« 【MHP 2nd G】第53回 幻獣チーズを捜せ! その2 | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 【MHP 2nd G】第55回 覗かれプレイ・究極 »【MHP 2nd G】第54回 古塔のデッドヒート2008年06月18日ある日、毎度おなじみ逆鱗日和ファミリーの中目黒目黒、女尻笠井、江野本ぎずもとともに、塔を舞台にしたリオレウス希少種の討伐に出向いた。 塔が舞台のクエストは、基本的にベースキャンプにメンバーが集まったところからゲームがスタートする。つまり、スタートラインはふたりでやろうが4人でやろうが同じってわけだ。 え? そんな当たり前のことを言い出してオマエは何を書こうとしているのか? ですって? まあまあ、慌てずに読んでくださいな。 ベースキャンプから始まるクエストに出向いたとき、どういう行動をとるかはハンターそれぞれの判断に委ねられるところだ。真っ先に支給品ボックスに取り付いて地図やら応急薬やらをバッグに詰め込む人もいれば(これがほとんどだと思うけど)、持ち込んだ生肉を焼き始める人もいる。またこれらの作業を敢然と無視して、討伐目標のモンスターがいる地点まで脇目も振らずに駆け出すハンターもいる。今回のメンバーで言うと、目黒は肉焼きタイプ、江野本がアイテムボックス取り付きタイプ、そして俺と笠井が脇目も振らずダッシュタイプ、という感じになる。そしてそのとおり、俺と笠井はアイテムボックスの存在をガン無視して、一心不乱に塔のてっぺんを目指して走り出した。 最初は、何事もなかった。 俺と笠井のキャラは仲良く肩を並べるようにパタパタと駆け続け、ほぼ同時にエリア1に飛び込んだ。 エリア1もほぼ同時に駆け抜けた俺たちの間にかすかな亀裂が生じたのが、エリア2に侵入した直後。笠井のキャラのスタミナが尽きたらしく、ガクンとスピードが落ちたのだ。笠井はいつもアイルーキッチンで食事をするとき、”肉+野菜”を組み合わせて食事をする。この食事の効果は体力+40と攻撃力アップ[大]だ。対して俺は、”酒+乳製品”。体力+50にスタミナも+50である。この差が出た。スタミナに余裕のある俺が、笠井のキャラの前に出ることに成功したのだ。この状況を見て、俺は条件反射のようにボソっと言った。 「よし、もらった」 2メートルほど先の席に座っていた笠井が、俺のつぶやきを聞いて「ビクッ」と身じろぎをしたのがわかった。顔を上げて見ると、いつになく真剣な表情で眉間に皺を寄せている。しかし、笠井はひと言も発しなかった。 俺が若干のリードを保ったまま、ふたりのキャラはエリア3からエリア4に入るわずかに道がカーブしたゾーンに差し掛かった。すると笠井のキャラは道の右側に位置取りをし、コーナーの内側を舐めるようにカーブを曲がるではないか! 俺はこのとき、道の左側を走っていたので若干ながら大回りでコーナリングをしたことになる。これにより僅かにできていた俺と笠井の差がほとんどなくなってしまった。2メートル向こうの席から、笠井の信じられない声が届く。 「よし、追いついた」 !!! こんにゃろ!! いつの間にレースになってたんだコレは!! オマエがそう出るならこっちにも考えがあるぞ!! ままま、負けるもんか!! 思いっきり心のうちではレースをしていたくせに、実際に相手に反応されると感情的になるのが大塚角満という男なのである。俺はついに、声に出して笠井に言った。「負けねえぞ! 俺がさきにゴールしてやるっ!!」。単細胞の笠井、これを受けて声を荒げた。「僕だって負けませんよっ!!」。 ふたりともいいトシこいて感情むき出し。コーナーというコーナーは、シューマッハーかバレンティーノ・ロッシかというインにインを突く最短距離の見事なコーナリングで走り抜ける。それでもやはり、スタミナ的に有利な俺のキャラが、ジワリジワリと笠井のキャラとの距離を開けていった。よおし! もらった! 俺の勝ちだ俺の勝ちだ! そして差し掛かったエリア8。ここで初めて、ふたりのガチンコ勝負に第三者が介入してきた。そう、”空飛ぶペッペ鳥”ことガブラスである。ほかのエリアでもフラフラと飛んでいたが、なんだかエリア8のガブラスは挑戦的なたたずまいである。 「おい……。なんかガブラスが猛っているぞ……」 と俺は言った。そう言ってるあいだも、指はきっちりRボタンを押してキャラをダッシュさせている。何となく、イヤな予感がする。笠井も笠井で空を見上げて忌々しそうに嘆息し、「イヤな予感……」とのたまう。そのときだった。 ガクン! いきなり笠井のキャラがヒザをついた。「あっ!」と短い悲鳴をあげる笠井。どうやらガブラスの狼藉にあったようである。これを見て、俺は快哉を叫んだ。「しめた! これで俺の勝ちだ! ウケケケケ!」。 しかしそうそううまくいかないのが『モンスターハンター』というこのゲーム。喜び、バカ笑いする俺のキャラの背後に何やら怪しい影が接近してきた。影、いきなり速度を上げたかと思ったら俺のキャラに急接近し、「ぺっぺ」と毒ツバを吐きかけてきやがったではないか!! ものの見事に我が分身の背中に直撃する紫色の忌まわしい液体。そして当然のようにヒザから崩れ落ちる哀れなガンランサー。紫泡ポコポコのオマケつきである。これを見た笠井は「ぎゃはははは!!」と大爆笑。ついでに「もらった!!」と快哉を叫んだ。しかも勝負の天秤は笠井に傾いたのか、俺のキャラの頭上で飛び回っていたガブラスの狼藉は止まらず、怒り心頭に発した俺が「うぬぬぬ!」と憤怒の形相で立ち上がるのと同時に、再びガブラスは「ぺっぺ!」と破廉恥な毒ツバを吐きかけてきたのである! 「あっ!」なんて叫んでももう遅い。オロカなガンランサーはこの攻撃もお約束のように食らって再び転倒。ついに笠井との間に決定的な1馬身の差がついてしまった。 その差を保ったまま、俺たちは最終コーナー(?)を回って最後の直線であるエリア9に雪崩れ込んだ。やばい……。笠井のスタミナはまだ十分残っているようだ。このままでは負けてしまう……。2メートル先の席で破廉恥な名前の男が「勝った勝った♪」とハミングしている。ま、負けたくねえ……。直線も残り半分。いま何か手を打たないと取り返しがつかない! 俺は無意識のうちに△ボタンを強打し、走る笠井のキャラ目掛けて攻撃をくり出した。俺の無想転生のようなこの攻撃、見事笠井のキャラに直撃。ついでとばかりに俺は○ボタンを押して、放射型砲撃の巨大な火炎で笠井のキャラを包み込んだ。怒髪天を突いて、笠井が怒りまくった。 「ききき汚ねえ!! ガンランス汚ねえ!!」 俺、笠井の言うことなどまったく聞く耳持たずに「けけけ!」と笑い、トドメとばかりにR+△+○ボタンを押してガンランスのリーサルウエポン・竜撃砲の体勢を作る。怒りに燃えて突っ込んでくる笠井に放たれた竜撃砲の凶暴な炎。これをまともに食らい、「ぎゃーーーーっ!」と断末魔の悲鳴を上げながら遠く、遠くに笠井のキャラが吹っ飛ばされていった。そして悲劇は起こった。 「あ」(笠井) 「え」(大塚) 竜撃砲に包まれた笠井のキャラがもんどり打って運ばれていったのは、古塔のてっぺんのエリア10。つまり……。 「やったー! ゴールだゴールだ! 先に着いたぞ!! いやあ、お力添え、ありがとうございますガンランス(ニヤニヤ)」(笠井) あまりにもベタベタな結末に言葉を無くし、俺はエリア9でいつまでも呆然とたたずむのであった。 投稿者 otsuka-eb : 2008年06月18日 15:09 |





