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大塚角満の ゲームを“読む!”

【MH3】第73回 イビルジョー恋物語

 山口県下関市の巨漢ハンター“クマさん”は、恐暴竜・イビルジョーをこよなく愛する男である。最近の彼がロックラックで発する言葉はすべてイビルジョー関連のもので、ちょっとでもチャットに隙間ができれば、「嗚呼……。イビルジョーが好きすぎる……」「ジョーにだったら喰われてもいい……」「いっそイビルジョーになってしまいたい!!」とひとりでボソボソとしゃべっているのだ。いつしかクマさんの発言の語尾はすべて“ジョー”になってしまい、

「おひさしぶりだジョー。角満さん、何かクエストに行きまジョー。ジョーが出るクエストを希望するジョージョー談じゃなく、僕はジョーが大好きだジョー!

 ってな感じだ(ちょっとオーバーではある)。誰かが何気なく「イビルジョーがさ……」と言いかけようものならすぐさまこの発言に恐暴竜並みの狂暴さで食らいつき、「なになに!? ジョーの話題!!? ジョーがどうしたんだジョー!? 嗚呼……ジョーよ……。なんであなたはイビルジョーなの……><」と狂おしいばかりに「ジョー……ジョー……!」を連発してロックラックの酒場でのた打ち回っているのだ。あまりにもあんまりなのめり込みっぷりではあるが、その一途で切ない恋の道は、涙なくしては見ることができないのである。

 そんなクマさんとロックラックでイビルジョーの話をしているところに(って、クマさんが一方的にジョーへの想いをぶちまけていただけだがw)、いつものメンバーがやってきた。江野本ぎずもと茨城フォー(ゴッディ、ジャッ君、ヒロ君、ハルス君)の面々である。この面子が揃えばどんなモンスターが出てきても怖くないってことで、まだしゃべり足りなそうなクマさんを「どうどう!」と制して、俺たちは2チームに分かれてクエストに出向くことにした。

 さて問題は何のクエストに行くかだ。茨城フォーやクマさんはハンターランクが高いので、ここは行けるクエストに制限がある俺と江野本を中心にクエストを選択しなければいけない。見ると、我がクエストリストには“<<高難度>>ボルボロスの狩猟”なるクエストがあるではないか。俺は言った。

「高難度のボルボロスが出てるんだけど、これはなんで高難度なの??」

 俺の質問に対し、茨城フォーの寡黙な仕事人・ハルス君が答えた。

「確か、イビルジョーが現れるんです。それで高難度なんだと思いますよー」

 あ!! ハルス君、いまイビルジョーって言っちゃったな!? これはエライことになるぞ……と思ったとたんに、チャットウインドでクマさんが暴れだした。

いいい、いまイビルジョーって言いましたね!? 僕もそのクエストに行きたいです!!! 嗚呼、ジョー……。待ってろよジョー><」

 すると意外なことに、茨城フォーの最強ハンター・ゴッディも“イビルジョー”という名前に反応して「ジョーが出るなら、僕も行きたいです!」と発言。さらにヒロ君もこれに乗っかって、けっきょく俺、クマさん、ゴッディ、ヒロ君の4人で“<<高難度>>ボルボロスの狩猟”に出かけることとなった。

 フィールド“砂原”に到着し、まずはボルボロスのもとへ。哀れなボルボロスはすぐに最強の男に発見されて、ここには書けないようなおぞましい強さのランスでもってツンツクツンと小突き回されはじめた。そこに、クマさんとヒロ君も到着。最後に俺がボルボロスのもとに駆けつけたときにはすでにゴッディ、ヒロ君による茨城軍団伝統の地獄ローテーション(間髪入れずに落とし穴やシビレ罠に捕らえ続けてモンスターをボコボコにする必殺フォーメーション)が始まっており、そこにゴッディと同じランスを持ったクマさんも加わって、ボルボロスは一糸まとわぬ姿にされておりました(身体中のドロを落とされてしまっていた、ってことね)。茨城ツーの連係はそれはそれは見事で、クマさんも立ち回りながらしきりに感心して「ホントにすごいなこの人たち……」とつぶやいている。エンジン全開になったゴッディとヒロ君の猛攻は止まらず、けっきょく5分足らずでボルボロスは砂原の土に還ってしまった。もう、圧勝もいいところだ。このツワモノたちが通ったあとには、ペンペン草の1本も生えてないのではなかろうか。

 しかし、と俺は思った。何かがおかしい。……ていうか、何かを忘れている気がする。俺は勝ち鬨を上げる3人のハンターに接近し、疑問に思ったことを素直に口にしてみた。

「あのぉ〜……。差し出がましいのですが、当初の目的だったイビルジョーはどうなったんでしょか……?」

 3人はビクンと反応し、いっせいに声を上げた。

「あ……」(ヒロ君)

「あw」(ゴッディ)

「ああああああっ!!!!」(クマさん)

 ボルボロス討伐に夢中になり、3人とも完全にイビルジョーのことは忘れていたらしい(笑)。まあゴッディとヒロ君はいいとして、あんなにイビルジョーに会いたがっていたのに、ボルボロスにうつつを抜かしてけっきょく会えずじまいとなってしまったクマさんの嘆きようは、見ているこっちが腹を抱えてワラ……じゃなくて、心が痛くなるほどでありました。クマさんは大きな身体を丸めて慟哭し、「ジョー〜! 嬢〜〜!! 会いたかったよぉおおお!!」といつまでも嘆き悲しむのであった……。

 強すぎることはときに、こんな悲劇を生むのです。合掌(笑)。

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投稿者 大塚角満 : 16:12

【MH3】第72回 虫を喰らう!

 『3(トライ)』に帰ってまいりました。

 生き物の生態表現がより深まった『3(トライ)』では、大型モンスターに新たに“スタミナ”という数値が設けられた。特定の行動をしたり、ハンターにスタミナを減らす攻撃を受けたりするとじょじょに減ってゆき、ついに底を突くと“疲れ”状態になって能力が著しく低下する……というものだ。疲れ状態になるとモンスターは動きが遅くなったり、ブレスが吐けなくなったり、閃光玉や罠の効果時間が長くなったりするのでハンターにとっては絶好の攻めどき。スタミナ減を狙う立ち回りは、『3(トライ)』の世界で生存競争を勝ち抜くための重要な手段となっている。

 では、疲れ状態になったモンスターが討伐されるそのときまで「ゼィゼィ……ハァハァ……」と青息吐息になっているのかといったら、もちろんそんなことはない。キチンとスタミナを回復するための行動を取る。それが、

“食事”

 だ。大好物の食材を摂取することによってカロリー・栄養補給をし、疲れた身体にムチを入れる……ってわけですな。じつに理にかなっていてわかりやすいサイクルではないですか。

 モンスターの食事風景で代表的なのは、アプトノスを喰らうリオレイア、エピオスを食すチャナガブル、ラギアクルス、屍肉をがっつくドスジャギィ、ギギネブラといったところか。しかし、あの色っぽくも儚いエピオスに襲い掛かるチャナガブルとラギアクルスは言語道断な野郎だな。今度会ったらチャナガブルの尻尾にラギアクルスを直列つなぎにして、ラギアの電気でチャナの提灯をペカペカに光らせてやるど(意味不明)。

 しかしやはり、猛々しいモンスターたちのお食事風景というものはどこか人間離れしていて風情がない(あたりまえだ)。血のしたたる生肉にヨダレをたらしながらかぶりつく……ということをなかなかする機会がないので、ついつい「うわぁ〜……」と思ってしまうのだと思う。

 ところが、こんな野性味溢れるモンスターの中にあって、1頭だけ親近感を覚えずにはいられない食事を展開するモンスターがいる。非常にいかつく、キレイ好きとはほど遠い生活態度をとりながら、食事のときだけはどこかかわいらしささえ感じさせる“ギャップ萌え”な存在……。そのモンスターとは……そう! “土砂竜”ことボルボロスだ。

 ボルボロスはあんな岩みたいな顔をしているくせに、疲れても草食種を襲って食べたりはしない。もしかしたら、たまの週末休みには奮発してステーキとかを食ってるかもしれないが、少なくとも外敵との生存競争でスタミナを減らし、疲れきってしまったときにボルボロスが食べるものは肉や魚ではない。彼らはなんと、“虫”を食べるのだ。

 オーストラリアの原野を歩いているとときたま、人間の身の丈以上もある巨大な“土の城”に出くわす。これがいわゆるアリ塚で、その中では何億という数のアリどもが立派な社会を形成して暮らしている。……ってこのへんの記述、まるで俺がオーストラリア通でアリ塚についても一家言あるかのように読めますが、じつはまったくそんなことはありません。知ったかぶって書きたかっただけです。

 さてそんなアリ塚は、この『3(トライ)』の世界にも存在する。巨大甲虫・オルタロスの巣がそれで、フィールド“砂原”のエリア4、エリア8に立派な城となって佇んでいるのである。

 ボルボロスは疲れると、このアリ塚を襲う。巨体を活かした体当たりでこれを崩し、中にいるオルタロスどもをバクバクと喰らうのだ。平和に暮らしていたオルタロスとしたらたまったものではなく、家は壊されるわ仲間は食われるわ自分も食われるわで、文字通りこの世の終わりといった騒ぎであろう。

 しかし一転、ボルボロス側からこの行為を眺めると、彼らはじつに理にかなった行動をしていることがわかる。

 すべての虫がそうなのかどうかは知らないが、俺の知る限りでは虫というものは基本的に栄養価が高い。たんぱく質のカタマリが歩いているようなもので、ビタミンやミネラルも多く含んでいる。実際、虫を食する風習がある国や地域はたくさんあり、日本でもハチの子やイナゴなどを食べることは珍しくもなんともない。そういう意味では、疲れきったボルボロスが、体力回復と滋養強壮のためにもっとも即効性の効果がありそうな虫(オルタロス)を食することはセオリーどおりの動きで、あんな屏風岩みたいな顔をしていながら頭の中では、「エネルギー効率と吸収性に優れ、高たんぱく低脂肪を実現しているオルタロスは非常食にピッタリである」なんていう小難しいことを考えているのである。

 それにエネルギーだとかたんぱく質なんていう話は抜きにして、そもそもオルタロスってじつにうまそうだと思いませんか? 思うよね?? ……って、いま多くの女性読者が「うええええっ!! か、角満さん、上品そうなお顔をしているのにそんなこと言うの!?」と幻滅の悲鳴をあげたような気がしたが、よく考えてごらんなさいよお嬢さん。パンパンに膨らんだオルタロスのお腹には、いま吸い込んだばかりの大量のハチミツが「これでもか!」と詰まっているわけですよ。こいつをやっこらせえと持ち上げて、たれるヨダレを堪えながらガブリとむしゃぶりついた日にはアナタ!! つぶれた外殻からほとばしる大量のハチミツで、口の中はいっぱいになっちゃうから。うーん、なんたる至福。ハチミツ好きにはたまらないシチュエーションではないか。

 ……え? オルタロスはハチミツばっかりを溜め込んでいるわけじゃない? キノコの木にもとりついて腹をパンパンにしてるじゃないか、ですって?? うーん……。言われてみれば確かにそのとおりだ……。となると、間違えてキノコオルタロスを捕まえてきてガブリと腹にかぶりついた日には、ハチミツの代わりに若干消化された腐れ半分の特産キノコや、勘違いしてオルタロスが食っちまった毒テングタケやマヒダケもムシャムシャと食わされるハメになるのか……。うーむ……。そいつは恐ろしい……。

 まあいいや。

 虫食で思い出したが、俺の親友に昆虫を好んで食べることで有名な地域出身のKという男がいる。

 20代だったころ、彼の家をたまり場に毎日のように酒を飲んでいた。社会人になりたてで金がなく、ツマミもないままに安焼酎を飲んで悪酔いをする……なんていうことを何度もくり返していたのである。若かったなあ。

 その日も俺は金がなく、でもお酒は飲みたいからわずかな資金を投入して1本の安酒を買った。そして「今日もツマミなしで飲むだけか……」と少々げんなりしながらトボトボと歩き、Kのボロアパートに赴いたのである。

 アパートのドアを開けて靴を脱いでいると、1DKの奥の部屋からKが勢い込んで飛び出してきた。そして、手に持ったふたつのタッパーウェアを上空に突き上げてから「大塚! 今日はいいツマミがあるぞ!! さっき実家から届いたんだわ!!」とわめいたのである。ふだん、比較的物静かなKにしては珍しいハシャギっぷりで、俺はその様子を見ただけで目を丸くした。そして、実家から届いたというタッパーウェアを眺めてヨダレをたらし、「やった!! オフクロの味が食えるのか!! でかした!!」と絶叫した。

 さあさあ、何が出てくるんだ? 野菜の煮物か? 自家製チャーシューか?? 期待に胸を膨らませながらドタドタとキッチンに上がりこみ、Kが容器の蓋を開けるのを待つ。「俺、これ大好物なんだよなー♪」とK。わかったわかった。早く開けて食わせろや。もったいつけるようにしずしずと口を開けていった容器の蓋が、パカンという軽薄な音とともに取り外される。さあ、何があるんだ? 見せてみろ!! しかし、そこにズラリと居並ぶものどもを見て、俺は思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。

!!!? お、おいK……。これって……」

 そのひとつをヒョイとツマミ上げて口に放り込み、ポリポリとうまそうに噛み砕きながらKが言った。

「うん、蚕の蛹(かいこのさなぎ)の佃煮だよ。自家製なんだぜ。保存もきくので、しばらく酒のツマミには困らないなあ^^」

 容器にビッシリと詰まった蚕の蛹を見たのは初めてだったのでさすがに面食らったが、食べてみると甘辛い味付けに香ばしい蛹の風味(だったのかな)がよく馴染んで、確かに酒に合う味であった。そしてその後、Kの家には週末ごとにイナゴの佃煮や蜂の子の炒め物なんかが実家から届き、俺たちはしばらくのあいだセレブな晩酌を楽しむことができたのである。

 なので俺は、ボルボロスに親近感を感じるのです。

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投稿者 大塚角満 : 12:22

【MHP 2nd G】第184回 モンスターハンターで勝負だ! その5

 “勝者ナシ”というなんとも締まらない結果となった“勝手に最強ガンランサー決定戦”だが、徹底して勝負にこだわるタイムアタッカーたちがこんな結末で納得するわけもなかった。俺が無残にもラージャンで3オチしたのを見届けるやいなや、コレ幸いと熱烈な“再戦コール”が湧き起こったのである。もちろん俺とて、「なんとなく、俺がいちばん最強に近かったかなぁ〜……?」なんていう曖昧な結果はヨシと思っていなかったので、全力でこれに応えることにした。

「おおおし! つぎこそ決着つけたるど!!」

 と。これに、不本意な3オチを喫したツワモノどもは大喜び。「つぎは超本気っすよ!!」と唯君が言い、ジャッ君も「スキルから見直すかな」と完全な臨戦態勢。そして最強ハンターと目されるゴッディもガチンコモードになってつぎのように発言した。

「質問です!! ガンランスって、どの攻撃がいちばん強いんですか!?」

 こいつ、ホントの本気で勝ちに来ていやがるな……。……ていうか、そういった基本も曖昧なままで1回目のタイムアタックに臨み、ガンランスを1500回近く使っている俺に肉迫するタイムを出していたのか……。やはり、この男は恐ろしい……。でもここでゴッディの能力を恐れるあまり、「ガンランスはガード突きがいちばん強いヨー^^」という嘘八百を並べるわけにもいかない。なので俺は言った。

「攻撃力が高いのは、やっぱり斬り上げだね。リオレウスなんて、頭に斬り上げを当てることしか狙ってないよ」

 ガンランスでの立ち回りにも定評がある唯君が、「うんうん」と頷いて俺の意見に賛同する。するとゴッディは目を輝かせて「ありがとうございます!!」と言ったあと、彼だけに許される“あの台詞”を吐いた。

「優勝、ありがとうございます!!w」

 とたんにほかの参加メンバーから「デター!!」、「負けねえ!!」、「そう簡単にはいかんぞ!!」といった、対抗意識メラメラの言葉が飛び出す。俺も、ガンランスを愛し続けてきた矜持に火がつき、ついつい「出たなコンニャロ!w 全員まとめて叩きのめしてくれるわ!!」とデカいことをほざく。まあこの雰囲気だからな。乗らなけりゃな!!

 というわけで、ガンランスによるモンスターハンタータイムアタックの2回目だ。若干、装備をいじった参加者もいるのでざっと紹介しておこう。

●ゴッディ 武器:デゼルトスリンガー スキル:見切り+3、耳栓、斬れ味レベル+1

●唯君 武器:デゼルトスリンガー スキル:見切り+3、耳栓、斬れ味レベル+1

●ジャッ君 武器:デゼルトスリンガー スキル:見切り+2、斬れ味レベル+1、耳栓

●ヒロ君 武器:ベナムデパルファン スキル:見切り+1、耳栓、斬れ味レベル+1、業物

●大塚角満 武器:デゼルトスリンガー スキル:見切り+3、耳栓、斬れ味レベル+1

 そんなこんなで始まった最強ガンランサー決定戦の取り直しの一番だが、俺はどうやら1回目の奇跡の大活躍で“押してはいけないスイッチ”を押してしまったらしい……。最初に対峙するリオレウスで、俺がまだまともに攻撃をくり出してもいない序盤の序盤に、立て続けに3人のハンターが声を張り上げたのだ。

「ハイィィ!! レウス討伐っ!!」(唯君)

「よっしゃあ!! レウス終わった!!」(ヒロ君)

「おっし!! レウス終了〜!」(ジャッ君)

 時間はまだ、4分も経っていない。ヒロ君なんて、相変わらずブランゴの毛が足らなくてデゼルトスリンガーが作れず、攻撃力で劣るベナムデパルファンで挑んでいるというのに……。俺は、いきなりエンジンが全開になったタイムアタッカーたちの“本気”にたじろぎ、我ながらかわいそうなくらい取り乱す。結果、心の弱さを存分に発揮して攻撃を外しまくり、閃光玉も無駄遣いしまくった挙句、なんとレウスで1オチ……。

「わああああああああ!!!!」

 奇跡の快進撃を演じたガンランサーは、もうそこにはいなかった(苦笑)。ちなみにゴッディはこのとき、調合書を忘れたということでリスタートが認められ、ほかの参加者から3分ほど遅れて闘技場に入っている。それなのに、俺がなんとかリオレウスを討伐した30秒後に「レウス狩りました!!」と宣言しやがったではないか!! なんと、リオレウスに要した時間はわずか3分20秒。この時点で、ツワモノ5人がほぼ横一線に並んだわけである。お、俺のガンランス使用回数1500回は、いったいなんだったんだ……。

 もうここからは、俺などいないも同然だった。本気になった彼らの能力はやはりズバ抜けており、まず唯君が10分程度で2頭目のティガレックスを捕獲。ジャッ君とヒロ君はここで1オチを計上するも、12〜13分ってところでティガレックスを討伐してのけた。そして俺は、憑依していたガンランスの神が完全に去ったことを告げるかのように、いつもどおりティガレックスにボコボコに(苦笑)。俺が2オチしたのと同じタイミングで、3分遅れのゴッディがティガレックスを捕獲し、俺の後ろには誰もいなくなってしまう。それでも「まだこいつらに食らいつきたい!!」と心を鼓舞し、どうにかこうにかティガレックスを討伐。ホッとして「ティガ、いけた!」と声を張り上げると、それを打ち消すように唯君がつぎのように叫んだ。

「ナルガ討伐しました!!www」

 1周400メートルのトラックを舞台にした800メートル走で周回遅れを食らった時のような気分になりました。

 唯君に続いてナルガを突破したのは、ベナムデパルファンのヒロ君だ。2オチ目を計上したが、攻撃力の弱さを補う立ち回りで唯君に食らいつく。そして、ひとり遅れてスタートしたゴッディもナルガに1オチを食らうが、あっと言う間にこれを討伐。この段階でゴッディは、タイム的にヒロ君、ジャッ君をぶち抜いたようだ(俺は言わずもがな)。続いて、4番手でナルガクルガをクリアーしたのはなんと俺。ジャッ君はここで意外なほど手こずり、優勝争いから1歩後退することとなる。

 さあ、いよいよラージャンだ。今回は参加者全員が生き残って、最終決戦の場までたどり着いている。タイムで見たときの優勝争いは、完全に唯君とゴッディに絞られている感じ。しかし1回目のタイムアタックのときのように、有利と見られていたハンターがラージャンで3オチして、まさかの“ノーコンテスト”となることもある(俺のことだがな)。まだまだ、何が起こるかわからないぞ!

 しかし、モンハンフェスタチャンピオンの称号を持つこのふたりの、土壇場での強さは圧巻だった。何を隠そう唯君とゴッディは、昨年の11月に行った“『サヨナラ! 逆鱗日和』発売記念イベント”“銀河最強の不協和音”というチームを結成し、圧倒的な強さで優勝した過去を持つ。俺は猛るラージャンを相手にしながらもそのときのことをシミジミと思い出し、ついつい(このふたり、本気出したらホントにすげえな……)と憧憬のまなざしを向けてしまう。でも、そんなことしてりゃ集中力が途切れるのはあたりまえで、俺はあっさりとラージャンの猛攻にさらされて3オチ目を記録。ひとり違う武器でがんばっていたヒロ君も無念の3オチとなり、優勝争いから脱落した。そして、ナルガクルガでのタイムロスが響いたジャッ君も、最終的にラージャンで3オチ。これにより、銀河最強の不協和音のふたりに優勝争いが絞られたわけだ。

 最初に雄叫びをあげたのは、唯君だった。ラージャンで1オチしながらも終始安定した立ち回りを続け、ついにこれを討伐!! そしてゴッディも、ラージャンで2オチ目を喫しながらも力でねじ伏せ、唯君に遅れること数分ってところで「ラージャン終了!!」と声を張り上げる。さあ、問題はタイムだ。ゴッディが遅れてスタートしているので、どちらが勝ったのかまったくわからない。固唾を飲む6人。さあ、結果は……!!

●唯君 討伐タイム:28分16秒
●ゴッディ 討伐タイム:27分21秒

 じつにわずかな差で、ゴッディが優勝!!! しっかしこやつら、持ってる武器がガンランスだというのに、わずか28分程度でモンスターハンターをクリアーしおってからに……。

 こうして、勝手に最強ガンランサー決定戦は幕を閉じた。突発的な企画ではあったが、意外な伏兵の活躍あり(俺のことだが)、抜き抜かれつのデッドヒートありと、異常なほど盛り上がることができた。改めて、やっぱり楽しいなあ、『モンスターハンター』は……。

 しかし俺にはどうしても、ここに居並ぶタイムアタッカーたちに言っておきたいことがあった。確かに、ガンランスの扱いについては俺に一日の長があるかもしれん。使用回数が圧倒的に多いのも事実であろう。しかし……!

 俺はゴッディ、唯君、ジャッ君、ヒロ君の顔を均等に睨みつけ、江野本に泣きそうな表情を振り向けてから声の限りに絶叫した。

「おおおおまえら、おじさん相手に本気出すんじゃねえよおおおお!!!w」

 上野の夜に響く「あはははは!!」という若きタイムアタッカーの大爆笑に、おじさんガンランサーは呆然と身をゆだねるのだった−−。

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投稿者 大塚角満 : 00:00

【MHP 2nd G】第183回 モンスターハンターで勝負だ! その4

 ガンランスによる“モンスターハンター”タイムアタックも後半戦に突入した。俺、ゴッディ(Effort Cristal、arties)、唯君(もうゲネポ)、ジャッ君(Effort Cristal、捨てられた狩人の反撃)、ヒロ君(はらペッコ)の5人によるガチンコバトルだが、リオレウス、ティガレックスが終わった時点で唯君、ヒロ君という強豪ふたりが壮絶に轟沈し、勝負は俺、ゴッディ、ジャッ君の3人に絞られたところまで前回のエッセイで書いた。今回はその続きである。

 クエスト・モンスターハンターで3番目に登場するモンスターは、樹海の疾風・ナルガクルガだ。動きの速いこのモンスターに重い武器の代表格であるガンランスで対抗するには、閃光玉と音爆弾を有効活用するのが近道である。……って、ほかのどんな武器でもナルガクルガを相手にするときは閃光玉と音爆弾を使いまくると思うが、まあ機動力に劣るガンランスのときにはとくに威力を発揮するってことですな。

 でも改めて、俺が初めてモンスターハンターをクリアーしたときの様子を綴ったエッセイを読むと(拙著『本日もサヨナラ! 逆鱗日和』に収録)、“音爆弾の使いどころがさっぱりわからないのでハナから持っていかない”なんていう記述を見る。そう、当時の俺はナルガクルガを相手にしたときにどのタイミングで音爆弾を投げればいいのかがまったくわからず、「音爆弾を持つとアイテム枠がひとつ減るだけだ。無駄ムダむだ」とか言ってこの便利なアイテムを使っていなかったんですねぇ。いま考えると、よくぞ音爆弾ナシでナルガクルガを乗り越え、モンスターハンターをクリアーできたものだと感心してしまうが、人間、その気になればどうにかできるものなんだねぇ……(しみじみ)。

 しかし今回は、1分1秒を争うタイムアタック勝負である。若かった当時を懐かしんで音爆弾ナシで挑む……なんてことには当然ならず、ナルガクルガには閃光玉と音爆弾をしっかり使って対抗する。ナルガクルガに閃光玉をキメ、バックステップをしたら音爆弾。怒り状態になり、閃光玉をキメてバックステップをしたら音爆弾……。キンキンキンキン……と、俺が持つPSPから小気味いい金属音が鳴り響く。そのたびに、コテンとかわいらしく横に倒れるナルガクルガ。その脳天を目がけて武器出し攻撃から中段突きを2回食らわせ、砲撃を1発。そして追撃の中段突き。このコンビネーションだとコンボを切ることなくいつまでも攻撃を続けられるのだ。でも、ナルガクルガは永遠に転がってくれているわけもないのでいいタイミングで武器を収め、再度の音爆弾チャンスをうかがう。その素振りが見えないときでも慌てず、ナルガクルガの疾風の動きが途切れる瞬間を見計らって接近し、頭部に斬り上げ攻撃を食らわせてやった。そんな俺の様子を見ていたもうゲネポの唯君が、感嘆の声を漏らす。

「角満さんのPSPから音爆弾のいい音が絶え間なく聞こえてくる……。ていうかやっぱり、ガンランスに関しては一日の長がありますね……。いい動きしとるわ……」

 江野本も、唯君の意見に同調した。

「そうなんよ! なんか、大塚さんのガンランスには余裕が感じられるというか、動きがスムーズ! ……じつはガンランスの利点とかよくわからずに使っているくせに、やっぱり使用回数が多い分、蓄積はすごいんですね!!」

 素直に喜べない、ツッコミどころ満載のコメントではあったが、オーディエンスが俺の躍動に感動のまなざしを送ってくれていることは確かなようだ。

 そしてここで、またまた事件が起こった。なんとジャッ君がナルガクルガの必殺技・尻尾ビタンをまともに食らって壮絶に昇天してしまったのである! これでジャッ君は3オチ。ついに突発的最強ガンランサー決定戦は、俺とゴッディのタイマン勝負になったのである!

 さらに!! またまた事件がっ!! クエスト開始から20分が経過したころ、なんと俺がナルガクルガを見事に捕獲してくれたのだ!! モンハンフェスタ`09で優勝した日本最強ハンターと言われる男に先んじて、38歳の中年ハンターがナルガクルガをクリアー……。

「ナ、ナルガを捕獲したよっ!!」

 目の前にあったビールのジョッキにツバをぶつけながら、自分でも信じられない快挙の報告を行う。その瞬間、地鳴りのように轟いた「うおおおおおおっ!!」という大歓声。間髪入れず、脱落した傍観者の口からつぎつぎと驚きの言葉が漏れた。

「大塚さんがゴッディを抜かすなんて!! 奇跡!!」(江野本)

「大番狂わせが起こるかも!! 奇跡!!」(唯君)

「信じられない……。奇跡!!」(ジャッ君)

「どうなってるんだこれは……。奇跡!!」(ヒロ君)

 おめえら、奇跡キセキってうるせーんだよ!!! あまりにもあんまりなオーディエンスのコメントに、怒り心頭に発して俺は叫んだ。

「ハンマー使ってもこんなに速くナルガクルガを越えたことなんてないのに……。奇跡っっっ!!!

 自分で言ってりゃ世話がない。

 突発的な狩場となった上野の焼肉屋の個室は、興奮の坩堝と化した。ゴッディも俺に遅れること1分ほどでナルガクルガを討伐し、追撃の体勢に入ったのである。「すごいことになってきたなあ!w」と唯君が言えば、「このまま角満さんが勝ったら、まさに快挙ですよ!」とヒロ君も言う。そして江野本も興奮しながら、「しかも、ゴッディが1オチしていることに対して、大塚さんは一度もオチずにここまで来てるんよ!! やー、もうどうしよ!」と大騒ぎ。ガンランスの使用回数に圧倒的なアドバンテージがあるとは言え、やっぱりこのメンバーでタイムアタックをして俺が勝ったら、それは大事件だからな。でもここで江野本がちょっと冷静になり、俺の顔を覗きこみながらこんなことを言った。

「しかしいくらゴッディに勝ったところで、誰にどう自慢するの?w このややこしい勝負をw」

 ドッと笑いに包まれる焼肉屋の個室。しかし、俺はそんな笑いをかき消すように大声でわめいた。

「何を言っていやがる!! 俺には読者がいるんだ!! この快挙、必ずお伝えしますっ! 待ってろ読者!!!

 俺のこの発言を受けて、唯君が悲鳴を上げた。「うわーーーーっ!! 書くつもりやこれ!!ww」

 そして始まった最終決戦。モンスターハンターのボス・ラージャンの登場だ。俺はもう使えるアイテムはほとんど残っていなかったが、約1分の時間的ハンデと、まだ1オチもしていないという圧倒的なアドバンテージのおかげもあって心の余裕が生まれ、この怒れる牙獣の王を相手にしても冷静な立ち回りを続けた。順調にラージャンの怒り回数が積み上がってゆく。俺のラージャンが3回目の怒り状態になったとき、ゴッディのラージャンはまだ2回しか怒りになっていなかった。怒りの回数は、ラージャンの体力が消耗している目安だ。やはり、俺がリードしている! しかし、時計の針が25分を指したころ、ついに俺が1オチを計上してしまう。

「ああ〜……」

 というため息が誰からともなく発せられた。ところが……!

「やばい!! オチた!!」

 なんと、俺に釣られるようにゴッディもラージャンに屠られ、2オチ目を計上してしまったではないか! これでもう、ゴッディはあとがない。しかもしばらくまえから回復薬が切れてしまったらしく、「もうダメだ! 完全に負けた!!」と敗北宣言まで飛び出している。ついに、俺が頂点に立つときがきたのか!?

 しかし、そうそう簡単に負けないからこそ、この男は日本最強のハンターなのだ。2オチのショックから瞬時に立ち直ったゴッディは怒涛の反撃を見せる。しかもこのあたりからラージャンがやたらと脚を止めて、気光ブレス(ビームやね)を連発しだしたようなのだ。この状況を見て、冷静なゴッディが珍しく雄叫びを上げた。

「よし! またビームだ!! ありがとう!! ありがとうビーム!! ありがとうビイィィィム!!

 最強ハンターをも狂わせる何かが、このときのこの空間には確かにあった(笑)。

 そして、この“ありがとうビーム”攻撃で俺は動揺を来たし(笑)、なんと2オチ目を計上。いよいよ勝負はわからなくなってきた。

 しかし、やはり回復薬が切れたことは大きかったのだろう。追い上げを見せていたゴッディもついに力尽き、「あああ! 終わった!」という断末魔の悲鳴とともに昇天してしまう。これで、3オチ。俺を除くすべてのツワモノが、クリアーを果たすことなく散っていった。つまり……!

「うおおおおお!! もしかして、俺の勝ち!?」

 喉も裂けよとばかりに、俺は絶叫した。ガンランス縛りというムチャな設定ながらも、このメンバーを相手にタイムアタックをして俺が勝利できるなんて、本当に奇跡としか言いようがない。江野本が興奮しながら言葉を継ぐ。

「あとはゆっくり、ラージャンを料理すればオッケーっすよ!! いやあ、まさかこんな奇跡が起こるなんて……! 信じられなーい!」

 そう、あとはラージャンを片付けるだけだ。すでに俺も2オチしているが、秘薬が残っていたので体力はマックスだし、冷静に立ち回れればなんの問題もないだろう。

 しかし、俺はここで予期せぬ心理状態に陥った。ラージャンを追い詰めているこの段階で、まだ時計の針は25分を指している状態。このペースで討伐完了となれば、信じられない好タイムを叩きだせるのは間違いないであろう。それに、こんなすごいメンバーの頂点に立つのだ。中途半端な記録では、のちのち後悔するはず。ヨシ! 守りに入らずに最速を目指そう! 攻撃は最大の防御だ。体力が削れまくっているいまのラージャンならば、ほどなく討伐できるに違いないっ!!

「よーし! 攻めるぞおおおお!!」

 そう決意したとたん、怒り状態のラージャンが振り回していた腕が「ぱこーん」という感じで我が分身の身体にぶつかった。

「あれ?」

 と思って眺めていると、その一撃で優勝目前のガンランサーの体力は半分以下に激減。そして、

「むむ?」

 と思いながら見ていたらラージャンはその場でグルリと回転し、なんとそれが俺の身体に直撃……って、ちょっと……!!

「ぎゃああああああああああああ!!!」

 この世の終わりのような悲鳴を上げて、その場で昏倒する俺。江野本が「あああああ!!! オチたああああ!!」と叫んだのが、三途の川の向こうから聞こえた気がした。そう……。ここまでやっていながら、なんと俺は3オチ……。ラージャンだけで3オチ……。目前に迫っていた最強ガンランサーの称号はスルリと逃げ落ち、この勝負はあろうことか、

“勝者ナシ”

 という結果になってしまった……。

 その後、なんとか息を吹き返した俺に浴びせられたのは江野本を筆頭とする傍観者たちの痛烈な非難の声であった。

一生に一度のチャンスだったのに!! なんでそれをモノにできないのよ!!」(江野本)

「この土壇場でオチないでください!!ww」(ヒロ君)

「もうこんな奇跡、二度とないっスよ!!www」(唯君)

「あそこまでいっておきながらオチるのは、ある意味神業です!!www」(ジャッ君)

「いまのノーカンですよね!! さあもう1回やりましょう!!」(ゴッディ)

 しかし彼らの言葉を聞いているうちに、俺の頭は妙に冷静になっていった。確かに、このチャンスをモノにできなかったことは悔しい。惜しすぎる!! そうは思うが、まあコレはコレで……。俺は落ち着いた口調になり、まわりの連中を諭すようにこんなことを言った。

「でも、ここであっさり勝てているような人間だったら、俺はあちこちで『モンハン』日記を書いていないと思う……」

 この言葉に、6人は深く頷いて声を揃えた。

「うん、それは間違いないwww」

 そして、2回目のタイムアタックが始まる−−。

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投稿者 大塚角満 : 13:11

【MHP 2nd G】第182回 モンスターハンターで勝負だ! その3

 昨日の続き。

 クエスト“モンスターハンター”の最初の相手はリオレウスだ。俺の経験上、こやつはガンランスでも5分以内に討伐することができる。でもいま俺が戦っている相手は、artiesのゴッディ、もうゲネポの唯君、捨てられた狩人の反撃のジャッ君、はらペッコのヒロ君という猛者中の猛者である。5分以内に討伐できればいい……なんていう悠長なことを言ってる場合ではない。どんな手を使ってでも最速タイムで先に進まないと、この4人は俺ごときは余裕でぶっちぎる能力を秘めた怪物どもなのだ。でもガンランスを手にしている以上、俺も簡単に負けるわけにはいかないぜ!

 というわけでさっそく俺は、闘技場に入る直前で強走薬グレートをグビグビと飲み干した。アイテムは使い惜しみせず、先行逃げ切りの状態を作ってしまおうと思ったのだ。というのも、彼らはここのところ『3(トライ)』でばかり遊んでいたわけだし、何よりもともとガンランスをそれほど使い込んではいないので、操作に慣れるまで若干の時間を要するはず。彼らがクセのあるガンランスの扱いに四苦八苦しているうちに、リードを広げてしまおうと目論んだわけだ。

 強走薬グレートの効果でいくらガードしてもスタミナゲージが減らないガチガチの鋼鉄ガンランサーになったところで、俺はリオレウスの前に立った。このモンスターをガンランスで手早く料理するには、閃光玉を惜しまず使ってひたすら前後不覚の状態にしておき、攻撃力の高い斬り上げ攻撃を顔面にお見舞いする。これがいい。そして俺は、このとおりのことをやろうと試みた。ところがリオレウスは、1発目の閃光玉の効果が消えるやいなやバサバサと上空に飛び上がり、なんとそのまま降りてこずに気持ちよさそうに旋回を……!

「ワ、ワールドツアー始めやがったよ俺のレウス!!!」

 と俺は絶叫した。この、上空を飛び回るレウスの状態を“ワールドツアー”と呼ぶのだ。しかしよりによってタイムアタック勝負をしているときに、もっとも時間を消耗するワールドツアーに出やがるとは……。

「大塚さんのレウス、ワールドツアーに出たってーwww」

 江野本がうれしそうに、俺の身に起きた不幸をほかの4人にアナウンスした。「あはははは!」とヒロ君。「よし!!www」と唯君。焼肉屋の個室が明るい歓声で包まれる。ところがその瞬間、実力ナンバーワンハンターと言われるゴッディが「あ! やばい!!」と鋭く叫び、つぎの瞬間「しまった!! オチた!!」と断末魔の悲鳴を上げた。そう、優勝候補の筆頭と目されていた男が、慣れないガンランスのおかげで最初のリオレウスで1オチを計上したのである!! さらに、続けてジャッ君が「おし!!」と言い、「レウス、討伐しました!!」と言ったからタマラナイ。どの武器も満遍なく使うモンハンアスリート界の陰の実力者が、わずか3分半でリオレウスを仕留めてみせた。でも、俺だって“世界一のガンランサー(笑)”と言われた男だ。そうそう簡単に後れは取らねえぜ!!

「よぉぉぉおおし!! 俺もレウス狩ったどーー!!」

 ワールドツアーから帰還したリオレウスを怒りにまかせてしばきまくり、ジャッ君に遅れること30秒で討伐することに成功したのである。そしてその30秒後にゴッディが「レウスいけました!」と討伐完了報告。1オチしていながら4分30秒でまとめるあたり、さすがと言わざるを得ない。さあ残るは唯君とヒロ君だが、信じられないことにこのふたりは立て続けに「!!!!!」と声にならない悲鳴を上げ、「レウスにやられた!!」とカミングアウト。なんと1オチずつを計上してしまったではないか。結果、唯君は5分10秒でレウスを討伐、ヒロ君はさらに遅れて5分53秒かけてなんとかレウスをクリアーした。いやあ、のっけから波乱含みでおもしろいではないですか!!

 さあおつぎは、ガンランサーの天敵と言われる(そうか?)ティガレックスが相手である。俺は本当にこのモンスターでオチることが多いので、リオレウスを相手にするとき以上に、アイテムを惜しげもなく投入する作戦だ。具体的には、ティガレックスが現れる着地点に落とし穴を設置し、そこに大タル爆弾Gを2個置く。まんまとティガがこの罠にハマったら躊躇なく竜撃砲をぶっ放して豪快に起爆! 序盤にできる限りの大ダメージを与えることに心血を注ぐのである。その後はひたすら壁際に陣取ってティガレックスが壁にめり込んで動けなくなるのを待ち、首尾よくこの状態になったらその頭に斬り上げ攻撃。オチるリスクを回避し、攻撃力の高い斬り上げを確実にお見舞いするために到達したのが、この作戦なのである。

 そして作戦どおり順調に、俺はティガレックスにダメージを与え続けた。このティガレックスはじつにいい子で、とにかく闇雲に突進してきて壁にめり込みまくってくれるのである。あまりにも素直な行動をくり返すためしだいに愛おしくなってきて、攻撃するのが躊躇われたくらいだよ。しかもそうこうするうちに、リオレウスを1位で抜けたジャッ君が「あ!!」と短く叫び、さらに復帰してすぐに「い!?」とより簡潔な悲鳴を上げて立て続けに2オチしたことを告げたではないか!

「うわああ!! 混沌としてきた!! メッチャおもしろい!!」

 と傍観者の江野本。どこかウキウキしながら、「じゃっく、てぃがで2おち」とメモ帳に書き込んでいる。そして、場の混乱をさらに強めることを実力ナンバーワンハンターと言われる男がやってのけた。

「ティガ、討伐しました!!」

 時間は、クエストスタートから10分が経過したあたり。ティガレックスを5000頭以上狩っているゴッディが、もっとも得意なこのモンスターで一気にスパートをかけた。しっかし、いくらふだんカモにしているからって、不慣れなガンランスでティガレックスを5分程度で討伐しちまうとは……。やっぱりこの男は恐ろしい……。

 ゴッディが調子を上げてきたのとは裏腹に、唯君とヒロ君はなかなかエンジンがかからない。「なんかぜんぜん、ガンランスの扱いを思い出せない……」と言いながら立ち回っていた唯君はティガレックスの猛攻に遭ってあえなく2オチ目。しかも、俺がゴッディに遅れること30秒でティガレックスを討伐したことを告げた直後に「やばい!!」と悲鳴を上げたと思ったら、そのまま「ああああああ!!!」と叫んで衝撃の3オチ! なんと下馬評をひっくり返して、神ランサーと呼ばれるもうゲネポの唯君が最初の脱落者となってしまった。

 さらに!! 猛るティガレックスの恐ろしさを証明するかのように、ヒロ君もドミノを倒すようにパタパタと2オチ、3オチを計上して屠り去られてしまったではないか!

「どうにも打開策がなくて大タル爆弾Gをこいつに5個も使ったのに、まったくへっちゃらなんですもん!!」

 とヒロ君。その直後、ジャッ君が苦労してティガレックスを討伐して、勝負はゴッディ、俺、ジャッ君の3人に絞られた。さあつぎは、ナルガクルガだ!!

 次回に続く!

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投稿者 大塚角満 : 18:28

大塚角満

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週刊ファミ通副編集長にして、ファミ通グループのニュース担当責任者。群馬県出身。現在、週刊ファミ通誌上で“大塚角満のモンハン研究所”というコラムを連載中。そこら中に書き散らした『モンハン』がらみのエッセイをまとめた単行本『本日も逆鱗日和』シリーズ(4巻)が発売中。また、そこからのスピンオフとして別の視点から『モンハン』の魅力に迫る書き下ろし作品『別冊『逆鱗日和』 角満式モンハン学』シリーズも。このブログではさまざまなゲーム関連の話題を扱うつもり。一応、そのつもり。

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