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大塚角満の ゲームを“読む!”

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鉛筆アイコン【MHP 2nd G】第95回 角満出張狩猟企画・青森編 その2

2008/08/26 (火曜日)

 8月11日早朝、埼玉県のJR大宮駅で江野本ぎずもと合流。新幹線に乗り込むまえに流行りの”エキナカ”商業施設、”ecute 大宮”に突入して青森で待つRさんへの手土産を購入した。買ったのは川越銘菓の”いも恋”というおまんじゅう。じつは俺も江野本もこのまんじゅうが大好物で、「手土産と言ったらコレしかない!!」と偶然ながら意見が一致していたのである。かつてはこのいも恋、地元の川越に行くか高速道路のパーキングエリアくらいでしか買えなかったのだが(俺の知る限り、ね)、いまではここ大宮駅でも買うことができる。いい時代になったものだなぁ……。昔はツーリングで関越自動車道に乗ったときだけのお楽しみだったんだけどねぇ……。……しかしこのへんの記述、必要以上に具体的すぎて、まるで俺がecute 大宮やいも恋まんじゅうからの回し者のように思えるが、そんなことはありませんからネ。とにかく、首尾よくお目当てのお菓子を購入できてゴキゲンとなった逆鱗日和ファミリーは一路、北の街・八戸を目指して東北新幹線”はやて”に乗り込んだのでありました。

 俺が青森に行くのは、今回が2回目。10年ほどまえに一度だけ、鯵ヶ沢町というところにスキーに行ったことがある。今回我々が赴く八戸市は、十和田湖を真ん中に見て鯵ヶ沢町とは反対側にある、太平洋に面した大きな都市だ。メールをくれたRさんによると、魚もお酒も、じつにおいしい土地だという。

 「じゅるり」

 俺は舌なめずりした。うまい魚とおいしいお酒か。(こ、こいつはたまんねえ……)と口には出さず、心の内でそう思う。すると、カンがめっぽう鋭い女編集者の江野本はこれを見逃さず、「ちょっと! 目的が違いますよ!! 青森では狩りをして、本場の青森言葉を聞くんですからねっ!!」とグレムリン化して釘を刺してきたではないか。俺、とたんに「し、しぃましぇん」とうなだれながらも、「って、俺が何を考えていたかわかったの?」と確認する。江野本、サキュバスのような微笑を浮かべて、「どうせお酒とかお魚とか、そういうことを考えていたんでしょう? そんなの、ひと目でわかります」とニヤリ。それを見て、俺が夏のさなかに全身の肌を粟立てたころ、”はやて”は颯爽とJR八戸駅に到着した。

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▲八戸に到着しました!! 見るものすべて目新しくて、俺と江野本は終始きょろきょろ……。”青い森鉄道”というステキな鉄道名を見ただけで感激でした。

 新幹線を降りて駅の階段を上り、あたりを見回す。さすがお盆休みの真っ只中だけあり、こじんまりとした八戸駅は帰省客でごった返していた。えーっと、Rさんはどのお方かな……。キョロキョロと周囲を覗っていると、青いアロハシャツを着た細身の男性と目が合った。おお、あの人に違いない! 俺は迷いなくアロハシャツの男性に接近し、「週刊ファミ通の大塚です〜! Rさんですか?」と話しかける。アロハシャツの男性、パっと笑顔になり「そぅですそぅです! いんやぁ〜、遠いどごろをよぐぎてくれました〜」と柔らかい青森言葉で俺たちを歓迎してくれた。

 挨拶もそこそこに、我々はRさんの自家用車に乗り込んで八戸ドライブとシャレ込んだ。Rさんは俺たちからの連絡を受けてすぐに「こうしちゃいられない!!」と立ち上がり、どのように八戸を楽しんでもらうのか熟考に熟考を重ねて、いろいろなプランを考えてくれたのだという。こんな突然の闖入者に、なんてありがたい対応なのでしょう(涙)。俺と江野本は口々に、「ありがたいありがたい;;」とくり返す。それを聞くたびにRさんは「んなたいしたことはでぎねえけんども、存分に楽しんでもらえればと思っでねぇ」とニコニコと笑うのだった。

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▲最初にRさんが案内してくれたのは”蕪島”という小さな半島。天然記念物であるウミネコの繁殖地で、ニャアニャアニャアニャアととにかく賑やか。弁財天が祀られている。

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▲蕪島の高台にある弁財天を祀った神社の水場に、ウミネコの子供が水を飲みにきていた。かわいい。

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▲続いて、壮大なパノラマが広がる葦毛崎展望台に連れて行ってもらった。見渡す限りの水平線。海無し県育ちの俺と江野本には、じつにまぶしい景色でした。

 道すがら、Rさんから青森県のことをいろいろと聞いた。とくに、我々がいちばん気になっていた青森言葉について、詳しく解説してもらったのだ。それによると青森県は大雑把に言うと、県庁所在地の青森市を含む県の左側にあたる”津軽地方”と、それ以外の”南部地方”のふたつに分けられ、このふたつの地区でそれぞれ”津軽弁”と”南部弁”という言葉を使っているのだという(下北半島のあたりはこれとは別に”下北弁”になるらしい)。Rさんは南部地方に属する八戸市の出身だが、長く公務員として津軽地方に勤務していた影響で、南部弁、津軽弁の両方を操ることができるという。でもそんなRさんをしても、「何年も津軽地方で働いでいだがら津軽弁もわかるけんども、じゃながったらよくわがんね言葉もたくさんあったと思いますよ。それにいまだに、津軽地方のおどしよりがしゃべる言葉はよぐわがらねし」と言う。そういえば以前、青森県弘前市(津軽地方)出身のフランソワ林(週刊ファミ通副編集長)も、「津軽弁にもいろいろあるんです。じつはお年寄りが話す津軽弁は、僕にもさっぱり理解できません」と言って苦笑いをしていた。うーん、奥が深いぞ青森言葉!! 俺も江野本も民俗学的なことには非常に興味がある人間なので、こういった話題は大好物である。でも、青森言葉講座はちょっと休憩。Rさんをして「ぜひここで、アウトドア狩猟に行ぎたいと思っていたんですぅ」という、ある場所に到着したのだ。

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▲そして最初の狩場である種差海岸へ。広大な芝生の丘がとにかく美しかった。地元の人はもちろん、観光客も多くてとても賑やかだった。ここで食ったソフトクリーム、うまかったなあ(笑)。

 Rさんが案内してくれたその場所は、それはそれは美しいところだった。見渡す限り美しい水平線の大パノラマで、下には一面、広大な芝生のグリーンベルトが広がっている。海岸線の地形はじつに変化に富んでおり、荒々しい岸壁が続いたかと思ったら、その先には美しい砂浜が広がっている。ここは八戸市の観光スポットのひとつ、”種差海岸”。かの司馬遼太郎をして、「どこかの天体から人がきて地球の美しさを教えてやらねばならないはめになったとき、一番にこの種差海岸に案内してやろうとおもったりした」と言わしめた、血統書付き(?)の景勝地なのである。クルマから降りるやいなや、どうしても食いたくて買ったブルーベリー味のソフトクリームをベロベロと舐めながら、あまりにも綺麗なその風景を眺める。海無し県育ちの俺と江野本は海を見ただけで安っぽく感動できる体質ではあるが、この種差海岸の風景はそんな事実など度外視してしまうほど圧倒的であった。ぽけーっと海を眺め続ける俺たちに向かって、Rさんはうれしそうに言った。

 「大塚さんがグランドキャニオンで狩りをした……とコラムで書いたのを見で(参考記事。『ニャンと! 逆鱗日和』にも収録)、八戸で外で狩りをするとしたらここしかねぇな、と思ってました」

 Rさんはクルマのトランクから大型のレジャーシートを取り出し、俺たちの前に立って歩き始めた。こんな美しい景色の中で狩りをするチャンスなんて滅多にないぞ。俺と江野本はウキウキしながらRさんの後について行き、美しい松の並木の下にレジャーシートを広げるのを手伝った。さあ、狩りだ狩りだ! 青森での初狩りだああ!!!

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▲Rさんが用意してくれたレジャーシートに、3人のPSPを広げる。ついでに、『逆鱗日和』シリーズも(笑)。Rさんはハンターズパックも持っているがもったいなくて使用できず、いまだに旧型のPSPを使っているとか。

 さて問題は、何のクエストに行くかである。Rさんはほとんどソロで狩りを続けてハンターランク9にまでなったツワモノなので、当然ながら「どんなクエストでもいいですよ!」と笑う。なので俺は提案した。「なんとなく、アカムトルムにでも行きませんか?」と。これを聞いた江野本、デカい目をこぼれ落ちそうなほど見開いて恐慌を来たし、「い、いきなり何言ってんスか!! アカムとは何事ですか!!」とやかましくわめき散らす。俺、これを敢然とシカトして「んじゃ、アカムに行くっつーことで(笑)」と言ってす早くクエストを受注し、半ば強引にふたりを、アカムトルムが待つ決戦場へと連れ出した。

 しかし、わかっちゃいたのだが。

 画面がまったく見えん(苦笑)

 天気がドピーカンだったこともあるのだろう。とにかくその見えなさっぷりといったらただ事ではなくて、アカムどころかすぐ目の前にいるはずのRさんのキャラも江野本のキャラも、その輪郭すら確認することができないのだ。「うわーーー!! ほんどに何も見えねぞこれはー!(笑)」とRさん。「ちょっと!! 見えないどころの話じゃねっすよ!!」と江野本。俺も、まさかこれほどまでに見えないとは思っていなかったためすっかり肝を潰し、「わあああ!! 何も見えねえ!! アカムが来るアカムが来る!! 逃げろ逃げろ!!」と言うのが精一杯だった。

 その結果、わずか5分ほどで3オチ(苦笑)。それも、自分がどうやってアカムに屠り去られたのか皆目見当がつかないため、悔しくもなんともないのである。俺たち3人は一様に「……」という表情を作り、一斉に「いまのクエストはなかったことに!!」と叫びあって、つぎのクエストを受注した。せっかくこれ以上ないくらい美しい土地にいるのだ。ゲームの世界でもキレイな場所に行きたいではないか。そこで俺は提案した。「やっぱり『モンハン』は森丘に始まり森丘に終わるのです。なのでG級のリオレウス亜種の討伐にでも行こうではないですか!」と。これに「いいですね! 行きましょ行きましょ!!」と全面的に賛同するRさんと江野本。さあ気を取り直して、森丘でのリオレウス亜種討伐だ!!

 しかし。

 画面が見えないことに変わりはない(苦笑)

 それでもまあ、もともと暗めな決戦場よりはマシなようで、なんとか立ち回れないこともない。その証拠に、上空に飛び上がったリオレウス亜種に閃光玉を当てることに成功し(その前に何発も失敗したけど……)、見事叩き落すことができた。”チリン”と響きわたる例の音。落し物だ!! 俺はふたりに言った。

 「落し物出たよ! 早く拾って拾って!!」

 わーーーっ!! と群がる3人のハンター。俺とRさんは首尾よく、レウスの落し物を入手する。しかし……。

 「ちょっと!! 雷光エキスってなんスか!! これ、レウスの落し物なのぉ!!?」

 どうやらドサクサに紛れて発生している大雷光虫を誰かが叩き落し、それがたまたまレウスの落し物のあたりに落下していたのを見て、勘違いした江野本は飛びついたらしい。まあ、大雷光虫から拾えるものといったら、そんなものである。画面がほとんど見えない弊害は、こんなところにも出るんだねぇ(笑)。

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▲こんなところで狩っておりました。パっと見た感じはとても爽やかで気持ちよさそうだが、じつはものすごく寒かったっす(苦笑)。でもいい思い出になりました。

 それにしてもさすが本州の北の果て、青森。真夏のさなかで、しかも快晴だというのに、海から飛んでくる風に当たっていると歯の根が合わなくなるくらい凍えてしまって、3人とも途中からまともに操作することができなくなってしまった。これには八戸在住のRさんもビックリ仰天。俺たち3人は口々に「ぼちぼち、ちょっと温まりにでも行きますかねぇ(苦笑)」と、8月11日のそれとは思えないセリフを吐いてRさんのクルマに乗り込んだ。正直、暖房を入れたい気分でした(笑)。

 次回に続く〜。

投稿者 otsuka-eb : 20:18