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【横尾】世界一のオンラインゲームで仲間と出会う


2006年05月31日

ひとりでできないことでも、仲間がいればできる。
MMORPGでは素敵な出会いが待っている。きっとそうに違いない! と海外の金髪ギャルとの出会いなんかは一切意識もせず、下心なしで仲間を見つけることにしました。しかし、レベルが低いと仲間の足を引っ張ってしまわないだろうか? あるいは仲間に入れてもらえなかったりしないだろうか? そんな不安を胸に、とりあえずはひたすらソロでレベル上げ作業に没頭です。

その結果、レベル12まで到達。レベル12あたりから装備可能な武器や防具も一気に増えるので、かなりのレベルアップ感が。実際に戦闘でもパワーアップを実感できる。

レベル10前後の仲間と組むぶんには、まったく問題がないだろう。さて、さっそく仲間となるプレイヤーを探してみることに……って、探すまでもなくInvite(招待)されてるじゃん!

いきなり無言でInviteされたので戸惑ったが、3秒ほど迷った挙句Accept(了解)する。いきなりレベルの高いプレイヤーだったらどうしよう……と思ってたけど、周りにそれらしき人は見当たらない。さっそく飛び交うチャット。ログの流れが速い。本当に速いし、いきなり雑談モード。

『World of Warcraft』の会話ってこんな感じなのか? しかもこんなに会話していたら、キーボードを打つのに精一杯で移動すらできない。困惑しながらいろいろと調べてみたら、グループに招待されたのではなくギルドに招待されただけだということを知る。

ギルドはチャットなどで情報を共有するという目的はあるが、別に行動を共にするというわけではない。もちろん協力しあうこともできるが、そうしなくてもとくに問題はない。雑談をしている暇もないので、とりあえずチャットの流れは無視して他に仲間を探すことにする。

ついでなので、エリアを移動することにする。今いるエリアでは経験値の高いモンスターもほとんどいなくなったので、正直レベル上げにはもはや適していない。他のエリアにはもっと強く、そして経験値の高いモンスターがいっぱいいるので、仲間とともにクエストをこなしていけば自然にレベルも上がることだろう。

さっそく船に乗って移動することにする。
船が来るのを待っていると、ひとりのプレイヤーが話しかけてくる。

"hey where are you going to?"(ねぇ、どこに行くの?)

僕はどこに行くんだろう? とりあえずこの船の行く先で仲間を探す予定なんだけど、地名がわからない。

"I don't remember the name of the place, but I'm just waiting for the ship"(地名は憶えてないけど、とりあえず船を待ってるんだ)

そうすると、彼は一方的に

"i want to go to....storm wind"(ストームウィンドに行きたいんだ)

と僕に告げる。そんな場所はどこにあるのかさっぱりわからない。

"is it far?"(遠いの?)

僕はボブにそう尋ねる。彼の名前はボブではないが、僕にとって彼はなぜかボブなのだ。

"o ya"(うん、そうだね)

ボブのレベルは7だ。まだ他のエリアに行くには早すぎるのでは……? そんな疑問を胸に抱きつつも、会話を続ける。

"r u on the quest?"(クエストをやってるの?)

そんなに低いレベルでエリアを移動するには、クエストくらいしかないよね……? するとボブは、

"no I just wanna go there would u help me get there?"(ううん、そうじゃないけどただ行ってみたいだけなんだ。俺の手助けをしてくれるかな?)

おお、労せずしてグループを組むことに成功。当然のごとく、僕は"sure"(もちろん)と答える。でもこの手馴れた感じは、グループを組むのは初めてではなさそうだ。正直、何をどうしていいのかもわからない。

"but I don't know much about this game. maybe I should just follow you?"(でもこのゲームにあまり詳しくないんだ。君に着いていけばいいかな?)

正直に自分の知識不足を告げ、ボブのリアクションを待つ。

"well u are stronger than me and i need protection"(誰か守ってくれる人が必要なんだ、キミは俺より強いからね)

はい、用心棒のバイリン横尾でございます! この命の限り、ボブ様を……って、なんでやねん! でも、まぁお互い利害関係は一致したわけだ。グループを組みたい僕と、レベルの低さを仲間で補いたいボブ。組んじゃおうじゃありせんか。


deai.jpg
▲仲間を探しに行こうと思ったら、ボブと出会った。


ボブと僕はそれからも何度か別の船に乗りつぎ、僕が行ったこともないような場所にたどりついた。走り出すボブ。僕はただ彼に着いていく。すると、突然ワニがやってきてボブが襲われた。彼を守ろうと必死に頑張ったが、ワニのレベルは21。敵うはずもない。……僕は殺されてしまった。っていうか、僕が死んだのにひたすら走り続けてるよ、ボブ。

"sorry I got killed by an aligator"(ごめん、ワニに殺されちゃった)

ごめんっていうかなんていうか、ボブを守るために殺されたんだけどね。

"ok im waiting on u"(わかった、じゃあ待ってるよ)

うん、ホント待っててください。自分の死体を回収してボブを追いかけると、かなり離れた場所で彼は待っていた。仲間が死んでるのに、ひたすら走ってたのね……。

それからもボブはひたすら走る。僕はひたすら追いかける。そんなこんなで怪しげな橋を渡ろうとしたところで、何者かに弓矢で打たれボブが死ぬ。ボブが戻ってくるのを待っている間に僕も死ぬ。

自分の死体を回収するために橋へ戻ってきたら、ボブがいない。マップを見ると近くにいるようだけど、なかなかたどりつかない。

"i fell off lol"(落ちちゃったよ(笑))

どうやら橋から落ちてしまい、上に戻ってこれないらしい。

"im trying to find a way back up"(上に戻るための道を探してるよ)

まぁ、しょうがない。僕もソロでプレイしてるときは、崖から落ちてしまい死体を回収できないまま1時間以上彷徨ったことがある。とりあえず気長に待つとしよう。とりあえず10分経過。マップ上をうろうろしてるのは見えるが、いつまでも合流できない。しょうがないので、社内会議を1本すっぽかす。

さらに10分経過。まだ来ない。

"almost there"(もうすぐでたどり着くよ)

信じていいものかどうかもわからないが、とりあえず待つ。そしてまたしても10分経過。そこで、

"feel like going for a swim"(なんか泳ぎにきたみたいだよ)


machi.jpg
▲ひたすらボブを待ち続ける僕。


まぁ、30分も泳いでればそんな気分になるだろうね。そしてさらに10分ほど経過したところで、

"jump in the water"(水に飛び込めよ)

飛び込めって僕が?

"me?"(僕が?)

40分待ったあげく、川に飛び込めって言うのですか?

"ya u lol"(うん、キミが(笑))

だったら最初から……と、こみ上げる怒りを抑えつつ

"ok lol"(わかった(笑))

と、答えてしまう。よく人にお人よしだと言われるけど、いい加減この性格も嫌になる。お人よしといわれるのも、いい人といわれるのもいい加減飽きた。……と、そんなことはさておき、川に飛び込みしばらくするとボブを発見。

"we gonna swim so we wont die"(これ以上死なないように、泳いでいこうぜ)

まぁ、水中ならいきなり殺されることもないだろうし、ナイスなアイデアだ。それにしても、どこに泳げば地上に戻れるのだろう。見当もつかない。

僕たちはひたすら泳ぎ続け、カキーンカキーンという金属音が聞こえると、ふたりとも死んだ。突然のことなのでふたりともびっくりしたが、なんてことはない。水中にも敵がいたのだ。姿はほとんど見えないのだが、どうやら半魚人系のモンスターが剣を持って攻撃してきているらしい。僕らは、何度も何度もそこで死んだ。

やっとのことで地上にたどり着く。ここでまたボブが弓矢攻撃を受け死亡。ボブの帰りを待ってた僕も巨大トカゲに殺される。と、これからも15回くらいお互い殺され続けるので、そこらへんは割愛させてもらうこととする。第一レベルが低いのに、レベル20以上のモンスターしか出現しないエリアに行くこと自体間違っている! 僕は高らかにそう主張したかったが、またしても自分を抑えた。


shinu.jpg
▲ボブと僕はとにかく死にまくった。


なんとか街にたどり着き、ぼろぼろになった装備を修復し船に乗りかけたところで僕は言った。

"sorry I got to go in about 5 minutes"(ごめん、あと5分くらいで行かなきゃ)

2本目の会議もすっぽかしちゃったし、本当もうこれ以上は……。

"ok thats cool"(しょうがないね)

そう言うとお互いをFriend Listに入れ、ボブは最初に出会った港まで僕を連れ帰ってくれた。

"im on all the time i hope to see u soon"(いつもオンラインにいるから、また会えるといいね)

僕も近いうちに会えるといいねと告げると、ボブは最後に

"i guess we have to build up more next time lol"(次はもっとお互い鍛えなきゃね(笑))

と加えた。うんうん、本当にそうだよ。そうですとも。そうですね!
僕とボブとのちっとも甘くない、けど苦く切ない冒険が終わった。

(C)2004-2006 Blizzard Entertainment. All rights reserved.

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投稿者 online_editorial_dept : 2006年05月31日 22:22

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