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【MHP 2nd G】第52回 幻獣チーズを捜せ! その1

※注意 ここからの2話、全面的にお酒の話です! 未成年のみんな、お酒はハタチになってからね!

 突然ですが皆様。キッチンアイルーが5匹揃っている状態で「クエストまえにネコメシ食っとくかあ!」ってなったとき、どの食材を選択しますか? ほうほう、あなたは”肉+野菜”の組み合わせですか。逆鱗日和ファミリーの女尻笠井とおんなじだ。体力+40と攻撃力アップ[大]のオマケつき。確かにいいよね、コレ。俺もたまーに食します。お? そこのアナタは”魚介+穀物”? そんなの食ったことないけど……おお! 体力+40に防御力+20とな!? こりゃあいい。今後の選択肢に加えさせていただきます。……え? そこの御仁は”肉+果実”? それも食ったことないけど……って、体力−40とスタミナ−25じゃん!! ハイハイ、マゾの人なのね。どうか身体には気をつけて……。って、このままいくと全27パターンについてダラダラと解説しちまいそうなのでこのへんでやめておきますね。ていうか、何が言いたいんだっけ俺?

 ああ、そうだそうだ。思い出した。キッチンアイルーが5匹揃っているときにもっとも頻繁に食べられている食材は前述のものではなく、間違いなく”酒+乳製品”だと思うのよ。つまり、”黄金芋酒+幻獣チーズ”ね。これで、体力+50にスタミナ+50。もう鼻血ドバドバのマックスドーピング。俺などはG級クエストだと、この初期状態じゃないとクエストに行くことすら躊躇してしまう。それくらい、黄金芋酒+幻獣チーズの恩恵は大きい。

 「現実世界にもこれくらい強烈に効果があるメニューがあったらいいのになぁ」

 黄金芋酒と幻獣チーズをがっつく我が分身を眺めながら、俺は日々そんなことを考えていたのである。

 飲みたいなぁ〜、黄金芋酒。"芋酒"というからには、これは芋焼酎なんだろうな。芋焼酎、目に入れたら痛いけどでも痛くないと思ってやらないでもないくらい大好きなんだよネ(回りくどい)。ちなみに、”ミスターモンハン”こと藤岡要ディレクターや小嶋慎太郎プランナーも、芋焼酎には目がありません。いっしょに飲みに行くと、徹底的に芋焼酎です。

 食べたいなぁ〜、幻獣チーズ。おいしいんだろうな、きっと。俺は無類の酒好きなので、最高の酒の肴であるチーズにはうるさいです。家で晩酌するときは(って毎日だが)必ずと言っていいほど、その日の酒に合わせたチーズがテーブルに乗っています。簡単に書くと、赤ワインを開けるときはブルーチーズ系、白ワインのときは淡白なカマンベールチーズなどが好み。ビールのときには、自分で燻製したスモークチーズなんかがピッタリだ。

 でも待てよ? 改めて考えてみると、焼酎(とくに芋焼酎)でチーズっていう組み合わせについてじっくりと考えたことがなかったな。そもそも、焼酎にチーズって合うのか? 酔っ払うとツマミの味がよくわからなくなって目の前にある食材をデリカシーなくバクバクと食い始めてしまうので、焼酎とチーズをマジメに合わせたことがない。この疑問を、行きつけのバーのマスターに話してみた。この人、酒好きが高じてバーのオーナーになったってくらいの人なので、ツマミについても人一倍うるさい。率直に、俺はたずねた。

 「ねえねえマスター。芋焼酎に合うチーズって何かあるかねえ?」

 俺の問いかけにしばし無表情を作っていたヒゲのマスター。突然弾けたように驚愕の表情を作り、「そうきたかぁ〜!」と芝居がかったセリフを吐いた。苦渋の声でマスターは続ける。

 「僕は仕事がら、どの酒にどのツマミが合うのか、ということは日々研究しています。でも焼酎って非常に懐深いお酒で、どんなツマミも合うんですけど、どんなツマミも決め手に欠けるんです。なのでチーズを合わせることも難しい。個人的には、パルメジャーノレッジャーノなんかがピッタリかと思うんですけどね……」

 ナルホドナルホド。確かに、ビールに揚げ物、赤ワインにブルーチーズのような、”鉄板”の組み合わせを焼酎では思い浮かべることができない。でもコレ、逆にすごく興味深くない? こういったお酒だから、「芋焼酎に合うチーズは何だ?」なんてテーマに沿って研究している人も絶無に等しいであろう。ヨシ、捜してみるか芋焼酎に合うチーズを!

 俺はここまでの流れを、俺に匹敵する酒好きである『逆鱗日和』シリーズ3巻目の編集担当(超さりげない初告知)、江野本ぎずもに話して聞かせた。とたんにデカい目をクワっと見開き、ヨダレをたらさんばかりの表情を作る江野本。嬉々として彼女は言った。

 「いいですね!! 捜しましょう捜しましょう! 黄金芋酒に合うチーズを! もしも見つかったらそれを、"大塚角満認定・幻獣チーズ"としましょうよ!」

 しかし残念ながら、黄金芋酒がどんな味の芋焼酎なのかがわからない。ひとくちに芋焼酎と言っても、味は本当に千差万別なのである。この不安要素を聞いた江野本、「呆れた」という思いを隠しもしない顔を作って松浦あやや声でこう言った。

 「大塚さん、本物の黄金芋酒、持ってるでしょう? 発表会でもらったじゃないですか。もう飲んじゃったの? だったら、あっしのを提供しますけど」

 ……は!! そうだった!! 2008年2月8日に開催された『2nd G』の完成披露会でのお土産として、”非売品・狩人組合 黄金芋酒”をもらっていたんだった! もったいなくて封も切らず、編集部に飾ってあるヨ!! これは紛れもなく、『モンハン』制作チーム認定の”本物の”黄金芋酒だ。つーことは、いろいろとチーズを買い込んできて黄金芋酒と合わせてみて、衝撃を受けるほどしっくりくるチーズを捜し出すことができれば、それを”大塚角満認定・幻獣チーズ”と決めつけてしまってもいいのではなかろうか!? いや決めつけるっ!!

 俺と江野本はさっそく、デパートのチーズ売り場へと直行した。目指せ! 幻獣チーズ!!

投稿者 大塚角満 : 15:44

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。


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