携帯電話の方はファミ通MAXをご覧ください。

大塚角満の ゲームを“読む!”

« 【MHP 2nd G】第154回 へっぽこコンビ、懲りずに挑む | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 【MHP 2nd G】第156回 『サヨナラ! 逆鱗日和』に寄せられた読者ハガキを紹介します! »

【MHP 2nd G】第155回 ナルガvs.ぎずも

 前回の記事で、

 「もうこのモンスターが相手だったら、あっしはまるでオチる気がしません。だってヤツがどんな動きをするのか、目をつむっててもわかるもの」

 と江野本ぎずもが豪語した相手は、あの”ナルガクルガ”です。確かにこの間、俺と江野本は11月23日のイベントでナルガクルガを相手にした4人シンクロプレイを披露するために、来る日も来る日もこのモンスターの尻を追い回していた。配信クエスト”モンハンフェスタ01”を使ったタイムアタックのベストタイムは4分08秒(ふたりとも大剣)。単純にこのタイムだけ見れば、モンハンフェスタ`08で全国大会に進出してもおかしくない立派なものではある。このタイムを出すために、俺と江野本はナルガクルガというモンスターの動きを徹底的に”見た”。見て、実際にくり返しくり返し討伐に出向き、江野本が言うとおりナルガクルガは”俺たちがいちばんよく知るモンスター”になった。なので彼女が「どんな動きをするのか目をつむっててもわかる」と言ったことも、「あながち的外れではないナ」と思ったのである。

 にわかハンマー使い(俺)と初心者狩猟笛使い(江野本)によるナルガクルガ討伐は、いつものバーでやることになった。江野本はマスターを目の前にしても、「あっしがナルガ相手にオチるわけがない」、「それどころか、攻撃も食らわないかもしれない」、「ていうか、ティガ相手にハットトリックした大塚さんが信じられない」と大言壮語をぶっ放す。マスター、江野本の勢いに目を丸くして、「どうしちゃったんですか今日は。ずいぶん吹きますね!」とビックリ仰天&苦笑い。俺はいったいどうなることかとドキドキしながら集会所G級★2の”絶影”に挑むための準備を始めた。

 数分後、江野本は狩猟笛”フロッグクラフト”を担いで集会所に現れた。この狩猟笛、ちょっとまえに完成させたばかりで、彼女はことあるごとに「使ってみたい使ってみたい!」とうるさくわめいていたのである。フロッグクラフトは”属性攻撃強化”という魅力的な旋律を奏でることができる狩猟笛らしく、江野本はその効果のほどを知りたくて「大塚さん、絶対に属性武器で来てくださいね」と上司の俺に命令。半分冗談でダイダラボラス(毒)を担いで集会所に入ると狩猟笛女はとたんにグレムリン化して「属性武器っつったでしょ!!!!!」とマジギレしやがるもんだから俺は震え上がり、有り金叩いて雷属性の”雷槌フルフル”を作成するハメになった。俺が持っていった武器を見て江野本は「よしよし♪」と妖しく微笑み、ようやく”余裕でクリアーできる予定”のナルガクルガ討伐に出発したのであった。

 江野本が言うとおり俺も、あのトリッキーなナルガクルガの動きを以前とはまったく違う立場で見ることができる。なんというか、”上から”見ている感じなのだ。ナルガクルガの一挙手一投足にビビりまくり、「どどど、どっから攻撃が飛んでくるんだ!!」と泡を吹いていた俺は、もうどこにもいない。リーチの長い前脚や尻尾の攻撃を華麗にかわし、流れるような動作で背後に回りこんで振り向き様の脳天に強烈な一撃を加える……という、無駄のない詰め将棋的な立ち回りができるようになったのである。当然、俺といっしょにナルガクルガを狩りまくってた江野本も同じ立ち回りができるはず。それにあれだけ俺とマスターに向かって吹きまくっていたのだ。俺以上の軽やかな動きでナルガクルガを翻弄するに違いない。そう思った瞬間、俺の画面の端っこに壮絶な尻尾ビターンを食らって吹っ飛ぶ江野本のキャラが映った。そして、画面に信じられないメッセージが流れる。

 ”ぎずもが力尽きました”

 俺、頭の上から「……………………」と三点リーダーを9個ほど飛び出させながら江野本に言った。

 「あ、あの、ぎずもさん? ボクの見間違いじゃなければ、いまオチられたような……」

 江野本、ムンクの”叫び”状態で固まってしまった顔を錆びたロボットのようにギギギギと動かし、それでも懸命に虚勢を張って怒鳴る。

 「ししし、尻尾ビターンは事故みたいなモンじゃないスか!! あっしがナルガ相手にオチるわけがない!! いまのは事故です!! しかたない!!

 その2分後。

 江野本、2オチ目(苦笑)。

 「ナルガの動きは、すべて我が手中にあり!」なんて言ってたくせにそのナルガクルガの攻撃を片っ端から受けまくって、俺が生命の粉塵を飲む間もなく、江野本はアッと言う間に死神にさらわれてしまった。俺は頭上の三点リーダーを「………………………………」と12個ほどに増やし、呆れ顔で言う。

 「あ、あのあのぎずもさん? まことに申し上げにくいんですが、ボクの見間違いじゃなければ、2オチされたような……」

 江野本、画面を凝視したまま「信じられない……」と小さくつぶやき、それでもなんとかカラ元気を絞り出し、「うるさいなあ!! いまのはしかたなかったんですっ!! しかたないしかたない!!!」とわめき、「終りよければすべてヨシ!!」と、何がヨシなのかさっぱりわからないがそう言って気合を入れ直した。

 しかしやはり、この日の江野本は死神に魅入られていたようだ。

 どんなに属性攻撃強化や耐性アップの音色を奏でようとナルガクルガには馬の耳に念仏で、やたらと攻撃が集中する。結果、俺が生命の粉塵を使い切り、江野本のフォローができなくなったころ、彼女は深夜のバーで「うぎゃーーーーー!!!」と鋭く絶叫して3度目の昇天を果たした。「余裕!」と見下しまくっていたナルガクルガを相手に、絵に描いたようなハットトリックである。マスターがカウンターの向こうでグラスを磨きながら「やっちゃいましたね、江野本さん」と笑っている。俺も腹を抱えて笑いながら江野本に言った。

 「えのっち!! 何が「あっしがオチるわけがない!」だ(笑)。ハットトリックじゃねえか!! もう、腹痛いわ(笑)」

 江野本、しばらくのあいだ (◎_◎; ←こんな表情で固まったまま動かなかったがいきなり芝居がかった仕草で「はっ!」と我に返り、俺とマスターの顔を交互に眺めながらこんなことをほざいた。

 「いやぁ〜……まいったまいった! こんなこともあるんスねえ!! あービックリした。でも、しかたないしかたない。てへ♪

 あまりの立ち直りの早さに二の句が告げなくなって唖然としていると、急に彼女は怒りのこもった目で俺を睨み、信じられないことをのたまった。

 「……ていうか、せっかくあっしが属性攻撃強化の音色を奏でていたのに、大塚さんの攻撃、ぜんぜんナルガに効いてなかったんじゃないですか!? もっと早く大塚さんが狩ってくれていれば、あっしが恥をかかなくて済んだのに!

 ナルガやティガよりも、女性ハンターのほうがよっぽど恐いです。

投稿者 大塚角満 : 15:55

大塚角満

プロフィール画像

週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


エンターブレインの『モンスターハンター』関連商品