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【MHP 2nd】第19回 ティガレックスとの死闘 その2
失禁寸前までビビらされて「このままポッケ村に帰ろうかな……」とも思ったが、こんなところで敵前逃亡していたのでは、ここから先にやってくるであろうさらなる修羅場に向き合えなくなる。そう、俺はもう戦うしかないのだ。ボコボコにされようが、立ち向かうしかないのである! よーしやってやるわい。かかって来い! ティガレックスッ!! はあはあはあと鼻血が噴き出さんばかりに興奮しながら、俺は決意も新たにガンランスを構え直し、轟竜・ティガレックスが待つ山頂へ再び足を踏み入れた。
前回のコラムでも書いたが、ティガレックスはとにかく動きが速い。対するガンランスは重い武器の代表である。一見、非常に相性の悪い組み合わせで、ガンランスの攻撃などまるで当たらなそうに思えるが、実際はどうか。意外にも、ティガレックスと対峙して何度かつばぜり合いをしてみた最初の感想は「あ、何とかなるかも」というものだった。
俺は逃亡寸前までビビっていたことなどすっかり忘れて、非常に冷静にティガレックスの行動を目で追えていた。がっちりと防御で身を固めて、ドタドタと走り回る轟竜を眺める。突進、噛みつき、岩石飛ばし、そして回転攻撃と、巨体に似合わぬ軽快さでティガレックスは多彩な攻撃を仕掛けてくる。とにかくコヤツは縦横無尽に走り回って攻撃をくり出してくるのでちょっと気を抜くと「あわわわわ……」となってしまいそうだが、冷静に十字ボタンで視点をコントロールし、ティガレックスの居場所さえ確認しておければさほど焦る必要はない。俺は武器を畳んでパタパタと走り回り、ティガレックスが突進や噛みつきで疲れたあとにできるわずかな隙を狙って武器出し攻撃を見舞い、ついでとばかりにボコンボコンと砲撃も食らわせてやった。そのまま防御姿勢を作り、回転攻撃やバインドボイス(ティガレックスのバインドボイスには攻撃判定がある!)を軽くいなす。そしてティガレックスの動きが止まったらボコンボコンと砲撃。これでかなりの頻度でヤツは怯むのだ。そうなったらシメたもんで、余裕でガンランスに弾を込めたり、削られた体力を回復することができる。「いける!」と俺は吠えた。
しかし『2nd』の象徴とも言えるティガレックスが、この程度の攻撃で参るわけもなかった。コイツの真の恐ろしさは、顔と前脚に血が集中し、真っ赤に彩られたことでわかる"怒り"状態に突入したときにこそ現れる。怒り状態に陥ったときのティガレックスのスピード、攻撃力は壮絶を極め、先ほどまで冷静に戦っていたガンランサーをとたんに「あわわわわ……」の状態にしてしまったほどである(俺のことだけど)。恐ろしいことにこの怪物は、猛烈なスピードで真横を通過したと思ったら、カメラを回して視点変更をする間も与えずに真後ろから突っ込んできたりするのである。とてもじゃないが、フルフルやダイミョウザザミにやるように「うらうら、突っつくぞ。ホレホレ」というような、いたぶり半分の気分でツンツクツンと突っつける状況ではない。あっと言う間に間合いを詰められてしまうし、ちょっと遠くに行ったと思ったら岩だか雪球だかわからないがとにかく何か投げつけてくるので始末が悪い。しかもこの怒り状態、ほんのときたま起こる現象だったらいいのだが、どうもこのティガレックスという生き物は生来怒りっぽい性格らしく、非常に単細胞的に「どがぁあああ!!! ムカつく!!」となるもんだから、いっしょにいるこっちはたまったものではない。触らぬ神に……ではないが、怒れる轟竜にはなるべく近寄らないほうがいい。
それでも、俺はめげなかった。逃げ惑いながらもなんとかガンランスに弾を装填し、ティガレックスが容赦なく間合いに入ってくることを逆に利用して、顔やら腹やらにボコンボコンと砲撃を食らわせてやったのだ。これにより、ティガレックスの顔を破壊することに成功。なんか俺、うまいじゃん! さあこうなったら、竜撃砲もお見舞いしてやろう。じつはティガレックスは突進をくり返したあと、虚空に向かってガオガオと吠えるクセ(?)がある。俺はこれを見逃さず、余裕の体でティガレックスに接近し、そのゴツい背中目がけて竜撃砲をぶっ放した! その勢いで、ゴロゴロと転げまわるティガレックス。追い討ちをかけるように詰め寄って、グサグサと顔や背中にガンランスの切っ先を食い込ませる。さあ、決着だ!
砲撃を攻撃の中心に据えたガンランスだけが可能なこの戦法は、この戦いにおいてはハマりにハマりまくったようだ。巨体をヨロめかせながら、ふらふらと飛び立つティガレックス。俺はそれを見逃さず、アイテムにシビレ罠をセットすると、マップ"3"の地点を目指して駆け出した。
そして。
ついに、轟竜の捕獲に成功! 俺は1回も昇天しなかったどころか、回復薬も大量に余したすえに、なんと捕獲まで成し遂げて堂々の帰還を果たしたのである(じつは余裕がなくて尻尾は斬れなかったけど)。
しかしいま思えば、このころはまだ平和だったのだ。はっきり言ってこのときのティガレックスは、まだ成獣になるまえの"ティガレックス見習い"のような存在だったのではあるまいか。
この戦いから数日後、俺は再びティガレックスとあいまみえることになる。そしてそこにあったのは、俺のハンターとしての実績も矜持も名声(あったのか?)も、とにかく俺がハンターとして存在するうえで確かにあったレゾンデートルをズタズタに引き裂く壮絶な敗北だけであった……。そのときの凄絶なる戦いも、いつかここに書きたいと思う。
まあでも今日のところは、勝ててよかった……。
大塚角満
週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。
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