ファミ通.com

ファミ通媒体メニュー



大塚角満の ゲームを“読む!”

« 2008年04月 | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム

2008年05月16日

【MHP 2nd G】第36回 タイムアタックで勝負だ! その3

 酔った勢いで始まってしまった、カプコンの名物広報・萩原さんとの真剣勝負。対決する種目はモンスターハンターフェスタ`08で行われているタイムアタック大会における、地区予選のババコンガ討伐だ。本日いきなりこのコラムから読み始めて、(いったいこのアホな大人たちは何をやろうとしているのか?)と疑問に思わないためにも、ぜひぜひこちらこちらの記事を先に読んでくださいませませ。

 さて。

 今回のババコンガ討伐タイムアタックに臨むにあたり、俺&江野本ぎずもコンビが3時間の猛特訓の末にたどり着いた戦略は、「ふたりとも大剣を手にし、スキル”火事場力+2”を発動させてタメ斬りをお見舞いしまくる!」というもの。しかしここにたどり着くまでがタイヘンだった。何しろパートナーの江野本、大剣を持ってクエストに出向くのはこのときが初めてだったんだから。火事場力とかタメ斬りとかいう以前に、徹底的に使い込んで大剣がどういう武器なのかを身体にしみ込ませなければならない。俺は「とりあえず、何度かやってみよう」と提案し、週刊ファミ通の『2nd G』攻略小冊子をギロギロとデカい目で凝視しているパートナーを闘技場へ誘った。

 やってみると、意外なほど大剣・大剣のタッグがしっくりくることがわかった。少なくとも、最初に試しでやってみたガンランス・ライトボウガンコンビよりも遥かに立ち回りがしやすい。さすがにタイムはたいしたことなかったが、初めて”競技”として向き合った『モンハン』の新たな魅力に、俺は恍惚となった。そうか……。こういう世界があったんだ……。

 初代『モンスターハンター』に出会ってから4年あまりの時が流れたが、俺はこの間いっさい、”競うもの”として『モンハン』を見たことがなかった。狩りのスタイルもストイックとは程遠いし、そもそも人と競うほどの腕もない。昨年のモンハンフェスタで達人たちの極まりまくったプレイを目の当たりにしたが、それでも「俺とは住んでいる世界が違う天上界のプレイだ」と心のどこかで割り切って、いち記者として見ている自分がいることに気づいていた。

 それがどうだ。

 1秒どころか、コンマ以下のタイムで一喜一憂している、いままでに見たことのない大塚角満がここにいる。笑えればいい、楽しければいいと言い続けながら『モンスターハンター』に向き合っていたころとは、明らかに違ういまの境地。俺たちのまわりで流れる空気の質が、おちゃらけてクエストに出かけていたころとまるで異なる。モンハンフェスタのタイムアタックは、極めつきに”競技”だった。スポーツに明け暮れていた少年時代の暑苦しいほどの息吹が、俺の中に蘇ってくる。懸命に大剣を振り回す江野本に向かって、俺は言った。

 「えのっち、これは紛れもないアスリートの世界だよ」

 真剣な顔に一瞬だけ笑みを浮かべて、江野本が応えた。

 「はい。ウチもそう思います。『モンハン』って、こういう顔もあったんですね!

 しかし俺らの熱き血潮とは裏腹に、なかなかタイムは縮まらない。そこで俺は冒頭で記した”火事場力+2を発動させてタメ斬りをお見舞いしまくる”作戦を思いつき、江野本に提案した。「えのっち、わざと攻撃を食らって火事場を発動させて、タメ斬り中心で攻めてみて」と。これを受けた江野本、ガノトトスのように目を丸くさせ、パチパチと瞬きをしながら衝撃のひと言を発した。

 「えーっと。タメ斬りってナンですかい??

 ……つーか、長げえよこの話!!(苦笑) いつになったら対決が始まるんだっ!! でもやっと、次回でこの物語も完結……かな?(苦笑)

2008年05月15日

【MHP 2nd G】第35回 タイムアタックで勝負だ! その2

 というわけで、酔っ払った勢いで挑戦することになったモンスターハンターフェスタ`08のタイムアタック大会(詳細はこちら)。種目は地区予選の対象である闘技場のババコンガ討伐だ。決戦の日は、4月29日のモンハンフェスタ東京大会となっている。

 さあ困った。自分で決めといてこういうことを言うのもナンだが、大丈夫なんだろうか俺たち(苦笑)。俺は酒の酔いが醒めてから改めて、強引にパートナーにさせられてしまった江野本ぎずもにメールした。

 「えーっと……。ダイジョブでしょうかボクたち……」

 すぐに江野本から返事。

 「勝手に決めておいて何言ってるんですか酔っ払い! 練習しますよ練習!!

 俺は唯々諾々と「ハ、ハイ。すんません……。よろしくお願いします……」とどっちが上司なのかわからない情けない返信をする。でもここまで来たら腹をくくるしかない。ヨシやろう!! 練習を!!

 しかし冷静に考えてみると、このときが4月25日で決戦の日が4月29日だから、単純にみても時間は3日くらいしかない。しかも26日はモンハンフェスタ福岡大会の取材&リポート執筆で丸1日埋まっているので、残るのは27日と28日。でも27日も予定が入っているから、実質的に時間がとれるのは28日のみであろう。ところが、28日は平日なうえに週刊ファミ通の記事の締切があるから、やっぱりドカンと時間を取るわけにもいかぬ。こうなったら、練習ナシの一発勝負で行くしかないか……とも考えたが、俺と江野本のショボいスキルでぶっつけ本番で臨んでも無残な結果に終わることは目に見えている。やはりここは仕事を早めに片づけて、強引にでも時間を作るしかない。よぉし! いつも以上のスピードで原稿を書き上げて、練習時間を捻出するぞ! このモチベーションがあれば、ふだん1時間かけて書いている原稿も30分もあれば片付くはずだ! 俺は気合のみなぎった視線をPCのモニターに照射しながら、いくつか抱えていた原稿を書き始めた。

 ところが。

 じつにタイミングが悪いことにその日は、年に何度か発症する”書けない病”の日でありました。”書けない病”というのは文字通り、何かを書こうと思っても文章がまったく頭に浮かんでこなくなる、俺のような仕事をしている人間にとってはこれ以上ないくらい恐ろしい病なのです。……まあ傍から見たら、ヘンな文章しか書けないときの逃げ口上だと思われるでしょうが、これは厳然と存在するのです。仕方ないのです!

 俺は仕方ない仕方ないと歌を歌いながら、いつもの3倍くらいの時間を費やして短い原稿を書き上げた。時はすでに夜の8時すぎ。でもようやく、練習できる環境になったぞ。俺は近くにいた江野本に向かってエラそうに怒鳴った。「よし! 練習すっぞ!!」。言われた江野本、とたんにギズモからグレムリンに変身し、俺を睨み返してこう言った。「仕方ない仕方ないじゃないっすよ! 待ちわびましたよ!」。

 さあ練習だ練習だ。ちなみに俺のタイムアタックの競技歴は、昨年のモンハンフェスタのときに参考程度に数回遊んでみただけで、実質ゼロと言っていい。江野本については言わずもがなで、ブッチギリのゼロである。もちろん、そんなことはわかったうえでの今回のチャレンジだ。俺は努めて冷静に、「基本的なことから押さえていこう」と江野本に告げて、そもそも何の武器でこのタイムアタックに臨めばいいのかを話し合った。今回のババコンガ討伐では、大剣、双剣、狩猟笛、ガンランス、ライトボウガンの中から武器を選ぶことができる。これを見て、江野本が言った。

 「ガンランスあるんすね。となると大塚さんは、迷うことなくガンランス?

 俺、とたんに (・_・;) ←こんな顔になって、当惑気味につぶやいた。「……うーん。ガンランスか……」。

 確かに俺はガンランスが大好きで、『2nd G』ではほぼ完璧にガンランスしか使用していない。しかしだからと言って、小数点以下のギリギリの数字で戦うタイムアタックという舞台に、よっこらせえとガンランスを担いで行くかと聞かれたら即答はしかねてしまうのよ。どう考えても、機動力と瞬発力がほかの武器より劣ると思われるガンランスではタイムアタックは不利。しかし、端から「ガンランスじゃ無理っ!! 別の武器で行くに決まってるだろ!!」と決めつけてしまったのでは”世界一のガンランサー(笑)”の名が廃るってえもんだ。俺は江野本に言った。

 「とりあえず1回、試しにやってみようか」

 江野本、「御意!」と言ってライトボウガンを選択。用意されている武器の中で唯一、彼女が使ったことがあるのがライトボウガンなのだ。ここに、ガンランス+ライトボウガンという、いったいどういうことになるんだろうか的な即席コンビが誕生した。

 そして狩猟開始。江野本は遠めから、麻痺弾や通常弾をプチュンプチュンと発射。俺は恐る恐るババコンガに近づいて、いつものとおりチキンなガード突きでツンツクツンとかわいく攻撃する。ふだん俺たちが遊んでいるのと同じ、牧歌的な狩猟風景が闘技場に広がる。ああ……、なんかホっとするわこういうの。ギスギスしてなくていいよな……。

 ……ってこれ、タイムアタックじゃねえか!!! ふつうに狩っちまったよ!! もっとギスギスしなければ!!

 まあでも、1回やってみてよくわかった。やっぱ俺ごときの腕で、ガンランスによるタイムアタックは無理だわ(苦笑)。江野本もライトボウガンでのタイムアタック挑戦に不安を感じたのか、「ウチも別の武器で練習したほうがいいですよね……?」と神妙な表情をしている。となると残るは大剣、双剣、狩猟笛なわけだが、クセのある狩猟笛は俺たちでは使いこなせないのはわかりきっていたし、双剣は何となく、俺と江野本のイメージに合わない。意を決して、俺は言った。

 「よし決めた。ふたりとも大剣で挑もう!」

 この言葉に、「はい! 教官!」と素直に頷く江野本。俺たちふたりはそれから3時間、ダンコたる決意をもって大剣の腕を磨いた。

 結果、この練習中における俺たちの最速タイムは、

 2分44秒

 というもの。俺たちふたりにしてみたら、奇跡のようにすばらしい記録である。

 「本番でもこのタイムが出たら絶対にハギーチームに勝てるぞ!!」

 と俺はわめいた。江野本も「ですね! がんばりましょう!!」と気合がみなぎっている。俺はパートナーを頼もしく思いながら、調子に乗ってこんなことを言った。

 「ヘタしたらもっといいタイムが出て、東京地区予選を突破しちまうかもしれん。なので決勝ステージに備えて、ナルガクルガ討伐の練習もしておいたほうがいいかもな。がはははは!

 江野本、瞬時にシラケて表情を無くし、「アホな夢見てないで、もっと練習しますよ!」と言って、再度ババコンガ討伐のクエストを受注したのであった。

 さあ次回いよいよ、カプコン広報チームと大激突!

2008年05月14日

【MHP 2nd G】第34回 タイムアタックで勝負だ!

 あー……これ、書きたくない……。

 モンハンフェスタ`08の開幕を飾る福岡大会の前日、九州随一の繁華街、中洲にくり出してしこたま飲んだ。飲んだうえに食った。食ったうえに騒いだ。いやあなんて楽しい中洲……。全国各地を巡るモンハンフェスタの取材は、これだからやめられない。……んなこと書くとまるで暴飲暴食ツアーが取材のメインイベントのようだが、そんなことはありませんからネ。

 でね。

 この福岡で酒席をともにしたのが、カプコンが誇る名物広報、”ハギー”こと萩原さんだ。じつはこの人と俺は同い年ってこともあってかじつに気が合い、ヒマを見つけては中洲だろうがススキノだろうが歌舞伎町だろうが中ギンザセブンだろうが(浦和ローカル)、とにかく「行きまひょか!」ってモードになったら二軒、三軒のハシゴ酒は当たり前。しこたま焼酎を胃に流し込んでベロベロの酩酊状態になり、記憶もおぼつかなくなって気がついたら自宅のソファーで倒れてた……なんていうアホな大人丸出しのオロカな行為をくり返しているのである。いつも飲み会の冒頭で「お互いもう36歳なんだから、もうちょっと節度を持って飲もうネ」という話をするのだが、10分後には「今日はいけるところまでいこう!!」ってなるんだから困ったものである。まあ何にしても、いまいっしょに飲んでこれほど楽しい人はなかなかいないんよ。世代も立場も似通った人と楽しく酒を飲む刹那こそ、「人生って楽しい」って思える瞬間だったりするのです(オーバーかな)。

 でね(多いな)。

 福岡でこの萩原さんと酒を飲んでいたのです。話題はいつしか翌日に迫ったモンスターハンターフェスタのことになり、「来場者はどれくらいになるのかな」、「盛り上がるのかな」、「タイムアタックでどんなプレイが見られるのかな」なんてことを話していたわけだ。すると、どういった会話の化学反応でそういうことになったのかいまだによくわからないのだが、いつの間にか俺は「今年はタイムアタック大会に参戦しようと思って」ということを萩原さんに口走っていたのである。まあ最初は、酒の席におけるその場限りの冗談のつもりで言っていたと思うのだが、これを受けた名物広報はキラリと目を光らせる。萩原さん、生来のいたずら好きの性格がムクムクと顔を持ち上げてきて、「お! いいね! ぜひ参戦してよ!!」とすっかり本気モードに突入。俺も、自分が口にしたかっちょいいセリフですっかり自己暗示にかかり、「参加するからには本気でやるわ! 予選のババコンガなんてチョロいから、本選のナルガクルガの練習でもしておくか。がはははは!」と怒ったババコンガのような真っ赤な顔で豪快に言い放った。萩原さんも酔った勢いで「がはははは!」と同じように笑い、ついでとばかりに口を滑らした。

 「大塚さんが出るんだったら、俺も出よっかなあ」

 と。今度は俺がキラーンと目を光らせる番である。この男とは何らかの形で、一度しっかりと決着をつけなければいけないと思っていたのだ。キチンと”時間”という確かな物差しで優劣が決められるタイムアタックは、まさに格好の題材ではないか。俺は口の端を吊り上げて「うけけけけ」と笑ったあと、萩原さんを睨みつけてこう言った。「やるからには、勝負しましょうよ」と。これを受けた萩原さん、歌舞伎町的な端正な顔をわざとらしく歪めて、「おお? 望むところですよ。勝負しましょうか!」と俺を睨み返した。

 さあ、勝負だ勝負だ。おもしろいことになってきたぞ。俺と萩原さんは勢いに乗って、酔った頭で、

・モンハンフェスタ東京大会が決戦の日
・種目はフェスタの予選と同じババコンガ討伐
・ひとつのテーブルで顔をつき合わせてプレイ
・パートナーを事前に決めて報告する
・負けたほうがご飯をご馳走する

 というルールを素早く決める。アホな大人は酔っ払ってると、じつに行動が早くなるのだ。

 さて、今回の勝負において最大のネックというか悩みどころは”パートナーを誰にするか”という部分である。ファミ通が誇る、どうかしているゲームの達人どもを相方とすれば、赤子の手を捻るがごとく萩原さんを撃破できるのは間違いない。でも、それではあまりにもつまらないし緊迫感に欠ける。やはりここは、中目黒目黒、女尻笠井、江野本ぎずもからなる”逆鱗日和ファミリー”の中から選ぶのが得策だしおもしろい。俺は”ミスターモンハン”こと藤岡要さんに「うまいすよ」と教えてもらって以来、すっかりお気に入りとなった焼酎”鬼火”をロックでズズズとすすり、さらに酔いを回してから宣言した。

 「パートナーは、江野本にしますよ」

 これを聞いた萩原さん、腹を抱えて大喜び。もちろん、ふたりは面識がある。「江野本さんかあ(笑)。なるほどなるほど、そりゃあおもしろい!」と笑いながら萩原さん。「それを聞いたら、負けるわけにはいかねえな!」と自信満々の様子である。俺は笑う萩原さんを横目で見ながら、さっそく江野本の携帯電話にメールを入れた。

 「突然メールで失礼します。モンハンフェスタのタイムアタックで、俺&えのっちコンビでハギーのチームと勝負することになったから。よろしくね♪」

 1分後に、江野本から返事が来た。

 「マジすか!? ていうか、いきなり何を決めてんすか!!! おとなしく飲んでてくださいよ!!!

 なにやら憤慨されているようだったが俺は意に介さず、2通目のメールを江野本に送った。

 「ちなみに、負けたら俺が萩原さんにご飯をご馳走しなきゃいけないので、よろしくお願いしますネ」

 30秒後に、江野本から返事が来た。

 「えええええええ!!?? 何勝手にハードルあげてんすか!!! もう、胃が痛くなってきた……」

 というわけで急遽、逆鱗日和ファミリー代表とカプコンの広報チームでガチンコのタイムアタック勝負を行うことになった。さて、結果は……?

 次回に続く〜。

2008年05月13日

【MHP 2nd G】第33回 ”MHフェスタ番外編” 楽しかったなぁ^^

 俺が名古屋で出会った、ふた組のカップルハンターのお話。

 モンハンフェスタ`08名古屋大会の会場に向かう電車の中で、ひとり呆然と窓外の景色を眺めていた。午前7時40分。細かい霧雨が、名古屋の景色を黒く染めている。

 俺が座っている座席の隣では、20台前半と思われるカップルがちょっとイチャイチャしながら『モンハン』トークに花を咲かせていた。彼氏のほうがPSPを手に持ち、ぎこちない手つきで『2nd』をプレイしている。そのときのふたりの会話がとても微笑ましかったので、思わずメモを取ってしまいました。ところどころに、俺の心の声が混入しております。

彼氏 ういーんういーん。
彼女 (小首をかしげて)?? 何やっとるん?
※筆者注 このカップルさん、関西の人っぽかったです。中部の訛りと関西弁の違いがよくわからないのですが、関西方面のイントネーションでした。
 (ナンダナンダ。何をやってるんだ) ※と思いながらチラリと画面を覗く。彼氏のキャラはポッケ農場で蠢いている。
彼女 ……あー! それ”虫の木”ってヤツやん♪
彼氏 そうそう。ええやろ^^ ……ここで叩く!!

ガウーン!
思いっきりミスって、肩で息をする彼氏の分身。

彼女 いまのはどないなん? ハンター、疲れとるけど(邪気のない笑顔で)。
彼氏 …………。ま、まあまあのタイミング。ホ、ホラ、虫捕れた……。
 (ふ)

彼氏 お。エルトライト採れたで。
彼女 えー。何それー! 知らなーい!
彼氏 鉱石やねん。G級になると採れるんよ(うれしそう)。
彼女 ずるーい♪ あたし、マカライトしか知らないのにー!
 (かわいいじゃねえか……。う、うらやましくないぞ……)

彼氏 なあなあ、”召雷剣【麒麟】”を調べてくれへん? これがどういうふうに派生していくのか、知りたいねん。
※筆者注 彼女は『モンスターハンターポータブル2nd G ルーキーズ・ガイド2G』を手にして彼氏のプレイを眺めていたのだ。
彼女 はぁーい♪ それ、何の武器?
※筆者注 無邪気でかわいい……。
彼氏 ダイケンやねん、ダイケン。
 (タイケンやねん、タイケン。それ、最終系まで育てたらメッチャ強くなるよ!! 作って損はないよ!!) ※と、彼女のほうに教えてあげたい。
彼女 えーっと……。なんか、出てないっぽいよ? でも、作っちゃえ作っちゃえ♪
彼氏 そやな^^ 作ろか(ハートマークを撒き散らすかのような超笑顔)。
 (ハイハイ。もう何でも作りなさい(苦笑)。お幸せに)

 ここで、モンハンフェスタ名古屋大会の最寄り駅に到着。カップルさんは雑踏の中に消えていきました。

 昨年のモンハンフェスタ`07と今年のモンハンフェスタ`08の風景を比べてみて、「あ、変わったな」と思ったのがカップルで来場しているハンターがとても増えたこと。単純にそれだけで、『2nd G』の発売でユーザー層が広がったんだなあ……ということを実感できた。

 そんなカップルハンターの中に、モンハンフェスタ`07のころから各種『モンハン』関連イベントでよく顔を合わせていたひと組のカップルがいた。彼氏はJ君、彼女はKちゃん。ちょっとビックリするくらい美男美女のカップルなのにまったくとんがっていない、とても人懐っこくて底抜けに明るいまぶしいようなふたり組だ。ざっくばらんに話をするたびに、俺はこのカップルのことが好きになった。

 帰りの電車で、偶然このふたりといっしょになった。俺が気づいて「おーい」と手を振ると、ふたりはとたんに破顔して「あああ!! 大塚さーん!!」とパタパタと手を振り回す。俺は笑いながらJ君の隣に腰を下ろし、名古屋駅に着くまでの20分ほどのあいだ、ふたりとの『モンハン』トークを楽しんだ。聞くとふたりは東京の下町生まれの下町育ちで、地元の仲間数人と”狩猟会”を結成して日夜狩りに明け暮れているという。効率重視のストイックな狩りよりも笑いながら騒がしく遊ぶほうが好きということで、「だからモンハンフェスタで4人衆が見せてくれる協力プレイの様子が大好きなんです」とJ君はうれしそうに笑う。

 そんなふたりに、俺は聞いた。「モンハンフェスタ、楽しかった?」と。この質問にKちゃんは「よくぞ聞いてくれました!」とばかりに目を輝かせて、元気な声でこう答えた。

 「もう、めちゃくちゃ楽しかったですよぉ!! 本当に来てよかったね、ってふたりで話していたんですもん!!」

 これからふたりは高速バスに乗って、5時間以上かけて東京に戻るという。

 「経費節約です(苦笑)」とテレくさそうにJ君。20台前半のふたりには、交通費も馬鹿にならないのだろう。それにしても丸1日イベント会場で遊んだあとに長時間バスで移動するのは疲れるだろうに……。俺は素直に、このときの胸の内をふたりに伝えた。「疲れるだろうけどがんばってね」と。するとJ君はにっこりと笑って、しっかりと俺のほうを向いてこんなことを言った。

 「疲れますけど、平気です。バスに乗ってるあいだ中、今日のイベントのことをあれこれと振り返って噛み締められるから。本当に、楽しかったなぁ^^」

 Kちゃんもまっすぐな視線を俺に向けて、弾けるような笑顔を作った。

 「ぜんぜんへっちゃらです! 大塚さんこそ、これから記事を作るんですよね? ホントに疲れてるでしょうけど、いつも楽しみにしているのでがんばってください!」

 俺の身体に溜まっていた疲れが、スルスルと抜け出て行く。心から『モンハン』を楽しんでいる人との会話は、何にも勝る活力剤なんだよな。おかげで名古屋大会のリポート記事は、いつもよりもずっと早い時間にアップすることができたよ(笑)。

 俺はふたりと連絡先を交換して、名古屋駅で別れた。またどこかで、会えるといいな♪

2008年05月12日

【MHP 2nd G】第32回 ”MHフェスタ番外編” ギルドカードの悲劇

 モンスターハンターフェスタ`08の開幕を告げる福岡大会が始まる直前、会場内にあった関係者控え室でまったりしていると、『2nd G』の辻本良三プロデューサーに話しかけられた。良三さんは目前に控えた今年のモンハンフェスタのスタートにも緊張しているふうはなく、軽い口調で「大塚さん、ギルドカードを交換しましょうよ」とニコニコ顔。もちろん俺に断る理由はなく、こちらもにっこり笑って「うん! しましょうしましょう!」と応えた。

 で、数日後。モンハンフェスタ東京大会が始まるまえくらいだったろうか。ここ最近でいろんな人とギルドカードを交換したので、通勤電車の中で「へぇ〜」とか「ほぉ〜」とか唸りながらこれらのギルドカードを眺めていた。そしてそのとき、俺は衆人環境下にあることなどすっかり忘れて思わず「あっ!!」と叫んでしまった。

 「良三さんのギルドカード、保存すんの忘れて消しちゃった!!」

 さあエライことになった。このことがバレたら、何を言われるかわかったものではない。しかしモンハン4人衆のギルドカードが1枚欠けてしまっているのは、なんとも言えず寂しいものだ。俺は覚悟を決めて、モンハンフェスタ東京大会の会場でおどおどしながら良三さんに声をかけた。

 「ねぇ、良三さん。ボクとギルドカードの交換をしませんか?(ニコニコ)」

 一瞬、良三さんはポカンとした表情を作ったあと、テオ・テスカトルのように顔をゆがめて烈火のごとく怒り出した。

 「ギルカって、福岡で交換したはずじゃ……ってちょっとアナタ! 僕のギルカだけわざと消したでしょ!!!

 俺、大慌てで両手を振って「わざとじゃないわざとじゃない!!」と必死に否定し、「ちと、不慮の事故で消えちゃった♪ テヘ♪」とキュートに言った。

 ところが、モンハンフェスタはこの東京大会からスケジュールが過密になってなかなかギルドカードを交換する時間が取れない(いっしょに酒を飲んでいたときは酔っ払ってギルドカードのことを忘れていた)。おかげでそのあいだ中、俺は良三さんに会うたびに「大塚さん、わざと消すとかいう嫌がらせはやめてくださいよ」、「あ! ギルカ消した人だ!(ニヤニヤ)」って感じにいじめられ続け、しかし反論のしようもなかったので俺はひたすら「し、しぃましぇん……」と平身低頭で謝り続けた。

 そして、モンハンフェスタ`08の地区大会で最後の会場となった名古屋。俺はいつもよりちょっと早めに会場に行って、良三さんの姿を捜した。すぐに会場でフラフラしていたプロデューサーを発見。俺はヒラヒラと手を振りながら「りょーぞーさーん!」と声をかけた。続けて「ギルドカードくださいよ」と懇願。良三さんはニヤリと笑って、「ああ、そうやそうや。大塚さん、ボクのギルカ消しちゃったんですもんね」とトドメのイヤミを言い放った。まあこういうイヤミを言われるのも、ギルドカードを手に入れるまでだ。俺は「ハイハイ、すんませんでしたーねだ」と謝ったあと、「早くください早くください」とねだって、無事、『2nd G』プロデューサーのギルドカードをゲットすることに成功したのだった。

 俺はようやく悲願を達成した安堵感から、軽い口調で良三さんに「そうそう、昨夜俺、ガンランスの使用回数が400回を越えたんですよ」と自慢。良三さんは驚いて「そりゃあすごい。でもホントですかあ?(ニヤリ) ちょっと大塚さんのギルドカードみてみよ」と言い、カチャカチャとPSPのボタンを操作しだした。パラパラとめくれていくギルドカードリスト。するとどうしたことか、それまでアホな冗談を言って騒いでいた若き敏腕プロデューサーから表情が消え、加えて頭の上に「……」という三点リーダーが飛び出しているのが見える。良三さんは無表情のまま俺に向き直り、低い声でこんなことを言った。

 「ねぇ、大塚さん。大塚さんのキャラ名って”MIDO”でしたよねえ……?」

 そう、そのとおり。『みんGOLオンライン』の時代から、俺のハンドルネームは”MIDO”である。俺はコクリと頷いて「そうですよ」と答える。これを受けた良三さん、さらに「……」という表情を強めたあとPSPの画面に視線を戻して、俺の目を見ぬまま衝撃のひと言を発した。

 「大塚さん、ギルドカードの交換をしませんか?

 ……。

 …………。

 ………………はぁ!!? おおお俺をさんざんいじめたくせにこのオトコは……! 自分もセーブすんの忘れて消しやがったな!! 俺はラージャンのように髪の毛を逆立てて、烈火のごとく敏腕プロデューサーを罵倒した。

 「ちょっとアナタ!! 俺のギルカだけわざと消したでしょ!!!

 良三さん、大慌てで両手を振って「わざとじゃないわざとじゃない!!」と必死に否定し、「ちと、不慮の事故で消えちゃった♪ テヘ♪」とキュートに言った。

 まあしかし、これはこれでお互い様ってものである。でもせっかくなので俺はここぞとばかりに良三さんに関係ないことも含めて言いたいことを言いまくる。それを平身低頭の体で聞いていた良三さん、ポジティブシンキングの男らしくすぐに気を取り直して、「ギルカのことはお互い水に流して、オトモアイルーの交換しましょうよ」と提案してきた。うんうん、そりゃあいい話だ。でも考えてみると、俺はギルカのやりとりをしたときとは別の機会に、良三さんにお気に入りのオトモアイルー”オリガミちゃん”をプレゼントしてある。俺はその事実を良三さんに告げた。

 「俺、良三さんにオリガミっていうオトモアイルーあげましたよね?」

 良三さんもそれを思い出し、「ああ、そうやそうや! もらいましたもらいました!」と破顔。「どれどれ」と言ってオトモアイルーリストを眺めだした。すると再び、良三さんの顔から表情が消えていく。俺は嫌な予感を覚えながら良三さんを睨みつけ、「良三さん、ま、まさか……」とボソリ。プロデューサー、なんとも言えぬ苦笑いを浮かべながら、苦し紛れにとんでもないことを言い放った。

 「そ、そういえばオトモアイルーが家出することがあるって聞いたような聞かなかったような……(苦笑)」 ※筆者注 んなことはありません。

 俺はすべてを悟って、この日2回目の大爆発をした。

 「んなことあるわけないでしょが!! 初めて聞いたわ!! ギルカどころか、俺のオトモアイルーまで消しやがったな!!!」

 俺と良三さんは声を揃えて「もう信用できん」と言いながらお互いがキチンとセーブしたかどうかを確認しあい、ようやく安堵して椅子の上でぐったりした。

 このアホなやりとりを、近くで書きものをしながら聞いていたのが藤岡要ディレクター。藤岡さんはゲラゲラ笑ったあと、俺たちふたりを眺めてしみじみとこういった。

 「なんちゅーバカバカしいやりとりをしてんのよ(苦笑)。呆れて何も言えん(笑)」

 皆さん、誰かとギルドカードやオトモアイルーを交換したら、しっかりセーブしましょうね(苦笑)。


2008年05月09日

【MHP 2nd G】第31回 ガードの美学

 はぁ……。なんか抜け殻状態……。1年以上まえからずっと書きたかったアカムトルムのことを文字にして、なんだかひと区切りついてしまった感じです。しかも昨日書いたコラムを読み返してみると肝心のアカムトルムのことがほとんど書かれておらず、でも本人的にはとても満足のいく内容になっていて、「我が生涯に一片の悔いなし!」っていう心理状況になっているのであります。コラムの回数も区切りのいい30回目だったことだし、ここは思い切って連載終了……なんてことを冗談とも本気ともつかない口調で書いていると、大阪方面からピュンピュンピュンと強撃ビンがくっついた弓矢が飛んできそうなので戯言はこのへんでやめますネ。まだまだシツコク書き続けますよ! てなわけで、今後ともよろしくお願いいたします。

 さて。

 先日このブログで、初めてナルガクルガと対峙したときの模様を綴らせてもらった(参考記事 その1その2)。ふだんおバカなことばかり書いている俺にしては珍しく緊迫した内容で(自分で言うな)、書いているこっちが手に汗を握ってしまったよ。

 で、記事の中でも書いているが、このとき俺は本当にガードに徹していた。徹しまくっていた。「攻撃するヒマがあったらガードする><」なんてわけのわからないことを口走りながら、Rボタンを押し続けていたのである。ナルガクルガの風のような動きと、いきなり視界から消えて死角から攻撃してくるというトリッキーな躍動に目を回して、ガードを解くことができなくなってしまったのだ。

 しかし、これが楽しかった。”守り続ければやられることはない”というハンティングの真理を実践しているような気がして、傍から見たらチキンと言われるかもしれないが”オノレを守り続けること”に俺は恍惚となった。

 そしてそのときふいに、ガキンガキンとナルガクルガの攻撃を受け続けるオノレの分身を見て、遠い日の記憶を呼び覚まされるような強烈な既視感にさいなまれてしまった。あれ……? これ、何かに似てる。なんだろう……。いまやナルガクルガは猛り狂い、尻尾から鋭い棘をビュンビュンと飛ばしてくる。それを余裕の体(てい)で受け止める俺の分身。脇をかすめるように襲い来る尻尾の鞭も、鉄壁のガードで跳ね返す。そんな姿を眺めながら、懸命に記憶の糸を辿る。なんだっけな、この姿。この様子……。俺の記憶の底から、かすかな土埃の匂いと、照りつける真夏の太陽の暑さが掘り起こされてくる。唸りをあげてゴールに襲い来る硬いボールと、それを受け止めてできた体中の痛み。そして試合後に身体に残る真っ赤なボールの刻印……。そうか。やっとわかったよ。俺は深夜の編集部でこっそりと苦笑いをした。必死になって守り続けようとするハンターは、ハンドボールのゴールキーパーに似てるんだ……。

 拙著『本日ももっと! 逆鱗日和』で書き下ろしたが、俺は中学、高校時代に本気になってハンドボールをやっていた。ポジションは、ゴールキーパー。オリンピック予選にからんでハンドボールが話題になったのでご存じの人も多いかと思うが、ハンドボールは本当に目まぐるしくてスピーディーなスポーツだ。ずば抜けた身体能力を持ったフィールドプレーヤーが思いっきりジャンプしてゴールに迫り、猛烈な勢いでシュートを放つ。その破壊力はとんでもないもので、顔やみぞおちなどの急所に当たりでもしたら数時間は悶絶してのた打ち回ること請け合いなのである。でもゴールキーパーは、このような恐ろしい弾丸をオノレの身ひとつで防がなければならない。ゴールキーパーのミスや怯みは即、自分のチームの失点につながるからね。モンスターのような選手が放つバズーカ砲なみのシュートにも、怯まず、恐れず、立ち塞がる。それがゴールキーパーの美学ってもんだ。

 いま俺は、ガード性能+1とガード強化のスキルが発動した防具を身にまとって、中目黒目黒、女尻笠井、江野本ぎずもといういつものメンバーといっしょにリオレウス希少種を狩猟している。狩りは凄絶を極め、4人が4人とも体力はどん底。それでもシビレ罠を仕掛けて抵抗を試みる。罠を中心に対峙する銀レウスと逆鱗日和ファミリー。しかしそのとき、怒り狂う銀レウスが猛烈な火球を俺たち4人に向かって放とうとした。俺を除く3人が同時に叫ぶ。

 「わー! 大塚さんの後ろに隠れろ隠れろ!!」

 3人の期待に応え、破壊の火の玉を「なんの!」と受け止めるガンランサー。嗚呼……。至福の時……。ガードを極めたハンターは、こんなにもかっこいいのだ(自己陶酔)

2008年05月08日

【MHP 2nd G】第30回 覇竜 その2

 じつは俺は心の中で、(ガンランスほどアカムトルム討伐に向いている武器はない!)と思っている。いや、”思っている”よりももっと強くて、”確信している”と言ってしまおう。この気持ちの拠り所、つまり根拠となっているものは……まあぶっちゃけて言ってしまうと、

 アカムトルムにはガンランスでしか挑んだことがない。

 というところに行き着きはするのだが黙れ黙れ。こういう事実をガン無視してオノレの意見を貫いても問題なかろうと思えるくらい、対アカムトルム時のガンランスは立ち回りやすいのだ。

 俺は今回のアカムトルム討伐に同行してもらった中目黒目黒、江野本ぎずもの様子を横目でチラチラと見ながら(やっぱ心配だったので)、いつものポジションに潜り込もうと猛るアカムトルムにズリズリと接近していった。いつものポジションとはそう、アカムトルムのデカい腹の下である。灯台下暗しというか木は森へ隠せというか(なんか違うナ)、とにかく腹の下に潜り込んで「うりゃうりゃ」と陰湿にガード突きと砲撃を食らわせている限り、俺はアカムトルムに劣る気がしないのだ。……ちょっとそこ! 「チキン」って言うな! これがガンランスで猛る覇竜に挑む最良の道なんだよっ! え? そんなことしていると牙とか尻尾とかを部位破壊することができないじゃないか、ですって? いやいや。俺を甘く見てはいけんよ。俺も何も一生涯、こやつの腹の下で生活していこうなんて思ってはいないのだよ。アカムトルムがちょっと気を抜いた隙に腹の下からヨチヨチと這い出て、顔や尻尾にも斬撃を……てハイハイ、そこで突進すんのネ。あーそうですか、そこで地面に潜って突き上げて、ただでさえペラペラの俺の防御力を削るのネ。そして俺の体力は再び1ミリ、と……。そうですかそうですか……。ふーん……。

 「目黒ォォ!! えのっちィィ!! 助けてェェェッ!!」

 恥も外聞も捨てて悲鳴をあげる俺を冷ややかな目で見ながらも、やはり初めてのアカムトルム討伐ですっかりテンパっているふたりに他人をかまっている余裕はない。アカムトルムを向こうにまわしたら、オノレの生存を確保するだけで精一杯になってしまうものなのである。仕方ないので俺は猛烈な勢いで逃げ惑い、何とか秘薬とモドリ玉を温存することに成功して体力の回復を図る。やっぱり『2nd』の番長(?)を張っていただけのことはある。ちょっとでも油断したら、圧倒的な瞬発力で地獄に落とされちまうぞ。

 経験者であり、「ガンランスだったら負ける気がしねえ」と豪語していた俺がこんな有様なんだから、アカムトルム自体を初めて見るふたりはどれほどの恐慌を来たしていることか。俺はアカムトルムに閃光玉をぶつけてちょっとだけインターバルを取り、砥石で武器の調整をしながらふたりの立ち回りを眺めた。そして、「おお……」と声を漏らした。

 ぎこちないながらも、ふたりはそれぞれの立ち位置に立ってしっかりとアカムトルムに対抗しようとしていた。大剣を担いでドタバタと走り回り、武器出し攻撃を繰り出しては再び「わーっ!」と叫びながら走り回る目黒のキャラ。何気に彼はアイテムを使うことが好きで、「閃光投げますよ!!」とわめきながらじつにいいタイミングでアカムトルムをピヨピヨ状態にしたりしている。一方、ライトボウガンで乗り込んできた江野本も、必要最低限のギリギリの距離に立って、貫通弾をボンボンボンとアカムトルムの顔面にぶち込んでいる。こいつが意外なほど効果的で、アカムトルムを何度もひるませることに成功していた。そんなふたりの姿を見て、俺はしみじみと独りごちた。「頼もしくなってくれちゃって……」と。もうふたりは、こんなに成長したんだなぁ……。

 いま思うと俺はこのとき、苦楽をともにしてきた仕事上のパートナーとしてのふたりの姿を、アカムトルムに果敢に挑むキャラクターにオーバーラップさせていたんだと思う。上司として、そして先輩記者としてとくに何かを教えてきたわけでもないのに、懸命に努力して駆け上がってきてくれたふたりの姿がゲーム内のハンターとしきりに交錯する。誰よりも目黒と江野本がこれを読んだら「大げさだなあ」と苦笑するだろうが、若手の成長を見守る立場になると、ときとしてこういう感情が湧き上がってくる瞬間があるのだ。たまたま今回、それがアカムトルム討伐で顔を覗かせただけでね。……って、何書いてんだろうな俺(苦笑)。

 一致団結した俺たちは強かった。いまだったらどんなモンスターが向かってきても対抗できる、と確信できるほどに。途中、江野本がアカムトルム最大の必殺技、ソニックブラストを食らって1オチ。目黒も、猛る覇竜の突進をモロに食らって1オチしたが、それでも俺は負ける気がしなかった。こうなったときは、絶対に勝てるのだ!

 そして、俺が回復系アイテムと閃光玉を使い果たしたころ、覇竜・アカムトルムが地響きを立てて決戦場の大地に倒れ伏す。尻尾を斬られ、牙を折られたモンスターの頂点は、もうピクリとも動かない。俺たち3人はここが編集部であることも忘れて感情を爆発させた。

 「うおおおおおし!!」と俺が叫んだ。

 「マジで!!? 3人で倒せたよ!!」と目黒がわめいた。

 「やったやった!! やりましたね!」と江野本が弾けた。

 こうして、新・へっぽこ3人組による覇竜・アカムトルム討伐は成し遂げられた。じつは俺、120パーセント失敗すると思っての挑戦だったので、そりゃあもう拍子抜けでした(笑)。

 このあと立て続けに目黒、江野本もG級に昇進。めでたく、新・へっぽこ3人組は全員G級ハンターとなった。これにいちばん喜んだのは、我がファミ通ニュースチームで唯一、『2nd』からのデータ引き継ぎを行っていた女尻笠井だ。圧倒的に強いG級ハンターがいると、下位や上位のクエストは瞬時にクリアーしてしまうので、新・へっぽこ3人組が遊ぶとき、笠井は寂しそうに遠目から俺たちがはしゃいでいるのを眺めていたのである。G級に昇進した俺たちを見て、涙ながらに笠井が叫んだ。

 「これでみんなといっしょに遊べるよぉ……(涙)。さみしかったよぉ……(号泣)」

 4人組となった逆鱗日和ファミリーの、ドタバタハンティング日記はまだまだ続く。

2008年05月07日

【MHP 2nd G】第29回 覇竜 その1

 覇竜・アカムトルムに挑むにあたり、俺がメンバーの中目黒目黒、江野本ぎずもに出した諸注意は、”クーラードリンクを持って行くこと”、”閃光玉もあると便利”、”口から吐き出す竜巻みたいなやつだけは食らわないこと”。この程度である。ちなみにふたりは”アカムトルム”という名前すら、このとき初めて聞いたような知識レベルだ。さすがにふたりとも緊張しているらしく、「武器は何がいいんですか?」、「どうやって立ち回ればいいんですか??」なんて質問を俺にぶつけてくる。それに対して隊長の俺は、「ま、好きな武器でいいんじゃね?」、「アカムに近づいたら攻撃を、アカムが攻撃してきたら避けてください」とじつにタメになる答えをふたりに返す。これに感銘を受けたのかふたりはその後何も言わなくなり、想像力を膨らませて思い思いの準備を始めたようだった。俺のこの突き放しに対し、「経験者のくせに、それはあまりにも不親切なのではなかろうか」と思われる向きもあるかもしれないが、やっぱりアレコレ聞いて臨むのと何も知らずに臨むのとではファーストコンタクト時の感動が違うと思うんだよね。最近、なんの事前情報もなく挑んだナルガクルガ討伐で異様な緊張感と高揚感を味わったので、このときの充実感をふたりとも共有できたらいいな、と思っての突き放しだったのである。なので俺、悪くないアルヨ。これで俺がアカムトルム初体験のふたりに対して、「ホットドリンクと落とし穴と砂竜の桃ヒレは絶対に持っていって、アカムが土に潜ったら背中に乗れるから這い出してくる地点で待ち構えているように」とか言い出した日には、全国のハンターみんなで寄ってたかって俺の顔面めがけて竜撃砲でもぶっ放してやってください。

 まあとにかく、準備は整った。武器は俺がガンランス(ガンチャリオット)、目黒が大剣、江野本はライトボウガンを背負っての出陣である。すぐに、アカムトルムが溶岩の川を割って地上に這い出してくるデモムービーが流れる。それを見て、目黒と江野本の動きがピタリと止まった。

 「え?」と目黒。

 「は?」と江野本。

 ふたりともキツネにつままれたような顔をしている。あえて顔文字で表すと、(・д・;) こんな感じであろうか。そんなふたりをあざ笑うかのように、アカムトルムは「グガオオォォォオオオッッ!!」と大咆哮する。とたんにふたりは肝を潰した。

 「なんか怒ってらっしゃる!!!」と目黒。

 「なんか猛ってらっしゃる!!!」と江野本。

 続けてふたりは「ホントに我々で倒せるんですか!!??」と声を合わせて絶叫した。俺、そんなふたりをぼんやりと眺めながら、「まあなんちゅーか、ちょっと必要以上に育ちすぎてしまったバサルモスを相手にするくらいの感覚で、気楽にやりましょ気楽に^^」とふたりを励ます。しかしそんな励ましはなんのカンフル剤にもならず、デモムービーが終わってアカムトルムが我々に向かって突進してくる画面に切り替わると、江野本は「ぐぎゃーっ!!」とやかましく喚きちらし、目黒は「ちょ!! どうすりゃいいんだ!!」と右往左往しだした。うんうん、ファーストコンタクト時はこうでなくちゃな。これが『モンスターハンター』の基本風景なのだよ。俺はひとりで悦に入りながら、逃げ惑うふたりのキャラを父親の目線で眺め続けた。そしてそんな俺に、あろうことかアカムトルムがファーストタックルをブチかましてきたではないか!! ギュイーーーーーン!! と無遠慮に減っていく我が分身の体力。なんとか下げ止まったと思ったときには、体力残り1ミリという意識不明の絶対安静一歩手前という状態になってしまっていた。

 「!!!!!!」

 と声にならない絶叫をあげる俺。これ、溶岩に片足突っ込んだだけで昇天するレベルじゃねえか!!! だいたいこのときの俺の防御力、堂々の283で、アカムトルムの突進を食らったらそりゃあもう、三途の川の渡し守やパタパタと飛び回る天使や死神がチラチラと見えてしまうというペラペラ度なのである。俺のぶざまな有様を見て、目黒が「あはははは!」とここぞとばかりに大爆笑。江野本も「何やってんスか!! 頼りにならないなあ!!」と軽蔑ビームを照射してくる。俺、狩猟開始から1分も経たないうちにすっかりベテランハンターとしても上司としても威厳をなくし、「し、しいましぇん……」と平謝り。ホント、狩りの場では何が起こるかわからないネ。俺はいきなり秘薬を飲まされるという屈辱と恐怖を味わい、(俺じゃなくて、目黒とえのっち狙えやアカム!!)と呪詛の声を心のうちであげるのだった。

 壮絶なアカムトルム討伐は、次回に続く!