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大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHP 2nd G】第86回 本日も天鱗日和

 たまには自慢を書かせてくれ。

 もう遠い昔のことなのだが、あまりにも衝撃的な一日だったので細かくメモにとっておいたネタがあるのです。いつかここで自慢してやろうと、虎視眈々と狙っていたんですねぇ〜。俺がヘッポコ部分だけが際立つしょうもないハンターだと思っていた諸君、心して読まれよ。

 そのとき、俺はG級に昇進したばかりだった。こういう、新たな領域に踏み込んだハンターがまず最初にやりたいことといったら、まだ見ぬG級フィールドに転がっている新規の素材を集めることであり、それ以上に屈強なG級モンスターから剥げる素材も欲しくて欲しくてタマラナイわけでありますね。俺もご多分に漏れず、ある飛竜の素材がホントの本気で欲しかった。それはいわゆる”レウス一族”の素材で、ノーマルのリオレウス、リオレウス亜種、そしてリオレウス希少種の素材(おもに尻尾系)がいますぐにでも必要だったのである。こやつらの尻尾やら袋やらが手に入らないと、なかなかG級のガンランスを育てることができないのだ。「G級に行ったら、まずは防具を強化したほうがいいすよ」と何人もの仲間に言われたが、とにかく一刻も早くおぞましいほど強いガンランスを手に入れたかったので、俺は誰かれ構わずG級ハンターっぽい人を見かけるたびに、「銀連れてって! 銀レウス銀レウス!! 赤レウスでもいいから!! とにかくレウスレウスレウス!!」と喚きまくっていたのである。

 この、36歳のおっさんの見苦しいワガママに快く応じてくれたのが、我が身内の大学生、S君だ。どんなクエストをお願いしようともいつでも「いいよ〜」と首肯してくれるので、最近の俺は「困ったときはS君頼み!」をスローガンにして日夜狩りに明け暮れているのである。

 で、G級に上がったばかりの俺が真っ先にS君にお願いしたのが、「G級リオレウスに連れてって!」というものだった。確か、業炎袋と火竜の靭尾が欲しかったんだと思うが、とにかく俺はG級の火竜に文字通り火急の用事があったのであります(ウマイ)

 G級リオレウス討伐の舞台は”旧火山”だ。S君に「エリア2で待ってればレウスが飛んでくるよ〜」と言われたので素直に「はーい」と返事をし、おとなしくエリア2に佇んでいた。するとまもなく、北北東の空からバサリバサリと赤い翼を広げた、恐ろしきG級リオレウスが飛んできたではないか。さあさあ、G級レウスとはどれほど強いんだ? 当時、俺が装着していた装備は防御力283というシロモノであったが、体力は満タンにしてあるし、いかにG級といえども相手は勝手知ったるリオレウス。そうそう簡単には屠り去られることはあるまい。俺は、早くも「がごー!」と怒り心頭に発しているG級レウスにヨチヨチと接近し、真正面から炎のような猛りタックルを食らう。そして、ものの見事に一撃で昇天した。

 「わあ!! 1発でちんだ!!」

 あまりにもあっけない昇天に、S君は「いまのヒデ君(俺のこと)の装備じゃ、そりゃ1発でやられるよ!!(爆笑)」と腹を抱えて大笑い。俺、G級モンスターの持つ尋常ならざる攻撃力に茫然自失となり、思わず「この人でなし!!」当たり前のことを絶叫する。そして、この1発ですっかりビビった俺はS君に向かって「あとたのんます^^;;;;」とヘコヘコとつぶやき、G級モンスターと対等に渡り合うベテランG級ハンターの立ち回りを遠くから見守り続けた。

 そしてある瞬間、S君が上空に飛び上がったリオレウスに閃光玉を浴びせた。間髪入れずに狩場に響き渡る「ちりん♪」という魅惑的な鈴の音。あ、いまの音はもしや……。俺が思ったとおり、S君が言った。「ヒデ君、落し物出たんじゃない? 拾ったほうがいいよ」。おお。やっぱり落し物か。俺は再びリオレウスが上空に飛び上がったのを確認してからスッテケテーとキラリと光る現場に取り付き、落ちていたものを拾い上げた。そして、S君に申告した。

 「ん? この”火竜の天鱗”って何ですかい??

 S君が目を剥いて絶叫した。

 「はい!!?? 天鱗拾ったの!!? マジで!!?? それ、初代『モンハン』で言うところの火竜の逆鱗で、つまり超激レア素材だよ!!!!

 へぇ〜。そうなんだー。そういえばしばらくまえから女尻笠井が「天鱗が出ないんすよ……。もう何十頭もG級レウス狩ってるのに、まったく出ないんす……。嗚呼……。天鱗てんりん……」とうわ言のようにつぶやいていたっけ。そうか。これが噂の天鱗か。いきなり落し物で手に入れるとは、ラッキーだなあ、俺。でもそんなにレアだったら、これでしばらくは出ないだろうなぁ。

 そんなことをボンヤリと思っているうちに、S君が首尾よくレウスの尻尾を切断することに成功した。俺たちはまるで合言葉のように「尻尾は鮮度が命!!」と叫び、切られたばかりの尻尾にとりついた。そして……。

 「アレ? また火竜の天鱗ってのが出たヨ」

 俺のこの発言に、S君はビックリ仰天。「はあ!!? それホント!? おかしいよ絶対!!」と、なぜか少々の怒気を込めて鋭く叫ぶのであった。

 けっきょくこのクエストは、ほとんど俺が何もしないうちにS君がレウスを捕獲して終了した。で、報酬画面。俺は報酬素材のアイコンに見慣れぬものがあるのを発見し、さっそくカーソルを合わせてみた。すると……。

 「なんか、火竜の天鱗ってのがふたつあるんですけど……」

 これを聞いたS君、驚きよりも呆れ顔で俺を見据え、「それ、絶対おかしい……。ありえない……」と悲しそうにつぶやくのだった。

 で、けっきょくこの日はG級のリオレウスばかりを追い回していたのだが、終わってみたら俺のアイテムボックスには”火竜の天鱗 9個”という文字が刻み込まれていた。これを見たS君は「ヒデ君、絶対おかしいからそれ……。僕は1個も出てないよ……。嗚呼……。天鱗てんりん……」とうわごとのように「てんりん、てんりん……」をくり返すのだった。

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投稿者 大塚角満 : 16:01

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。

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