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大塚角満の ゲームを“読む!”

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【MHP 2nd】第77回 戦場の吟遊詩人現る

2007年06月25日

 前回の日記で書いたとおり、俺はこの週末、精力的に訓練所のクエストをこなした。恥ずかしながらカミングアウトするが、俺はここまでいっさい、訓練所に足を踏み入れていなかった(というと語弊があるな。モンハンフェスタのチャレンジクエストはひととおり試したことはある)。じつは『2nd』だけではなく、『2(ドス)』でもほとんど訓練所で遊んだことがない。なので俺が持っているソフトに住んでいる鬼教官は、仕事がまったくないし、いじめる生徒もやってこないしでいじけまくっているに違いない。それどころか、「やっぱりいまの時代、鬼とかスパルタとか言ってるのは時代錯誤なんかな……」と自分の方針に大いに疑問を抱き、"やさしいイケメン教官が教えるハンター合宿14日間♪ 生徒随時募集中! いまなら入所特典もあるヨ(はーと)"なんて看板を掲げだしているかもしれない。そんなバカなことを考えてしまうくらい、俺は訓練所に近寄らなかったのだ。ではなんで訓練所のお世話にならなかったのかというと理由は簡単。

 「俺ほどの腕前だったらいまさら訓練せんでもよかんべぇ」(群馬弁)

 このひと言に尽きる。これは初代『モンハン』からシリーズを遊んでいるハンターが比較的陥りやすい"余裕の境地"ではあるまいか。改めて訓練せんでも、実戦こそが戦いのカンを呼び戻してくれる起爆剤だ! と男らしく豪語して、半分裸でモンスターの待つ原野に飛び出して行っているに違いない。でもなかには、大ベテランなのに「訓練所を制覇してからじゃないとやった気がしない」と宣言し、訓練所のクエストをすべて潰してから村クエに臨む人もいる。俺の友だちの中では、おなじみのWちゃんがそうだ。でもまあWちゃんの場合はソフトが発売された数日後に、「訓練所と村クエ、ひととおり終えたので集会所に行きまーす」と、訓練所をガン無視して村クエからクエストを消化している俺をあっと言う間にブチ抜いてしまうのであまり例としてふさわしくないかもしれない。が、とにかく、「まずは訓練所」というハンターもけっこうたくさんいるのである。

 さて、そんな"訓練所スルー派"だった俺がなぜいまになって鬼教官のお世話になろうと思ったのか。じつはさしたる理由はなくて、近所に昔からあるけどなぜかいままで入る機会のなかった喫茶店に"なんとなく"フラリと立ち寄ったのに似ている。「まえからここにあるけど、どんなものを飲食させてくれるのかなぁ……」という好奇心が急に湧いてきて、玄関に吸い込まれていった感じだ。

 訓練所に入ると、いつもの佇まいで教官が待っていた。いままでスルーしまくっていた俺に対して、決して媚びることも、へつらうこともない毅然とした態度は感動的ですらあった。世紀末覇者を思わせる男らしさであった。俺はとたんに(いままで待たせてスマンかった!)という気分になり、「どんな厳しい試練も受けます! ボクをいじめてください!」という気分になった。ガンランスが強くなって以来忘れていたマゾの気が起きてきた瞬間であった。さっそく俺は、厳しくもユーモア溢れる教官に言われるがままに、イャンクック討伐訓練を受注した。

 さてここで多くの読者の方々が、「きっと角満はクックにも勝てなかった、って話を書くに違いない」と思ったことであろう。でもそんなことはないんですよ!! 俺は(やべえ、俺ウマすぎ。これじゃコラムに書くネタがない)と思ってしまったくらい順調に、用意された各武器で、クックをしばきまくった。あ、いまさらながらに説明すると、訓練所では武具、アイテムはすべて用意されているものを装着して討伐目標を倒すことになるのです。自分が揃えた凶悪な武器、防具はいっさい使うことができないので、本当におのおののスキル、腕次第でクエストの成否が別れる、という仕組みになっているのだ。で、俺はベテランハンターらしい落ち着いた立ち回りでクックをボコボコにした、ってわけですな。

 しかし、俺が我が世の春を謳歌できたのはここまでであった。続くババコンガ討伐訓練で早くも、俺の前に巨大な壁が!! 対ババコンガ戦に用意された武器は、双剣、太刀、狩猟笛、ガンランス、弓、の5種類。ガンランスはメイン中のメインの武器なので問題ないが、そのほかの武器、俺は『2nd』ではほとんど使ったことがないのである! 双剣、弓はたまーに使うが、太刀と狩猟笛については『2nd』ではほぼ1回も使ったことがなかった。さらに言うなら狩猟笛は、『2(ドス)』の時代をひっくるめてもほとんど使ったことがない。狩猟笛LOVEの一瀬泰範ディレクターが暮らす西南西の空に向かって(すまんかった!)と頭を下げ、とりあえず勝手知ったるガンランス、双剣、弓の順番でババコンガと対峙した。結果、

 ガンランス>双剣>弓

 ってな具合に、熟練度に完璧に比例して右の武器に行くほど苦戦をし、まったく使ったことがないと言っても過言ではない狩猟笛に対する不安がいやがうえにも盛り上がってくる。そこで残されたふたつの武器のうち、まずは太刀を持ってピンク猿に挑むも使いかたを思い出しているうちに1オチ。訓練所のクエストは1死クエなので、1回でもモンスターに倒されると強制終了となってしまう。それでもなんとか、やたらめったらカタナを振り回していると偶然にもこれがピシピシとババコンガに当たり、なんと慣れたガンランスよりも格段に速いタイムでクエストをクリアーしてしまったではないか!! とたんに、

 「……」

 となる俺。ガンランスっていったい……。でもこの程度のボディーブローで悶絶している場合ではない。つぎはいよいよ、あの狩猟笛でババコンガを倒さなければならないのだ!! 俺の震える手に狩猟笛を託す鬼教官。もう後にはひけない。俺はキョロキョロとあたりを見渡してからこっそりと『ルーキーズガイド』を本棚から取り出し、狩猟笛の操作方法を説明しているページを開いてテーブルの上に置いた。カンニングをしながらババコンガと戦おうと思ったのだ。えーっと、狩猟笛を吹くにはR1ボタンを押して……。おお、狩猟笛からなにやら音が出てきたぞ。するとピキューンという軽快な音とともに"自分の移動速度強化"、"攻撃が弾かれなくなった"という効果が画面に表示されたではないか!! こ、こりゃすげえ!! まさにドーピング!! 俺はうれしくなって、さらに笛を吹き続けた。すると今度は"龍耐性強化"という効果が!! うおおお! す、すげえ。狩猟笛使いは、こんなにおいしい思いをしていたのか!! いまさらながら、ほかの武器とはまったく毛色がことなる狩猟笛の特性に触れ、感激しまくる大塚角満。すっかりババコンガのことなどどうでもよくなって、キャンプでいつまでも笛を吹き続けた。吹けば吹くほど、龍耐性が上がっていく。これぞまさに、戦場の吟遊詩人ではないか! かっこいいなあ、狩猟笛。けっきょく、頭打ちになるまで笛を吹き続けたので、猛烈な龍耐性が備わったことだろう。俺は嬉々としてモンスターの待つ闘技場に足を踏み入れた。どっからでもかかってこいや!! 修羅を思わせる極限の気合をモンスターに向ける。しかし闘技場で待っていたのは、龍属性とかまるで関係ないピンクの大猿、ババコンガであった。つまり俺の演奏、まったく意味ナシ!! しかも演奏にばっかり気を取られて、通常の攻撃方法がまるでわからない。俺に残された道は、ババコンガを前にしてもピ〜ヒョロロ〜と情けない音色を一生懸命奏でることだけであった(んなことはない)。

 しかし残念なことに、笛を吹きながら通常攻撃のやりかたをカンニングしている絶好の隙を、このお猿さんが見逃すわけもなかった。けっきょく、移動速度が上がろうが攻撃が弾かれなくなろうが、ましてや関係ない龍耐性をあげたところで、自分の攻撃が相手に当たらなきゃ話にならないのだ。

 1分足らずでババコンガに屠り去られ、改めて"武器に精通する"ことの意味を知るベテランハンターであった。

投稿者 otsuka-eb : 2007年06月25日 15:51

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