« 【MHP 2nd G】第48回 緑色のテオ | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | 【MHP 2nd G】第50回 フルフルの着想 »【MHP 2nd G】第49回 もしもナルガをペットにしたら……2008年06月11日拙著『本日も逆鱗日和』に収録しているコラムのひとつに”もしもテオをペットにしたら……”というお話がある。お話……っていうか、妄想!? でしかないのだが、あまりにもバカバカしいことに加えてゲームをするときには極めつけに役に立たない内容で、それでも自分ではけっこう、お気に入りのコラムだったりする。 このコラムを書いてから1年9ヵ月の時が流れた2008年5月3日。俺はモンスターハンターフェスタ`08の会場である札幌コンベンションセンターに佇んで、ステージイベントを見ながら「ふむふむ。ナルホドナルホド」としきりに頷いていた。ステージでは、『モンスターハンター』の世界観を監修する”ミスターモンハン”こと藤岡要ディレクターが”先生”となり、知られざるモンスターの生態を解説する”教えて藤岡先生!”のコーナーが展開。これがまたじつにタメになるコーナーで、俺ごときの浅はかな妄想では及びもつかない『モンハン』世界の深さ、世界設定の細かさを垣間見ることができて、いつも俺はステージに向かって「ははーっ!」、「へへーっ!!」と地面に頭をこすりつけん勢いで平伏していたのである。 で、この札幌大会で藤岡先生に寄せられた来場者からの質問の中に”フルフルが大好きで夢にも出てくる勢いです。将来ぜひ、フルフルを飼ってみたいと思っているのですがそのためは何を用意すればいいですか?”というじつにイカした内容のものがあった。これを受けた藤岡先生は明らかに苦笑して、「と、とにかく新鮮なエサを……」、「小屋は広いほうがいいです。天井があるととても喜びます」なんて答えていたが、俺はうれしくてうれしくて会場の片隅で小躍りする勢いだったヨ。だって「モンスターをペットにしてみたい」って考えている人が俺だけじゃなかったんだから。”妄想なくしてクリエイティブの成長はあり得ない”と考えている俺にとって、同じ”妄想族”の存在を知ることができた札幌大会は僥倖以外のナニモノでもなかったのであります。 と、長々と都合のいい前フリができたところで、今日のメインテーマについて書かせていただきます。表題にあるとおり今日のテーマは”もしもナルガクルガをペットにしたら”というもの。もう俺、こんなことばっかり考えてんのよ(苦笑)。 ●ナルガクルガをペットにしたらどうなるか? 近所のペット屋から「新商品が入ったから見に来い見に来い」と連絡があった。このペット屋からは先日、「ホラ、裏ルートから仕入れたオトモアイルーだ。メラルー模様をしているけど、れっきとしたアイルーだヨ」と言われてネコを1匹購入。しかしそいつがまんまとメラルー模様をしたメラルーで、一夜にして家のものを根こそぎかっぱらわれるという悪夢に見舞われたばかりである。しかし”新商品”と聞いてしまっては引き下がるわけにもいかない。俺は「すぐ行くよ」とメッセージを返し、数分後にはペット屋で怪しい店主と対面していた。見ると店主は、メラルーに盗まれた俺のTシャツとソックリな服を着てニヤニヤと笑いながら黒いベールに覆われたちょっと大きめのケージを指差す。「ホラ、あれがナルガクルガだ」。 俺は頭の上にビックリマークを30個ほど飛び出させて、「ホホホホントかっ!? ホントのホントにナルガクルガなのかっ!!?」と店主に詰め寄った。店主の顔に俺のツバが20滴ほど引っかかったのが確認できる。店主、そんなことは意に介さず冷静に俺の手を振り解き、狡猾そうな笑みを浮かべてこう言う。「紛れもないナルガクルガの幼体だよ。特別なルートから入ってきたんだ。まだアンタにしか知らせてないけど、広告出したらすぐに売れちゃうだろうな」。俺がこういったモンスターに目がないのを知ってて挑発しているのだ。こういう状況に陥った俺に選択肢は残されていない。俺は一瞬の逡巡もなく店主の挑発に乗ることに決め、「買う買う! いま買うすぐ買う! もってくもってく!!」と喚いた。店主、してやったりの表情を隠そうともせずに「毎度ありぃ〜」と臭い息をはいた。 俺が店主から「ナルガクルガを飼うときの注意点」として聞いてきたのは、”野性のモンスターなので無理に姿を見ようとしないこと”、”鬱蒼とした樹海に棲む生き物なので部屋はなるべくゴチャゴチャさせておくこと”、”とにかく素早いモンスターなので、万が一逃げてしまったときはすぐに連絡すること”という3点だった。ナルホド、もっともな言い分ばかりである。俺は素直に「うん、わかったわかった」と店主に頷き、さっそく注意を無視してケージを覆っている黒い布を取ろうとした。しかしその瞬間、「アンタ! ナルガクルガは暗闇を好むんだ! こんな明るいところで見ようなんて言語道断だよ!!」と店主は大激怒。俺、店主の剣幕に驚いたのと”無理に見ようとしない”という注意点のひとつをさっそく忘れてしまったことを大いに恥じ、「悪かったよ」と言って黒い布から手を離した。店主、それを認めてウンウンと頷き、「そうそう、このナルガクルガは本当に幼体なので腕のブレード状の翼はまだ生えてないから。ま、だからこそ安心して飼えるんだけどネ」と付け加えてくれた。ナルホド。それなら斬り裂かれる心配をせずに飼育することができるぞ。 俺はウキウキしながらナルガクルガの入ったケージを家に運び入れ、カーテンを閉めて真っ暗にしてから本棚やらクローゼットやらをメチャクチャに引き倒して樹海を思わせる鬱蒼とした環境を作った。そこにおもむろにナルガクルガのケージを置き、恐る恐る出入り口を開ける。そっと覗くと、なるほどこいつがナルガクルガか。暗闇の中で目を光らせる、一見メラルーのような生き物がうずくまっている。初めてナマでナルガクルガを見た俺は狂喜乱舞し、「さあ、何を食べるんだい? ポポノタン? リュウノテール? それとも生肉?」と声を押し殺しながら必死に小さなモンスターに話しかける。しかしナルガクルガの幼体は怯えているのかケージの奥にうずくまったまま動かない。俺はちょっとガッカリしながらも、この部屋にいればいつでもこの子に会うことができるという事実に恍惚となり、「またあとで来るからね♪」と言い置いて寝室に向かった。喜びすぎて、ドっと疲れてしまったようだ。俺はベッドですぐに眠りに落ち、一度も目を覚まさぬまま朝を迎えた。 そして。 朝起きると、金も服も武器も食料も、とにかく家の中にあったものがすべて無くなっているという異常事態に見舞われたことに気がついた。慌ててナルガクルガの部屋にいくと、そこもすっかりもぬけの殻。いったい俺の身に、何が起こったのだろうか……。 ◆◆◆ ってこれ、ぜんぜんナルガクルガの話じゃないし!! 書いてたら止まらなくなって、気がついたらこんな内容になってたヨ……。 そもそも何で俺がナルガクルガのことを書こうと思ったのかを、いまさらながら説明しておこう。 昨夜俺は風呂あがりに家の飼いネコに擦り寄られ、「なんだオマエ、気まぐれ起こして甘えてきやがって♪」とか言いながら身体を撫でてあげていたのである。するとアホネコ、しだいに俺の手に甘噛をしてくるようになり、かわいいもんだからそれを振り払わずに「やめろやめろ♪」と言っていると次第にネコは本気になってガブガブと噛み出してきた。俺、右腕にかなりの痛みを感じて「オイ。いい加減にやめろやめろ」とネコを引き剥がそうとする。しかし何がきっかけだったのかアホネコは完全に臨戦態勢となり、いわゆるキックボクシングの首相撲の体勢となって俺の手首をガッチリとホールド。そのまま寝技に誘い込むように後ろに倒れて、後ろ足による猛烈なネコキックをズバズバと浴びせてくる! 俺、完全にブチ切れて、「てめえ! 調子に乗って何やってやがんだ!! 痛い痛い! やめろやめろやめろ!!」とネコをブチリと振り払う。しかしこの段階でのブチ切れ具合は圧倒的にネコのほうが上で、「ウニャーーーーッ!!」と吠えながら腕に飛びついてくる。結果、俺の右腕にはいまだに消えない、ネコの引っ掻き傷が残っているのであった……。 まあこんなこと、ネコやイヌを飼っていればしょっちゅう遭遇することではある。でも俺は思ったのだ。(ナルガクルガをペットにしても、こういうことが起こるんだろうな)と。たまたまこのアホネコが黒を基調とした毛色をしているからそう思ったのかもしれないけど、大きな俺と対等に渡り合う凶暴な飼いネコを見て、(こいつがナルガだったら、傷はこんなもんじゃ済まないんだろうな……)とちょっとマジメに思ってしまったのであった。
投稿者 otsuka-eb : 2008年06月11日 11:01 |






