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【MH3】第12回 福島酔いどれ弾丸ツアー その2

 酔いどれ同級生コンビを乗せたスーパーひたち11号は、最初の目的地であるJR湯本駅に到着した。ここで今回の旅のアテンドをしてくれる、福島県旅館組合青年部の畠さんと合流することになっている。畠さんは福島市にある老舗旅館・吉川屋の七代目となる若旦那で、今回の『3(トライ)』と福島県のコラボ企画の発起人でもある。

 湯本駅で若旦那と合流し、簡単な挨拶を済ませて、我々は今回のコラボ企画の指定宿のひとつ、いわき湯本温泉旅館“こいと”のご主人が運転するクルマに乗り込んだ。JR湯本駅のある福島県いわき市は、畠さんの吉川屋がある福島市とは遠く離れている(高速道路を使ってもクルマで1時間はかかる)。さすが全国で3番目に広い面積を誇る福島県って感じだが、これだけ距離が離れている場所なので畠さんにはいわき市の土地勘がない。しかしいわき市にはコラボ企画に関連した施設や仕込みがたくさんある……ってことで、こいとのご主人に案内を頼んだというわけだ。……って、じつはこのこいとにもビックリする仕込みがあったのだが、それはあとで触れよう。

 我々が最初に訪れたのは福島随一の港、小名浜港にある集合施設“いわき・ら・ら・ミュウ”だ。魚市場、お土産屋、飲食店、観光遊覧船の発着所などがある施設で、ここの2階にある展示コーナー“ライブいわきミュウじあむ”内に『3(トライ)』関連の資料や映像が出展されているのである。

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 我々がここを訪れた8月10日はお盆期間の最初の日曜日ということもあってか、駐車場が満車になるほどの盛況ぶり。遊覧船でのんびりとしたひと時を過ごし、おいしい魚介類に舌鼓を打った観光客の多くが、2階に設えられた『3(トライ)』のビジュアル展示コーナーに足を伸ばしていた。ここには、『3(トライ)』に登場するモンスターを大きく描いた何枚ものタペストリー、さまざまな『モンハン』グッズ、そしてリクライニングチェアーに寝転がって『3(トライ)』の映像が観られる映像コーナーなどがある。スタンプラリーのポイントのひとつにもなっているので、展示物を堪能した人たちはこぞって、ペタペタと台紙にスタンプを押してもらっておりました。当然、俺と萩原さんも我さきにとスタンプをペタリ。これで、1ヵ所クリアーだ(スタンプラリーのポイントは3ヵ所ある)。

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 いわき・ら・ら・ミュウを堪能した俺たち一行は続いて、クルマの運転を担当してくれているご主人が切り盛りする旅館“こいと”に向かった。吉川屋の若旦那いわく、ここで昼飯として“こんがり肉”を食べるのだという。行ってみると……!

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 デター!! リアルこんがり肉!! 巨大な骨のまわりにハンバーグ状の肉と豚バラ肉がたっぷりと巻かれた、立派な立派なこんがり肉である。今回のコラボイベント用の宿泊プランでこいとに泊まると、コース料理のひとつとしてリアルこんがり肉が提供されるという。こいとのご主人によるとこのリアルこんがり肉は、あらかじめ味をつけて形を形成したあとにオーブンにぶち込み、じつに3時間ほどもじっくりと焼いて作るそうだ。非常に大きいため、しっかりと火を通すにはそれくらいの時間がかかるのだろう。で、実際にこれをいただいたわけだが……。

 う、うまーーーー!!

 見た目どおり、しっかりとワイルドに味つけられたハンバーグ状の肉は白いご飯によく合い、濃い目の味ながらバクバクといくらでも食べられちゃう感じ。俺も萩原さんも「うめえうめえ!」と言いながらナイフとフォークを振り回し、15分ほどでほとんど食べ尽くしてしまった。俺たちの食いっぷりを見てこいとのご主人は「あんたらよく食うねぇ〜」とビックリしていたが、じつにおいしかったので仕方がないのである。

 満腹になったところで俺たちは再びクルマに乗り込んで、いわき市石炭化石館、いわき市考古資料館を巡る。今回のコラボイベントでは、いわき市にある8ヵ所の施設が“いわきリアル体感スポット”として企画に参画。『モンスターハンター』の世界観と紐づけてそれらを楽しむことができる。たとえば、いわき市石炭化石館では、展示されているフタバスズキリュウの骨格標本を『3(トライ)』に登場する海のモンスターたちと重ね合わせたり……。見物者の想像力にゆだねる部分も大きいが、生来ハンターというものは“妄想力”に長けているもの。これらの施設でもアレコレと想像をめぐらすことができたので、俺はじつに楽しかった。

 そして! いよいよ今回の旅の“表”のメインイベント“あぶくま洞”に我々はやってきた。あぶくま洞は、“およそ8000万年という歳月をかけて創られたアジア随一の鍾乳洞で、全長約620メートルの洞内は千変万化の神秘の世界が続いている”という。……コレ、パンフレットにある文章をそのままリライトしたものだが、実際に行って見てみて「広告に偽りナシ!」と俺は叫んでしまったね。そのスケールの大きさは圧倒的で、見るものを悠久の時の旅路にいざなう神秘と奇跡に彩られた、怖さすら感じさせる威容となっていたのである。……このへん、言葉がかなり乱れておりますが、あぶくま洞の巨大さと懐深さをなんとか表現しようと思って必死になっていることをわかっていただければと……(苦笑)。

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▲あぶくま洞もスタンプラリーのポイントとなっている。

 あぶくま洞では今回のコラボ期間中、石灰岩の巨大な壁面にプロジェクターで『3(トライ)』の映像を流すという前代未聞の試みに挑戦している。正直、どれくらいキレイな映像が流されているのか少々心配していたのだが、ギギネブラが出てきそうな石灰岩のトンネルを抜けて、最初のホールとなっている場所にたどり着いてそんな心配は取り越し苦労だったんだなと気づかされた。ポカンと口を開いた空間の壁面で、しっかりと『3(トライ)』のオープニングムービーが上映されていたのである!!

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 俺のへっぽこデジカメではどうにもうまく写真が撮れなかったのだが、なんとなく雰囲気は伝わるかな? 真っ白な石灰岩の壁で躍動するリオレウスとラギアクルス、洞窟独特の音響環境に響き渡る荘厳な音楽……。いやあ、まさかこれほど“洞窟上映”と『3(トライ)』がマッチするとは思わなかったわ……。

 洞窟上映を堪能した俺たちは、せっかくなのでとあぶくま洞の遊歩道をポクポクと歩いてみた。しっかし、今回の旅の“裏目的”に「温泉でヒザの静養をする」が入っている37歳コンビに急な階段と前傾姿勢になる細くて狭い通路は思いのほかキツく、途中から「は、ハギワラさん、お、俺、ヒザがもげそう……」「お、オオツカさん、肺が口から飛び出そうだわ……」と情けなさすぎる発言のオンパレード(苦笑)。あ、でも言っとくけど、歌舞伎町やら新橋ガード下で飲んだくれてばかりいる俺と萩原さんだったから「ヒィヒィ!! ハアハア!!」となっちまっただけで、一般の健全な人々だったら非常に涼しい空間(あぶくま洞の中の温度は1年中15度らしい! つまり夏だと寒いくらい!)での爽快なトレッキングが堪能できるのは間違いない! と書いておきます(笑)。

 あぶくま洞で運動不足の身体を酷使した俺たちは、いよいよ今回の旅の終着点、若旦那が切り盛りする老舗旅館・吉川屋へと向かった。

 以下次回〜!

 ……って、明日は酔いどれ紀行の最終回と、『3(トライ)』のプレイ日記を2本アップします! ……と、自分を追い詰めてみる。

投稿者 大塚角満 : 15:02

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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