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【MHP 2nd G】第32回 ”MHフェスタ番外編” ギルドカードの悲劇

2008年05月12日

 モンスターハンターフェスタ`08の開幕を告げる福岡大会が始まる直前、会場内にあった関係者控え室でまったりしていると、『2nd G』の辻本良三プロデューサーに話しかけられた。良三さんは目前に控えた今年のモンハンフェスタのスタートにも緊張しているふうはなく、軽い口調で「大塚さん、ギルドカードを交換しましょうよ」とニコニコ顔。もちろん俺に断る理由はなく、こちらもにっこり笑って「うん! しましょうしましょう!」と応えた。

 で、数日後。モンハンフェスタ東京大会が始まるまえくらいだったろうか。ここ最近でいろんな人とギルドカードを交換したので、通勤電車の中で「へぇ〜」とか「ほぉ〜」とか唸りながらこれらのギルドカードを眺めていた。そしてそのとき、俺は衆人環境下にあることなどすっかり忘れて思わず「あっ!!」と叫んでしまった。

 「良三さんのギルドカード、保存すんの忘れて消しちゃった!!」

 さあエライことになった。このことがバレたら、何を言われるかわかったものではない。しかしモンハン4人衆のギルドカードが1枚欠けてしまっているのは、なんとも言えず寂しいものだ。俺は覚悟を決めて、モンハンフェスタ東京大会の会場でおどおどしながら良三さんに声をかけた。

 「ねぇ、良三さん。ボクとギルドカードの交換をしませんか?(ニコニコ)」

 一瞬、良三さんはポカンとした表情を作ったあと、テオ・テスカトルのように顔をゆがめて烈火のごとく怒り出した。

 「ギルカって、福岡で交換したはずじゃ……ってちょっとアナタ! 僕のギルカだけわざと消したでしょ!!!

 俺、大慌てで両手を振って「わざとじゃないわざとじゃない!!」と必死に否定し、「ちと、不慮の事故で消えちゃった♪ テヘ♪」とキュートに言った。

 ところが、モンハンフェスタはこの東京大会からスケジュールが過密になってなかなかギルドカードを交換する時間が取れない(いっしょに酒を飲んでいたときは酔っ払ってギルドカードのことを忘れていた)。おかげでそのあいだ中、俺は良三さんに会うたびに「大塚さん、わざと消すとかいう嫌がらせはやめてくださいよ」、「あ! ギルカ消した人だ!(ニヤニヤ)」って感じにいじめられ続け、しかし反論のしようもなかったので俺はひたすら「し、しぃましぇん……」と平身低頭で謝り続けた。

 そして、モンハンフェスタ`08の地区大会で最後の会場となった名古屋。俺はいつもよりちょっと早めに会場に行って、良三さんの姿を捜した。すぐに会場でフラフラしていたプロデューサーを発見。俺はヒラヒラと手を振りながら「りょーぞーさーん!」と声をかけた。続けて「ギルドカードくださいよ」と懇願。良三さんはニヤリと笑って、「ああ、そうやそうや。大塚さん、ボクのギルカ消しちゃったんですもんね」とトドメのイヤミを言い放った。まあこういうイヤミを言われるのも、ギルドカードを手に入れるまでだ。俺は「ハイハイ、すんませんでしたーねだ」と謝ったあと、「早くください早くください」とねだって、無事、『2nd G』プロデューサーのギルドカードをゲットすることに成功したのだった。

 俺はようやく悲願を達成した安堵感から、軽い口調で良三さんに「そうそう、昨夜俺、ガンランスの使用回数が400回を越えたんですよ」と自慢。良三さんは驚いて「そりゃあすごい。でもホントですかあ?(ニヤリ) ちょっと大塚さんのギルドカードみてみよ」と言い、カチャカチャとPSPのボタンを操作しだした。パラパラとめくれていくギルドカードリスト。するとどうしたことか、それまでアホな冗談を言って騒いでいた若き敏腕プロデューサーから表情が消え、加えて頭の上に「……」という三点リーダーが飛び出しているのが見える。良三さんは無表情のまま俺に向き直り、低い声でこんなことを言った。

 「ねぇ、大塚さん。大塚さんのキャラ名って”MIDO”でしたよねえ……?」

 そう、そのとおり。『みんGOLオンライン』の時代から、俺のハンドルネームは”MIDO”である。俺はコクリと頷いて「そうですよ」と答える。これを受けた良三さん、さらに「……」という表情を強めたあとPSPの画面に視線を戻して、俺の目を見ぬまま衝撃のひと言を発した。

 「大塚さん、ギルドカードの交換をしませんか?

 ……。

 …………。

 ………………はぁ!!? おおお俺をさんざんいじめたくせにこのオトコは……! 自分もセーブすんの忘れて消しやがったな!! 俺はラージャンのように髪の毛を逆立てて、烈火のごとく敏腕プロデューサーを罵倒した。

 「ちょっとアナタ!! 俺のギルカだけわざと消したでしょ!!!

 良三さん、大慌てで両手を振って「わざとじゃないわざとじゃない!!」と必死に否定し、「ちと、不慮の事故で消えちゃった♪ テヘ♪」とキュートに言った。

 まあしかし、これはこれでお互い様ってものである。でもせっかくなので俺はここぞとばかりに良三さんに関係ないことも含めて言いたいことを言いまくる。それを平身低頭の体で聞いていた良三さん、ポジティブシンキングの男らしくすぐに気を取り直して、「ギルカのことはお互い水に流して、オトモアイルーの交換しましょうよ」と提案してきた。うんうん、そりゃあいい話だ。でも考えてみると、俺はギルカのやりとりをしたときとは別の機会に、良三さんにお気に入りのオトモアイルー”オリガミちゃん”をプレゼントしてある。俺はその事実を良三さんに告げた。

 「俺、良三さんにオリガミっていうオトモアイルーあげましたよね?」

 良三さんもそれを思い出し、「ああ、そうやそうや! もらいましたもらいました!」と破顔。「どれどれ」と言ってオトモアイルーリストを眺めだした。すると再び、良三さんの顔から表情が消えていく。俺は嫌な予感を覚えながら良三さんを睨みつけ、「良三さん、ま、まさか……」とボソリ。プロデューサー、なんとも言えぬ苦笑いを浮かべながら、苦し紛れにとんでもないことを言い放った。

 「そ、そういえばオトモアイルーが家出することがあるって聞いたような聞かなかったような……(苦笑)」 ※筆者注 んなことはありません。

 俺はすべてを悟って、この日2回目の大爆発をした。

 「んなことあるわけないでしょが!! 初めて聞いたわ!! ギルカどころか、俺のオトモアイルーまで消しやがったな!!!」

 俺と良三さんは声を揃えて「もう信用できん」と言いながらお互いがキチンとセーブしたかどうかを確認しあい、ようやく安堵して椅子の上でぐったりした。

 このアホなやりとりを、近くで書きものをしながら聞いていたのが藤岡要ディレクター。藤岡さんはゲラゲラ笑ったあと、俺たちふたりを眺めてしみじみとこういった。

 「なんちゅーバカバカしいやりとりをしてんのよ(苦笑)。呆れて何も言えん(笑)」

 皆さん、誰かとギルドカードやオトモアイルーを交換したら、しっかりセーブしましょうね(苦笑)。


投稿者 otsuka-eb : 2008年05月12日 13:34