« 【MHP 2nd G】第62回 ”世界の終わり”を背負った武器 | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 【MHP 2nd G】第64回 オトモアイルーに首ったけ »【MHP 2nd G】第63回 怪力の丸薬にスポットを当てることを試みたコラム2008年07月01日皆さんはクエストに出発するまえにどんな準備をしますか? まあネコメシは当然として、ほかにもいくつかあるでしょう。たとえば、双剣使いは強走薬や強走薬グレートを用意したり、目的のモンスターを見失うことに最大級の恐怖を感じる方向音痴ハンターさんは千里眼の薬をこっそりアイテムポーチに忍ばせたり……。きっとハンターごとに、クエストに行くまえの儀式みたいなものがあるんだろうなぁ……と昔から考えていたのである。 なんでこんなことを言い始めたのかというと、先日、行きつけのバーのマスターとクエストに行こうとしたとき、件のマスターがクエストの出発地点のベースキャンプでやたらといろいろな薬を飲んでいるのを目撃したからだ。聞くとマスター、ネコメシは必ず”酒+乳製品”(つまり黄金芋酒と幻獣チーズですな)を食して体力とスタミナをマックスにしているのだが、それだと攻撃力と防御力に不安があるので、必ずベースキャンプで”鬼人薬”(攻撃力アップ)と”硬化薬”(防御力アップ)を飲んでいるというのである。マスターは『2nd G』から『モンハン』の世界に入ってきたいわゆる新米ハンターだが、かえってそういう人のほうが冷静かつ慎重になって、この世界観の中にあるあらゆるアイテムを駆使して生活していこうと思うようだ。採集や調合も非常にマメに行っており、調合方法なんてシリーズを5000時間遊んでいる俺よりも詳しいくらい(いや、明らかに詳しい)。こういう、非常に生真面目なハンターと比べると俺なんてとてつもない不良ハンターのように思えてくるのだが、せっかくの機会なのでマスターを見習って、アイテムボックスにぶち込まれたままほとんど使われたことのないこれらのアイテムをガリガリゴキュゴキュと摂取してみることにした。 さあて、何を持っていこうかな。マスターが鬼人薬だったら、俺はそれ以上に効果が強烈なものを持っていきたい。となると……ヨシ、こいつにしよう。俺は、なぜかアイテムボックスの中に大量に入ってた”怪力の丸薬”を手にし、G級のリオレウス亜種討伐に出向いた。 キャンプに降り立ってすぐに、「とりあえずひと粒……」と言いながら怪力の丸薬を口にする俺。瞬時に効果は現れる。その効き目たるや筆舌に尽くしがたいほど強烈なものがあり、我が分身は血走った目をぎょろぎょろとせわしなく動かしながら声の限りに絶叫する。 「むっっっっっはぁぁああああっ!!!! 血が沸くっ!! 筋肉が踊るっ!! 骨がきしむっ!! どどばあああぁぁ!!! 狩るぞ狩るぞぉぉおお!!」 怪力の丸薬の飛び抜けた効果に押されて、「うりゃりゃりゃりゃあああぁぁあ!!」とキャンプを飛び出す我が分身。ステータスを見ると、攻撃力はじつに25も上がっている。突っ走る足の回転もいつもより強烈で、その足元から猛烈な土煙が舞い上がって見えた(気のせいだが)。強大なG級のリオレウス亜種も、怪力の丸薬で攻撃力フルチャージとなったいまならば瞬時に葬り去れるような気がする。さあかかってこい!! リオレウス亜種!! 首尾よくリオレウス亜種を発見し、ガンランスを構えて挑みかかるガンランサー。そのときだった! ぷっしゅ〜〜〜〜…… ……なんて音はしなかったが、リオレウス亜種の眼前で、ものの見事に怪力の丸薬の効果が消え失せてしまったではないか!! こいつはまさしく、魔法使いのおばあさんに魔法をかけてもらい、一瞬だけきらびやかな姿に変えてもらったシンデレラそのものである。神の力を手に入れて「うっひょっひょ〜!」とコブシを振り上げて挑みかかったはいいが、目標を目の前にして「シュン」となってしまうなんて男の沽券に関わる屈辱である(意味不明)。俺は大いに慌てていま来たエリアに引き返し、体勢を整えんとする。冷静になって考えると怪力の丸薬の効果は20秒しかないわけだから、こいつをいきなりキャンプでボリボリ食う行為そのものがどうかしていたのである。 まあしかし、これは想定内のことである。こんだけこのゲームを遊んでおいて”怪力の丸薬の効果持続時間を知らなかった”なんていうベタベタな展開をオチに持ってくるわけがない。俺は隣のエリアに逃げながらリオレウス亜種に毒づいた。「ここここんなの、そそそ想定内なんだからねっ!」。 そして俺はリオレウス亜種がいる隣のエリアで考えた。怪力の丸薬の爆発的な効能をフルに活用するには、できるだけ相手モンスターに接近してから飲用するしかないな、と。よーしわかった。もう恐れるものは何もない。俺はアイテムカーソルをしっかりと怪力の丸薬にセットしてから、リオレウス亜種が手ぐすね引いて待っている隣のエリアに飛び込んだ。見ると、遠くで件のモンスターが「ぐろろろろ……」なんて喉を鳴らしながら首を曲げている。さあ接近だ。最接近だ! 俺はリオレウス亜種の吐息が顔に引っかかるくらいまで彼に近づき、やおら怪力の丸薬を飲もうとした。しかしその瞬間! パコーン なんて音はしなかったがいきなりリオレウス亜種が回転し、強烈な尻尾ビンタを我が頬に……。うぬぬぬ……。なんたる空気の読めなさ。ここはふつうだったら、「ぴきゅーん!!(怪力の丸薬の効果音) ずばばばばっ!!(攻撃音)」となるところではないか! 俺はリオレウス亜種に毒づいた。「おおおおまえ、そんなに空気読めないと出世できないぞ!!」。 しかしこんなことでめげていたら世界一のガンランサー(笑)の名が廃るというもの。俺は再度リオレウス亜種に接近し、その股ぐらで怪力の丸薬を飲もうとした。しかし。 ずじゃじゃじゃじゃ!! 何が気に入らなかったのかリオレウス亜種、いきなり怒りの猛突進をぶちかましてきて哀れなガンランサーを轢き潰す。なんなのいったい……。俺がなにしたっつーの……。 それでも、何度も何度もチャレンジしてりゃいつかは怪力の丸薬を飲むことに成功するもので。俺はようやく口にできた怪力の丸薬の効果に目を血走らせ、「ぐごがあああ!! よよよよくもいままで好き放題やってくれやがったなキッシャーーー!! 目にモノ見せてくれるわぁあああ!!!」と鼻血ドバドバのマックスドーピング状態でリオレウス亜種に挑みかかった。しかし……。 ぱこーーーーん…… けっきょく俺は、持ち込んだ5個の怪力の丸薬をすべて消費したあげく、信じられないことに一度もその恩恵を得ないままふつうにリオレウス亜種を狩猟して村に戻ってきた。 いったい俺は、何をしに狩場に行ったのだろうか……? 投稿者 otsuka-eb : 2008年07月01日 11:31 |





