大塚角満の ゲームを“読む!”
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【MHP 2nd G】第21回 そのとき、樹海に黒い風が吹いた その1
村長上位クエスト”極秘依頼 樹海の迅竜!”を始めて受注し、その狩猟の模様を綴った汚い字のメモ書きがある。そこに俺が書いた最初のひと言。それは、
「メチャおもろい!!!!」
だった。『2nd G』を象徴する新モンスター・ナルガクルガとの激闘は、ともすると忘れがちだった『モンハン』世界の根底にある土台、つまり”牙を持つ者どうしの生きるための競争”という絶対的な真理を、俺の心に呼び戻してくれるものだった。狩るか、狩られるか。ほとばしるナルガクルガの生命力が、俺に狩猟の怖さを思い出させてくれた。
異種格闘技の世界においては、初めて対戦する格闘技ほど怖いものはないらしい。相手がどんな攻撃をしてくるのか? スピードはどうなのか? そもそも攻撃力はどれくらいなのか? いくら研究しても実際に肌を合わせないことには何もわからないから、対戦まえはとにかく、頭の中でクエスチョンマークが渦を巻いているという。
ナルガクルガ討伐に出かけるまえの俺が、まさにこれだった。俺は心からこのゲームを楽しみたいと思っているので、攻略本や攻略サイトはなるべく見ないようにしている。ナルガクルガについてもいくつか知っていることはあったが、どんな属性が効くのか、はたまたどんな攻撃をしてくるのか、具体的なことは何も知らなかった。でも、それでいいんだ。ナルガクルガだって、俺がどんなアイテムを使って、どんな攻撃を仕掛けてくるのかまったく知らないんだからさ。もちろん今後、いろいろなところから情報が入ってきて、さらに何度も肌を合わせるうちに有利な立ち回りも覚えていくのだろうが、ファーストコンタクトのときくらいは、俺はモンスターとフェアでありたいと思っている。
だから、準備は万全を期した。とにかく狩場で使えそうなものは片っ端から持って行こう。だってこのゲームの”象徴”と言えるモンスターが、目一杯アイテムを持った全力の俺よりも戦闘力が下回っている、なんてことはあるわけないんだから。俺はカバンに回復薬、回復薬グレート、薬草、秘薬、ハチミツ、大タル爆弾、シビレ罠、落とし穴、トラップツール、閃光玉などを限界数詰め込み、武器に水属性のガンランス”海王槍リヴァイアサン”を持って、ナルガクルガの待つ樹海へと足を踏み入れた。ほかにも火属性や雷属性のガンランスも持っているし、そもそもなぜ、もっとも頻繁に使っているガンチャリオットで行かなかったのかというと、ナルガクルガのルックスから、これらの属性は効果がないのでは……と思ったから。かといって水属性が有効なのかどうかいまだに知らないのだが(マジです)、なんとなーく、いちばん効くんじゃないかなぁ……と思ってこの武器を選んだのである。だってウチのネコ、身体洗うのすごく嫌がるし!! ……まあ根拠はそれだけなんだけどネ。つまり、カン!! ちなみに防具は、ガード性能+1のスキルが発動している。やっぱりこれがないと、安心してモンスターの前に立てないんだよねぇ……。
そして始まったナルガクルガとの生存競争。まず、ナルガのナワバリに足を踏み入れてしまったときに流れるデモ映像に度肝を抜かれる。なんだこいつの動き……。空気の中を泳いでるのか……? ここで、いつもの俺だったら大いにビビるところだが、なんだか無性にワクワクが止まらなくなっていた。「この風と、戯れてみたい!」。そんなくさいセリフを、心の中で叫んでいた。
ナルガクルガは、まさに”風”だった。この動きとスピード……。こいつは紛れもなく、木々の間を抜ける一陣の黒き疾風だ。警戒度をマックスにした猫のように唸り声を上げて、突然の闖入者に牙を剥き出して襲い掛からんとするナルガクルガ。しかし正面からは向かって来ず、風のように俺の横にまわりこんだと思ったら、完全な死角から強烈なアタック! どんな攻撃をされたのかもわからず、俺はただただ人形のように草むらを転げまくる。な、何が起こったんだいま……。
どんな攻撃をされるのかわからないことって、こんなに怖かったんだ……。俺の脳裏に、初めて対峙したときのリオレウス、クシャルダオラ、ティガレックス、そしてラージャンの顔が閃く。そうだった……。あいつらもみんな、そうだった。その後”好敵手”となるモンスターたちは、みんなそうだったんだよな。恐怖と歓喜に貫かれながら、相手の一挙手一投足を見逃すまいと全神経を集中して、とにかく”生きること”に全力を傾けた。そんなライバルたちとの激闘の日々が、唸るナルガクルガの攻撃を必死になってガードする俺の思考の中を駆け巡った。こいつはとんでもねえヤツだ。あまたの好敵手たちに匹敵する、強さと魅力を併せ持ったモンスターだ!!
ナルガクルガとのファーストコンタクトの結末はつぎのコラムで。お楽しみに!
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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