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大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHP 2nd】第87回 つかの間の再会

2007年07月23日

 7月17日に発表されたPLAYSTATION AWARDS。プレイステーション関連ハードにおいて50万本以上の出荷を記録した作品を表彰する催しで、今回は9作品(特別表彰含む)が受賞した。この中で、今回の表彰の最高賞となるプラチナプライズ(100万本以上出荷)を獲得したのが何を隠そう、我らが『モンスターハンターポータブル 2nd』。このPLAYSTATION AWARDSは毎年恒例の表彰イベントなので『2nd』がプラチナプライズを獲得するのはわかりきっていたのだが、それでも会場内に「プラチナプライズは『モンスターハンターポータブル 2nd』です!!」というMCさんの声が轟いた瞬間は全身に鳥肌が立ってしまったよ。ご存じのとおり、俺は初代『モンスターハンター』からこのゲームにどっぷり浸かっているので、"モンハン"というブランドがどのようにファンに受け入れられて育ってきたのか、その成長過程をすべて見ている。そういう意味で、ヒット作品の証明というか、人気シリーズかどうかを分ける分水嶺とも言うべき100万本を愛する『モンハン』が突破してくれたことは"感慨"以外のナニモノでもないのだ。勘違いとはわかっているが、なんだか自分が褒められているような気がして、会場で誇らしくて誇らしくて仕方がなかった。いっしょに取材に来ていた江野本ぎずもに思わず「どうだ。すげえだろ」と言ってしまったほどだ。

 そして俺が何よりもうれしかったのが、表彰式の会場で『2nd』制作チームの面々と再会できたことだ。まず出会ったのが"モンハン4人衆"のひとり、ディレクターの一瀬泰範さんと、メインプランナーの江口勝博さん。一瀬ディレクターは相変わらず飄々とした佇まいで、「あ〜、大塚さん。どぅも〜」てな感じ。江口さんはうれしそうにニコニコしている。そのときはふたりが他のメディアの記者(と言っても、じつは俺の学生時代の同級生なのだが)と話をしていたので、邪魔しちゃ悪いと思い、あいさつを交わしただけで早々に立ち去る。でも去り際、一瀬ディレクターが「ほかの連中も来てますよ〜」と教えてくれたので、会場をウロつきながら他の制作メンバーを捜すことにした。PLAYSTATION AWARDSは表彰イベントなので、取材は江野本ぎずもに任せよう。俺は江野本のところに行って「きっちり受賞作品と登壇者、コメントをメモっておけよな」とエラそうに言い置き、でもさすがに(ちょっと悪いな)とも思ったので、「まあ俺もメモるけどな」と宣言した。

 さてつぎに会ったのはやはりモンハン4人衆のひとり、プランナーの小嶋慎太郎さんだ。いつものラフな格好ではなく、ビシっとしたスーツを纏っている。小嶋さんを見つけるなり、女子高生のように手を振る俺。それを見て、小嶋さんは一気に破顔した。

 「元気っすか?」と俺。すると小嶋さんはニヤリと笑い、「いやあ、最近はいろんなゲームをやってますよ」と返す。この人は「さすがプランナー」と感心してしまうくらいフットワークの軽い人で、忙しい合間を縫ってはいろんなゲームをプレイして、今後自分が携わるゲームに役立てようとしているフシがある。つまり、俺が毎週週刊誌を6誌も7誌も買って読んでいるのと同じだ(た、たぶん)。俺は小嶋さんに対する親近感をさらに深め、「また飲みに行きましょう!」と元気に行って別れた。

 小嶋さんのもとを去ってしばらくは、マジメにPLAYSTATION AWARDSを取材。しかしすぐに"あの人"を発見してしまったため、江野本ぎずもに「あ! ちょっと行ってくる!!!」と言い捨てて取材席(俺と江野本が陣取ってた丸テーブル)を離れた。そして件の男性に接近し、背後からなれなれしくポンポンと肩を叩く。すぐに、その男性が振り向いた。

 そこにいたのはモンハン4人衆のひとりにして、モンハン世界の世界観を守るシリーズディレクター、藤岡要さんだった。藤岡さんは俺を認めてニコニコと笑い、「おーーー! お久しぶりです! あ、取材で来られたんですね?」と言った。そう、俺はじつはニュース担当記者なので、こういう発表会やイベント会場こそメインの仕事場だったりするのだ。最近はドンドルマやポッケ村が職場のようになっていたが、俺もやるときゃやるのである。

 俺と藤岡さんは再会を喜び合い、賑やかな表彰式の会場で大声を張り上げながら近況報告などをした。いつ会っても、藤岡さんはじつに気分のいい男だ。なので本当は表彰会場から身柄を確保して飲み屋に連行したくて仕方なかったのだが、そういうことをするとあとでカプコンの広報さんと江野本にマジギレされると確信して泣く泣く断念。そのかわりに「近々、強引にでも時間を作って飲みましょう」という約束手形を切りあって、俺は必死になってメモを取っている江野本のもとに戻った。するとすぐに、「何やってんだオッサン」と顔全体で抗議している江野本の姿が俺の視界に飛び込んでくる。俺、少々ビビリながらも、「ちゃんとメモとってっか?」と副編集長の威厳がたっぷり詰まった台詞を発した。こういう表彰イベントはけっこう矢継ぎ早に受賞作品が発表されるので、メモを取るのがたいへんなのだ(受賞者が何人も壇上に上がるからね)。俺の台詞を受けて、低い声で「取ってますよ」と江野本。ラージャン怒髪天5分まえ、って感じの江野本の眼光に射すくめられ、俺は(やばい。ちょっとマジメにメモとろう)と素直に心を入れ替えた。

 しかし哀れなことにその数分後、モンハン4人衆最後のひとりを発見してしまった。そう、辻本良三プロデューサーである。俺はほんの一瞬まえの堅い決意など速攻で忘れ、「良三さーん!」と叫んでブンブンと手を振る。辻本さんはすぐに俺を認め、「ああ!! いた!!」と言いながら我が元にやってきてくれた。そして、すぐに会話スタート。俺は彼がプロデューサーであることなどお構いなしに、「アレ? 良三さんも来てたんだ(笑)」と失礼な言葉をぶつける。それを受けて辻本さんは、「あたりまえやないですか! プロデューサーですよプロデューサー(笑)」と言って笑う。辻本さんの笑顔を見て、一瞬にして熱かったモンハンフェスタのころに戻ったかのような錯覚を覚えた。

 この日、辻本さんが開口一番俺に言った言葉は、「大塚さん、デスギアできたんすか?(ニヤニヤ)」というものだった。そう、辻本さんは"トレニャー頼みの悲哀"というコラムで俺が「デスギアの上位装備作りたい!」と叫んでいたのを読んで、そんなことを言ってきたのである。詳しくはコラムを読んでいただきたいが、このデスギアの上位装備は俺より先に辻本さんが完成させており、屈辱的なことに俺は彼のあとを追うような形になってしまっているのである。辻本さんは俺の顔を見ながら、「デスギア装備を作るうえでわからないことあったら、なんでもボクに聞いてくれるといいですよ(ニヤニヤ)」とのたまう。俺は(ヘッドロックかけたろか……)と思いながらも、「デデデデスギアなんて、ととととっくに完成しましたよ!!!」と震える声で宣言。すると辻本さんは「へぇ〜。そうなんだぁ〜。できたんだぁ〜」とさらにニヤニヤ笑いを強め、言葉の裏に隠れている(どうせウソだろう!)という本音をチラチラと垣間見せるのであった。……まあウソだけどな!!! 悔し紛れに書くが、辻本さんは俺のコラムを指して「大塚さんのコラムのせいで僕がズッコケキャラだと思われてしまった」と事あるごとにクレームをつけてくるのだが、それは明らかに俺のせいじゃありません。あなたの資質の成せる業です!!

 そんなこんなで辻本さんとバカな話をしていたとき、急に背筋に悪寒が走った。恐る恐る振り向くと、そこにはラージャンもかくやというくらい髪を逆立てた江野本が……。俺はキモを潰して咄嗟に、「うんうんナルホドナルホド、いやあとにかくプラチナプライズおめでとうございまスー」とかなんとか、"いかにもいまコメント取りをしていました!"という絵を取り繕った(なんで副編集長の俺がこんなにビビる必要があるのか、そこのところはよくわからない)。しかし、グレムリンと化した江野本の顔には、「どうせウソだろう!」とはっきり書いてあった。

 それにしてもほんの一瞬の再会ではあったが、気の置けないモンハンチームの人と話すのはことのほか楽しかった。つぎに会えるのは8月の"モンスターハンター夏期講習"かな? いまから楽しみだなあ。

投稿者 otsuka-eb : 2007年07月23日 16:39

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