「札幌のホテルからロックラックに行くから、緊急クエストやろう!」とだけメールして電車に飛び乗る。ところがそのWiiが空港の手荷物チェックで引っかかり、衆人環境下でWiiはおろか、カバンに入れておいた育毛シャンプーなどもすべてさらすという辱めを受ける。それでもなんとかお許しをいただき、札幌へ向かう機上の人となった。

 そして札幌。新千歳空港から札幌市へ向かう快速電車の中で、泊まるホテルの資料をなんとなく眺める。最近のビジネスホテルは高速インターネットが無料で使えるところがほとんどなのでありがたい。今回泊まる宿ももちろん、そういうところを選んだ。えーっと、場所は……って、アレ? 泊まる日付が10月11日ってなってるけど、これでいいんだっけ? た、確か今日は……。

 10月10日……。

 やべえ!! 泊まる日を間違えた!! 慌ててコソコソとホテルに電話し、「日にち、間違っちった^^; 明日の予定を今日に変更してくだされ^^」と猫なで声で告げる。ところが返ってきた返事は「3連休の初日に、ここ観光都市札幌でいまさら部屋が空いてるわけねえだろwwwww」というつれないもの。俺、さらに慌てて携帯電話で宿泊ガイドにアクセスし、10月10日に札幌市内で泊まれるホテルを検索した。ところが……。

 1軒もない……。

「ひぃぃぃいい!!」というリアル悲鳴をあげながら別のサイトを出し、祈る思いで検索をすると1軒だけ、1泊15800円という予算10000円オーバーの宿に泊まれることを突き止めた。しかたねえ……。予算オーバーの分は自腹になるが、もたもたしているとここもすぐに埋まってしまうに違いない。俺は「10000円あれば2回飲みにいけるのに……」と泣きながら携帯電話を操作し、当日予約を入れた。その宿は駅からちょっと離れていたので、タクシーで移動する。すると突然タクシーの中で、見知らぬ番号から着信が。不審に思いながらも電話に出ると……!

「大塚様、ご予約ありがとうございます……。じつはご予約いただいたお部屋、コンピューターの誤作動で予約完了になってしまいましたが、じつはもう、満室なのです。申し訳ございません……」

 あーはいはい。そーですかそーですか。まあそういうこともあらあな……ってどうすんだよ俺!! たまらず、電話の向こうのホテルの人に泣きついた。「そ、そこをなんとか! 布団部屋でもいいから泊めてくださいぃぃ!! オバケさえ出なければなんでもいいですからぁああ!!」。すっかり薄着で来てしまった俺に、10度の気温と土砂降りの雨の中で宿泊先を捜すのはキツすぎる。するとホテルの人は「そう思って、ウチの目の前にある別のホテルに確認したところ、お部屋が空いているそうです。お値段は11000円とのことですが、よろしいでしょうか?」とうれしいことを言ってくれるではないか!! 俺は「ありがたいです! むしろお宅が満室でよかったです!!」と失礼なことを言い放ち、無事風俗街のど真ん中にあるキレイなビジネスホテルに泊まったのでした。

 で、翌日。

 チェックアウトを済ませて会場に行き、取材道具を旅行カバンから手提げ袋に移しているとき、録音用のICレコーダーが紛失していることに気がついた。ひぃぃぃぃ! 今日の取材、全部メモだけで対応しなきゃいけないの!? ……というわけで今回のリポートは、すべてメモをもとにして書き起こした、非常にアナログなものになります。……って、いつもそうなんだけどな。

 しかし我ながら、なんて長い前フリなんでしょう。でもこれ、モンハンフェスタ`09地区大会のリポートがこれで最後になってしまうことの寂しさを紛らわせる意味もあるのです。書いたら終わっちゃうよー……。毎年毎年、地区大会の最後はこういう気持ちになるんだよなぁ……。

 というわけで、モンハンフェスタ`09最後の地区大会、札幌会場のリポートです! 速報でも書いたがこの日はじつに変な天気で、開場まえから会場のまわりは強風が吹き荒れ、突然大粒の雨が降ってきたかと思ったらいきなり青空が広がり、あーよかったよかった……とニコニコしながら上空を眺めていたらその脳天に雹がぶち当たる……という、ここはギアナ高地かキリマンジャロかと言いたくなるような不思議な天候でありました。それでも朝から1000人もの人が会場のまわりに列を作り、最終的な来場者はじつに3300人に! 昨年比1.5倍という驚異的な集客となったのでした。そんな会場の模様を写真で見てみましょー。


▲早朝から月寒アルファコートドームのまわりにはご覧の行列ができた。しかし、気温は低いわ風は強いわ大粒の雨は降るわでたいへん……。来場者の皆様、お疲れ様でした!


▲看板娘そろい踏み! どの会場でも笑顔を絶やさず、来場したハンターたちを癒しまくっておりました。まさに看板娘の働き! お疲れ様ー。


▲北の大地に、頭骨標本がよく似合う。


▲『2nd G』のリアル集会所はご覧の混みよう。『2nd G』の女子ハンタータイムアタック、親子ハンタータイムアタックも盛り上がっていましたよ!


▲ファンにサインする藤岡ディレクター。フェスタごとに描いてくれるイラストが変わる藤岡さんのサイン。『3(トライ)』がテーマの今回は、かわいいチャチャを描いてくれていたんです! もらえた人はラッキーですなあ。

 さて最初はモンハンフェスタ名物の人気コーナー、開発者チャレンジクエストだ。おなじみ、『3(トライ)』の辻本良三プロデューサー、藤岡要ディレクター、小嶋慎太郎アシスタントプロデューサー、木下研人メインプランナー、『2nd G』の一瀬泰範ディレクターによるゆるーいステージである。良三さん、藤岡さん、一瀬さん、研人さんの4人がプライベート装備で『3(トライ)』に出てくるモンスターに挑戦するわけだが、今回のお相手は……。

「ここは北の大地。ってことで、北海道にはリアルにいそうなモンスターである凍土の主、氷牙竜“ベリオロス”に挑みます! 今回の討伐に成功すればチャレンジクエストは3勝2敗で勝ち越しですからね!!」

 とチームリーダーの研人さん。これを聞いたMCのウサミスが「最後くらいがんばってほしいですね!」と突っ込んだことに対し、藤岡さんが「いつもがんばってないみたいじゃん!」と気色ばんだのが笑えました。

 さて、ベリオロスに挑む4人の装備をざっと列挙すると、まず一瀬さんはベリオロスの氷属性への耐性が高いギギネブラの防具一式に、武器は麻痺攻撃が自慢のスラッシュアックス、バンカーバスター(もしかしたらバンカーバスター改だったかも)。研人さんもギギネブラの防具に、武器は「火炎弾が強いので」ということで火竜のボウガン。藤岡さんはランサー垂涎のガード性能、ガード強化のスキルが発動するアグナコトルの防具に、同じくアグナコトルの素材から作るランス、スパイラルヒート。そして良三さんは……なんか中途半端な防具でよくわからなかったんですけど!!ww そこでいまメールで良三さんに確認したところ、「腰がリノプロ、足がブラックレザーで、あとは何もつけてませんw」とのこと。武器は一応、火属性のスラッシュアックスでした。スラッシュアックスを持ってきた理由は、「練習したかったんだよねー」だって。この発言に対し一瀬さんが「そんなの会社でやってくださいよ(苦笑)」と、じつにまっとうな突っ込みを入れていました。

 しかし今回の相手はベリオロス。しっかり準備をしないと15分という制限時間内のクリアーは難しそうだ。ということで良三さんのおごりで、ロックラックの酒場で4人が食事をすることになった。すると良三さんは、「テキトーでいいよね!!」ってことで、なんと酸素アップと火耐性アップの効果が出る食事を選択!! しかもネコのスキルは運搬の鉄人!!w 「いらねーよこんな効果!!」(藤岡)、「運搬なんかしませんよ!!」(研人)と、最初から“モンスター寄りのハンター”こと良三さんに振り回されまくるのであった。

 そんなこんなで始まったベリオロス討伐だが、チームリーダー研人さんは「ベリオロスは翼にトゲがあります。このトゲを壊すと雪原で踏ん張りが利かなくなるので先に壊しましょう! 僕が眠らせるので、爆弾を翼のまわりに置いてくださいね!」とじつにまっとうな作戦を披露! 藤岡さん、一瀬さんは「了解!」と言い、ベースキャンプを飛び出した。しかし良三さんはやたらとスラッシュアックスを振り回しているだけで何も聞いておらず、5分後に「え!! どうすりゃいいの!? なんか作戦ないの!?」とまったく空気を読まない発言をして、来場者からも「さっき言ったじゃん!」と突っ込まれておったよ。

 それでも狩りは始まるもの。4人のハンターとベリオロスは、凍土のエリア6に集結した。するとお約束のように突然、そこに白い霧が立ち込めてくる。まあこれ、“大阪のミスタースモーク”こと良三さんが投げたケムリ玉のせいなのだが、いつもにも増して効果がすごいような……。


▲凍土が吹雪き始めています。でもこれ、まだ視界が良好なほうで、良三さんが本気を出してケムリ玉を投げ出した後半は、画面が本当に真っ白でした……。

「吹雪いてますよ!!」と良三さん。ちょうどそのころ、ほかの3人は研人さんの作戦どおり睡眠→大タル爆弾のコンボをやろうと思っていたからタマラナイ。画面が真っ白でベリオロスが寝たのかどうかもようわからず、けっきょく爆弾は誤爆するハメに(苦笑)。しかし自分のせいで作戦が水泡に帰したにも関わらず、良三さんはなぜか「閃光玉とか、投げてほしい??」と上から目線な発言。加えて、凍土のエリア6には広い高台があるが、狩場が低地になったのを見た良三さんはここに上り、うなずくボディーアクションをしたまま「その作戦、いいよいいよ!」、「みんな動きが硬いな!」としゃべってるだけという……。藤岡さんに「せめて粉塵くらい飲め!」と言われてもそ知らぬ顔を決め込むのであった。

 それでも、こんなことばかりしていたらバチが当たるのは当然のこと。ベリオロスが移動する直前に良三さんが置いてしまった大タル爆弾の近くを、忘れたころにのこのこと置いた本人が通りかかったとき、ボウガンの研人さんが狙い済まして発砲!! 「うわ!!!」という悲鳴とともに良三さんは火ダルマとなって吹っ飛ばされ、なんと体力は残り1ミリwww 「やった!!」と研人さん。拍手喝采が沸き起こる会場。これまで各地区大会でさんざんクエストを邪魔されてきた研人さんが、良三さんに一矢報いた瞬間だった。

 しかしこんなことで懲りない良三さんがさらに狩場にケムリ玉を放り、どのハンターの画面も真っ白に……。あまりにも多く投げすぎて良三さん自身が「ヤバい!! 何も見えへん!!ww」と絶叫する有様。凍土は背景が白いうえにベリオロスも白いモンスターなので完全にカモフラージュしてしまったようだ。でも残り3分ってところでなんとか討伐には成功。ステージ終了後に良三さんを捕まえて、「アナタ、ケムリ玉投げすぎだからw」と言うと良三さんは腹を抱えて笑い、「なんたって調合分まで持っていったからね!!w」と元気に発言。アナタにゃ負けました(苦笑)。

 こうして、地区大会5会場で行った開発者チャレンジクエストの戦績は3勝2敗。辛くも開発者の面目を保ち、舞台はつぎのステージとなった。そう、『3(トライ)』に出てくるモンスターの生態を藤岡要先生が解説してくれる“教えて藤岡先生!”のコーナーだ。今回は北の大地札幌ということと、開発者チャレンジクエストの余韻を引き継ぐ感じで“凍土のモンスター”の解説が行われた。

◆ベリオロスの生態

小嶋助手 もっとも特徴的な“牙”について教えてください。
藤岡先生 ベリオロスの牙は非常に鋭利で、刃物のようになっています。これは獲物を捕獲したらまず最初に、脂肪やビタミンなどを摂取できる内臓を食べるときに都合がいいように進化したためです。ベリオロスは寒い地方に棲んでいるので、最初にエネルギー効率のいい要素を摂れる動物の内臓から食べる。そのとき、ナイフを扱うように牙を使って動物の体をさばくのです。また凍土に棲む草食種はポポのように長い毛で体が覆われているものが多い。これらを捕獲して食べるときにも、刃物状の牙が役に立つのです。
小嶋助手 もうひとつ、翼についているトゲも気になります。
藤岡先生 ベリオロスはす速く動くわりに身体が大きい。この身体を、足場が悪い凍土できびきびと動かすために、翼についたトゲをスパイク代わりに使うんです。これにより滑る場所でも俊敏に動けるのですが、逆にこれを壊されると踏ん張りが利かなくなって体勢が崩れやすくなるんです。

◆ギギネブラの生態

小嶋助手 ツッコミどころ満載のモンスターですが、やっぱり気になるのはギギネブラが吐き出す毒。これが作られる仕組みは?
藤岡先生 見るとわかりますが、ギギネブラの身体はところどころが光っています。これは“毒腺”と言われる器官で、ここで毒を生成しているんです。そしてこの毒は、獲物を食べるときに使います。ギギネブラは捕らえた獲物はすぐには食さず、毒で腐食させる習性があるんです。腐食させ、巣に運んだ獲物は凍土の寒さで冷凍されますが、これを口に生えたヤスリ状の歯で削りながら食べる。……食ってるところは見たくないモンスターですね(苦笑)。ちなみに、身体が光るのは「俺は毒を持っているぞ! 無闇に近寄るなよ!」とまわりの生き物に知らせる“警戒色”でもある。怒ったときに身体が黒くなるのは、興奮して一気に毒が身体を巡るからです。
小嶋助手 ギギネブラは、どっちが頭なんですか?
藤岡先生 これは擬態をしているのでわかりにくいですよね。頭が急所なので見分けにくくなっているんです。見分けかたは、ちょっと暗いほうが尻尾、と覚えておいてください。
小嶋助手 狩っている最中に卵を産むのも気になります。
藤岡先生 ギギネブラはフルフルと同じく雌雄同体でオスメスの区別はなく、尻尾のほうから産卵します。卵は泡状の物質に包まれた“卵塊”というものですね。
ウサミス 卵から産まれるギィギがかわいいですよねー♪ フルフルも好きなような気がしていたんですけど、ギィギを見て確信しました(はぁと)。
藤岡先生 ギィギがときたまハンターに吸い付きますが、このとき、血を吸われています。ギギネブラは血液を生成して毒を造っているんですけど、産まれたばかりのギィギは血液も少ないのでたくさんの毒を造れません。そこでほかの生き物の生血を吸って毒を造る。血を吸って大きくなったギィギが毒を吐くようになるのはそのためです。
ウサミス カワイイからぜんぜんいいです♪
藤岡小嶋 ……。

◆大砂漠を走る砂上船について

藤岡先生 ジエン・モーランという巨大な古龍が大砂漠に現れたときに乗る船で、撃龍船と呼ばれます。デカいモンスターを相手にするので非常に頑丈、しなやかで、フレームはモンスターの骨を加工して作ってあります。使われている木も堅く、しなやかで、古くから伝わる大切な気を使って作ってあるんです。そして撃龍船には武器が搭載されています。撃龍槍、バリスタ、大砲、大銅鑼。この中の大銅鑼ですが、ジエン・モーラン討伐では、まずこのモンスターを捜すところから狩りが始まります。小さなサポート船がクエストに同行しますが、ジエン・モーランを発見したらこの大銅鑼を鳴らし、ほかの船に知らせるようになっているんです。また、モーランは聴覚が発達しているので、船に接近したときに打ち鳴らしてひるませることができます。


▲かっちょいい撃龍船の秘密も語られた。

 うーん、今回もじつにタメになったなあ。

 このあと、ステージではケータイサイト“モンハン部”の紹介、来場者を壇上に招いてのチャレンジクエストなどが開催。クルペッコ、ボルボロスを相手に北の大地のハンターが大暴れした。

 そして、気になる狩王決定戦札幌地区大会の予選の結果が発表に! 今回はこのまま一気に書いちゃうぞ! 速報でもアップしたが、予選を通過した8チームと入賞2チームは以下のとおりだ!

1位 P&K 1分33秒

2位 北国蒼翠〜SOU・SUI〜 1分35秒

3位 ハマーのごとく 1分38秒

3位 チーム最北端 1分38秒

5位 ファミ通王闇鴉 1分41秒

6位 怪盗電波ジャック団 1分50秒

7位 有効気管 1分57秒

7位 彩鳥禁猟区 1分57秒

9位 YASYA 2分00秒

10位 ぽてと!?(笑) 2分11秒


▲予選を勝ち抜いた8チーム!

 東名阪の大会と比べると予選参加チーム自体が少ないので記録は落ち着いているが、話を聞くと「北海道にだって本気でタイムアタックをしているハンターがいることを知ってほしい!」という気合に漲っているチームも! 惜しくも予選突破はならなかった9位のYASYAもそんなチームのひとつ。覚えている方もいるかと思うが、彼らは昨年のモンハンフェスタ`08で北海道代表になったチームだ。当時、まだ中学2年生だったふたりはグンと背も伸び、すっかり大人びていた。拙著『角満式モンハン学〜ハンター編〜』にも投稿してくれていたので、予選終了後に彼らを見つけて話しかけてみる。すると彼らははにかみながらも、「去年は運で北海道代表になったんですけど、今年はきっちりと練習できたので実力で代表権を勝ち取りたかった!」と本当に悔しそう。決勝の種目であるラギアクルス討伐では2分7秒なんていうタイムも出ていたそうで、「本当に悔しいです!」と大人になりかけの男っぽい表情で話してくれた。きっと彼らは、優秀なタイムアタッカーになるだろうなあ。

 そんな熱いハンターの上をゆく8チームで行われた決勝ステージだが、全チームが太刀・太刀の組み合わせで挑む“ガチンコバトル”となった。太刀・太刀だと圧倒的な火力でねじ伏せることも可能だが、引いたラギアクルスの機嫌しだいでいいタイムにも、悪いタイムにもなる。要はその日の運次第って部分も多いので、まあ一発勝負のこういう舞台で選択するにはもってこいの武器、という気もする。しかしこれまでの地区大会を見てみると太刀・太刀での作戦の骨子は、まず眠り投げナイフでラギアを眠らせ、ひとりがシビレ罠を設置している最中にひとりは背中を攻撃して起こし、ひとつ目のシビレ罠の効力が消えたらもうひとつを……というものがほとんどだったようだ。


▲全チームが太刀・太刀のコンビでラギアクルス討伐に挑んだ札幌大会決勝ステージ。

 このような背景があるなかで、札幌大会ではひとつのチームがおもしろいことをやってみせた。予選を1位で通過したP&Kだ。じつは彼らが予選を終えたあとに話しかけられて、「決勝に進出できたら、ちょっとおもしろい立ち回りをお見せできると思いますよ」と言われていたのである。そんな彼らがやってみせたのは……なんとアイテムをひとつも使わないでラギアクルスを圧倒する立ち回り!! ふたりともこれ見よがしにアイテムカーソルは眠り投げナイフにしてあるのに、なぜかひとつも投げないし、シビレ罠も使用しないのである! ステージで解説していた藤岡さんもこれに気づき、「僕の見間違いでなければ、彼らはひとつもアイテムを使っていないですね……。これは驚いた」とビックリ仰天。俺は彼らのオリジナリティー溢れる立ち回りを見て、モンハンフェスタ`08名古屋大会で全国のハンターの度肝を抜いたEffort Cristalのシンクロプレイを思い出していたのだが、それくらい、彼らのやったことは鮮烈だったのである。しかも、タイムも速そうだった!

 そんな、個性的なハンターも参戦した見所ある札幌大会決勝ステージの結果は!!

1位 ハマーのごとく 3分01秒 太刀・太刀

2位 有効気管 3分21秒 太刀・太刀

3位 P&K 3分26秒 太刀・太刀

4位 彩鳥禁猟区 4分00秒 太刀・太刀

5位 ファミ通王闇鴉 4分18秒 太刀・太刀

6位 北国蒼翠〜SOU・SUI〜 4分20秒 太刀・太刀

7位 チーム最北端 4分26秒 太刀・太刀

8位 怪盗電波ジャック団 6分18秒 太刀・太刀


▲札幌からは2チームが10月25日の決勝大会に進む。おめでとうございました!

 終始安定した立ち回りを見せたハマーのごとく、有効気管の2チームが見事、10月25日に行われる決勝大会への切符を手にした! 個性溢れるP&Kは3位にランクイン。いやあ、じつにおもしろかったよ札幌大会も!

 そして大会終了後、優勝したハマーのごとくのtaさん、Dさんにインタビューを敢行したぞ。

大塚 優勝、おめでとうございます! 決勝で出した3分01秒という記録は、ふたりからするとどんなものなんですか?
ta 一発勝負のステージで、ということを考えると、それほど悪いタイムじゃないと思います。
D そうですね。決勝まえから「これくらいのタイムが出ればいいね」と話していたタイムと大差なかったので、上出来だと思います。
ta ウチら、練習のときの最速も2分17秒どまりなんです。それを考えればよかったなと。
大塚 予選の1分38秒というタイムは?
ta まあまあ……ですかね。
D これも、札幌の予選突破ラインを考えて「1分30秒台でまとめたい」って話していたところで出たタイムだったので、よかったと思います(笑)。
大塚 いいほうに回ってたんだねえ。ってことは、緊張もせずにできたと?
ta いやいや! 緊張してましたよー(苦笑)。
大塚 でもこれで、全国大会ですね!
D そうですねー。いまから緊張します……。
大塚 ライバルになりそうなチームって、どこかありますか?
D いや、僕らは全国的に見ればクルペッコもラギアクルスもタイムがよくないじゃないですか? なのでライバル以前に、腕を磨かないと。帰ってちょっと休んだら、すぐに決勝へ向けた練習を始めます。
ta 緊張して、疲れました……。決勝大会のポイントとなるのは、やっぱり1回戦のロアルドロス討伐ですね。僕ら、あまりロアルドロスは得意じゃないので。まずは、ここをなんとかして1回戦を突破しないと!
大塚 1回戦を突破できるの、いきなり4チームだけだしねぇ……。
D えええ! そんなに少ないんですか!! 知らなかった(苦笑)。
大塚 いきなり狭き門ですけど、がんばってくださいね!(笑)


▲優勝、準優勝のチームが記念撮影。決勝大会で北国旋風を巻き起こせるか!?

 そして、モンハンフェスタ`09の地区大会は幕を下ろした。片づけが進む会場で行われた終礼を聞いていると、カプコンのイベント担当のOさんがステージで「昨年を大幅に上回る32300名の皆さんに来場していただけました!!」と感激の面持ちで宣言していた。隣にいた藤岡さんを見ると、「よかったぁ……」と安堵の声でつぶやいている。そんな藤岡さんに、終礼後に話しかけた。するとモンハン世界の守り人は感慨深そうな表情で静かに語った。

「去年までのフェスタがものすごく盛り上がっていましたけど、『3(トライ)』がメインとなる今年はどうなるのか、正直想像できませんでした。それが、過去2回よりもたくさんの人が来場してくれたうえに、多くの人が「『3(トライ)』でモンハンデビューしました!」と言ってくれたんです。本当に、うれしかったなぁ……」

 そして良三さんは俺の顔を見るなり、「大塚さん、“福岡の暴走ランサー”覚えてる!?」と聞いてきた。もちろん、忘れるわけがない。こちらの記事に詳しいが、昨年のモンハンフェスタ`08の福岡大会で俺と良三さんといっしょにチャレンジクエストを行った、傍若無人な少年ランサーのことである。「もちろん覚えているけど、それがどしたの?」と聞き返すと、良三さんは弾けんばかりの笑顔でこんな報告をしてくれた。

「じつはね、このあいだの福岡大会の会場で少年に話しかけられたんですよ。「プロデューサー、俺らのこと覚えてる?」って。それがね、去年の暴走ランサーだったんよ! 「ああ!! 覚えてる覚えてる! 暴走ランサーやろ!!」って言ったら、すごくうれしそうに笑ってくれて。でも1年も経ったから、彼ら、すごく背が伸びていたんです。それを見て初めて、(モンハンフェスタも歴史ができてきたんだなあ)って実感したんですよね」

 人気シリーズとして定着し、さらにプレイヤーの裾野を伸ばしているからこそこういった全国規模のイベントを行うことができる。そして開催した結果、過去2回よりも大幅に多い来場者を招くことが実現でき、福岡の少年のようなリピーターも現れる。本当にステキな循環に『モンスターハンター』は乗っているんだなということを再確認できた気がした。

 さあ残すは、2009年10月25日の決勝大会だ。地区大会を勝ち上がった強者たちが“最速”の座を賭けてガチンコのぶつかり合いをするのだ。毎年、ドキドキするほどのドラマが展開される決勝大会。今年はどんな感動が待っているのだろうか……?

投稿者 大塚角満 : 21:34

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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