« 「PS3用ソフトは、本当に日々進化している」と久夛良木社長は僕に言った | 大塚角満の ゲームを“読む!”のホーム | プレイステーション3版『みんなのGOLF』! »真逆を向いたふたつの新ハード2006年05月11日E3が開幕した。もう何日もまえからロサンゼルスにいるのでとっくにE3は始まっているものと勘違いしそうになるのだが、E3の会場展示そのものは5月10日〜12日の期間なのである。つまりこれまでの発表会などはE3の前哨戦だったわけだ。 会場の熱気はすさまじかった。火種なんてどこにもないのに、場内のあちこちでボゥボゥと火が燃えているんじゃないかと思ってしまったくらい、人々の期待が飽和状態なのである。とくに、West Hall。任天堂とソニー・コンピュータエンタテインメントのブースが隣り合わせになっているため(毎年のことだけど)、開場すると本当に多くの業界関係者がこのゾーンに殺到するのだ。しかも今年は任天堂がWiiを、SCEがプレイステーション3をプレイアブル出展するとあり、熱狂度は例年の比ではなかった。バーゲンセールに殺到するおばさま方でもこれほど殺気立たないだろうと思ってしまったくらい、来場者はWiiとプレイステーション3の体験コーナーに飛び掛っていったのである。……まあ僕も当然、2メートル級がごろごろいる外国人プレスとガチンコで戦いながら、まずはプレイステーション3の体験コーナーに噛り付いた。 まず最初にプレイしてみたのは『グランツーリスモHD』。じつは先日のSCEプレスカンファレンスのときに『グランツーリスモ』の生みの親、山内和典さんと話をしたのだが、そのときに「現時点でここまで美しいフルHDの映像を見せられるのはウチだけだと思います。ぜひ、会場で遊んでくださいよ」と言われ、「よし、それなら真っ先にプレイせねば!」と決意し、鼻息荒く飛びついたというわけだ。 このE3バージョンの『グランツーリスモHD』では、クルマ、バイクのどちらかをプレイヤーマシンとして選ぶことができた。僕はファミ通のバイク担当でもあるので、当然のごとくバイク(ホンダのCBR1000RRでした^^)を選択してプレイ開始。コースはTOKYOにした。 やってみて驚いた。「画面がキレイなことって本当にすげぇことなんだなぁ……」と。バイクでコースを走っているので一見、同じポリフォニーデジタルが開発した『ツーリストトロフィー』を想起してしまいそうだが、フルHDのクオリティーはやはり次元が違う。アスファルトの凹凸、センターラインのただれ、緑の表情、そしてバイクのディテール。目が痛くなるほど鮮やかな映像と、背後に猛スピードですっ飛んでいくオブジェクトの数々。山内さんはこの映像をして「まだまだ無駄なものが入っている、作りきれていない映像です」というが、いったいこれが製品版になったときはどうなってしまうのか。寒気すら覚えるほどの映像美であった。 この『グランツーリスモHD』のほかにも、カンファレンスで発表されたコントローラーの傾きセンサー(でいいんだっけな)に唯一対応していた『WARHAWK』にも触ってみた。コントローラーそのものは、思った以上に軽い。デュアルショックよりも軽いかもしれない。形状は従来のプレイステーションファミリーのコントローラーと同じものに落ち着いたので、持っていて違和感はまったく感じない。なのでさっそくプレイ開始。ぐにぐにとコントローラーそのものを動かして戦闘機を操り、敵機を撃墜するという単純な内容だったが、新しい操作感覚はなかなかにして楽しいものだった。そもそもファミコンの昔から、アクションゲームをプレイすると身体が動いてしまうというのはよくあることだから、最初からコントローラーをヒョイヒョイと動かすこの操作系は理に適っているのかもしれない(そんなことないか……)。すべてのゲームにこの操作系が当てはまるとは思えないが、応用次第ではものすごく新しいゲームジャンルを確立できるかもしれない。そう思った。 ほかにもいろいろとプレイステーション3のソフトを体験してみたが、やはり際立つのはグラフィックの美しさだ。まだハードの発売まで半年を残す現時点でこれだけのクオリティーの映像を堪能できたことは大きい。これで制作手法が熟成されてきたら、どれだけの映像が実現されるのであろうか。自分の目でリアルに見ている風景よりも美しい世界がモニターの中で展開されるかも……。そんな思いを抱かせるマシンであることは間違いない。 では、幅5メートルほどの通路を隔てて展開している任天堂ブースはどんな具合だったのか。ブースの周りにできた行列だけで見たなら、E3の会場のどこを見ても、これほど人々が殺到した場所はなかったと断言できる。本日、僕が確認した限りだけでも、Wiiの体験コーナーにできた行列の待ち時間は2時間オーバー。過去のE3でもこれほどの行列ができたことはほとんどないのではなかろうか。 Wiiのゲーム画面を見て驚いたのが、グラフィックは決して突出したものではない、ということだ。プレイステーション3のそれとは、真逆にある思想で開発されたハードということがすごくよくわかる。そしてもうひとつわかったのが、Wiiのゲームを見るときはプレイしている人そのものも見なければいけない、ということ。あの特殊なコントローラーにより、プレイヤーそのもののゲームの一部になっているのである。これはすごいことだ。『メイドインワリオ』のような単純極まりないゲームでも、身体そのものを使って遊んだときの楽しさは格別なのである。このWiiリモコンは使いかた(もしくはゲームの内容)によって、操作を難しくも簡単にもできる。つまりニンテンドーDSのタッチスクリーンと同じように、クリエーターの思惑次第でどうにでも変身を遂げてみせるという度量の大きいコントローラーでもあるのだ。任天堂ブースはあまりにも混んでいたのでこれ以上の評論ができるほど遊べていないのだが、SCEと任天堂が対極の位置に立って次世代ハードを開発しているということはものすごくよくわかった。こんな極めつけの特徴をもつふたつのハードが年末には市場に出揃う。本当にわくわくして仕方がない。 投稿者 otsuka-eb : 2006年05月11日 12:10 トラックバックこのエントリーのトラックバックURL: |





