大塚角満の ゲームを“読む!”
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というわけでナゼか始まってしまった、フルフルを相手にしたタイムアタック大会。なんでこういうことになったのか? については前回の日記を読んでネ。
まあでも、前回の日記に書いたとおり俺はフルフルを狩ることは得意中の得意。正直、目黒ごときに負けるわけがない。ガード性能+1が発動したこの防具と、宝刀・ガンランスを持ってさえすれば上位だろうがG級だろうがフルフルにはやられる気がしません。がはははは!
それにしても。
こういうのを”油断”というのだろうか。
このときの俺の装備で、フルフル相手に気をつけねばならないことは口から発射される電撃ブレスくらいのもの(これだけはガード強化のスキルがないと防げないから)。なので俺は基本的にフルフルの足のまわりにまとわりついて、ツンツクツンとガード突きを足や腹に浴びせ続ける。しかし余裕だとは思っていても、誰かと競い合っているという状況が俺にほんの少しの”焦り”を注入してきて操作を甘くさせる。(一刻も早く狩らねば!)と思っているからかどうにもガード突きという地味な攻撃にイラ立ちを覚え、攻撃力が大きい踏み込み突きなどをお見舞いしたくなってしまうのだ。おかげで、普段はフルフル相手に滅多にやらない踏み込み突きをやろうとしたとたんにビリビリと体内放電が始まってそれが哀れなガンランサーに直撃し、それだけで体力の半分近くを持っていかれる。食らったことのない放電の威力にド肝を抜かれ、ゲーム中のキャラクターではなく操作する俺自身が「……」と呆然と佇む。見ると、緩慢に起き上がって武器を構えた我が分身に向かって、「いままでよくも……」とポーカーフェイスに青筋を浮かべたフルフルが電撃ブレスを発射しようとしているではないか!!
「!!! やべえ!! やめてくれやめてくれ!!」
恥も外聞もなく絶叫する俺の姿を見て、「いいぞいいぞ! フルフルがんばれ!」とメタボ飛竜に声援を送る中目黒目黒。俺、なんとか電撃ブレスを避けようと×ボタンを連打するも、ガンランサーのやることと言ったらヒョコヒョコとバックステップをくり返すだけ(当たり前)。そうこうするうちに青白い電気の束がサメの背びれのように雪の上を這ってきて、ものの見事に俺を天国へといざなった。
「ぐはあ!! フルフル相手にオチちまった!!!」
血反吐を吐かん勢いで嘆息する俺。フルフルに屠り去られたのって、いつ以来だろう……。俺の慟哭を聞いて、ゲラゲラと笑い転げる中目黒目黒。「よし、もらった!!」とすっかり勝者の顔だ。ところがさすが中目黒目黒。俺がオチたほんの1分後くらいに「ぐはあ!!!」と絶叫したかと思ったら、「で、電撃ブレスが当たってオチちゃいましたよ!!」と俺とまったく同じ道をたどって昇天。勝負、まったくわからなくなってきた。
そして、ここで困ったのが手に持っているアイテムである。今回俺は、前回の日記で書いたとおりフルフル相手に完全試合を演じたばかりということもあって、回復薬はもちろん、ホットドリンクも捕獲セットもすべて、自室のアイテムボックスにぶち込んできてしまったのだ。ここまで自信過剰になるってのもスゴイが、そういうときに限ってまんまとオチるってのもネタ用にわざとやってるんじゃないかと思えてイヤだよネ(もちろん、本気でやってる結果ですよ)。
まあでも、それなりにダメージは与えているはずなのでほどなく討伐することができるはず。俺はホットドリンクを持たない凍えた身体で再びフルフルと対峙し、「今度こそ慎重に!」と心の中で叫びながらガード突きを見舞いまくった。
ところが……。
パーフェクトが途切れたピッチャーってのは得てしてこんなものなのかもしれない。
慎重に相手をしてはいたのだが、寒さの影響で刻々とスタミナの限界値が減っていくものだから、ガード性能のスキルがうまく機能しなくなっていく。ガードできたところでスタミナはガクンと減るわけで、減ったところに追撃を食らうと甚大なダメージを受けるのは『モンハン』世界の常識ではないですか。まさにこのとおりのことをフルフルに実践されてしまい、怒りの放電ジャンプをガードしたまではよかったのだが、2回目の当たり判定は受け止めきることができず、思いっきりダメージを食らう。しかも食らった場所がたまたまガケのすぐそばで、我が分身はフルフルの腹の下でゴロゴロと転げまくる有様。こうなると悪いことは重なるもので、俺を腹の下に敷いたままフルフルは体内放電の構え。「やめろやめろ!」という俺の訴えなど聞いてくれるわけもなく、俺はバチュン! という凄惨な音とともに2度目の昇天を達成した。
「信じられん……。フルフル相手に2オチした……」
これを聞いた中目黒目黒は喜色満面となり、「よぉぉし!! 今度こそもらった!!」と会心の勝利宣言。しかし、本当にネタでもなんでもないのだが、この直後に目黒は「!!!!!!!!」と声にならない悲鳴を上げて、「やばい!! 俺も2オチしちゃいましたよ!!」と笑撃のカミングアウトをした。
「さあ、おもしろくなってまいりました!(笑)」と俺。「ちっともおもしろくないっすよ!(苦笑)」と目黒。ヘタレふたりがカッコつけて”タイムアタック勝負”なんておっ始めるからこういうことになるのである。
さあもうオチることは許されない。俺はエリア3に飛んで行ったフルフルを追いかけて、相変わらずの凍えた身体でフルフルに最後の勝負を挑んだ。竜撃砲の火焔と、執拗なガード突きの雨にさらされてバタバタと転びまくるメタボ飛竜。「いける!!」。俺はそう、確信した。
ところが……(何度目だ)。
ここが勝負どころと焦ったガンランサー、体力が少々減少しているのも構わず、横倒しになったフルフル目掛けて踏み込み突きを見舞っていく。しかしこのエリア3にはギアノスが棲みついていて、俺とフルフルの一対一の真剣勝負にさかんにチャチャを入れてくるのである。俺はギアノスの狼藉に怒り狂い、フルフルそっちのけでこの白いトカゲを追い掛け回す。すると、いつの間にか怒り心頭のご様子で立ち上がったフルフルが、青い光をほとばしらせたまま大ジャンプ!! 白くてブヨブヨしたその身体が、我が分身を直撃した。
「あっ!!!!」
と思ったときはもう遅い。残り1ミリとなった体力が続く体内放電に耐えられるわけもなく、信じられないことにフルフル相手にハットトリック……。こいつはとんでもない悪夢を見たものだ。
これはあえて言うなら、完全試合を目前にしたピッチャーが9回裏のマウンドに立ち、簡単に2アウトを取ってから油断をしたのか不運のデッドボール。パーフェクトの夢が潰える。ピッチャー、「あは。あはあは……」とテレ隠しの苦笑いを浮かべつつも「まだノーヒットノーランがある!」とばかりに気合を入れ直しつぎのバッターと対峙。ところが続くバッターが打った打球はフラフラとセカンドの後ろに落ちるアンラッキーなポテンヒット。ついにノーヒットノーランの夢も砕かれ、ついでに心も砕かれ、続くバッターにバックスクリーンに飛び込むサヨナラ3ランホームランを浴びて、パーフェクトピッチャーになるはずが気が付いたら負け投手になっていた……という状況に似ている。
しかし、話はここでは終わらない。なんと俺が3オチした直後にまたまた目黒が「あああ!!」と叫び、「ま、また電撃ブレス食らって落ちちゃいました!!!」と目黒は目黒でハットトリックを献上。なんとも締まらないタイムアタック大会の幕切れとなった。
さすがにうなだれて村に帰ってきた俺と目黒。
「俺たちふたりして、1匹のフルフル相手に”6オチ”ってことだよね……」(大塚)
「そっすね……。恐らく、世界記録なみの快挙かと……」(目黒)
はっきり言ってこのエピソード。
コラムで書きたくありませんでした……(苦笑)。
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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