« 【MHP 2nd G】第57回 生臭いカバン | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 【MHP 2nd G】第59回 ヒプノックの恐怖 »【MHP 2nd G】第58回 ゾウムシを愛でる女2008年06月24日いまからここに書くこと、はっきり言って99パーセントくらいゲームと関係ありません。まあこれまでもそういうコラムはいくらでも書いてきたわけですが、これほどの確信に満ちてゲームと関係ないことを”プレイ日記”と銘打って書いたことがかつてあっただろうか? いやない! と断言できるほどゲームと関係ありません。純粋な『2nd G』プレイ日記を読みたい(ふつうそうか……)という方はすっ飛ばしたほうがいいかも……。……でも書きたいので書く! 現在、『逆鱗日和』シリーズ第3弾となる『本日もニャンと! 逆鱗日和』を鋭意編集中。6月24日現在、収録すべきコンテンツ(書き下ろしもたっぷり!)をほぼ書き終わり、あとは校正などのもろもろのチェックを残すのみとなった。まあここからが長いわけだが、登山でいう八合目くらいはすぎたんじゃないかな、と思っている。 まあそれはどうでもいいんだった。 この『ニャンと! 逆鱗日和』の編集を担当しているのはおなじみ、逆鱗日和ファミリーの紅一点・江野本ぎずもなのだが、ここ1ヵ月くらい頻繁に、単行本の内容を詰めるための打ち合わせを彼女としている。……まあ、マジメな話8割、くだらない話2割くらいの、比較的ゆるーい感じでの打ち合わせではあるがね。この”くだらない”部分は本当にくだらなくて、たとえば”ビールに合うつまみベスト3は何だ”とか”若手記者・キモ次郎(そういう記者がいるのです)のロンゲをどうやって切らせるか”とか、そういうわけのわからないことを真剣に話していたりするのである。その中で、”子供のころに流行った遊び”という興味深いテーマが議題に上ったことがあった。江野本は俺よりもけっこう年下で(やさしい配慮)、生まれ育った土地も違う(俺は群馬で江野本は埼玉なのだ)。そういった異文化がぶつかるところには必ずギャップが生まれ、そのギャップが大きいほど話はおもしろくなっていく。ありがたいことにこの日は、極めつけにギャップの大きい日であった。俺は言った。 「俺が群馬にいた20年くらいまえまではまだ川がキレイで、水も豊富だったので、夏になると川に潜って魚をとっ捕まえてきて、焚き火であぶってモシャモシャ食ってたよ」 江野本、顔の半分くらいある目をクワっと見開き、失礼千万なことをのたまう。 「マジっすか!? さすがコラムで自分のことを”群馬の山猿”と称するだけのことはありますね!! いやあ、あっしのような都会育ちにはうかがい知れない世界だわぁ」 なーにが都会育ちだ! 群馬県人はみんな、自分は標準語をしゃべってて、都市の発達具合も東京と大差ないと思ってるんだぞ!! ……まあだからどうした、って話ではあるが、どっちかっつーと埼玉よりも群馬のほうが都会だと思っているんだ!! そんな埼玉県人の江野本にバカにされたまま引き下がるわけにはいかない。興奮した俺は群馬弁でまくしたてた。 「埼玉出身のおまえだって、似たようなモンだんべ!! 夏はカブトムシ採ってきて飼ってたべや!」 しかし江野本、俺の言った意味がわからなかったのか「??」という表情を作って、不思議そうにこんなことを言う。 「カブトムシなんか飼ったことないですよ」 む? そんなバカな。少年少女時代は誰しもが、カブトムシを飼育するものじゃないのか? ああでも、こう見えて江野本も女の子だからな。そうかそうか。そうだろうな。ひとり納得して俺は言った。「それはえのっちが女の子だからでしょ?」と。しかし江野本はブンブンと首を振り、つぎのように言って俺の顎を外した。 「違いますよ。あっしのまわりではカブトムシじゃなくて、”ゾウムシ”を飼うのが流行ってたんですよ。全員、筆箱を開けるとかわいいゾウムシがうねうねと動いていましたよ♪ 大塚さんも飼ってたでしょ?」 ……ハイ?……ゾ、ゾウムシ? ゾウムシってあの、コウチュウ目(鞘翅目)ゾウムシ上科に分類される、鼻の長い虫のこと? 「そうですそうです。鼻の長いゾウムシです。みーんな飼っていましたよ♪」 俺は江野本がカブトムシの何かと勘違いしているのかと思ってそのとおりのことを聞いてみた。「えのっち、それってカブトムシのことじゃないの?」と。これに対して江野本はいかにも「憤慨しました!」という表情を作り、つぎのように語った。 「違いますよ! ゾウムシはゾウムシです! 大きいゾウムシを持っていることがステータスだったんですよ! あ、ゾウムシよりもステータスの高い虫にカナブンがいました。カナブンを持っている子はモテモテだったんですよ♪」 カ、カナブンなんて、夜中に網戸に5匹も10匹もへばりつく、鬱陶しいだけの虫では……。俺は担当編集とのあいだにマリアナ海溝もかくやという深い深い溝があるのを実感し、冷や汗を流しながら最後の質問をした。「じゃ、じゃあえのっちの中では、カブトムシはどういう存在なの?」と。江野本は「なんて恐れ多いことを聞いてくれるんだ!」という心の内を顔に表しながら、衝撃のひと言を発した。 「カブトムシなんて見たこともなかったですよ!! 一生に一度会えるかどうかという稀少な存在です!! そういう意味では、カブトムシは古龍みたいなモンですっ!!!」 !!!!? 夏の夜に外灯の下に行けば10匹も20匹もカブトムシが拾え、山に入ればノコギリクワガタやらミヤマクワガタも採れた俺と、どれだけの格差があるんだ……。俺は言った。「カブトムシなんて、うじゃうじゃ採れたよ……?」と。すると江野本は「ふ(冷笑)」と冷酷な笑みを浮かべ、トドメとばかりに言い捨てた。 「ウソばっかり。古龍がそんなにうじゃうじゃいるわけないじゃないですか。すぐそういうウソを言う。騙されませんよ♪ 子供はみーんなゾウムシを飼ってたんです。大塚さんもカブトムシと思いながら、じつはゾウムシを飼っていたんですよ♪」 そう言われると、子供時代に自分がカブトムシだと思って飼っていた虫がすべてゾウムシだったんじゃないかと思えてくる……。……って、そんなわけねえだろ!! 俺が飼っていたのは断じてカブトムシだ!! 信じてくれえええ!! ……ね、ゲームとまったく関係なかったでしょ。 ※えー、このコラムを読んだ江野本本人がさっそくクレームを入れてきました(苦笑)。「ステータスが高かったのは、大きいのじゃなくて、パンダゾウムシですよ? パンダゾウムシはかわいかったなあ。あこがれでした……」だそうです。……どっちでもいいわ!! 投稿者 otsuka-eb : 2008年06月24日 12:06 |





