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大塚角満の ゲームを“読む!”

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【モンハン2】第22回 麻痺武器エレジー

2006年05月15日

 すっかり『モンハン2』プレイ日記をサボってしまいました……。じつはE3取材に行ってましてゲームをプレイすることができずにクドクド。なかなか更新することができずにクドクドクドクド……。楽しみに読んでくださってる皆様、ごめんなさい。本日からしっかりと更新しますよ。あ、そういえば、プレイステーション3で『モンスターハンター3(仮題)』が発表されましたねー。我々ハンターにとっては、とんでもないキラータイトルがプレイステーション3に導入されることになりますなぁ……。これについては、べつの機会にきっちりと突っ込みたいと思います! さて、今日のコラムスタートです。テーマは"麻痺武器"!

●麻痺武器について考える

 先日、毒属性大好き大好きコラムを書いたが、ハンターたちに使われる頻度はやはり、麻痺属性に軍配が上がる。効果のほどがイマイチよくわからない毒よりも、強大な飛竜の動きすら止めてしまう麻痺の効果は、ディアブロス、グラビモス、そして古龍といったトップクラスの難敵と戦うときにも非常に有効なものだ。

 しかし、俺はほとんど麻痺属性の武器を使わない。強い敵と戦うときほど、パーティーにひとり麻痺武器を持ったハンターにいてほしいものだが、俺はその役目をほとんど負ったことがないのだ。まあ強力な麻痺武器を持っていない、というのも麻痺役を買ってでない大きな理由のひとつだが、どちらかというと補助系の麻痺武器よりも、力任せにザクザクと攻めるほうが好きだったりするのである。いつもいっしょに遊んでいる仲間たちもそれは重々承知しているようで、おなじみのWちゃんなどは「ミドさんは麻痺やりたがらないから、キさん(女尻笠井のこと)が責任とって麻痺やってよ」といって笠井に麻痺役をやらせているくらいである。言われたほうの笠井は意外なほど麻痺役が好きなようで、いつもホイホイ言いながらビリビリとモンスターを痺れさせている。

 しかし残念なことに、笠井が持っている麻痺武器はそれほど高級なものではない。1回クエストに行って3回麻痺れば奇跡ってくらい頼りないもので、1回も麻痺させることなくクエストが終わってしまった、なんてことがザラにあった。どうやら本人もこれに気づいていたらしく、なんとかもう少し麻痺の確率をあげることができないものかと、日々思い悩んでいたようだ。「そんなことで悩むこともないだろう」と思われるかもしれないが、笠井は達人のWちゃんに対して強烈な畏怖の念を抱いているのである。彼のハンティングのベクトルはつねに"Wちゃんに褒められたい!"という方向に向いているので、麻痺の研究もそれはそれは熱心にやっていたのであった。

 そんなある日、笠井が嬉しそうに俺に報告してきた。

「大塚さん、ついに状態異常強化の防具ができあがりましたよ!」

 状態異常強化というスキルは文字通り、毒、麻痺、睡眠という状態異常系の武器を使ったときに、モンスターにその効果をつける確率を向上させるものだ。笠井は強力な麻痺武器を作るよりも、防具に状態異常強化のスキルをつけることで、麻痺の確率を上げる方法を採ったらしい。これまで惰性で狩りをしていた彼にとって、特定のスキルを目指して防具を開発することは初めてのことだったろう。彼なりに苦労して、ようやく望みの防具を完成させたようだ。そして笠井は笑顔をくずさぬまま、俺が思ったとおりの台詞を吐いた。

「これでWちゃんに褒めてもらえるぞ!」

 俺は少々不安ながらも、「だといいな」と言った。

 そしてその日、たまり場の街に俺、笠井、Wちゃん、Bといういつものメンバーが集まった。すぐに、「古龍を狩りにいこう」という話になる。すると笠井は我が意を得たりとばかりに席で躍り上がって「お、俺! 麻痺役やるね!」とわめいた。しかしそこは百戦錬磨のWちゃん。笠井の麻痺役などまるで信用ならぬと言わんばかりに、「キさんじゃなくて、麻痺役はBさんにお願いしようかな^^;」なんて言っている。いつもの笠井ならば、ここで大いにションボリするところである。しかしこの日は違った。彼には新兵器"状態異常強化防具"があるのだから! 鼻息荒く、笠井はWちゃんに言った。

「Wちゃん、見てよこの装備。状態異常強化! これで麻痺の確率があがるよ!」

 けなげな笠井の姿は、いままでまったくできなかった割り算を初めて解いて、お母さんに褒めてもらおうと思っている小学2年生のそれとオーバーラップするものがあった。もしくは、いつまでたってもお手すらできなかった物覚えの悪いイヌが、ふいに「手をヒョイってあげればいいんじゃん!」と気づいて尻尾をちぎれんばかりに振り回して飼い主に頭を撫でてもらおうと思っている姿にも似ていた。あまりに真摯なその姿に、俺は涙が出そうになった。

 しかし感動している俺とは正反対に、冷静な目で笠井を眺めていたのが件のWちゃんである。Wちゃんは短く「ふぅん」とつぶやいたあと、「でもそれだったら、私やBさんが持ってる武器のほうが麻痺ると思うなw」と言った。

 それでも、この日の笠井は男らしかった。「まあそう言わないで見ててよ! びしばし麻痺らせるからさあ!」と毅然と言い放ち、古龍のクエストを自ら選んで我々をフィールドに連れだしたのだ。いつにない、アグレッシブさである。しかし俺は見逃さなかった。クエストが始まる直前にWちゃんが「よくて3回かな」とつぶやいたのを……。

 クエストが始まり、古龍と対峙すると、笠井は自慢の状態異常強化スキルに後押しされるように猛然と斬りかかっていった。それはもう、修羅のごとき勇猛さであった。ザクザクザク……と、笠井が振り回す麻痺属性の片手剣が小気味のいい音を立てる。ザクザクザクザクザクザクザク……。いっしょに古龍と戦いながら、笠井の動きを目で追う俺。あれだけ自信を持って臨んでいるのだ。もうそろそろ古龍が麻痺することだろう。

 ザクザクザクザクザク

 ザクザクザクザクザクザクザクザクザク……

 ガンダムに出撃要請をしたくなるくらいザクザクとモンスターに斬りかかる笠井だったが、いっこうに麻痺する気配がない……。俺の隣の席で笠井本人が「やべえ、ぜんぜん麻痺らねえ……」と声を漏らす。けっきょく、戦いが終わるまでに古龍が麻痺した回数は、Wちゃんが予言したとおりきっちり3回のみであった。

「ま、まあなかなかのもんだったかな」

 笠井は街に帰ってくるやいなや、そう言って強がった。なにがナカナカノモノだ。汗だくになってビビっていたくせに……。この笠井の発言を見て、Wちゃんはこう言った。

「じゃ、今度は私が麻痺役になって、同じ古龍に挑んでみようか」

 俺は結果が目に見えていたので、おもしろくて仕方がなかった。しかし笠井は「そんなに変わらないっしょ。見せてもらいましょうかね」なんて言って強がっている。俺は笑いをこらえながら「んじゃ、行ってみましょうかw」と言った。

 そして。

 Wちゃんが麻痺役をやった古龍クエストは、それはそれは楽に敵に斬りかかることができた。6回も7回も麻痺らされる古龍は這々の体で逃げまくり、あっさりと俺たちに狩られてしまったのだ。麻痺りまくるモンスターを呆然と眺めながら、笠井はポツリとつぶやいた。

「ハンターの道は、険しいっすね……」

投稿者 otsuka-eb : 2006年05月15日 19:54

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