大塚角満の ゲームを“読む!”
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タイムアタック勝負が終わった数日後、”チームGEKIRIN!”の紅一点、江野本ぎずも選手への単独インタビューに成功した。「ちょっと! プライベートなんだから写真はやめてください!」と目に力を込める同選手だったが、その表情には数日まえの激闘の余波か、憔悴と絶望がしっかりと刻み込まれていた。取材陣の直撃にあきらめの表情を作り、当時を振り返りながら江野本選手がぽつぽつと語る。
「ボス(大塚角満選手)が酔っ払った勢いで勝手に決めてきた勝負でしたけど、初めてアスリートとして『モンスターハンター』に向き合えることはとてもうれしかった……。練習でもそれなりの立ち回りができたし、このとおりのことを本番でもできれば負けることはないな、って思っていました」
しかし、と彼女は顔をしかめる。
「決戦当日、会場に向かう途中から信じられないくらい緊張し始めたんです。正直、東京ビッグサイトの前で引き返そうかと思ったくらい……。でもそんなことをしたらボスの顔を潰すことになるので、全身から勇気を総動員して会場に入ったんです。でも、そこからの記憶はちょっと途切れ途切れ。まさに心ここに在らずの状態のまま、本番が始まってしまいました……」
大塚選手と決めた作戦は、”火事場力+2”のスキルを発動させて、大剣のタメ斬りをババコンガにをお見舞いしまくる、といういたってシンプルなもの。練習では、闘技場に向かうローディング中から左手でアナログスティックを上に傾け、右手はRボタンを押してダッシュの体勢を作っていた。ほんの数秒のことだが、多少でも早く闘技場に入り、開幕1発目のタメ斬りをババコンガにお見舞いしたい。これが決まるかどうかで、狩猟のリズムが決まる。ところが……。
「緊張で手が震えてどうにもならないんです! しかもタイムアタック用のPSPが旧型で、いつも新型で練習していたウチの手に馴染まない……。気がついたらアナログスティックを操作する左手の親指が左斜め上にズレてて、ハンターは壁に向かって一直線。そのまま壁にゴンゴンゴンとブチ当たって、ババコンガなんてカケラも見えない空間に大剣を振りかざしてました。テヘ♪」
そこまで話して江野本選手はヒソヒソ声になり、「ボスには言えないんですけど」と妖しく微笑む。
「もうそうなったらメチャクチャで、火事場は発動しないわビビってババコンガに近づけないわで最悪……。閃光玉を投げるのも忘れていたしで、正直、どう立ち回ったかよく覚えてないんですよねー。エヘヘ」
しかし途中、カプコン広報の萩原選手が「ギャーーーーーッ!!」と絶叫し、「しもた!! 1オチしてもうた!!!」と断末魔の悲鳴を上げる。江野本選手は「その一瞬だけ緊張が解けた」と言い、「ぶっちゃけ、”勝った!!”って思いました」と目を輝かせる。だが、それはほんの刹那の夢だった。萩原選手のあとを追うように、江野本選手が壮絶な1オチを計上するのだ。
「1オチしちゃいましたけど、”まだなんとかなる!”って思っていました。でもますます緊張して腕がこわばり、ボスの声もよく聞こえない……。攻撃はさらに当たらなくなり、”やばい! どうしよう!!”ってことばかりが頭の中で旋回してました……」
そして、勝負がスタートしてから4分18秒。チームカプコン広報のふたりが飛び上がり、会場中に響き渡る声で絶叫する。
「うおぉぉおおおし!! 倒したああぁぁあ!!!」
これを受けて、「ぐはっ!! マジかよ!!」と悲鳴を上げる大塚角満。「!!!!!」と声にならずに言葉を飲み込む江野本ぎずも。チームGEKIRIN! のふたりがババコンガを討伐するのは、それから20秒後のことだった。
こうして、突発的タイムアタック勝負はカプコン広報チームの勝利で幕を閉じた。まあタイム的には、本当にどうっちゅーこともない次元のものだったけどね(苦笑)。これにより、俺(大塚角満)がハギーに食事をご馳走することが決定したわけだ。
この”敗北”という結果について、江野本選手はいたずらっぽい笑みを浮かべながらこんなことを言った。
「負けたのは本当に悔しいっすけど、ご飯をおごるのはウチじゃないし♪ あーおもしろかった♪」
というわけで俺は来週、ハギーからの追撃をかわすために海外に逃亡します(マジ)。丸1週間ほどブログを更新できなくなることをいまから宣言しておきます(マジだからね)。
しかし、悔しい……。

▲勝利した瞬間のカプコン広報チーム。中央が萩原さん、右が鈴置さん。左は痛恨の表情を浮かべる佐治キクオ。悔しいので、写真は小さく。

▲敗北した大塚角満&江野本ぎずもコンビ。その後ろで絶望しているのはブンブン丸とバサラ佐藤だ。悲しいので、写真は小さく。
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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