大塚角満の ゲームを“読む!”
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アカムトルム討伐を夢見てせっかくコブシを振り上げたのに、中目黒目黒がハンターランク6に達していないことが判明(アカムトルムのクエストに行けるのはハンターランク6以上)。俺、中目黒目黒、江野本ぎずもの新・へっぽこ3人組は、振り上げた両手のやり場に困って「エライこっちゃエライこっちゃ」とヤケクソ気味に踊り始めた。しかしいくら手をヒラヒラさせても何の解決にもならないので、「こうなったら目黒をとっととハンターランク6にしてしまおう!」ってことで、我ら3人は手を携えて集会所★7のクエストを片っ端からこなすことに決めた。
「よし、まずはフルフル亜種を片づけよう」
俺の発言に頷くふたり。すぐに準備を整えて、目黒が貼ったクエストを素早く受注し、俺たちは沼地に降り立った。
沼地は、とっぷりと日が暮れていた。
不気味な沼地の風景が、ぼんやりとした月の明かりの下でよりいっそう凄みを増している。……うーんしかし、★7のフルフル亜種って、夜のクエストだったっけなぁ。俺が密かに頭の中で(???)とクエスチョンマークを3つほど瞬かせていると、江野本がボソりと不吉なことを言った。
「あの……。連打でクエスト受けちゃったんですけど、一瞬だけ目に入ったクエスト名、見たことのないものだったんですが……」
言われてみると俺も、目黒が貼ったクエストが何だったのかをよく確認しないまま、連打で受注してしまっている。イヤな予感……。すると目黒がフニャフニャした声でのんびりとこう言った。
「大連続狩猟って初めてなんですけど、どうすればいいんですかねえ?」
大連続……大連続……大連続ぅ!!? 大連続狩猟のフルフル亜種を狩ってもハンターランク6になれねえ!!!
「なんだこの”紅色の雷、菫色の刃”っていうかっちょいい名前のクエストは!! これじゃねえよ!!!」
と俺は喚いた。江野本も「だまされた!!!」と憤慨している。大連続狩猟もとても楽しいクエストなのだが、とりあえず今日は、とっとと目黒をハンターランク6にするのが先決だ。俺は「おっかしいなあ」とつぶやいている目黒の首根っこをつかんでポッケ村に引きずり戻し、「オマエがいま貼るのは”沼地に降り立つ赤い影”ってクエストだわい!」と噛んで含んで教えてやった。
そして仕切りなおしの2回目。
……3オチ(苦笑)。
まず、ライトボウガンを背負っていった江野本が「ぎゃーーっ! ごめんなさい!!」とリアル絶叫しながらフルフル亜種の電撃ブレスをあびて昇天。続いて目黒が「あれ?(苦笑)」と言いながら体内放電→ボディープレスという必殺コンボをあびて壮絶オチ。そして復帰した江野本がすぐにフルフル亜種の怒りの放電ボディープレスを食らって即死……。3人とも上位にはなったものの、スキル的にはひとつも成長していないことを世間にひけらかすにはピッタリのクエストとなった。俺は腹を抱えて笑いながら、「新・へっぽこ3人組ここにアリ! を宣言する壮絶なクエストだな」と言ってふたりに睨みつけられた。
しかし、最初のクエストに失敗したことがかえって好影響したのか、その後のふたりの立ち回りは見違えるようだった。そもそも目黒は、1週間まえよりも格段に防具が上等なものになっており、少々の攻撃を食らったくらいではオチなくなった。江野本は「怖いモンスターにはライトボウガンで行く」をモンスターが跋扈する荒んだ荒野で生きていくうえでの”お守り”としたようで、モンスターの攻撃が飛んでこない安全な距離からプチュンプチュンとライトボウガンの弾をぶっ放している。これによりふたりがオチる確率が目に見えて減り、俺たちは順調にフルフル亜種、ガノトトス亜種、バサルモス、ドドブランゴ2頭などを屠り続けた。そしてついに、”あの”クエストが俺たちの前に現れた。
「さあて……」と俺は言った。「立ち塞がってきましたよ、またこやつが……」。声、若干高くなり、目黒と江野本を見つめる目は明らかに潤んでいたと思う。いまや頼もしい”相棒”に成長したふたりも、あの日の悪夢(参考記事 その1、その2、その3、その4)が鮮明にオーバーラップしたのだろう。不安に満ちたその目はすでに、小鹿のようになってしまっている。しかし、ここで止まっていたのではいつまで経っても3人でアカムトルムの前に立つことはできない。俺たち3人は声を揃えて叫んだ。
「上位ティガレックス2頭を倒しに行こう!!」
……ってまだそんなところの話なのかよ!!(自らツッコミ)
えーっと……。いつまで経ってもアカムトルム討伐の話が始まりません(苦笑)。このまま行くとモンスターハンターフェスタ`08のドサクサにまぎれて、新・へっぽこ3人組とアカムトルムの壮絶な生存競争の模様をお伝えするのは6月初旬に……なんてことになったりして……。
そうならないことを筆者自身も祈りつつ、明日に続きます(笑)。
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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