大塚角満の ゲームを“読む!”
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わけあって、"青いハンセン"ことショウグンギザミを追い回していた。そりゃあもう、親の敵か百年の恨みかってほどとにかく目の敵にして、この青いラリアットマシンを追い掛け回しておりました。
ヤオザミ、ダイミョウザザミらと同じ甲殻種に分類されるこのモンスターは、密林や沼地といった比較的穏やかな地域はもちろん、火山でも平気な顔して生活を営んでいるなかなか節操のない男(女かもしれんが)である。火山と沼地をウロついているモンスターというと真っ先にグラビモスが思い出されるが、ショウグンギザミもまた、グラビモスほどではないかもしれないがなかなかにしてイヤラシイ性格をしている。どうも毒沼の瘴気と火山の熱気は、浴び続けるとその人の性格を捻じ曲げる化学反応を起こすらしい。なのでハンターの諸君も、火山−沼地のクエストコンボは少々控えたほうがよろしい(ウソ)。
さて、ショウグンギザミは甲殻種であるから、動きや性質はほかの同種モンスターと非常に似ている。ほぼ同じ、と言っていいかもしれない。左右にチョコマカと移動するハンターを小バカにした動き、堅い外殻、ときおり水を吐きかけてくるところなどもダイミョウザザミとまったく同じだ。つまりコイツは、ランス系の武器をメインに使っているハンターにとっては"天敵"と言える存在なのである。なので俺は『2(ドス)』の時代から、ショウグンギザミのクエストに行くことがイヤでイヤで仕方がなかった。上位のギザミはもちろんだが、下位のギザミも恐ろしくて恐ろしくて、とにかく可能な限り、近づこうとしなかった。
いまにして思えばものすごい過剰反応だったんだなと思うのだが、こういう"なぜかわからんけど苦手な相手"っていませんか? 俺の友だちのひとりは初代『モンハン』の時代、オフラインプレイからオンラインにデビューしたとき、野良でガノトトス討伐に出かけていきなり昇天させられ、「田舎から出てきたばかりの俺に恥をかかせたガノトトスには二度と行かない!!」と顔を真っ赤にして怒り狂い、以来すっかりガノトトスが苦手になってしまった。またある友人は『2(ドス)』でメインの武器を弓と決めてクエストに出かけて、さんざんヤオザミ、ブルファンゴ、コンガ、ランゴスタというウザ雑魚四天王に追い回されて、「カニとイノシシと猿と虫が出てくるクエストにはいかない!!!」と、ほとんどすべてのクエストを否定するような発言をして、はあはあはあと荒い息をついていたものである。
しかし考えてみると俺はこのコラムを通じて、「モノブロス、ディアブロスの角竜コンビが嫌い」、「グラビ最悪」、「ババコンガが好かん」、「ヤオザミあっち行け」、「イーオスうざすぎ」、「ガウシカ、シッシ」等々、苦手なモンスターを列挙しまくってきた。となると、「あんたもしかして、このゲーム向いてないんじゃない……?」なんて言われそうだが、そんなことはありません。モンハン最高。
何が言いたいのかさっぱりわからなくなってきた。
そうそう、ショウグンギザミのことを書いていたんだった。ショウグンギザミはじつにイヤなヤツだが、意外なほど剥ぎ取れる素材が高く売れるので、好き嫌いを抜きにしてがんばって狩っていればなかなかすばらしい金づるになってくれる。じつは俺はプレイ当初こそデータ引き継ぎのおかげでセレブな生活を送っていたが、放蕩の限りを尽くした結果、一時は現金が1000ゼニーを切るというとんでもない没落ぶりを披露していたのである。なので俺は擦り寄った。大嫌いなショウグンギザミだが、安定した生活を送るためにゴリゴリとゴマを擂りながら接近したのである。
「お、今日もいい青色してますね!」
と俺は心の中でギザミに言った。同時に、画面に向かってヘコヘコと頭を下げた。出世するためには、嫌いなモンスターにも我慢してお近づきにならなければいけない……。それがオトナってもんだ。
俺は『モンスターハンター』の世界に、一般サラリーマン社会の縮図を見た。
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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