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大塚角満の ゲームを“読む!”

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2008年07月31日

【MHP 2nd G】第82回 『ニャンと!』イベント番外編 ハンターの頂点座談会・その1

 ここまで3回にわたってお伝えしてきた『本日もニャンと! 逆鱗日和』発売記念イベントの模様だが、そのすべてが終了してから、俺と江野本ぎずも、そしてもうゲネポ、Effort Cristalの面々で座談会を行った。その模様を余すところなくお伝えしちゃおう。

◆◆◆

東西の”神ランサー”対決!

大塚 とりあえず、お疲れ様でした!!
ゲネポ・エフォクリ・江野本 お疲れ様でしたーーーっ!
江野本 本当にありがとうございました!!
大塚 皆さんがいなかったら今日のイベントは成り立たなかったので、本当にありがたいと思っております!
ゲネポ・(以下、唯) いえいえいえ!!
ゲネポ・MASAKI(以下、MASAKI) とんでもないですよ!
大塚 いやマジで! でも最初は、ダメもとでお願いしてみようか……? って感じだったんだよね。
江野本 はい、そうですね……。
大塚 最初は確か、Godくんに話をしたんだよね。
江野本 そうですそうです。えーっと、最初はいつだったっけ?
Effort Cristal・God(以下、God) 『モンスターハンターフロンティア オンライン』のオフ会がWinPa(エンターブレイン社内にあるイベントスペース)で行われたときに僕もそれに参加してて、そこで大塚さんと江野本さんに話しかけられたんです。
江野本 あー! そうだそうだ!
大塚 そうだ(笑)。Godくんが来ているのを目ざとく見つけて、えのっちとふたりで接近していったんだよね。
江野本 はい(笑)。
大塚 その場で出演を要請したら、ふたつ返事で引き受けてくれたんだよねー。で、自動的にJackくんも巻き込まれるハメになったと(笑)。
Effort Cristal・Jack(以下、Jack) いやぁ〜、まさかまたやることになるとは思いませんでしたねぇ(苦笑)。
一同 あははは!
Jack もうやだと思っていたんですけど……(笑)。
大塚 ゲネポのふたりにも、インタビューで大阪に行ったときにお願いしたんだよね。……でもゲネポは大阪だから、お願いしても迷惑かなぁと思ったんだけど、快く引き受けてくれたんだよなぁ。で、今日の再戦が実現したわけだけど、ぶっちゃけ、ライバルチームともう一度戦ってほしいってお願いされたときの心境はどうだった?
God 「リベンジできる!」と思ったので、けっこううれしかったですね。
大塚 おお〜! 前向き! じゃあ、相棒のJackくんは?
Jack ……また負けたらヤダなぁって(苦笑)。
大塚 あはははは!
Jack モンハンフェスタ`08の決勝も散々だったので……。でも、「やるからには!」と思いました。
大塚 対する、ゲネポのふたりは?
 モンハンフェスタは、練習でも納得がいかないまま決勝で戦っていたので、もう1回、キチンと練習してから臨めるんだったらやってみたいな、って思いました。
MASAKI モンハンフェスタでは僕らもエフォクリも練習していない状態で決勝を戦ったので、ここでホンマの、お互いの実力が試されるのかもなぁと思って。そういう意味では、本戦よりも力が入ったかもしれませんね。
大塚江野本 おお〜!!!
大塚 100人ちょっとしか入れない会場なのにそこまで気合を入れて……。でも我々に打診されてから、キチンと練習する時間はあった?
God じつはまともに練習する時間はほとんどなくて……。
大塚 しかもエフォクリには、シンクロプレイの実演もお願いしていたから、そっちも練習しなきゃだもんねぇ。
江野本 うんうん……。ふたりが揃って練習できたのって、何回くらいありました?
Jack 日曜日くらいですかね……。数回ですけど。
God 時間はけっこう限られてたよね。
大塚 シンクロプレイと激昂ラージャンは、どっちに重点を置いて練習したの?
GodJack ラージャンです!
大塚 ……我々が打診してから、時間ってどのくらいあったんだっけ?
江野本 ゲネポにインタビューしたのが7月5日で、そのときに彼らに話したんです。で、ゲネポのふたりがオーケーしてくれたので、翌7月6日にあっしからエフォクリにメールで打診したんですよ。そこからなんで、20日間くらいですね。
大塚 なるほど……。たった20日か……。ゲネポのふたりは、納得のいく練習はできたの?
 納得……。うーん、まあそれなりには、って感じですかね。
MASAKI わりと時間かけて練習できたと思いますよ。
大塚 そうかそうか。で、蓋を開けてみたら両方とも武器がランスだった、と。
江野本 そこでぜひ、言っておきたいことがあるんです! これ、大塚さんとあっししか知らないんですけど、じつは大阪でゲネポに話を持ちかけたとき、彼らはすでに「ランス・ランスで行くか」って言ってたんですよね! 唯さんはもとランサーだし。で、エフォクリはどうするんだろう……って思っていたら、メールで「ランス・ランスで行きます」って言ってきたので、ものすごくぶったまげました!
God じつは僕も、元ランサーなんですよ。
江野本 あ、そうなんだ!!
大塚 もしかして、”神ランサー”って言われてた?(ニヤニヤ)
 やめてください(苦笑) ※唯くんは初代『モンハン』の時代、”神ランサー”と呼ばれて恐れられていたのだ。
God 言われてました(笑)
大塚江野本MASAKI うへえ!! マジで!!
God 名前が”God”なので(苦笑)。
江野本 地域は違うけど、神ランサーがここにふたりも!!
大塚 ”西の神ランサー””東の神ランサー”ってことだな!!(笑)
江野本 (デカい声で)すげええぇぇぇ!!
大塚 (気持ちを落ち着かせて) えっと、ステージ上では緊張した?
God ナルガのシンクロプレイの段階から、ちょっとヤバかったです(苦笑)。
Jack だね(苦笑)。
大塚 シンクロプレイのときから緊張してたと?
God めっちゃ緊張しました……。
Jack もう、手がブルブル震えちゃって……。ホントに申し訳なかったです(苦笑)。
江野本 今回のシンクロプレイ、じつはGodさんから「新しい作戦を組み込みます」って言われていたんですけど、その真相を教えてください!
God シビレ罠にハメたときに、前回は溜め3斬りを1回しか当てられなかったんですけど、横に転がってすぐに溜めに入ると、ナルガの振り向きに溜め3を当てられることがわかったんです。
 ああ! 前脚側に転がったヤツや! 違う動きだな、って思ったんだよなあ。
God ……まあ、見事に外しましたけど(苦笑)。
一同 (爆笑)
大塚 その作戦がハマると、タイムはどれくらいになるの?
God 最速は、2分28秒ですね(名古屋大会のシンクロプレイのタイムは3分18秒)。
一同 おおおお!!
 速ええな!!
Jack タイミングが合いだしてからは、「3分切らないとダメだな」って話してましたから。
大塚 マジで!?
God 3分切らないとリタイアしてました(笑)。
大塚 うはあ! すごいな!
God 平均は2分50秒くらいになりましたね。
江野本 (ゲネポのふたりを見て) ……ね? 平均とかタイムとかがスラスラ出てくるでしょ? ゲネポのふたりにはいくら聞いても、出てきいひんかったもんね(笑)。
一同 (爆笑)
 そうそう(苦笑)。聞かれても、「……ちょっと待ってくださいよ」ってPSP持ち出してきて(笑)。
大塚 でもその平均タイムを考えると、今回のステージ上でのパフォーマンスには納得できないでしょう。
God そうですね……。
大塚 今日のは何分くらいだったの?
God 3分48秒ですね。
大塚 つーことは、ベストより1分以上遅いわけか。それでも、会場はメチャクチャ沸いていたけどね。ていうか、みんな笑ってた。すごすぎて。
 ふたりの位置がちょっとズレてても、ナルガの尻尾が触れてちょうどうまい具合に重なるんですよねコレが(笑)。
MASAKI そうそうそう!! おもしろかった(笑)。
大塚 あのシンクロプレイを見たゲネポの感想は?
 作戦変えてきてるから、しっかり練習してんねんなぁ……って思いましたよ。
MASAKI エフォクリはナルガとラージャンの両方を練習せにゃならんから、こっちがちょっとハンデをもらってんのかなって若干思ったんですけど、彼らは両方ともきっちりと練習してきたのですごかったですね。
大塚 あのシンクロプレイをマネてみようとか思わなかった?
 ……。
MASAKI ……。
MASAKI ……で、できるかなあ?
大塚江野本エフォクリ あはははは!
Jack (Godくんを指して)ここに発案者がいるので大丈夫ですよ(笑)。
God 簡単です(笑)。
大塚 あはは! 簡単じゃねえだろぜんぜん!(笑) でも、いいものを見せてもらいました。で! いよいよ激昂ラージャンタイムアタックだけど、ざっくりと言うと、両チームともランス・ランスで、作戦的にも大差ないように見えたんだけど。
ゲネポ・エフォクリ (うんうん、としきりに頷く)
MASAKI ほぼいっしょだった、って言っていいと思いますよ。
大塚 ラージャンにひたすらくっついて離れない……っていうのが根本?
MASAKI そうですね。がむしゃらにくっついて攻撃する、って感じです。
 はりついて殴る、それだけです。差があったのは、シビレ罠をふたつに止めるか、4つ使うか、だけですね。
江野本 ゲネポは闘技場に置いてあるシビレ罠を取りにいかなかったですよね? あれはなぜなんですか?
MASAKI 取りに行くと、途中でラージャンに気づかれるんですよ。ハンターが睨まれて怯んだりするのでタイムロスが大きいんです。それだったら、張りついて攻撃したほうがいいだろう、という判断です。
God ラージャンに気づかれない方法があるんですよ。
大塚 おお?
 小タル爆弾が置いてあるほうに迂回してから、シビレ罠を取りに行く方法?
God あ、やっぱり知ってたんだ(にっこり)。
Jack 僕らも知らなかったら、シビレ罠はふたつで行ってたと思いますよ。
 じつはシビレ罠を4つ使って練習していたときもあってんけど、効率よくシビレ罠を踏ませる方法を見出すことができなかったので、俺らは殴り続けよう、って結論づけたんですよね。で、今日もシビレ罠ふたつで臨んだわけですが、そのうちのひとつをラージャンは踏まず(苦笑)。
大塚 あー……(笑)。でもさ、えのっち、これってすごくない? だっていっぽうのチームが戦略的なことを説明するといっぽうは我が事のように頷き、その逆もまた同じ。同じことを考えていたんだろうなぁ。
江野本 ホントにそうですね。でも逆に相手チームの立ち回りを見て、「あ、これはウチと違う」って思ったところはありました?
MASAKI エフォクリのプレイが始まってすぐに、「あ。シビレ罠4つの戦法できたか」っていうのはわかりました。
 タイムアタックはとにかく、モンスターを拘束しなきゃあかんのでシビレ罠は基本なんです。でも僕らはそこで、「攻撃しよう」ってなったわけですけど。
江野本 エフォクリのプレイを見て、「やっぱりシビレ罠4つのほうがいいかな」っていう迷いは?
 すごいな、って思ったのはシビレ罠の置きかたですね。きっちりラージャンに踏ませていましたから。
MASAKI そう。きっちり2連続で踏ませましたもんね。
 そしてふたりでしっかりと攻撃し続けてましたからね。内心、(こりゃヤバいな……)とは思いました(苦笑)。立ち回りも、「あ、こうなったら(ランスの)突進やろうな」って思うと、そのとおり突進してましたし。僕らとやることがいっしょでしたね、ホントに。だからこそ、シビレ罠をきっちりと踏ませたのを見て(ヤバいな)って思ったんです。
大塚 それは、自分が操作しているプレイを見ている感覚だったのかな?
ゲネポ・エフォクリ (力強く頷く)
MASAKI そのとおりですねー。「あれいま俺ボタン押した?」みたいな感覚(笑)。
江野本 そうなんやー!! おもしろーい!!
大塚 両チームでシンクロしてんじゃん!!(笑)
ゲネポ・エフォクリ あははは!
大塚 でもさ、エフォクリのふたりも、ゲネポがシビレ罠ふたつの戦法できたのはすぐにわかったんだよね?
God はい、すぐにわかりました。
大塚 どう思った?
God 「ああ、そっちだったのか……」って感じですね。というのも、本当に最速を狙うなら、シビレ罠ふたつのほうがいいと思っていたので。
大塚 あ、そうなんだ!!
Jack 罠を仕掛ける時間を節約して、うまく流れればそっちのほうが速いと思います。
 とは言っても、3分台は出えへんでふつう(苦笑)。※エフォクリの激昂ラージャン討伐最速タイムは3分59秒なのだ。
Jack あのタイム出したときは、自分たちでも何が起こったのかわからなかったから(苦笑)。
God あのときも、罠4つか……。
MASAKI でも2番目のタイムは5分30秒くらいでしょう。
God だから3分59秒は奇跡のタイムなのよ(笑)。
 あの3分59秒がズバ抜けてて、あとは5分台なんよね、エフォクリの記録は。
大塚 ということは、今日の5分42秒っていうのは、エフォクリからしたらかなりいい記録だったんだ。
God そうですね。練習も含めて3番目の記録ですから。
大塚 おおおー!
God 3回もオチたわりには、いい記録が出ました。
Jack 練習のときも、だいたい6分ちょっとくらいだったんです。ぜんぜん5分に行かなくて「ダメだなぁ」って話してて。そしたら今日はうまくいって。
大塚 いっぽうのゲネポは、4分台をふつうに出していたわけでしょう?
MASAKI ふつうに、ではないですけどね(笑)。
 なんだかんだうまくいったときは4分台が出てましたね。一応、ギルカのタイムアタックの欄は4分台で埋まっていますし。
江野本 ベストタイムはエフォクリのほうが速いけど、平均するとゲネポのほうが速いんだ!!
大塚 だねー。おもしろいなー。

いいラージャン、悪いラージャン

大塚 でもさ、いくらエキシビションとはいえ、両チームともにプレッシャーがあったと思うのよ。とくにゲネポは全国1位という看板があるから、いかなエフォクリとはいえ、負けるわけにはいかなかったよね。
 そうですねー。
大塚 エフォクリにしても、リベンジしたい、2連敗するわけにはいかない、っていう強い気持ちがあったわけだよね。
God はい、そのとおりですね。
大塚 小さなイベントだったけど、かなり緊迫感のある火花の散らしあいが見られたよねー。
江野本 ホントですねー。
大塚 エフォクリのふたりは、プレッシャーは感じた?
God 感じましたよ、かなり(苦笑)。
Jack 最初は緊張したんですけど、実際にステージに上ったら集中できましたね。
大塚 おお……。それはフェスタのときと同じような感覚?
Jack 僕はそうですね。
God 僕はもう「やばいやばい……」ばっかでした(苦笑)。
大塚 プレッシャーという意味では、ゲネポのふたりのほうが大きかったんじゃないかとみてるんだけど。
 さきにいいタイムを出されているし、それとやっぱりシビレ罠は4つ使ったほうがええんかなぁって迷いが出ました。
MASAKI 練習のときでも、いいタイムが出たときってわかるんですよ。なのですごいプレッシャーをかけられましたね。
江野本 あとからプレイする、っていうのもね。
MASAKI そうなんです。
大塚 エフォクリの5分42秒ってのは、抜けると思った?
 これくらいだったら「いけなくもないかも」とは思いました。
MASAKI ただ、後半に差し掛かってからラージャンが頻繁に飛ぶようになったんですよ。おかげでそこから貼り付けなくなって……。
大塚 ”悪いラージャン”だったわけね。
MASAKI 悪いです!(笑)
 よろしくなかったです!(笑)
大塚 じゃあ、エフォクリのラージャンは?
God ……いいラージャンでした(笑)
 そうですよ!! 「ああ!! またビーム吐いてるやん!!」って思いましたもん(苦笑)。
一同 (爆笑)
 エフォクリの見てて「やめいやめい!! ビーム吐くなっちゅーねん!」ってずっと言ってましたよ(笑)。
大塚 あはははは!!
MASAKI 「そこで回転やろ!!」、「噛めや!!」とかな(笑)。
一同 (爆笑)
大塚 いやでもね、すごかったよ。ラージャンの振動をステップでかわしたり、回転攻撃とかも回避でかわしたり。俺やえのっちだけでなく、会場にいたほとんどの人がこの2チームの領域にいないから歓声もすごかったもんね。あの歓声、聞こえてた?
ゲネポ・Jack はい、聞こえてました!
江野本 ……Godさんも、今回は聞こえてた?(ニヤニヤ)※この質問の真意は『ニャンと! 逆鱗日和』に詳しい。
God ……いや、あんまし(苦笑)。
大塚 あははは! でもランスが極まると、本当に同じようなプレイになるんだね。もしかして両チーム、相談してやってた?(笑)
 んなわけないでしょ!(笑)

※明日に続きます〜。

2008年07月30日

【MHP 2nd G】第81回 『ニャンと!』な発売記念イベント その3

 我々、逆鱗日和ファミリーによるしょうもないG級ティガレックス2頭討伐のことまで書いた。本当に自分たちがどういう立ち回りをしたのか覚えていなくて(俺だけじゃなく、目黒も笠井も江野本もよく覚えていないという)、非常にあいまいで面白味のないリポートになってしまったことをお詫び申し上げます。まあでも、俺たちのことはいいんです。問題は、このあとに行ったステージなのだ!!

 今回、『ニャンと!』の発売を祝うためにわざわざ会場まで来てくれたのは、モンハンフェスタ`08の1位、2位チームである”もうゲネポ””Effort Cristal”!! モンハンフェスタ以来、俺と江野本ぎずもはすっかりこの2チームと仲良くなり、インタビューなどで会ったときに「7月27日に僭越ながら『ニャンと!』の発売記念イベントを行うんだけど、よかったら来てくれない……?」と打診したのだ。俺たちの申し出に対し、ゲネポもエフォクリ(Effort Cristalのことね)もありがたいことに「もちろん行きます!!」と即答。この反応に感激した俺たちは勢い込んで、「で、もしよかったらステージで、キミたちの腕を見せてほしいんだけど……」と懇願した。俺と江野本の目論見……。それは彼らが激突したモンハンフェスタ`08の決勝ステージを、我々のこじんまりとしたイベントステージで再現してもらうことだった。つまり、闘技場を舞台にした”激昂したラージャン”のタイムアタックに挑戦してほしい、ということだ。かなりムチャクチャなお願いということはわかっていた。ゲームアスリートと呼ばれる彼らのこと。ステージで演じるからにはキチンと練習したいだろう。でも時間は有限なわけで、俺らのお願いが彼らの日常生活の貴重な時間を削ってしまうことは明らかだった。それでも、彼らは言ってくれた。「喜んで駆けつけますよ!!」と。それこそ、一瞬の逡巡もなく……。もうゲネポのふたりは目を輝かせて、「全国優勝したボクらが負けるわけにはいきません。きっちり練習して返り討ちにします!」と言った。エフォクリのふたりは控え目ながらも決意のこもった口調で、「リベンジの機会を与えてくれてありがとうございます!」と言った。彼らの真っ直ぐな応えに、俺と江野本は涙を流しそうになった。やっぱり俺たちは、この魅力的な若者たちに心底ホレ込んでいるんだなあ……としみじみと確信した瞬間だった。

 そして迎えたリベンジマッチの当日。まずは俺と江野本の切なる願いを聞き入れてくれたエフォクリのふたりが、モンハンフェスタ`08名古屋大会で披露し、全国のハンターを震撼させた”超絶シンクロプレイ”を再現してくれた。エフォクリをステージに招き、俺が「ふたりにはまず、あの超絶シンクロプレイをナマで披露してもらおうと思います」と言ったときの、来場者の大歓声が忘れられない。名古屋大会の彼らのプレイがハンターの心にしっかりと刻み込まれていることが確認できて、俺は我がことのようにステージの上で感激していた。

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▲今日もしっかりシンクロしてます!

 エフォクリのプレイは、それはそれは見事なものだった。タイム的には名古屋大会のそれに及ばなかったが、影か残像のように立ち回るふたりのハンターの躍動に、来場者は割れんばかりの歓声を送り続けてくれた。エフォクリのふたりに言わせれば納得のいかないプレイだったようだが、思わずステージ上で「もう笑うしかない」と言ってしまったほど、彼らのプレイは際立っていたのである。ちなみにこのとき、エフォクリのふたりは、名古屋大会のそれよりもさらに進化したシンクロプレイを披露してくれようとしていたのだが、それについては後日、彼ら自身の言葉で解説してもらうことにする。

 エフォクリによるシンクロプレイの実演が終わったあとはいよいよ、もうゲネポを招いての”激昂したラージャン討伐タイムアタック勝負”の幕開けだ! 今回は両チームの動きをじっくりと見てみたいという俺と江野本の希望で、2チーム同時プレイではなく、1チームずつ順番にプレイしてもらうことにした。まずは全国2位のエフォクリから。モンハンフェスタの決勝ステージでは双剣を選んだ彼らだったが今回は……なんとふたりともランスを選択したではないか!! この重い武器で、あの俊敏なラージャンにどう対抗するというのか? 当然のように会場から「おお〜っ!!」というどよめきが沸き起こる。いったいどんな立ち回りを見せてくれるのだろうか?

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▲笑顔のEffort Cristal。比較的、リラックスしていたようだ。

 クエストが始まるとエフォクリのふたりは、壁伝いにこっそりと移動して隠されているシビレ罠を奪取することに成功した。これで、手持ちのシビレ罠は4つに。まずそれをふたつ設置し、一気にラージャンとの間合いを詰める。ここからが、圧巻だった。とにかくエフォクリのふたりはラージャンの懐にもぐりこんだまま、ひたすら突っつきまくっているのである。ラージャンが頻繁にくり出す振動攻撃も、バックステップでヒョイっと回避。腕ぶん回しや回転アタックも、回避行動で華麗に避けている。ランスなのでガードをすれば……と思うようなところでも、彼らは見事に回避で避けている。これは、ガード性能のスキルがついていない装備ではガードしたところでノックバックしてしまい、ハンター側に隙と、ラージャンとの間に隙間ができてしまうためと思われる。そう思おうとしたところで、見ているこっちはハラハラである。あの屈強な激昂ラージャンと、彼らは”ゼロ”の距離で立ち回っているのだから。そして、ラージャンと間が開いたときは、迷うことなく突進で一気に距離を詰める。簡単に書いてしまえば、彼らはあの強大な攻撃力をほこるラージャンを相手に、徹底したインファイトを挑んでいたことになる。結果……わずか5分42秒で激昂ラージャンは轟沈……。恐るべし、Effort Cristal!!

 この好タイムを受けて立つ全国1位のもうゲネポ。陽気な彼らにしては珍しく(?)、その表情は緊張に満ちている。そんな彼らが選んだ武器は……なんとこちらも、ふたりともランスを選択!! 両チーム同じ武器で、雌雄を決するわけか!! 興奮の坩堝と化すイベント会場。さあ、クエストスタートだ!

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▲もうゲネポのふたりは、トレードマークの帽子をかぶって登場。こちらも、リラックスした様子だった。

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▲エフォクリの挑戦を受けてたったゲネポのふたり。真剣そのものだ。

 もうゲネポのふたりの立ち回りも、じつにすばらしいものだった。エフォクリが最初にシビレ罠を掘り出したことに対して、ゲネポがその行動をとらなかったこと以外は、2チームのやったことはほとんど同じと言ってしまっていいかもしれない。ラージャンにピタリと張り付いて、ガードはいっさいせずに攻撃はステップと回避行動ですべて避ける。距離がちょっとでも開いたら(ホントにわずかな距離でも)、突進で間合いを詰める。そして空から降ってくる恐怖のローリングアタック(でいいのか?)についても、ほんの数ミリ動いただけで見事に見切ってかわしてしまう。一度など、ラージャンに背を向けた状態でローリングアタックが降ってきたのだが、これも余裕で数ミリの見切りをくり出し、避けていた。極限まで極まったアスリートのプレイはこうまで似通うものなんだなぁ……と、感動を通り越して呆れてしまったほどだ。

 この2チームの立ち回りを見て驚いたのが、あの重い武器の代表格であるランスが、まるで片手剣や太刀のそれと同じような”軽い”武器に見えたこと。華麗なステップと躊躇のない突進でつねにピタリとラージャンに張り付いている姿を見てそう思ったのだが、この2チームが舞う空間だけ俺たちがいつもいるフィールドとは重力の大きさが違うんじゃないかと錯覚してしまったくらい、彼らはランスを軽々と扱った。「極めればここまで軽やかに踊ることができるんだ……」。ステージの上でゲネポとエフォクリの”舞”を見て、俺は静かに静かに感動した。

 それでも、これはタイムアタック勝負。イヤだろうがなんだろうが”結果”というものが出てしまう。今回のエキシビションマッチの結果は……Effort Cristalの勝利! 安定した立ち回りを見せたエフォクリに対し、もうゲネポは数回オチたのが響いてタイムは7分10秒だったのだ。エキシビションマッチなのに、涙を流さんばかりに悔しがるもうゲネポのふたり。チャンピオンのプライドが、たとえ相手が自分たちに匹敵する実力を持つふたりと認めたうえでも、負けることを許さなかったのだろう……。

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▲超人的なプレイを見せてくれた両チームに、会場から割れんばかりの拍手が贈られた。

 じつはイベントの前日、俺と江野本は会場の設営をふたりで行いながらしみじみと話していたのだ。自分たちで招聘しておきながら、この勝負、見たくないね……と。いや、勝負は見たい。でも、結果を見るのがイヤだったのだ。本当に俺たちふたりはエフォクリもゲネポも大好きなので、どちらかが負ける姿を見たくなかったのである。その気持ちは、江野本が作ったステージイベントの台本に現れていた。この2チームのタイムアタック勝負の部分に、江野本はこう記していたのである。

 「さあ勝負の結果は……なんと同タイム!! 両チームの勝利です!!」

 と……。その気持ちは、俺も痛いほどわかった。もうゲネポにとっては、負けることはチャンピオンとしての沽券に関わる。一方のエフォクリにとっては、負け=2連敗、ということ。どちらも負けることのできない勝負だったのだ。そのとき、俺は江野本にこう言った。「もしかしたら俺たち、すごく残酷なことをやってもらおうとしてるのかもしれないね」と。江野本はこう返した。「そうですね……。彼らが真剣にやってくれることがわかっているだけに、ちょっとツライです……」。

 勝負が終わり、イベントも滞りなく終了したあと、俺たち6人は会場の控え室に集まってこの日の勝負を振り返った。そのとき、ゲネポとエフォクリから出た言葉とは……?

 次回に続きます。

2008年07月29日

【MHP 2nd G】第80回 『ニャンと!』な発売記念イベント その2

 『ニャンと! 逆鱗日和』発売記念イベントリポートの続きです。

 無事、サイン会を終えて、ステージイベントに臨んだ大塚角満。大それたことに我が社のボスである浜村通信をインタビュアーに据えてのトークショーも無事(?)終わり、ホッと胸を撫で下ろしたのもつかの間、このトークショーよりも何が起こるか皆目わからない恐ろしいステージイベントが始まってしまった。その名も”逆鱗日和ファミリーvs.G級ティガレックス2頭”! 読んで字のごとく、我が逆鱗日和ファミリー(大塚角満、中目黒目黒、女尻笠井、江野本ぎずもの4人)が、G級のティガレックス2頭を討伐する様を来場者にお見せしちゃおうという神をも恐れぬ行為でありますな……。さんざんブログや『ニャンと!』で我々がティガにボコられる姿を赤裸々にお伝えしてきたが(しかも下位や上位)、今回の相手は最上位のG級ティガレックス! しかも事前の練習などいっさいしていないものだから、本当にふだん俺らが遊んでいる姿をそのまま、150人の観客の前でさらすことになってしまったわけだ。まあ自分らで仕込んでおいて”なってしまった”ってのもヘンな話だが、俺らのプレイを人様の目にさらしても何のメリットも差し上げられないので大いに戸惑っていたことは事実です(苦笑)。

kadoman7.jpg
▲なんか厳粛な雰囲気の写真だが、中身はぐだぐだです。左から笠井、目黒、スクリーンを挟んで江野本、大塚。

 それでも始まってしまったG級ティガレックス2頭討伐。武器は、笠井がフルフルフルミナント。ティガレックスに有効な雷属性の大剣だ。江野本は麻痺属性の片手剣、デスパライズ。いつでもどこでもデスパライズ。「そんなにデスパライズが好きか!!」と突っ込むと彼女はいつも「これしか持ってないんスよ!!」とグレムリン化。なので、これでいいのです。江野本ぎずもとデスパライズは一心同体なのです。そして目黒は、なぜか火属性の大剣・火砕斬。ティガレックスに火属性はたいした効果もないが、この男はいつもこうなのである。MCのルパン小島から「なんで火属性の大剣なの?」と当然のように突っ込まれても、「……これしかないんです」とボソリ。さらに詳しく書くと、目黒はいちばん最近できた武器をしばらく使い続けるというクセがあって、この火砕斬もつい最近できたばかりなものだから、この日も当然のように持ってきたってわけである。そして俺の武器は当然ながらガンランス、しかもキチンと古龍銃槍エンブレムを持っていった。やっぱり晴れの舞台、ここは”角満ガンランス”と呼ばれる(呼んでるのは俺だけだが)この武器で臨むしかなかろう。

 そんなこんなで始まった逆鱗日和ファミリーのクエストだが、じつは無我夢中でやっていたため内容をほとんど覚えていない(苦笑)。かすかに覚えているのは、目黒がムチャな溜め3斬りばかり狙って、そのたびにティガの回転アタックを食らって瀕死の重傷を負っていたこと、江野本の”奇跡のマヒ”が2回も炸裂(マジで奇跡)したこと、笠井が意外なほど冷静だったこと、目黒が2オチしたこと。それと、シビレ罠にティガレックスをハメて目黒、笠井、江野本の順番で爆弾を置いていたとき、まだ江野本が爆弾から離れないうちに俺が竜撃砲を暴発させてしまい、江野本がヒラヒラと宙を舞ったこと……。あとそうだ!! 1頭目を討伐して嬉々として剥ぎ取りをしていたら、その日大活躍だった俺にご褒美として”轟竜の天鱗”が2回連続で出るという激運が発動したこと(さすがに会場がどよめいた)には驚いた。でも覚えていることって、そのくらいである。あと、2オチにビビった目黒が、ダメージを食らったとたんにモドリ玉を使い、キャンプに逃げ帰ったことは鮮明に記憶に残っている。なんたって、俺の目の前で敵前逃亡しやがったからな(笑)。まあそんなグダグダな状況でも奇跡的に10分針で2頭目のティガレックスの討伐にも成功! この快挙(なのか?)に、会場から暖かい拍手が贈られた。

 ……って、やっぱり自分が出ていたステージイベントの詳細書くって難しいな!! 覚えてないわメモもとってないわで、こんなに筆が鈍ったの久しぶり……。誰か俺の代わりにリポートしてください。

 まあでも、俺らのしょーもないクエストはいいや(苦笑)。問題はここからなのだ。じつは今回のステージイベントに、あるスペシャルゲストを招いていたのです。そのゲストの名は……”Effort Cristal”と”もうゲネポ”!! そう、今年のモンハンフェスタで全国優勝、準優勝に輝いたチームを「俺の友だち」ってことで招待したのである!! 彼らにやってもらったこととは……長くなるので詳細は明日!!

2008年07月28日

【MHP 2nd G】第79回 『ニャンと!』な発売記念イベント その1

 文章を書ける気がまったくせずに、会社のデスクでポケーっとしていたらこんな時間になっちゃいました。昼飯をいっしょに食った中目黒目黒に「原稿が書けん」と伝えると、彼は間髪入れずに「それ、思いっきり”燃え尽き症候群”じゃないスか?」とボソリ。何となく、こういう風になってしまう予感はしていたのだが、燃え尽きるにはあまりにも早すぎる。というわけですっかり日も暮れてしまったが、がんばって筆をとってみることにした。

 昨日、7月27日に、ワタクシの3冊目の単行本『モンスターハンタープレイ日記 本日もニャンと! 逆鱗日和』の発売を記念したサイン会&オフ会なるものが開催された。この企画が立ち上がった当初は、「サラリーマンである俺がこんな大それたことをしていいのだろうか……?」と大いに悩んだものだが、イベントが開催される数日まえにはすっかり気持ちは吹っ切れ、「早く27日にならないかなぁ〜♪」とワクワクするようになっておりました。

 今回のイベントは、ちょっとビックリするほど”手作り”のものだった。よく枕詞として”手作り感溢れる……”なんて使うことがあるが、このイベントは文字通りの手作り。たとえば、サイン会とオフ会に来てくれた人にちょっとした小冊子(”『ニャンと!』ができるまで”と題した俺と江野本ぎずもの対談や、ゲームと関係ない俺が書いたエッセイが数本入っている)を作って配ったのだが、中に書いてある原稿はすべて俺が書き(これは当たり前だが)、デザイン、印刷は『ニャンと!』のデザイナーでもある松岡さん、裁断はファミ通ニュース記者の百人乗っても稲葉、製本は同じくファミ通ニュース記者のキモ次郎、そして小冊子の裏すべてに俺がサインを入れた。印刷・裁断・製本・サインだけで何時間かかったんだろう(苦笑)。会場に来てこの小冊子を受け取った人ならわかると思うが、小口がバラバラで揃っていないのは手作りだったからなのです。印刷所に頼めば当然もっとキレイに作れるのだが、俺とイベントプロデューサーの江野本が大事なときに海外出張だったため、その手はずができなかったのだ。それと会場にあった”大塚角満を中心とした人物相関図”や写真のキャプションも全部俺の手書き(笑)。これらはすべて、イベントの前日の夜に江野本と打ち合わせをしながら作ったものである。来場者の皆さんがこれらをどう見てくれたのかわかりませんが、とにかく一生懸命やったということだけはここに書かせてください。

 さて当のサイン会だが、俺がステージイベントのリハーサルをしている段階(午前10時45分くらいかな)ですでに長蛇の列ができており、早めに会場に行ってサインを始めてほしいとウチの企画宣伝部の人が焦りながら報告してきた。マ、マジで……? この暑い中、そんなにたくさんの人をお待たせしてしまってるんか……。とたんに、心の内で動揺し始める俺。そもそも俺は字を書くのが遅いので、サイン会に割り当てられている1時間半の制限時間の中ですべてをこなせるかどうかが事前からの懸案事項だったのだ。というわけで急遽、早足でリハーサルを終えてもらい、俺はサイン会場のホールに駆け込んでいった。

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▲開場まえから、こんなにたくさんの人が来てくれました……。感激!!

 サイン会場にしていた会議室に入ると、そこにはすでに多くの人が集まってくれていた。盛大な拍手に包まれながら、設えられていたテーブルに着席してさっそくサインを始める。意外なほど少年少女が多く、彼らにハニカミながら「いつもよんでます!」、「おうえんしてます!」と言われるのが、どう表現していいかわからないくらいうれしかった。彼らの笑顔を見た瞬間に、「こういう機会を設けて本当によかったなぁ……」と思ってしまったよ。

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▲少年ファンに囲まれながらサインをする大塚角満。至福のときだねぇ……(シミジミ)。

 けっきょくサイン会には200人以上の人が来てくれたようだ。すごいすごい。ありがたいありがたい。途中、予想以上の人出に焦った企画宣伝部から(大塚さん、書くスピードをアップしてください!)とささやかれたので大いにビビり、もともとヘタな字がさらにヨレヨレになったような……。まあ、元が元なので書いている俺本人にしかウマいかヘタかはわからないと思うのだが、なんだかちょっと恐縮でした……。

 それでもほぼタイムスケジュールどおりに、12時半にはサイン終了。急いで会社の2階にあるイベントスペースに行き、関係者と簡単な打ち合わせ。そしてすぐに、イベントが開始になる午後1時になってしまった。
※追記※贈り物を下さった皆さん、わざわざありがとうございました! 逆鱗日和ファミリーの面々でおいしくいただいております♪

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▲俺がホワイトボードに手書きした人物相関図。かなりヤバイ(意味深)。

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▲会場に、未公開のコラムひとつ(”テオ物語 その2”ってやつです)と、かなり昔に書いたまま放置してあったコラムを拡大パネルにして展示した。幻のコラム展ですな。

 今回のイベントのMCをお願いしたルパン小島、佐治キクオの軽妙なやりとりで温まった来場者の拍手に招かれ、ステージに登壇する。不思議と、緊張感がまるでない。こうやって人前で何かをするのって苦手な性分だったのだが、無性に楽しくて仕方なかった。ペラペラと3人で、いつもの調子で軽口を叩きあう。ホントに、いつも俺たちが編集部でしゃべっているときのノリ(苦笑)。こういうのをステージでさらすっていうのもどうかと思うが、会場が沸いてくれていたのでとてもやりやすかったです(笑)。

 続いてステージにこの日の最初のゲストが現れた。ズンズンズン……とやってきたのは我らがラスボス、エンターブレイン社長にして週刊ファミ通主筆の浜村通信その人!! もちろん、ここに浜村通信が登場することは知っていたのだが、本気で恐縮してしまう俺。それを見た佐治キクオがニヤニヤ笑いながら、「一介の部下に休日の日曜に呼び出されて、ハマさんもたまったもんじゃないっすよね!!」なんて余計なことを言うもんだから俺はもうすっかり平身低頭。浜村通信もニヤニヤ笑って、「なんか、行列に並ばないとサインをいただけないと聞いたので、ここに本とサインペンを持ってきました。センセイ、サインお願いします」とやったもんだから来場者は大笑い。しかしそこは大塚センセイ。毅然とした態度で、「あの、サインは並んでいただかないと困ります」と言ってしまったものだからサアたいへん。浜村通信、鬼の形相で本とペンを床に置き捨て、ラージャンのように激昂! 小島と佐治が腹を抱えて笑いながら「まあまあ! 落ち着いて落ち着いて!」となんとかとりなし、そのわりに俺たち4人は笑いながら椅子に座って、いろいろなおしゃべりを始めた。

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▲おかげさまで会場は大入り!! マニアックな『モンハン』用語が出てきてもへっちゃらな人ばかりの集いだったので、じつに話しやすかった(笑)。

 始まってからわかったのだが、このトークショーはどうやら、浜村通信、小島、佐治の3人がかりで大塚角満をいじる、というものだったようだ。なぜ始まってからわかったのかというと、このトークショーでのやりとり、台本にいっさい内容が載っていないうえにリハーサルを1回も行っていないオールアドリブだったから(苦笑)。ボスである浜村通信と、先輩の俺をまったく敬っていない悪魔のようなふたりのMCに何を言われるのかと、俺はステージ上でビビりまくっておりました。ちょっとそのやりとり。テープをまわしていないのでかなりうろ覚えなんだけ、覚えている限りで。

浜村 大塚の『2nd G』のプレイ時間はどのくらいになってるの?
大塚 えっと……。500時間くらいですかね……。
浜村 ふぅん……。ずいぶんやってるんだね。
大塚 いやあ、はい。
浜村 ということは、その500時間はゲームで遊んでいて仕事はまったくしていない、ってことだよねえ?
大塚 !! そそそ、そんなことないッスよ!! キチンと通常業務をこなしてから、『2nd G』で遊んでいるんです!!
小島 それにしたって500時間って多くないですか?
浜村 だよね。
大塚 いやいやいや! これでも僕は副編集長ですよ? あくまでもそっちの業務がメインですから!! だいたい先週も浜村さんといっしょに、E3の取材でロサンゼルスに行ってたじゃないですか。
浜村 ……いたっけ?(ニヤニヤ)
大塚 いましたよっ!! 思いっきり目の前で食事してたじゃないですか!!!(激昂)
浜村 えー、そうだっけえ?(笑) まあでも、500時間ってのはすごいね。
大塚 アレですよ。僕は通勤電車に乗っている時間が片道で1時間半くらいあるので、おもにそこで、遊んでいるんです。
浜村 あーなるほど。電車の中でだけ『2nd G』で遊んでいて、会社ではまったくやってないってわけだ。
大塚 えっと……そ……んなこともないんですけど……(苦笑)。
佐治 そうだよ!! 『2nd G』の発売日から数えても、電車の中だけで遊んでいたんじゃ500時間にならないじゃないっすか!! 計算あわねえよ!!
大塚 うるせえ!! そういうこと言うな!!

 えー、終始こんな感じでした(苦笑)。

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▲こういうのを”及び腰”と言うんだろうねぇ……(苦笑)。

 このあと、ステージではバカバカしい逆鱗日和ファミリーによる緊急討伐ステージ、さらにスペシャルゲストによるタイムアタックが行われたりするのだが、その模様は明日、書かせていただきます〜。

※『ニャンと! 逆鱗日和』情報!※
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2008年07月25日

【MHP 2nd G】第78回 我がまわりの都市伝説

 かつて『モンスターハンター』シリーズほど、独自解釈というか都市伝説というか、とにかく”自分のまわりにだけ流布する眉唾モノの言い伝え”が多いゲームがあっただろうか? 昔、確か『ダビスタ』だったかと思うが、ある条件を満たした馬を作るとゴール前の直線で翼を生やして飛んでいってしまう……という、少々物悲しい都市伝説を聞いて腹を抱えて爆笑したことがあるが、まあこの手のアヤシイ話が『モンハン』シリーズには蔓延していると思うのです。昔から言われている代表的なところでは、「リオレウスの股間付近で剥ぎ取りをすると”火竜の紅玉”が出やすい」とか、「レウスやレイアの尻尾を切断して間髪入れずに剥ぎ取りをすると”火竜の逆鱗”が出やすい」などなど。また俺はあるとき、とある少年ハンターに「森丘にはマレに、範馬勇次郎なみに強いドスランポスが出ることがある」という、都市伝説を通り越した心霊現象のような話を聞かされて肝を冷やしたことがある。ここに挙げた話は、全部ホントなんでしょうか?(んなわけない)

 で、ここ最近になっていくつか、我が耳に『2nd G』に関する都市伝説が飛び込んできた。ちょっとそれらを紹介しよう。

●雨の日はマカライト鉱石が出やすい

 これ、我が身内から聞いた話である。あ、でも皆さん、勘違いしないでくださいね。この雨とは、「雨が降っている夜の密林で鉱石採集をするとマカライトが出やすい」という、それなりにゲームと密接した「何となく信じてもいいか」的な話ではなくて、「現実世界でリアルに雨が降っているとマカライトが出やすい」と言っているのである。リアルとバーチャルがクロスオーバーした、超ハイテクが搭載されていても実現不可能と思えるこの民間伝承。この、眉唾モノもいいところの都市伝説を聞かせてくれた身内の女性を「んなことあるわけないだろ!!」と叱りつけると、彼女は憤慨そうに頬を膨らませて「だって、ホントにたくさん出るんだもん! 雨がマカライトを呼ぶのよ!」と言って、梅雨の週末にマカライト集めに励むのであった。

●火山で斬った尻尾は熱のため腐りやすく、時間が経つといい素材が剥げない

 この都市伝説というか嘘八百を俺に吹き込んだのは、上記の”尻尾は鮮度が命”の伝道師である”ゴメさん”こと中込さんである。この人はグラビアアイドル、大網亜矢乃ちゃん(通称あみ子ちゃん)のマネージャーさんで、ときたまフラリと俺の前に現れて、いくつかクエストをこなしたら再び風のように東京の雑踏に消えていく神出鬼没な人なのだが、じつに言動がおもしろく、この人と遊んでいるときの俺はつねに笑いっぱなしなのであった。そんなゴメさんが昨日、あみ子ちゃんとともに俺の前に現れて、江野本ぎずもを加えた4人でG級リオレウス討伐に向かったのである。そして首尾よく、旧火山の7のエリアでレウスの尻尾を切断したときに、件のゴメさんが弾けたように「ここは火山ですっ! 熱いですっ! 尻尾の鮮度はすぐに落ちて腐ってしまいますよ! そうしたらロクなものが剥げない! 急いで急いで!!」と言ったわけですねぇ〜(笑)。俺は目をむいて「ゴメさん!! またヘンな都市伝説を広めようとしてるでしょ!! やめてよ!!(笑)」と大爆笑。でも確かに、しばらく時間が経ってから剥いだ素材はロクなものではなかったので、この人の言うことを頭から否定できない自分がいるのもまた事実なのである(苦笑)。

●ギルドカードの称号に自分が欲しい素材を書いておくと、その素材が出やすくなる

 我が身内の大学生、S君はアルバイトで学習塾の講師をしている。S君の教え子の男の子たちは見事なまでにハンターばかりで、休憩時間などに『2nd G』の話をして盛り上がることも頻繁にあるという。そんなあるとき、教え子のひとりに聞かされたのが上の都市伝説。教え子の少年はマジメな顔で「せんせえ! ギルカに欲しい素材書いておいたほうがいいよ! 出やすくなるからさ!」と宣言したというのだ。じつはこの都市伝説ネタをブログに書こうと思ったときにS君に「学生のあいだで語られている都市伝説ってない?」とメールで聞いたら、この話を教えてくれたのである。S君のメールの最後には「……まあ、僕は信じていないけどね(笑)」と書き添えてあったが(笑)。でも「宝くじはどうせ当たらないけど、買わないともっと当たらないから買っておこう」ってのと同じで、俺は今後、欲しい素材をギルカに組み込んでおこうと思う。……ま、おまじないみたいなものですな。

●大砲モロコシで竜撃砲を撃つと、先端からポップコーンが飛び出す

 これ、都市伝説なのか?(苦笑) あるとき友だちに冗談で「大砲モロコシの先端からはポップコーンが出る」と聞かされ、あまりにもメルヘンチックで牧歌的な言葉の風景に魅せられて、その後いろんなところでこの都市伝説を吹いている。ハンターがどんなに踏ん張っても大砲モロコシの先端からポップコーンが飛び出すことはないのだが、あとは自分の意思と想像力の強さでもって、イメージを補完するしかあるまい。

 じつは俺のまわりにはもっとたくさんの『モンハン』都市伝説が転がっているのだが、キリがなくなるので今日はこのへんで。せっかくの機会なのでぜひぜひ、皆さんのまわりにある都市伝説やジンクスなんかも教えてくださいな〜。

※大塚角満地方出張企画、たくさんのご応募ありがとうございます! 本当に多くのお便りをいただいて、うれしくて泣けてくるようです……。皆さんからいただいたお便りはすべて、じっくりと読ませていただいております。まだまだ応募を受け付けておりますので、よろしくお願いします〜。

※『ニャンと! 逆鱗日和』情報!※ 
NEW! ●今回の『ニャンと! 逆鱗日和』の帯にコメントをしてくれたのは……なんと次長課長の井上聡さん!! 芸能界一のハンターとして知られる井上さんは、『2nd G』のテレビCMでもすっかりおなじみ。今回、『ニャンと!』の中に井上さん、ネゴシックスさん、そして僕との座談会が収録されているご縁でステキなコメントを寄せてくれたのです。必見!
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2008年07月24日

【MHP 2nd G】第77回 本日もニャンと! 逆鱗日和

 これ、かなり個人的なことだし、内容もはっきり言って私小説(苦笑)。でも、読んでやってください^^;

◆◆◆

 帰宅したのは、朝の4時ごろだった。東の空は、すでにかなり明るい。ここ数週間、こんな日が続いている。疲労のピークはとっくの昔に通り過ぎてしまった感があったが、自分たちで選んで進んでいる道なので、それは覚悟の上のことだった。ビールを1缶だけ飲んだら、布団に入ろう。がんばって早起きして、行かなきゃいけないところがあるからな。俺は缶ビールの缶に直接口をつけてグビリとひと口苦い液体を喉に流し込みながら、「今日も暑くなりそうだなぁ……」と独りごちた。

 そして、今朝。午前9時に強引に起きて、手早く身支度を整える。午後1時から打ち合わせが入っているので、それまでに"ある作業"をしなければならないのだ。家の玄関を開けて、すっかり熱くなってしまった夏の空気に飛び込む。熱い空気のカタマリに跳ね返されて家に押し戻されそうになりながらも、「なんのなんの」と力強く一歩を踏み出してズンガズンガと駅を目指した。

 目的地に向かう途中の駅で江野本ぎずもと合流。疲れが抜けきれない表情ながらもにっこりと微笑む彼女に向かって俺は言った。「ちゃ、ちゃんと売ってるかな?」。江野本がこれに応えた。「売ってなかったら困ります(笑)」。そう、俺たちは『本日もニャンと! 逆鱗日和』が発売となるこの日に、都内の書店を見て歩くプランを立てていたのだ。と言っても、俺の予定が詰まっているので、見に行ける書店は1店舗だけ。俺たちふたりは粘度の高い新宿の空気の中を泳ぐように進み、とある大型書店までやってきた。そして、店のいちばん目立つ場所にズラリと並べられたお目当ての本を発見して、俺は狂喜乱舞した。

 「えのっち! 売ってるよ!!」

 飛び上がらんばかりの勢いで江野本に告げた。

 「『ハリー・○ッター』の最新刊!!

 言った瞬間、俺は真夏のそれとは思えない絶対零度の無言の視線を江野本に照射され、とたんに「じょ、冗談ですヨ、ジョーダン……」と平身低頭。「ささ、ゲーム攻略本売り場は下の階となっておりますので^^;;;」ってな具合にヘコヘコとしながら、1階にあるゲーム攻略本売り場までやってきた。見ると江野本、唇をキュっと噛み締め、明らかな緊張の表情をしている。自分が始めてディレクションした単行本が店頭に並ぶ日なのだ。その心の内は一種独特な感情で満たされていることだろう。俺は何も言わずに江野本の前に立って、マンガコーナーをす早く通過しゲーム関連書籍コーナーへ。若干緊張しながら眺めて見たところ、大型書店のわりにはゲーム関連書籍のコーナーはそれほど大きくない。だ、大丈夫かな……。本当に売ってるかな、『ニャンと! 逆鱗日和』は……。体中の汗腺からイヤな汗を噴出させながら、挙動不審にぎょろぎょろと周囲の本棚をねめつける逆鱗日和ファミリー。すると……。

 「あった!! ありましたよ大塚さん!!」

 江野本のよく響く声が俺の鼓膜を揺るがした。彼女が指差す先を見ると、おお、本棚のいちばん目立つところに10冊ほど、『ニャンと! 逆鱗日和』が安置されているではないか……。しかもご丁寧に、『本日も逆鱗日和』、『本日ももっと! 逆鱗日和』と並べて陳列されている。よかった……。ちゃんと発売されてた……(笑)。江野本を見ると、さっきと同じように唇とキュっと結びながらも、その目はちょっとだけ潤んでいるように見えた。俺は江野本に言った。

 「えのっち、今日のブログに”『ニャンと!』を見つけた江野本は、感動の涙を流しながらその場にしゃがみこんだ”とか書いていい?(笑)」

 江野本、キっと俺を睨みつけるも、さきほどのような絶対零度の冷たさはもうそこにはなかった。

 「もう、何でも好きに書いてください……(苦笑)。でもよかった、ちゃんと並んでいて……。なんか安心したら、おなか空きましたね(にっこり)」

 というわけで無事、『逆鱗日和』シリーズ第3弾『モンスターハンタープレイ日記 本日もニャンと! 逆鱗日和』が発売されました。これもひとえに、応援してくださっている読者の皆様のおかげです。書店でお見かけの際はぜひお手にとって眺めてみてください。いろんな『モンハン』が詰まった、宝石箱のような本になったんじゃないかと著者、編集担当ともに思っていますので。

 とりあえず、よかったよかった……。

2008年07月23日

【MHP 2nd G】第76回 『ニャンと!』のイヴに

 今日は7月23日。『モンスターハンタープレイ日記 本日もニャンと! 逆鱗日和』の発売前日である。これで3冊目の単行本だし、すでに本書が並んでいる書店もたくさんあるので、発売前日の独特な感慨を覚えることもないのでは……と思わなくもなかったが、やっぱり心はざわざわソワソワとしている。じつは先日までE3の取材でアメリカに1週間ほど滞在していたのだがまんまとひどい時差ぼけになってしまい(時差ぼけは毎度のことなのだが今回はとくにひどい)、いまだに昼も夜もないような生活を続けている。7月27日に迫った『ニャンと!』の発売記念イベントの仕込みで連日夜中まで会社で作業をして、明け方近くに家に帰ってすぐに布団に潜り込むのだが、なかなか寝付けないうえに、ウトウトしたとしても3時間もすると目が覚めてしまう。おかげでいろいろと考え込む時間がたっぷりできてしまって、そのたびに「『ニャンと!』はどれくらいの人が手にとってくれるのだろうか……?」、「おもしろく読んでもらえるだろうか……?」なんてことをグジグジと考えているわけです。いやぁ、緊張するなぁ……。

 そしてついいましがた、我がエンターブレイン社のボスであり、ファミ通の主筆を務める浜村通信のもとに、できあがったばかりの『ニャンと!』を持っていった。毎回、単行本ができるとサインをして、社長室にいる浜村通信に直接届けているのだ。今回、この恒例行事に本書の編集担当である江野本ぎずもを連れて行った。……というか、この『ニャンと!』は江野本がディレクションして作った本なので、どちらかというと俺のほうが"オマケ"としてくっついていった感じである。社長室に入るやいなや、浜村通信はニヤリと笑ってこう言った。

 「あらあら。大塚先生みずから持ってきていただけるとは恐縮です(ニヤニヤ)」

 俺、その場できびすを返しそうになりながらも、ちっこい江野本の背後に隠れるようにしながら社長室に侵入し、江野本がボスに2冊の『ニャンと!』を手渡すのを見届けた。

 「遅くなりましたが、ようやく完成しました」

 と江野本が言った。ここ数週間、俺以上の激務に追われている江野本の顔には疲れが色濃く残っていたが、この瞬間だけは弾けたような笑顔になった。浜村通信は賑やかな絵柄の『ニャンと!』のカバーを撫で、江野本の顔を見てニッコリと笑いながらこんなことを言った。

 「これね、ウチの息子も楽しみにしているんですよ。じっくりと読ませてもらいますね」

 「はい!」と元気に応える江野本。そのやりとりを見て、編集作業に没頭したこの1ヵ月のいろいろな風景が脳裏に蘇った。なんだか泣きたいような気分だった。

◆◆◆

 「最高の『逆鱗日和』を作りたい」を合言葉に、僕と編集がいま持てる力をすべて注ぎ込んで作った『本日もニャンと! 逆鱗日和』が、まもなく発売となります。ぜひ皆さん、お手にとってパラパラと眺めてみてください。きっと、「あ、いままでの『逆鱗日和』となんか違う」と思っていただけると思うので。そして読まれたら、ぜひ感想を聞かせてください。それが僕らの力になるから。

 『ニャンと!』が、たくさんのハンターに愛されますように。

2008年07月22日

【MHP 2nd G】第75回 ”痺れ状態”について考える

 以前、”毒状態について考える”というじつにくだらないコラムを書いた。くだらない、と言いつつ、じつは数ある自分のコラムの中でも"お気に入り度"はかなり高く、"好きなコラムランキング"なんてものをつけた日にはTOP5に入るかもしれない。……いや、じつはもっとすごいかも。……堂々の第20位くらいに入るかも! って下がってんのかよ!! と、なぜかハイテンションで自らツッコミをしてみました。なんたってこのコラム、ロサンゼルスから日本へ向かう飛行機の中で書いているからね(だからどうした)。

 まあいい。とにかくかつて、"毒状態について考える"というコラムを書いたわけよ。内容は何のことはない、毒を食らったモンスターがどういう気分でいるのか、ということを妄想含みに分析しただけのものなんだけどね。詳しくは拙著『本日も逆鱗日和』に収録されているのでそちらをぜひ、読んでみてくださいな。

 んでね。

 このコラムを書いてから幾星霜。あるときふと思ったのです。「"毒"については書いたけど、"痺れ"については書いてねえな」と。じつは『本日も逆鱗日和』を読んでくれた読者の方からも、「痺れ状態になったモンスターはどんな感じになっているのですか?」という、かなりマジメに痺れ状態のモンスターを憂うお手紙をもらったりしていたのだ。ヨシ、ここは久々に"プロフェッサー大塚"となり、痺れ状態になったモンスターが何を思っているのか、じっくりと考えてみたい。

 『モンスターハンター』の世界における"痺れ"、つまり"麻痺"の地位はかなり高い。ほかの状態異常攻撃と比べてもその威力のほどは絶大で、麻痺武器軍団もそれがわかっているもんだから明らかにほかの状態異常武器を見下している感がある。同じ片手剣のデスパライズとポイズンタバルジンが会話をしているのを聞けたとしたら、絶対にデスパライズは、「アレ(失笑)。おたく、まだ毒とか言ってんの(冷笑)。ぷぷ」なんて上から目線でポインズンタバルジンに接しているに違いない。なんとなく、そんな感じがしませんか? ……イヤここはひとつ、「んなことは一瞬たりとも思ったことはない」なんて言わずに、わかった気になって読み進めてください。

 このように地位も影響力も大きい、政治の世界における派閥の領袖のような痺れ状態なわけですが、これを我々のリアル日常生活に当てはめるのはなかなか難しい作業ではある。あるとき突然、全身がビリビリと痺れて動けなくなり、数秒後に「うっはあ!!! ナンだったんだいまのは!!! ビビったビビった!!」って具合に開放されるわけでしょ? そんなこと、俺たちの日常に起こりうることなのかね?

 って、じつはあるんですよコレが。『モンハン』世界の痺れ状態に酷似した現象が、我々の身にも起こるんです。何を隠そうそれは……、

 "金縛り"

 これですコレ。この現象はマジで、痺れ状態そのものなんです。

 俺が初めて金縛りにあったのは中学生のころだ。夜、布団で寝ていたら突然とてつもない轟音が頭の中で鳴り響いて、ナンダナンダ!! と思った瞬間には身体がピクリとも動かなくなっていた。俺は小学校低学年のころからオカルト話が大好きなどうしようもないガキだったので、身体が動かなくなった刹那に「かかか、金縛りになったっ!! 金縛りだ金ばしりだ!!」と確信したものである。声を出そうにも自分が呼吸しているのかどうかもわからず、いくらあがいてもアウアウとも言えない。もしかしたら目を開けることくらいはできたのかもしれないが、「いま目を開けたら絶対に魑魅魍魎を目撃してしまう!」と勝手に確信していたので、とてもじゃないけど恐ろしくて薄目すら開けることはできない。そうこうするうちに頭の中の轟音は遠ざかり、身体から力も抜けて、恐ろしい金縛り初体験は終わりを告げた。どれくらい自分が動けずにいたのかさっぱりわからないが、起き上がったときには全身が冷や汗でびしょ濡れで、そのときのパジャマの冷たさをいまでも鮮明に覚えている。本当に恐ろしい体験であった。

 それから俺は、比較的頻繁に金縛りに合うようになった。自室で友だちとゲームを遊んでいるうちに眠くなってコタツで寝てしまい、まんまと金縛り状態に突入して、「うわああああっ!!」ととんでもない大音量の悲鳴をあげて飛び起きて友だちの肝を潰したこともある。そのくらい、金縛りは恐ろしい現象なのです。

 このように金縛りのキーワードは、"あるとき突然"、"身体が動かなくなり"、"声も出ず"、"何秒後かに開放される"ってなところだが、これ完全に『モンハン』世界の麻痺状態と同じなわけです。つまり麻痺属性の武器で殴られたり、シビレ罠にハマったモンスターたちはおしなべて、

 「……!!! うっは!! 金縛りだ金ばしりだ!!! 声も出ねえ!! 身体も動かねえ!! おっかねえおっかねえ!!!」

 と、心の中でわめいているに違いないのである。あんな怖い顔をしたテオ・テスカトルやデカい図体で我々を威圧するアカムトルムですら、金縛りの呪縛からは逃れられない。彼らも麻痺状態になったとたんに、「ひぃぃぃぃ!! かかか、金縛りだ!!」とビビりまくり、冷や汗でびしょ濡れになったパジャマを恨めしく眺めているに違いない。

 さてこの金縛りという現象だが、一説によると"寝ているときに全身が攣ってしまった状態(つまり筋肉痙攣ですな)を指す"なんて言われることもある。確かに言われてみると、俺は寝ているときにときたま、「……ぐはあああ!!! こ、腰が攣った!! 首も攣った!!」てなことになって飛び起きることがある(病院行ったほうがいいですか?)。もしも"痺れ=全身痙攣"となるとモンスターたちは……。

 「……ぐはあああ!! う、腕が攣った!! 脚が攣った!! 腹が攣った!! 背中も攣った!! ついでに尻尾も攣った!! トドメに顔も攣ったあああ!!」

 てな感じで痛々しいったらありゃしない。

 ……ってまあ、ここまで書いておいてこう言うのもナンですが。

 「だからどうした」って感じのコラムですねコレ……。

2008年07月18日

【MHP 2nd G】第74回 パラレルワールドの狩人たち

 先日、ひとりで森丘フィールドを舞台にしたリオレウス亜種の討伐に出向いた。クラスは上位。とっくの昔にハンターランク9になって、G級を舞台に暴れまくっている俺からしたら、じつにたやすいクエストである。

 ところがこのクエスト、まったく思うようにいかなかった。森丘のリオレウス亜種討伐なんて、『モンスターハンターG』の時代から数えたら、それこそ何百回、何千回と足を運んだクエストである(言いすぎ?)。しかも、クラスは上位。いったい俺に何が起こったのだろうか?

 苦戦の最大の理由は、リオレウス亜種がなかなか見つからなかったこと。リオレウス亜種が向かう先なんて限られているんだからそうそう苦労なく見つけられるはずなのだが、このときはなぜか、うまくいかなかった。なんでこんなことになってしまったのか? クエストが終わったあとに珍しくひとり反省会などを開いて、オトモアイルーと顔を突き合わせてしみじみと考えた結果、ひとつの結論にたどり着いた。そうか……。すべての元凶はあれだったのか……!

 このクエストが始まったとき、俺はエリア9に立っていた。最初にリオレウス亜種がいるのはエリア5なので、かなり距離は近い。ダッシュで向かえば十分に間に合うであろう。俺はエリア5でリオレウス亜種を捕まえるためにRボタンを押しっぱなしにして、わき目も振らずにエリア3、エリア4に突入。エリア5に入ろうとした。

 ここで、俺にささやかな事故が起こった。

 エリア4でぷい〜んと軽薄に飛び回っているランゴスタに、ブチュンと1発、尻キッスを食らったのである。そんなたいして痛くもないくせに、「ぐはぁ!」とか言いながら大きくのけぞる我が分身。まったく、おまえ初めてランゴに刺されたわけじゃねえだろ。いちいちオーバーに驚くんじゃありません。見てるこっちが恥ずかしいでしょうが。とか何とか言いながら、壊しても壊しても飛来するランゴスタの相手をしていると日が暮れてしまうので、俺は「いまの1発は貸しといてやるぜ」とニヒルにかっちょいいセリフをランゴスタに言い放ってから、エリア5に侵入した。 

 ところが、飛竜の巣はもぬけの殻だった。

 どうやら俺がランゴスタのささやかな狼藉にあっているうちに、リオレウス亜種はバサリバサリとどこかに飛んでいってしまったようである。まあでも、前述のとおりリオレウス亜種の行き先なんて、脱走した飼いイヌの行き先がいつも同じなのと同様にたかが知れている。俺はエリア4に踵を返してエリア3を通過し、100パーセントそこにいると信じて疑わなかったエリア9に乗り込んだ。

 しかし、リオレウス亜種の姿はない。

 あれぇ……? おっかしいな……。ここにいないとなると、ヤツはどこに飛んでいったんだ? ああ、もしかしたら気まぐれ起こして、エリア10で水でも飲んでいるのかも。なーんだそうか。エリア10か。ここから近いし、さっそく行ってみることにしよう。俺はそこにいる率85パーセントほどの思いを胸に秘めながら、エリア10に乗り込んだ。

 ところが、ここにもリオレウス亜種の姿はない。

 どどどどうしたことだ……。こんなに忽然と姿を消すモンスターだったかコイツ……。それでも俺はめげずに、「こここここにいないとなると、ヤツの行き先は完全に絞られる。そう、エリア2だ!! リオレウス亜種はエリア2でランポスと戯れているに違いない!!!」と大声を出して宣言し、そこにいる率12パーセントほどの淡い期待を胸に抱きながらエリア2にやってきた。

 ……まあここまできて簡単に発見できるのならこんなコラムを書く必要はないのだ。俺は当然のようにエリア2でもリオレウス亜種を発見することがかなわず、その後十数分にわたって森丘フィールドを駆け巡ることになるのである。

 さあここまで読まれたらわかったと思います。俺がリオレウス亜種を見失って予想だにしなかった森丘クロスカントリーをやらされるハメになった理由はただひとつ。ランゴスタの野郎の1発の尻キッスだったのである!! こいつはもう、誰がなんと言おうとそうに違いないのだ!!

 もしもこの世にパラレルワールドが存在するなら、あの森丘のエリア4でランゴスタに刺されなかった俺も存在するはずである。パラレルワールドの我が分身はヒラリと華麗にランゴスタの狼藉をかわし、首尾よく飛竜の巣でリオレウス亜種と遭遇する。鬼の勢いで至高のガンランス、エンデ・デアヴェルトの猛る切っ先をリオレウス亜種の硬い外殻に食い込ませ、何もさせぬまま1ダウンを奪取。舞のような華麗な立ち回りでシビレ罠を設置し、見事にこれにリオレウス亜種をハメて、余裕の態度で尻尾の切断に成功。レウス、怒り狂ってぼわんぼわんと火を吐いても、鉄壁のガードを誇るガンランサーには柳に風に雪に小便。けっきょく世界一のガンランサーはリオレウス亜種の攻撃を一度も食らうことなくわずか5分、見事空の王者を捕獲して勇躍ポッケ村に帰郷するのだった……。

 ランゴに1回刺されただけで、その後のハンティングの結果はこうも違ってくるのです。

 ああ恐ろしや恐ろしや……。

2008年07月16日

【MHP 2nd G】第73回 見極めのできない男

 『2nd G』から新たに導入された素敵スキルの中に”捕獲の見極め”がある。ペイントボールをぶつけてあったり、自動マーキングのスキルが発動しているときに、マップに出るモンスターのカーソルが黄色に変化して捕獲可能になったことを知らせてくれるという、親切度で言ったら堂々の第4位くらいには入ると思われる正義の味方のようなスキルだ。

 さて、過去の経験に則して言うと、こういうマジメなことを冒頭に書いて、まともなコラムになったためしがない。なので今回も非常にイヤな予感がするのだが、そういうことを気にし始めると俺のコラムは少なくとも半分以上はボツになると思われるので、そろりそろりと忍び足で本コラムも書き進めてみたい。

 で、問題の捕獲の見極めだが、じつはこんな書き出しにしていながら俺はこいつが発動する防具を持っていない。なので一度として、モンスターのカーソルが黄色くなったところを見たことがない。こういうことを書くと「なんでこんな便利なスキルを使ったことがないのか?」と疑問を呈するベテランハンターが全国に120万人くらい出現しそうだが、俺ほどのベテランになれば捕獲の見極めなどなくとも、ビリビリボンボンキュッキュ(シビレ罠にハメて捕獲用麻酔玉をぶつけて縄でふん縛って捕まえた音)ってな具合にいくらでもモンスターを捕獲できてしまうものなのです。

 そんなある日、逆鱗日和ファミリーの一員であり、7月24日発売の新刊『本日もニャンと! 逆鱗日和』の編集担当、江野本ぎずもと何かのクエストに出かけた。”何か”というのもじつに乱暴な書きかただが、ここではモンスターがナンだったのかは問題ではないので、テキトーに読者の皆さんの頭の中で好きなモンスターを思い浮かべてもらって問題ありません。G級の激昂ラージャンあたりでいいです。ここのところ毎日のように江野本と単行本の打ち合わせをしているのだが、ちょっと頭を休めたくなったときなどに軽くひと狩り行くことにしているのである。このときもまさに、単行本やら7月27日に予定しているサイン会&オフ会について長時間打ち合わせをしていて、ウニのようになってしまった脳ミソを再び人間のそれに戻すために「息抜きにひと狩りやろか……」ってなことになったのだ。

 で、何かのクエストに行ったわけです。狩猟はハンターサイドに有利なまま順調に進み、終盤あたりに差し掛かった。そこで俺は敢然と言い放ったわけです。「ぼちぼちいけそうなので、捕獲っちゃうよ!」と。これを受けた江野本、「え! もう平気なんですか? さすがベテラン、よくわかりますね。お願いします!」と珍しく尊敬の念がこもった口調で明るく言う。俺、すっかり気分をよくしながらモンスターの足元にシビレ罠を設置し、首尾よくこれにハメて、捕獲用麻酔玉をボンボンとモンスターにぶち当てた。

 しかし、捕まらない

 うーん、やっぱりちょっと早かったか。せっかちだからな、俺。でもまあいい。シビレ罠、まだあとふたつあるしな。俺は江野本に「ごめん。ちょっと早かったわ。もう5分ほど斬ったら捕まえよう。もしかしたら討伐しちゃうかもしれないけどな(苦笑)」と伝える。江野本、元気に頷いて「はい! そうしましょう!」と爽やかに言った。

 そして5分後。

 捕獲失敗

 お、おっかしいな……。もうぼちぼちだと思ったんだけどな……。俺、若干蔑みの色を顔に滲ませている江野本に向かって「え、えのっち、シビレ罠持ってきてる?」と確認の言葉を飛ばす。江野本、それでも務めて明るい声を出して「ありますよ、1個だけですけど。設置してよければ合図してくださいね♪」とニッコリ笑う。俺、すぐに元気を取り戻して竜撃砲を1発モンスターにお見舞いしたあと、江野本に向かって大声を出した。「えのっち!! 今度こそいけるぞ!! 罠作れワナつくれ!!」。江野本、いつにない俊敏な動きで華麗にシビレ罠を地面に設置し、「できました!!」とはじけた声を出した。よーし。今度は余裕で捕まるぞ。捕獲用麻酔玉をボンボン……ボン……?

 「ちょっと」と江野本が低い声で言った。「捕まりませんけど」。俺はもう、顔面蒼白である。3回も連続で捕獲時期を見誤るとは……。いったいどうなってんだ……。しかしまだ俺にはシビレ罠がひとつ残されている。これを外さなければいいんだ。終わり良ければすべてヨシ! 俺は軽蔑光線を無遠慮に照射している江野本に向かって声を荒げた。「うるせえ!! まだ罠はある!! これで捕まえればいいんだ!! 文句あっか!!」。

 そして5分後、俺たちは4個目のシビレ罠にモンスターをハメて、内心祈るような気持ちで捕獲用麻酔玉をボンボンとぶつけた。結果……。

 「ちょっとおおお!! 捕まらないじゃないですかーーーっ!! もう、どんだけ見極めが甘いのよーーーっ!!

 江野本、さらにブチ切れる。

 「もう3クエスト連続で同じことやってるじゃないですかあ!!!」

 そう。じつは最近俺は捕獲するための見極めをミスりまくり、まったくモンスターを捕まえられなくなっていたのだ。なので俺は何の反論もできず、江野本のドデカい非難の絶叫を聞きながらひたすら平身低頭で「し、しぃましぇん……」とくり返すばかりであった。

 この”見極めが悪い”という現象、ていうか性癖!? は、いまに始まったことではない。そしてゲーム内に限定される話ではないからたまらない。

 こういう職業だから、会社の机で校正や原稿が回ってくるのを待っているときなどを利用して、オンラインゲームのロビーや街にくり出しては、一般の友だちとチャットに勤しむことがよくある。ゆっくりチャットができるのはたいがい深夜。深夜ともなるとボチボチ仕事の終了が見え始めるころなので、俺は記事に入った修正点や部下が書く記事の質を見極めて、チャット相手にキチンと、会話ができる時間の目処を報告することにしている。「今日はあと30分ほどで仕事が終了するので、そしたらオチるね」てな具合に。こうすればチャット相手も時間のさじ加減ができるようになるので、残っている時間に言いたいことが言えるようになるだろう……という配慮のもとの行動である。10年以上もファミ通で記事を作っているベテラン編集者ともなると、こういったこともできるようになるのだ。その日も俺は「あと30分でオチまーす」と宣言して、チャットのラストスパートに入ったのであります。

 それから3時間

 いまだ仕事終わらず……

 完璧な読みによると、どんだけかかっても1時間もありゃ終了したはずなのに、その3倍の時間を費やしてもまだ、俺は会社の机で仕事が終わるのを待っている。呆然とする俺に向かってチャット仲間たちはニヤニヤ笑いながら、「また今日もはずれたね(ニヤニヤ)」、「いつものことじゃん、読みが外れるのは(ニヤニヤ)」とチクリ。そう……。じつはこうやって仕事が終了する時間をチャット仲間に宣言して、当たった試しがないのである。それでもたとえば、10分とか20分程度ハズすのだったらわかるのだ。ところが俺の場合はそうじゃなくて、2時間とか3時間とか、この世のものじゃない大ハズシをすることがザラにあるのである。

 そして、話はこれでは終わらない。

 以前何度かこのコラムでも書いたが、我が家には2匹のネコがいる。オスネコのミュウとメスネコのアクア。ふだんこいつらは気持ちが悪いほど仲がよくて、寒い冬などはグネグネと絡まりあって暖をとりながら、くーくーと寝息を立てていたりする。

 しかしこやつら、何かの拍子にスイッチが入るととたんに積年の恨みか親の敵か、とにかく相手の存在を消し去らんとするかのような途轍もない大喧嘩をおっ始めるのだが、つい先日、1年ぶりくらいにこの状態になった。そうなると2匹のアホネコは我が家の1階と2階にそれぞれ隔離され、ベルリンの壁のごとき1階と2階のはざまにあるドアの隙間から相手の顔が見えようものなら、「フーッフーッ! ウニャーーーーーッ!!!」ってな具合にいつまでも元気なうなり声を上げるようになるのである。それがつい2、3日まえ、隙間から相手の顔が見えても、2匹のネコがうなり声をあげなくなった。おお、これぞ仲直りの証。俺はマップに映った2匹のネコのカーソルが黄色くなったのを確かに感じ、ベルリンの壁を壊すかのように2匹を隔てていたドアを開放してやった。ところが……。

 「ンギャラギャーーーーッ!!! フニャーーーーッ!!! ギャギャギャーーーッ!!!」

 世紀のアホネコ、怪獣大戦争のような大立ち回りを演じて、再び1階と2階の隔離生活を始めたのであった……。

 つくづく俺は、見極めのできない男……。

2008年07月14日

【MHP 2nd G】第72回 ハンターの頂点に会ってきた! ”もうゲネポ”インタビュー その6

 モンハンフェスタ`08で日本最速ハンターの称号を手にした”もうゲネポ”のふたりへのインタビューも、今回が正真正銘の最終回です。大会の話から離れて、ふだんふたりがどんなハンターライフを送っているのか、いろいろと突っ込んでみました。では、楽しんでください〜。

◆◆◆

大塚 じゃあふたりの、ふだんのモンハンライフにも言及しちゃおうかな。まず、メインで使っている武器は何なの?
MASAKI 使用率で言うと、大剣とハンマーがいちばん伸びてるんですよ。でもそれは、タイムアタックの練習をそれでやってたからなんですけどね。それを考慮しなければ、けっこうオールマイティーですね。
大塚 あ、そうなんだ! ……ガンランスも?
MASAKI ガンスは……ちょこちょこ使って、100回越えたくらいですね。
大塚 おお……。ほ、ほかは?
MASAKI ほかも100は越えてます(笑)。大剣とかハンマーが300〜400くらいでいちばん伸びているのかな。
大塚 じゃあ逆に、いちばん使っていないのは?
MASAKI ガンナー系ですかね。ヘビィボウガンがいちばん少ないと思います。
大塚 でもさ、今回ヘビィボウガン強くない?
MASAKI唯 強いですねー!! ヤバいくらい強いっすよ!
大塚 唯君は、ふだんは何を使って狩りしてるの?
 僕はハンマーですね。
大塚 あ、そうなんだ。武器使用度は、ハンマーが突出している感じ?
 そうですね。一応、ハンマーは1250くらいかな。
大塚 1200!!? すげえなオイ!!
 いち時期、ハンマーだけ伸ばしていたんですよ。『2nd』からデータ引き継ぎをしなかったので、せっかくだからひとつだけ突出させようと思って。で、ある程度ハンマーのグラフが伸びてきたところで、訓練所でタイムアタックの練習を始めたんですね。そしたら、訓練所で使った大剣とか笛とかもグラフに反映されるじゃないですか!!
大塚 はいはい(笑)。
 もう、めっちゃヘコんで……。
大塚 うんうん……。わかるぞその気持ち……。反映されちゃうんだよねぇ……。
 で、「もうしゃあないわ!! ほかの武器も使ったるわ!!」って開き直って(苦笑)。
大塚 あはは! しょうがねえなと(笑)。
 でも、500くらいまでハンマーだけだったんですよ。それが訓練所に入ったがために、大剣とか笛のグラフがチョロチョロって伸びちゃって……。
大塚 あのショックはねえ、武器縛りを課してプレイしたことあるハンターじゃないとわからないんだよねえ……。だから俺は、唯君の悔しさは我がことのようによくわかるぞ(苦笑)
 でもそのうち傷も癒えて。ババコンガのタイムアタックで大剣を使い始めて、続いてナルガのタイムアタックで抜刀スキルのおもしろさを知って、しばらく大剣ばっかり使っていましたね。
大塚 でもふたりのプレイ時間って、けっこう差がない?
MASAKI ありますねー。僕はもう社会人なんで、学生の彼と比べると遊ぶ時間が圧倒的に少ないんですよ。なので通勤電車の中で必死になってやってますよ(苦笑)。まわりの人はほとんど寝ているのに、僕だけカチャカチャPSPをいじってるんです。きっとうっさいんやろうなーとは思ってるんですけど、「でもいましかないからやらせて!!」って感じで(笑)。
大塚 あははは! 切実な悩みだなあ(笑)。
 こっちは大学生なので、悠々遊んでます。
大塚 大学の友だちとも遊ぶの?
 日本一になって帰ってきてからしばらくはそういう連中とも遊んでいたんですけど、最近彼らは別のゲームに手を出すようになりました(苦笑)。
大塚 あはは! 日本一の神通力も通じなくなってきたか(笑)。
 僕に言わせりゃ、「まだまだ『2nd G』でやることいくらでもあるやろ!!」って話ですよ(苦笑)。
大塚 うんうん、わかるわかる(笑)。
 やり込むゲームなのに、僕のまわりの友だちはそこまで到達しないんですよ。
MASAKI やり込みの段階になると、面倒くさくなるんでしょうね。
大塚 面倒くさくなってからがおもしろいのになあ。
MASAKI そう! そうなんですよ!
大塚 じゃあさ、ふたりが会っていっしょに遊ぶのは土日くらいなの?
MASAKI はい、そうなりますね。タイムアタックの練習していたときは平日も時間を捻出していましたけど。
大塚 でもさ、ふたりはゲームのほかに趣味はないの?
 ……。
MASAKI ……。
 ……麻雀?
MASAKI ……でも麻雀もゲームみたいなもんやな(苦笑)。
 あんまないすね(苦笑)。
大塚 じゃあ休日にいちばん時間を使っている趣味はゲームなんだ。
 はい、そうなりますね。
MASAKI 僕は職業がプログラマーなんですけど、簡単なゲームを作って遊ぶのは趣味みたいなもんですかね。
大塚 あ、そうなんだー。
MASAKI ヒマな時間に、対戦できるオセロみたいなテーブルゲームを作って遊んでたりします。
大塚 かっこいいなあ。でももうすぐ、大学生の唯君は夏休みだし、社会人もお盆休みがあるから、またたくさん『2nd G』で遊べるね。
 そうですね(笑)。もっと『モンハン』のイベントがあったらいいんですけど(笑)。
大塚 モンハン夏期講習があるじゃん。
 ああ、あるみたいですね!!
大塚 それには行くの? ふたりとも。
MASAKI もちろんですよ!! 8月11日からですよね!!
大塚 日本一の看板引っさげて、夏期講習に乗り込むわけやね(笑)。
MASAKI 特別講師せなあかんのちゃうかな? とか冗談言い合ってますよ(笑)。
大塚 あはは! そりゃいいなあ(笑)。……しっかしここ、蚊が多いな!!
MASAKI わんわん飛んでますよ。
大塚 その、日本一汚いとかいう川からここまで飛んで来てんじゃねえか……?
 あっこで生まれて、わざわざここまで来てるんですかねえ(笑)。
大塚 MASAKI君、仕事は忙しいのかい?
MASAKI プログラマーなんで、まちまちですね。
大塚 ほうほう。
MASAKI でもこっから兵庫県まで通ってるんです。
大塚 え……? ここは大阪とは言っても、ちょっと歩いたら奈良県でしょ?
MASAKI はい(笑)。通勤時間、片道2時間かかります(苦笑)。
大塚 うは!! 遠いな!!
MASAKI だから通勤時間を利用して狩るしかないんです(笑)。
大塚 そりゃあ……狩れるね(笑)。
 そんな状況なのに、タイムアタックの練習にちゃんと来てくれていたんですよ。
MASAKI 仕事終わって、午後9時くらいに帰宅したらすぐにバーっとメシを食って、そのまま日付が変わるくらいまで練習していましたね。
大塚 練習場所は、唯君の部屋?
 はい、ずっと僕んちで練習してました。
大塚 うーん、やっぱり日本一になるような子は、立派な求道者なんだなあ……。そんな人たちとぼちぼち……ひと狩りいきますか!!(笑)
MASAKI いっちゃいまひょか!!(笑)
 ……でもここ、蚊ぁ多いので移動しまひょか(苦笑)。

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 いかがだったでしょうか? ふたりの愉快なキャラクターを徹底的に表現したくなって、6回も続けて記事にしちゃいました(笑)。いやあ書いててこんなに楽しいインタビューは珍しいわホントに……。読者の皆さんにもご堪能いただけたんじゃないかと確信しております。

 さて、このブログがアップされているいま、じつは僕は日本にいません。そう、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)の取材のためにアメリカはロサンゼルスに来ているのです。そのため今週は、毎日更新することができません。ちょっと変則的になりますけど、今日、そして水曜、金曜日に更新しますので、皆さん、見捨てずに読みにきてくださいね(汗)。

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2008年07月10日

【MHP 2nd G】第71回 ハンターの頂点に会ってきた! ”もうゲネポ”インタビュー その5

 モンハンフェスタ`08のタイムアタック大会を制し、見事日本最速ハンターに輝いた”もうゲネポ”へのインタビューもいよいよ最終回です! ……と言いつつ、じつはまだまだ書けるネタがあるのでもうちょっと続くかも? ……だっておもしろいんだもん、ふたりへのインタビュー!! でもとりあえず、モンハンフェスタ`08に関する話題は今回で最後です。じっくりと読んでみてくださいね。

◆◆◆

大塚 決勝の対ラージャンを振り返って、どうですか?
 ファミ通.comにあった決勝ステージの動画がいち時期、ニコニコ動画にアップされてたんですよ。それをずっとチェックしていたんですけど……「攻撃食らいすぎ」とか、すんごく書かれてたんですよ(苦笑)。「下はうまいけど上はヘタ」とか(笑)。
MASAKI そうそうそう!! 「上って俺やんけ!!」って(苦笑)。
大塚 あははははは!!(爆笑)
 でも改めてその動画を見て、確かに食らいすぎだな……。自分もまだまだだな……って思いましたね。
大塚 でも決勝の相手だったEffort Cristalは、本当にゲネポのふたりのプレイを高く評価していたので、「とても勝てないだろうな」って思っていたって。
 いやいやいや!! それはこっちのセリフですよ!!
MASAKI だってウチら、ラージャンの最速10分やし!!(笑)
大塚 お互いに評価していていいねえ……(シミジミ)。でも、決勝大会の3試合はハードだね、本当に。練習するにしても、どこに的を絞っていいか難しいし。
 そうなんです。ラージャンも、こればっかり練習していればもっと速くなるんですけど、そのまえのティガや大連続でコケちゃったら本末転倒ですから。
MASAKI 準決勝の大連続狩猟の、とくに2番目のショウグンギザミ亜種がいちばんたいへんだったんです。それを大阪1位の蒼き影と話していたら、彼らは練習のときから大連続狩猟で7分台を出していたんですね。で、僕らが準決勝に残ることになったときに彼らが「俺らの立ち回り教えるよ!」って言ってくれて。でも俺らは、「いや、自分たちがやってきたことをぶつけてみる」って答えて、いままでどおりの立ち回りで準決勝に臨んだんですよね。
大塚 おお……。そんなことが舞台裏で……。
MASAKI もしも蒼き影の立ち回りを教えてもらっていたら、もっと速いタイムでクリアーしていたかもしれませんね。
大塚 でも逆に、慣れない立ち回りでミスって決勝に残れなかったかもしれない。
MASAKI そのとおりですね。ぶっつけでそれをやってたら、間違いなく失敗したでしょうね。
 そこで自分たちの蓄積を捨てられるようだったら、去年も勘違いに気づいた瞬間に武器を持ち替えてました(苦笑)。※インタビューその2をぜひ読もう!
一同 あははははは!!(爆笑)
大塚 そうだろうね(笑)。ハンマー・ボウガンは躊躇なく捨ててたろうね(笑)。
 はい(笑)。迷うことなく捨てて、ランス持ってたはずですよ(笑)。
大塚 でもこういうアスリートって、最終的には自分を信じるんだろうね。
 そうですね。やってきたことをやらないと、って思えました。
大塚 じゃあ、決勝でさきにラージャンを倒したときの率直な感想は?
MASAKI 動画で何回も「うおおおお!」って雄叫びをあげている自分の姿を見ましたね(笑)。
大塚 うれしいよねー!
 勝てるとは思ってなかったですから。勝って、喜んだあとは、本当に全身が痺れました……
大塚 うわあ……。実感こもってるなあ……。MASAKI君、三段跳びで市の大会で優勝したときよりもうれしかった?
MASAKI そりゃそうですよ!!(笑)
大塚 日本一だもんね(にっこり)。
 全国大会ですからねー。……何かの大会で1位になることって、あまりなかったですから。今回のモンハンフェスタも、大阪大会は2位だし、決勝大会でも1位はなかったので。
大塚 ああ! そうかー。
MASAKI ギリギリのところで負け続けていたんですよ。
 これが大差で負けてるんやったら「まあしゃあないか」ってなるんですけど、コンマ何秒とかで負けてだと余計に悔しいやないですか(苦笑)。
MASAKI 準決勝の大連続も、コンマ何秒の差で負けただけやのに、エフォクリがすごくクローズアップされて書かれてましたし……(と、大塚を見る)。
大塚 2秒だろうが0.1秒だろうが負けは負けなの!!(笑)
MASAKI そうっすね(笑)。すんません(笑)
大塚 でも最後の最後に、主役になったんだから。でもさ、これでキミたちは日本でいちばん『モンハン』のタイムアタックが速い男たちになったわけじゃない? その実感ってある?
 『モンハン』をやってる友だちたちよりは、1ランク上になった感じはしましたよ(笑)。
大塚 あはは。そうだろうなー。
 まさか優勝して帰ってくるとは思ってなかったらしく、友だちはビックリしてましたけど。
MASAKI 僕は会社の同僚に『2nd G』をかなり薦めて、いち時期いっしょに遊んでいたんですね。で、フェスタで優勝して帰ってきて、会社で「優勝したで!!」って報告したころには、同僚はみんな『2nd G』を引退してて……(苦笑)。
大塚 あはははは!!
MASAKI みんな別のゲーム遊んでるんすよ!! 「ここに日本一がおるんやで!!」って言いたくなりました……。
大塚 あはははははは!! すげえ肩透かしだなあ(笑)。
MASAKI 「それより、東京のお土産は?」って感じだったし(苦笑)。
大塚 あははははは!! 腹いてえ(笑)。
MASAKI 日本一になったところで、ふつうに社会人やってんねやなぁ……ってたまーにシミジミと思ったりします(笑)。
一同 あはははは!!
大塚 けっきょくまえと変わらず、いつも遊ぶのはこのふたりと(笑)。
MASAKI はい(苦笑)。そうですね(笑)。

 というわけで、じつに5回にわたって連載してきた日本最速ハンターへのインタビュー、いかがでしたか? さすが大阪人というか、非常に人懐っこいうえにノリがいいふたりだったので、改めてテープを聴くたびにゲラゲラと笑ってしまい、江野本ぎずもに「気持ち悪いですよ」と言われたりしました(苦笑)。いやあ、本当に楽しかったわ、今回のインタビュー。大阪に行くときは、ぜひまた遊んでね、ゲネポのふたり(笑)。

 で、冒頭で書いたとおり、ふたりへのインタビューはこれでは終わりませんでした。このあと、ふたりがふだんどんなモンハンライフを送っているのか、こと細かに聞いているのです。その内容は……来週の月曜日にアップしちゃおうかな(笑)。

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