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【MHG】第6回 アナタに盗まれて……

 『G』に出てくるネコ(メラルーね)ども、じつによくモノを盗むと思いませんか? 思うよね? ね? ね!? こいつら、ハンターを見るやいなやヨダレだらだら状態になって、「のこのことエモノがやって来たニャ!! 襲うニャ!! 盗むニャ!! 見ぐるみ剥いでやるニャアアア!!! はあはあはあ!!」と、「ごんごろにゃぁああん! ぐるぐるにゃ〜〜ん!!」と吠えながら近所をウロつき回る春先のノラネコのようになっている。もう、森丘のエリア9や沼地のエリア3なんて、山賊と海賊とコソ泥が渦を巻く大窃盗団のパラダイスのようなものだ。『2nd』や『2nd G』ではこれほどまでにメラルーどもに手を焼いた覚えはないので、『G』のころのほうがモンスターの野生度が極まっていたんだろうなぁ……。

 先日、江野本ぎずもとふたりで下位クエスト“リオレウス捕獲大作戦”に行ったときにこんなことがあった。

 ふたりともまだハンターランクが低く、装備も整っていないので、リオレウスが相手だとクエスト遂行までに時間がかかる。とくにこのころ(初代『モンハン』や『G』ってことね)のリオレウスは“空の王者”の異名が示すとおりやたらと上空を飛び回っている印象が強く、どうしてもクエストに時間がかかってしまっていた。なのでリオレウスがどこに下り立とうとも、迷うことなく「突撃〜!!」と声を出してそのエリアに突入する必要がある。それがたとえ、視界が悪く、メラルーの巣窟となっているエリア9でも……。

 エリア9は本日も、大窃盗団の集会場所になっていた。でも前述のとおり時間がないので、メラルーの相手はほどほどにしてリオレウスに挑みかかる。しかし、これが間違いの元だった。リオレウスと対峙する俺の背後からニャアニャアと声を上げながらメラルーが飛び掛ってくる。そして……。

 ドカッドカッ!

 こんがり肉を盗まれた!

 お、おいおい頼むよ……。肉焼くの、面倒くさいんだからさ!!

 ドカッドカッ!

 地図を盗まれた!

 ひいいい!! 俺、方向音痴なんだからやめてくれよ!! って、なんか最近、同じような記事を書いた記憶が……(苦笑)。

 しかも下位のハンターだと武器が弱々しいので、「くぬやろう!! 肉返せ! 地図返せ!!」と憤怒の炎をたぎらせてメラルーに襲い掛かったところで、一撃ではギブアップさせることなどできはしない。けっきょく、「あああ……」なんて言ってるうちに地面に潜られ、盗品は遥かかなたのエリア12へと運ばれてしまうのであった。でもまあ、こんがり肉や地図だったら諦めもつく。時間がないっつーのに、エリア12まで足を運んでなんかいられないからな。しかしつぎの瞬間、エリア9に女性の金切り声が響き渡った。

 「ぎょええええ!!!」

 女性の金切り声にしては色気もなにもあったもんじゃないが、江野本が発した声に(と言ってもチャットだけどw)俺はギョッとした。ナンダナンダ。どーしたんだ? 佇む俺に向かって、江野本はこんなことを言った。

 「大塚さん、たいへんなことになりました」

 どどど、どーした?

 「メラルーに、エライものを盗まれてしまいました」

 なんだ? 「ハートを盗まれた」とか、イタいことを言うつもりか? しかし、それだったらまだよかった。つぎの瞬間、江野本は意を決したように衝撃の発言をする。

 「落とし穴盗まれちゃった!!」

 …………って、コラーーーーッ!!! 捕獲クエストで落とし穴盗まれるんじゃねえ!!

 「あ、あの……。あっしはいったい、どうすれば……w」

 困惑する江野本に向かって、俺は「早くネコの巣に行って取り返してきなさい」と言い捨て、スタコラサッサとエリア12に向かう江野本の分身を寂しく見守ったのであった。

 でもサ、メラルーはまだいいのよ。何かを盗まれたとしても巣に行って漁れば返ってくるからサ。問題はメラルーなんていう小者ではなく、窃盗団の“親玉”のほうだ。

 最近何度か立て続けに、江野本、狩魂Tのたけちよとともにゲリョス討伐に出向く機会があった。ゲリョスはご存じのとおり、メラルーと同じく“モノを盗む”モンスター。違いは、メラルーに盗まれたものは返ってくるけど、ゲリョスに盗まれたものは“二度と戻ってこない”ところにある。

 ゲリョス討伐1回目。狩りは順調に進み、もうぼちぼち討伐かなぁ〜……と思った矢先に、狩場にたけちよの悲鳴が轟いた。

 「!!! ゲリョに調合書2初級編盗まれちゃった!!

 うはあ……。まだ下位のこの時期、調合書なんてセレブの持ち物以外のナニモノでもない。出会いがしらの事故に巻き込まれたたけちよに対し、俺は心からの「どんまい」を捧げた。

 ゲリョス討伐2回目。このときも狩りは順調だった。さあ、そろそろ討伐だろう。とっとと凱旋して、もう1回くり出しちゃおうかな。そう考えていた刹那、またまた狩場にたけちよの悲鳴が響いた。

 「!!!! ゲ、ゲリョに調合書3中級編を盗まれましたよ!!!

 う……。中級編って、確か5000ゼニーくらいするよな……。清貧もいいところの下位の時代、5000ゼニーを投じて調合書3中級編を買ったときのたけちよの喜びと手の震えはいかばかりだったか。よりによってそれを盗まれるとは……。モニターを眺める俺の目は、涙で曇りかけた。

 そして懲りもせずにゲリョス討伐3回目。珍しく「クソゲリョスー! もう許さん!」と怒りの感情をむき出しにするたけちよを連れて、俺たちは沼地へと赴いた。今回も、クエストは順調。今度こそ、なんの事件もなく討伐を完了できるぞ。そう確信した瞬間だった。またまたまた狩場に、たけちよの断末魔の声が鳴り響いた。

 「ちょ……。ゲ、ゲリョにまたまた調合書3中級編を盗まれたあああ!! もうヤダ俺……;;」

 恐ろしいことに3回連続で調合書を強奪されたたけちよ。俺はもうかける言葉もなく、ただただ心の中で(盗まれたのが俺でなくて本当によかった!!!!)と叫び続けたのだった。

 そして、ゲリョスはなんなく討伐。でも狩場には、どこか重苦しい空気が漂う。誰も何も言わず、静かに剥ぎ取り。そんな静寂を破ったのは、あろうことか身ぐるみ剥がされたたけちよだった。

 「……あああ!!! ゲ、ゲリョスから剥ぎ取りしたら、盗まれた調合書が出てきた!!!! わーいわーい、わーい……

 もちろん、ゲリョスから剥ぎ取りをしても盗まれたものなど返ってこない。俺と江野本は立て続けの不幸に錯乱するたけちよの姿を眺めながら、改めて(盗まれたのが自分じゃなくて、ホントにホントによかった!!!)と思うのだった。

投稿者 大塚角満 : 12:51

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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