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マスクド刑事の『L.A. NOIRE』密着24時!(後編) 刑事たるもの、革靴が磨り減って履けなくなるまで捜査しろ!

2011/07/07 (木曜日)

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A DARK AND VIOLENT CRIME THRILLER !!!!!!

 前編に引き続き、マスクド刑事が『L.A. NOIRE』を語り倒す後編に突入! 記念すべき日本版発売当日の更新なので、今回はロサンゼルスの歩き方および市警としての心得、捜査のイロハなど、ゲームにおける実践的な部分について報告したい。
 前編では、筆者のいつものスタイル……即ちゲームを巡る周辺文化や、そこに秘められた思想やメッセージについて論説を展開したが、やはりゲームは遊んでナンボの世界である。まずは『L.A. NOIRE』の世界に飛び込まなければ話にならない。しかし、『L.A. NOIRE』はオープンワールドであっても『GTA』シリーズとは全く違うゲームである。もちろん『RED DEAD REDEMPTION』とも違う。 あくまで基本はアドベンチャーゲームであり、推理と思考をフル回転させなければ何も解決できない厳しいルールがある。何よりも自らの足で証拠を探し、証言を集め、追い詰めて捕らえた犯人を尋問しなければならない。オープンワールドだからといって、それが「何でもアリ」という世界ではないのだ。それを根本から理解しなければ、永遠に出世できないだろう。


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 その意味においては、これまでのROCKSTAR GAMESのタイトルとは大きく違うテーマをもって作られている。それは主人公コール・フェルプスが、「正義の味方」であること。それと同時に、コールは太平洋戦争に従軍した帰還兵であり、沖縄戦によって絶望的なトラウマを植え付けられ、その過去に苦悩する1人の人間という設定が重要だ。こういった影のある人物像は、ここ数年間に発表されたROCKSTAR GAMESのタイトルにおける主人公全てに共通している。かつて名うての侠客として恐れられたが、家族を守るために改心したにも関わらず、血なまぐさい世界に引き戻された『RDR』のジョン・マーストンしかり、セルビア内戦と政情不安に巻き込まれ、アメリカに逃亡して再起を図ろうとする『GTAIV』のニコ・ベリックしかり、である。複雑な過去を持つ主人公たちは、自らの過去を断ち切るために現在目の前に立ちはだかる問題を必死に解決しようとする。時には非合法な手段を用いてでも……。だが、コールは違う。心の闇を抱えながらも、彼は正義を貫くために生きようとしている。そのために悪は徹底的に容赦なく暴き、捕らえ、追求して告発し、然るべき社会的制裁を受けさせる。『GTAIV』と『L.A. NOIRE』の違いは、ズバリ「追う者と追われる者」の違いなのである。


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 「追われる者より追う者のほうが強いんじゃ……」とは、日本が世界に誇る傑作任侠映画『仁義なき戦いー第1部ー』における、松方弘樹演じる山守組若頭・酒井に向けて、出所早々にヒットマンを命ぜられた菅原文太演じる広能昌三が放った名台詞だが、『L.A. NOIRE』で最も重要なファクターは、まさしく「追う者の強さ」なのだ。
 だからこそ、ゲーム内で緻密に再現された1947年のロサンゼルスでは、警察官としての正しい行動が重要視される。信号を守らない無謀運転で通行人を跳ね飛ばしたり、あたり構わずクルマを盗んだり、街中で意味もなく銃を乱射することは許されない。むしろ、そういう連中を逮捕するのが役目であるからして、クルマが必要な時は盗むのではなく警察手帳を見せて「借りる」手続きを踏まねばいけないし、犯人がいないところでは銃を抜く必要性もない。信号を守らなければ左右から一般車が突っ込んできて衝突事故を起こすし、捜査中に一般人をクルマで跳ね飛ばしたり、標識や街路灯を破壊したりすれば被害届が報告され、上司や人事部からの評価が著しく下がってダメ刑事の烙印を押される。ルール無用の快感を味わいたいのならば、いますぐ『L.A. NOIRE』ではなく『GTAIV』にディスクを入れ替えたほうが良い。しかし、ルールを守ることもまた、ゲーム性として重要なファクターであり、無法を繰り返すことより守るほうがよっぽど難しいことを思い知らされるのが『L.A. NOIRE』におけるゲームデザインなのだ。同じオープンワールドでありながら、非常に緻密で繊細なプレイを要求され、それをこなすことが快感に変化して、プレイヤー自身が悪の道から更正したような気分になるのが、本作から与えられる最大のカタルシスではないかと、筆者は理解している。


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 では、プレイにおいて具体的に注意すべき点とは何か? ルールを守ることは、意外と簡単だったりする。パトカーを思いっきり飛ばしたければサイレンを鳴らせばよい。対向車も通行人も協力的に避けてくれる。無闇に鳴らす必要はないが、選任事件以外にも、ロスの市街ではそこかしこで路上犯罪が発生し、警察車両を運転中は常に無線連絡が入る。その時こそコールの出番だ!サイレンを鳴らしてアクセルを踏み、時には逆走してでも現場に急行する姿は、まさしくアメリカンポリス! もしも運転に自信がなく、被害総額が増えるのを心配しているなら、それはそれで解決策がある。バディ(相棒)に運転を代わってもらえば良いのだ! 新米刑事のくせに偉そうな態度だが、バディは文句を言ったり言わなかったりしつつも運転してくれる。おかげで今月も無事故だったと上司に報告できそうだ。  ただし、カーチェイスだけは自分で運転しなければならないが、うまく犯人のクルマを追い詰めればバディが助手席から射撃の腕前を披露してくれるだろう。タイヤをパンクさせてパトカーを体当たりさせれば一件落着。距離を詰められなくても、サイレンを鳴らしてしつこく追えば、犯人は焦って自らアクセルを踏みこみ、誤って路面電車と正面衝突してくれることもある。諦めこそが最大の敵なのだ。


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 路上犯罪において留意すべきことは他にもある。例えば銃撃戦。武装強盗などが頻発するアメリカン・バイオレンス(※山本又一郎プロデュースによる同名ドキュメント映画を知ってる人には座布団百万枚差し上げたい)な街であるからして、時には容赦なく犯人を射殺する必要がある。もちろん正統防衛なので、銃撃戦になったらガンガン撃ちまくったほうが良いのだが、そこで最も危険なのが"誤射"。間違えて仲間の警官を殉職させたら即クビになってしまうので、くれぐれも銃撃戦の際には同僚警官のポジションに注意を払いたい。また、防弾チョッキなども無い時代なので、コールは生身の人間としての生命力しか持っていない。しっかり物影にカバーしなければ、殉職して二階級特進間違いなしで、ゲームは終わってしまう。死なない限り問題はないので、時に慎重に、時には大胆に犯人と撃ち合う度胸が必要だ。太平洋戦争帰りの意地の見せどころである。


 運転や銃撃戦をくぐり抜けたら、次は本格的な事件捜査だ。上司からの指令を受けて現場に急行すれば、そこでは陰惨な殺人の跡を目の当りにすることになる。そこでハンカチで口を押さえて吐き気を催すようなら、いますぐ辞表を提出したほうが宜しい。しかし、死体は証拠の塊である。まずは実況見分中の監察医(この監察医に会う度に、ロス疑惑事件の時に日本のワイドショーに頻繁に登場したトーマス・ツネトミ・ノグチ監察医を連想してしまうのは俺だけか?知らない人はウィキペディアで今すぐ調査!)に事情を聞き、死亡推定時刻や凶器を割り出す。死体をじっくり観察し、何か手がかりが残されていないか調べまくる。現場の周囲に散乱する、一見するとガイシャとは何の関係もなさそうなアイテムでも、よくよく見れば重要な証拠だったりする。周りの警官や相棒が見つけてくれるわけではない。自らの足でソレを発見し、分析することが重要だ。もし物証が現場のあちこちに散らばっていて、全てを発見するのが難しいなら…最後の手段ではあるが…"虫の知らせ"を発動させるというテクもある。ただし、これは本当に最後の手段。無闇やたらに発動させると肝心な時に自力で解決しなければいけなくなるので、なるべく地道に捜査したほうがよい。時間は十分にある。ガサ入れでも殺人現場でも要領は同じ。全ての証拠を見つけるまで諦めないことが肝心なのである。

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 現場も捜査し、ガサ入れも完了。後は犯人を逮捕するだけ……そんなタイミングで容疑者が帰宅し、刑事の姿を見るなりダッシュで逃走されたらどうするか? もちろん追いかけるのだが、とにかく容疑者は捕まりたくない一心で逃げる。パイプをつたって屋上に登り、ビルからビルへとジャンプする。コールも負けじと追い詰めるが、パイプをつたってる時に接近しすぎると、蹴り落とされて大きく距離を稼がれる場合もあるので、こういう時に深追いは禁物。平地であればダッシュで追いついてタックルで捕縛できるので、容疑者の動きに注意しながら確実に追い詰めたい。発砲許可が降りている場合には威嚇射撃もできるが、実はコレ意外と狙いどころが難しいので、容疑者の逃走ルートを見極めながら狙いを定めるよう心がけたい。
 時には逃げ切ったと思われる容疑者が物影で待ち伏せしてクローズラインをぶちかましてくることもある。マップを見れば待ち伏せを見破ることができるので、危険を察知したら余裕を持って徒歩に切り替え、そこから肉弾戦に突入しよう。ボクシングの要領でガードして殴り返すのが基本だが、この時に帽子を落とさずに勝利すれば男っぷりが上がる。それが男の身だしなみってもんである。
 無事に容疑者を捕らえたら、署に連行して尋問の開始だ。ここからが『L.A. NOIRE』の最も重要なゲームシステムに突入するワケだが、これより先は読者諸兄の胆力と頭脳が試される場面だからして、敢えて筆者は指南しない。指南してしまえば、アドベンチャーゲームとしての最大の楽しみを奪うことになってしまうからね。諸君の健闘を祈る、敬礼!


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 オープンワールドでありながら、緻密な頭脳ゲームによる駆け引きを同梱した次世代のアドベンチャー『L.A. NOIRE』。単に用意された事件を解決するだけでなく、今後配信が予定される様々な追加シナリオによって、その世界は無限の広がりすら感じさせる。100%クリアまでの道程は険しく遠いが、そこを目指さなければ意味がない。だから最後にもう1点だけアドバイスしておこう。
 「クルマは片っ端から乗れ!」
 それだけで100%までの工程がだいぶ短くなる。登場する95種類全てのクルマを乗り回すまでゲームは終わらないが、この関門にこそ『GTA』の魂が存在する。まさしく「三つ子の魂百まで」。クルマ収集こそオープンワールドの、そしてROCKSTAR GAMESならではのゲームデザインなのである。さらに付け加えるならば、OPTIONの項目から切り替え可能な"BLACK & WHITE"モードの存在にも触れておかねばなるまい。
 そもそも本作の時代の記録は白黒写真が大半。カラー撮影の技術は当時の最新鋭として軍が独占していた。つまり、現存する当時の資料のほとんどが白黒写真であり、映画も当然白黒。全てがモノクロで統一された当時の様相が、実は現代と変わらない色鮮やかな世界だったところまで細かく、彩り豊かに再現されている部分こそが、実は『L.A. NOIRE』の最も誇るべき作り込みなのである。だからゲームを一度クリアしたら、やり残したことがあるCASEはBLACK & WHITEモードで再挑戦してみてほしい。それこそが、本当のノワールの世界。モノトーンの中で繰り広げられる熱い人間ドラマを、是非とも体感してほしいものである。

 DETECTIVE PHELPS, GOING MY WAY !!!



©: 2011 Rockstar Games, Inc. ※画像はすべて海外版のものです。

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|14:10

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マスクド刑事の『L.A. NOIRE』密着24時!(前編) 10年先のスタンダード〜『L.A. NOIRE』に秘められたADVの理想郷

2011/07/05 (火曜日)

 I'm Baaaacccckkkkkkk!!!!!!!!!! そしてMAD GAMERブログ再開!!!!!!!!!!!!!!!!!
と、気を吐く前に、まずは読者諸兄の皆様に3ヶ月以上まったく更新してなかったことをお詫び申し上げます。3.11の東日本大震災以降、日本社会は大きく変わってしまいました。筆者も震災以降、色々思う所あって全ての仕事を一旦休止を決意。相棒・須田剛一氏の了解も得て週刊ファミ通連載の『未確認洋ゲー基地AREA51』も最終回を迎え、働き詰めだったここ数年間分の休暇を一気に消化する形で東南アジア長期旅行に出立。約3ヶ月の放浪を経て帰国したのがつい先日だったという次第。もちろんMAD GAMERの見聞旅行であるからして、その釣果は絶大かつ膨大極まりなく、次週以降にもこのブログで報告する予定ですので、今後ともご愛読よろしくお願いします!

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 そんなご挨拶はともかく、まずは我らがROCKSTAR GAMESが2011年に満を持して送り出した最新オープンワールド作品『L.A. NOIRE』を語らねば、MAD GAMERの名が廃るってもんである。既に本作の魅力はゲーム専門誌のみならず、様々な媒体で語られている。そのポイントは主に4つ挙げられるだろう。

「新技術MotionScanにより役者の演技と表情を完璧に再現した」
「戦後の好景気に沸き立つアメリカ合衆国社会の時代性を再現した」
「アクション性を追求ではなく、本格推理アドベンチャーに挑戦した」
「ハリウッド黄金期に制作されたノワール映画の世界観を追体験させる」

 いずれの媒体も、『L.A. NOIRE』を語る際にはこの4点に重きを置いている。そこで筆者が同じ視点で本作を語っても、それは単にプレスリリースの内容を踏襲するだけに終わってしまい面白みに欠けるので、やはりここは筆者ならではの別の切り口から本作の魅力を引き出すのが筋だろう。その切り口とは何か?


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 それは“映画”である。もちろん、1940〜50年代のフィルムノワールを語らずして、『L.A. NOIRE』を語ることはできないが、それらの映画の魅力を理解するには、相応の知識が必要となる。『L.A.コンフィデンシャル』が元ネタだということも散々語られているし、本作の元ネタとして挙げられているレイモンド・チャンドラーの探偵小説は決して若者向けのジャンルではない。3D映画や最新のド派手な演出に慣れている現代人たちにとって『L.A. NOIRE』は、ある意味非常に共感が難しいジャンルであるといえる。しかし、そこに敢えてチャレンジするROCKSTAR GAMESの思想こそ、最も語られるべきポイントだ。昨年度の最高傑作と断言できる『レッド・デッド・リデンプション』は、かつてどこのメーカーも成功しなかった西部劇というジャンルを敢えて選び、そこに最高峰の技術とセンスを投入して世界の賞賛を得た。世間の流れに逆行しつつ、そこから新たなサムシングを開拓する思想が重要であり、それは『L.A. NOIRE』にも当てはまるだろう。
 本作で描かれる世界は、単にフィルムノワールの世界を踏襲したものではない。従来のゲーム制作現場と、映画の制作現場が合体した全く新しいジャンルへの布石なのである。この論説のタイトルに「10年先のスタンダード」と書いたのは、そういう意味なのである。すでにハリウッド映画はCGI技術が進歩しすぎて内容が伴わない足踏み状態にあると筆者には思える。しかし、『L.A. NOIRE』で表現された世界観は、これまでの映画やドラマが「観るだけ」で終わっていたのに対し、これからは「観客が介入する」ことができる映画に変わることが証明された。映画作品をゲーム化するのとは全く違う、映画と同じ……否、映画以上に手間ヒマかかった手法で丁寧に作り込むことで、我々はスクリーンの中に飛び込むことが可能になったのだ。スクリーンから飛び出すのが映画の進化ではない。重要なのは、映画に参加することだ。



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 これまでのビデオゲームの制作手法は、良くも悪くもアニメに近いものだった。ポリゴンモデルがどんなにリアルになろうと、背景がどんなに美しくなろうと、アニメーターやデザイナーが作り上げたモデルに声優ないし俳優が声を吹き込み、演技のモーションをつける。その技術がどんなに進化したところで、根本部分には変化がない。
 だが、『L.A. NOIRE』は、その根本部分を変えた。役者の演技、表情、感情の機微、動きは全てトレースされ、ゲーム内に反映される。映画制作におけるCGI技術ではとっくに確立されていた手法だったが、それがビデオゲームに取り入れられるのは初めてだ。逆にいえば、実在する俳優の顔をソックリそのままポリゴン化しても、そこに命が感じられなければ意味がない。瞳の輝き、視線の動き、表情筋の微細な変化などが見えなければ、それは俳優によく似たマネキン人形でしかない。そこを極限までにリアルにすることで、初めて物語の素晴らしさやゲームへの没入感が上がる。ROCKSTAR GAMESが目指す地平とは、恐らくゲームモデリングにおける不自然さの排除であり、過去最高の没入感を目指したものではないか。そして、その思想が最も顕著に表現できるジャンルが、アドベンチャーゲームだったのではないか。筆者はそう考える。自分の足で捜査し、証拠を集め、あちこちに移動して聞き込みをし、真犯人を追い詰めてタックルで捕らえる。従来のADVではできなかったことが、すべてできる。映画のようなド派手な銃撃戦やカーチェイスもあれば、陰惨な殺害現場でシリアルキラーの残忍な犯行を目の当りにすることもある。良き相棒もいれば、汚職に塗れた腐敗役人もいる。単なるADVでもなく、壮大なオープンワールドでもない、『L.A. NOIRE』はプレイヤー自らが本当の意味で主人公として"参加できる映画"なのである。



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 と、色々な論説を展開したが、ここに辿り着くまでには様々な試行錯誤がゲーム業界でも繰り返されていた。本筋からは少し脱線するが、ゲーム+映画=演技論という部分においては、実に意外な人物が革命を起こしている。故・深作欣二監督が演出を担当した『クロックタワー3』である。実は深作演出の遺作とされる『クロックタワー3』では、ブルーバックでモーションを付ける現場において、「役者だけでなく小道具まで細かく配置することでリアルなモーションが確立する」という深作監督の指示により、これまでのパントマイム的な演技からの脱却に成功した。もちろん、フィルムノワールは深作監督にとっても重要なファクターなのは言うまでもない。あの時代に活躍した映画監督は、おしなべて皆フィルムノワールの洗礼を受けている。『サンセット大通り』、『第三の男』、『マルタの鷹』、『現金に体を張れ』…無声映画からトーキー(音声付き)映画に移行し、撮影機材の大幅な進化により夜間撮影が可能になり、技術の進歩は映画の内容にも多大な影響を与えた。そこで生まれた映画で描かれた物語は、大戦を終えて空前の好景気に沸き立つアメリカ合衆国の二度と戻らない黄金時代の象徴であり、その成熟した文化に世界中が影響を受けたのは、紛れもない歴史的事実だ。その歴史を追体験させるのが『L.A. NOIRE』なのである。  ちなみに、こういったノワール映画の影響を最も受けていた人物として筆者が連想するのは、深作欣二でもリドリー・スコットでも神宮寺三郎でもなく、『まんが道』の満賀道雄こと、藤子不二雄A先生だ。『まんが道』の富山新聞社編において、満賀は毎日のように映画のタダ券を片手にノワール映画の鑑賞三昧。特にオーソン・ウェルズの『第三の男』は衝撃的だったらしく、A先生特有の黒ベタ塗りの多い描写は、そのままノワール映画の多大なる影響を感じる。いや、思い過ごしかもしれませんが、実際に漫画界にもノワールの影響は色濃いことは、フランク・ミラーの『SIN CITY』を例に挙げるまでもなく事実である。だからきっとA先生も……(この証言は"疑う"を選んでください)。


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 いまそこにある技術に満足することなく、基礎研究を繰り返すことでカルチャーは進化する。ROCKSTAR GAMESは常に基礎研究を怠らず、数年越しでしか結果の出ない地味な作業に途方もない予算を投入し、試行錯誤を繰り返すことで新しいジャンルを築き上げた。そこに注目せずして『L.A. NOIRE』は語れないと筆者は考える。  と、まぁ色々と難しい論説を繰り広げたが、ゲーム自体は決して難しくはない。本気で刑事になったつもりで頭を使い推理すれば、おのずと真実は見えてくるだろう。その推理の合間に、是非とも細かく作り込まれた小道具に注目してほしい。フィルムノワールと連呼しているが、同時代には"B-MOVIE"と呼ばれる珍作駄作も大量に公開されていたという時代背景がある。とある事件で捜査に訪れた映画プロデューサーの仕事場には、どうしようもないタイトルの映画ポスターが数多く展示されており、そのデザインも細かく再現され、B級映画好きの筆者は思わず苦笑してしまった。  ゲーム内で捜査する事件の多くは、実際に発生した犯罪や、それを元ネタにした映画などのタイトルをひねったものが多いのも、痒いところに手が届くROCKSTAR流のお遊びである。フィルムノワール黄金時代の裏では、アメリカ政府が啓発目的でハリウッドに作らせた啓蒙映画や、テレビ以前の情報源としてのニュース映画が大量に出回っていた。ノワールの名作をオススメするのも悪くないが、本当に面白いのは、こういった評価されることのない不毛のジャンルであり、そんな重箱の隅までキッチリ再現しているのが『L.A. NOIRE』の本当に凄い部分なのである。DLCで配信予定の追加シナリオ『REEFER MADNESS』は、まさにそういった政府主導による啓蒙映画の代表的タイトルであり、その内容もまた元ネタをキッチリ踏襲している。その特殊性から日本国内では鑑賞が難しく、日本版ビデオ/DVDなども発売されていないジャンルだが、こういった文化的背景に対する理解も深めるキッカケとしても、『L.A. NOIRE』を楽しむことができるだろう。


 今回はゲームそのものの世界観を考察するという趣旨なので小難しい内容になってしまったが、次回後編では、いよいよマスクド刑事の事件簿を報告したい。両津勘吉からスタートして警視庁殺人課(リスペクト菅原文太!)、ヤクザGメンを経て火付け盗賊改めに出世するまでのマスクド犯科帳を乞うご期待!
 犯人はお前だ!!!!(と、自信満々に誤認逮捕)


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マスクド刑事のB級ノワール映画コレクションの数々。ホラーパンクバンド、THE MISFITSのトレードマークとして有名な"CRIMSON GHOST"(実は1946年の作品。『L.A. NOIRE』の時代にドンズバ!)も、この時代に登場した名キャラクターであり、『月光仮面』の悪役サタンの爪に多大なる影響を与えた……とはマスクド刑事の推理。



© 2011 Rockstar Games, Inc.
©SUNSOFT,©CAPCOM CO.,LTD.2002 ALL RIGHTS RESERVED.
※画像はすべて海外版のものです。

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|17:15

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ZOMBIES GO WEST!! 『RED DEAD REDEMPTION: UNDEAD NIGHTMARE』

2011/02/03 (木曜日)

ZOMBIES GO WEST !!!!!!

 超久々の更新DESTROY!! 年末年始はスッカリ別枠の『Fallout: New Vegas』プレイ日記に全力投球しすぎて、本チャンブログの更新が疎かになっていたことを素直に謝りたい。マジごめん! というわけで、筆者が単身で魔都ニューヨークに突撃取材したロックスター・ゲームス開発部門副社長ダン・ハウザー氏インタビュー以来の更新ネタは、実は全然そこから地続きの話題だったりする。そう、日本版の発売を目前に控えた、あのタイトル……『RED DEAD REDEMPTION: UNDEAD NIGHTMARE』だ!
 この度、めでたく配信版と共にパッケージ版もリリースされる本作は、既に北米では配信済みだった3本のオンライン対戦用ダウンロードコンテンツに加えて、全く新規で制作された追加シナリオエピソードが、誰もが驚く<西部劇・ミーツ・ゾンビ>という超ブッ飛びの内容だった!
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 その良い意味での"期待の裏切り"具合が、相変わらずタマラないR★だが、その中身もゴーイング・マイウェイ! ストーリーは『RDR』本編をクリア済みである人であれば、確実にのけぞるパラレル・ワールドが展開するのである。思わず「こんなんアリか?」と我が目を疑うが、ナシをアリにしてしまうのもまたR★流。しかし今回、このインプレッションを執筆するにあたって、最も留意したのは「本編をクリアしていない人にとっては、かなりのネタバレになってしまうのではないか?」という部分であり、少なくとも本編を未プレイの人が、いきなり『UNDEAD NIGHTMARE』から『RDR』の世界に触れるのは、正直いかがなものかと思う。それほどブッ飛んだゲームなのである。 だからといっては何だが、願わくばこのブログを読む人は『RDR』クリア済み、もしくはプレイ中である人であることを望みたい。『UNDEAD NIGHTMARE』は、あくまでも追加シナリオであるからして、やはり本編をタップリとプレイしてから挑んでほしい。注意点はそれだけ。前置きが長くなってしまったが、早速本題に入ろう。
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 『UNDEAD NIGHTMARE』は、お馴染みの主人公ジョン・マーストンと、その家族が平和に暮らしているところに、いきなり生ける屍が襲いかかる嵐の夜からスタートする。なぜ死者が突然甦ったのか? そこに明確な説明もないまま、次々と襲いかかるゾンビ軍団! 最愛の家族までゾンビに感染してしまい、途方に暮れたマーストンは解決策を求めて町に繰り出すが、そこはすでに死者の世界。生存者たちは建物に籠城し、ゾンビの侵攻を防ぐべく銃を乱射している。マーストンの良き協力者だった友人たちも次々とゾンビに襲われ倒れていく中で、マーストンは生存者を救出しながら孤独な戦いを強いられるのだった……。
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 同じ時代、同じマップ、同じ登場人物が織りなす物語でありながら、その実まったく別のストーリーが味わえる本作では、ゲームシステムにも大胆な変更が数多く加えられている。その中でも、まず一番大変なのは弾丸や武器の確保だ。ゾンビ軍団が押し寄せる状況下では、当然ながら武器屋も絶賛休業中。弾丸の補充ができないのは<死>に直結する問題なので、最初は弾探しで苦労することになるのだが、この「弾丸数制限」が実にゾンビゲームらしいゲームデザインとなっており、大量のゾンビ相手にするには弾数が微妙という緊迫感はゾンビ映画、そしてゾンビゲームのお約束ともいえる(『バイオハザード』シリーズがその筆頭)。R★は、お約束を守る漢のゲーム会社なのだ!
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 そして、お約束も大事だが『UNDEAD NIGHTMARE』では他社のゾンビゲームでは有り得ないクリーチャーも多数登場する。その筆頭が、ダン・ハウザー氏インタビューでも話題に登った<ゾンビ馬>の存在。マーストンの愛馬がゾンビに襲われて死ぬと、荒野のどこかでゾンビ馬となって甦り、マーストンのところに戻ってくるのだ。もちろんそれだけで終わるはずもなく、広大な西部のマップの彼方此方に、伝説のゾンビ馬が生息していたりする。しかも何頭も! 全身から炎を吹き出す馬や、毒ガスを巻き散らしゾンビを蹴散らす馬など、これまでの常識を覆すモンスター級の馬に乗らずして『UNDEAD NIGHTMARE』は語れない。もちろん捕獲の際はロデオで飼いならそう!
 さらに付け加えるなら、ゾンビ化するのは馬だけでは終わらない。平時には狩りの獲物として荒野に生息していた各種アニマルたちも、漏れなくゾンビ化しているうえに、飛んでる鳥は屍体を貪るハゲタカばかり。狼も猪も、そして最強アニマルの熊までがゾンビと化しているから始末が悪い。当然、脳天を狙い撃ちしなければ死なないので厄介極まりないのだが、この徹底したゾンビ化現象によってゲームの難易度は急上昇。ただ撃ちまくっているだけでは生き残れない絶妙なバランスも、『UNDEAD NIGHTMARE』の魅力なのである。


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 これだけでも、もうお腹一杯という状況だが、これで終わらないのがR★のスゴイところである。またまたダン・ハウザー氏がインタビューで語っていたことを思い出してほしい。

「オープンワールドには、単純に善と悪を配置するだけでは不完全だ。常識では説明のつかない人物や現象も織り交ぜる必要がある」

 その発言は本作でもバッチリ反映されている。何しろゾンビとは全く違う、まさしくモンスター級の敵まで登場しちゃうのである。その筆頭が<ビッグ・フット>と<チュパカブラ>だ! 誰もが一度は耳にしたことがある怪奇生物であり、一般にはUMA(Unidentified Mysterious Animal)と呼ばれるファンタジックな存在。有名どころではネッシーや雪男、日本だったらツチノコや河童だが、そんな文字通りのモンスターまでもがマーストンの前に立ち塞がるのだから、このゲームは本当にヤバい! ビッグ・フットに至っては、超有名な記録映像パターソン・フィルム(註:1967年に北米カルフォルニアの山間部において、元カウボーイのロジャー・パターソンが偶然撮影したとされるビッグ・フットの証拠映像。しかし発表から現在まで真偽を疑われている)まんまの姿で走り去るんだからタマラない! 西部劇ファンやゾンビ映画ファンだけでなく、UMAファンまで取り込んでしまう懐の深さが素晴らしいではないか! チュパカブラに関しても同様で、現代の神話ともいえる二大モンスターを臆面も無くゲームに登場させる心意気を評価したい。遭遇するまでには、それなりに時間がかかるが、ヤツらを探すためだけに森林を探索したくなる。そう、マーストンはパターソンでもあるのだ!
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 いささか興奮してしまったが、本題に戻ろう。『UNDEAD NIGHTMARE』には、上記のように実に様々な要素がテンコ盛りに詰まっているのがお判りいただけたであろう。あとはひたすらプレイしてもらうしかないが、最後に本作に込められた文化的背景についても触れておきたい。
 そもそも、R★がゾンビゲームを作るのは初めての事態である。これまでR★はゾンビゲームに対して関心が薄かった。かつてサム.ハウザー社長は、「ゾンビは動きが遅くてゲームの敵としては退屈だ」と語っていたし、ダン・ハウザー氏もまた同様の発言をしている。しかし、西部劇にゾンビを盛り込むという発想は、R★的には<アリ>だった。なぜなら、そんなゲームは今まで存在しなかったから。

 じゃあ、元ネタはあるのか? 映画とか? と思うだろうが、実はゾンビ&西部劇という映画もほとんど無い。あっても超B級だ。筆者が知る限りでは、『ゴーストタウン』('88年/アメリカ/エンパイア・ピクチャーズ)とか、『インディアン・ゾンビ 死霊の詰め合わせ』('85年/アメリカ)、もしくは『ゴーストライダース』('87年/アメリカ)ぐらいしか思い当たらない(それだけ思い当たれば充分だというツッコミもあるが)。しかし、いくつかの使い古された要素を組み合わせ、新しいコンセプトに仕立て上げる手法は、B級娯楽映画の王道でもある。『UNDEAD NIGHTMARE』もまた、見事にその手法を継承しているのではないだろうか。その裏付けとして、マカロニウエスタンとゾンビ映画の関係性にも言及せねばなるまい。  1960年代中盤から映画市場に登場したイタリア製の偽西部劇は、その後の約10年間で黄金期を謳歌するが、70年代後半より急速に衰える。しかし、マカロニウエスタンで仕事をこなした多くのイタリアの職人映画監督たちの娯楽映画魂が死に絶えることはなく、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ DAWN OF THE DEAD』(1979年)の登場を期とする、1980年代に世界中を席巻したゾンビ映画ブームにイタリア映画界が呼応。その結果、多くの傑作が輩出されることになる。そのブームの底上げに貢献したのが、ダリオ・アルジェントとルチオ・フルチだ。

 ダリオ・アルジェントといえば『サスペリア』に代表されるジャッロ映画(殺戮サスペンスものを示すジャンル名)の名手だが、実は下積み時代には西部劇や戦争映画のシナリオライターとして活躍していた。その頃の代表作には、仲代達矢が主演を果たした異色のマカロニウエスタン『野獣暁に死す』(1968年)があり、DVDも発売されているので興味のある方は要チェックだ(そんなに面白い映画ではないけど)。さらにアルジェントは、ロメロの『ゾンビ』では共同プロデューサーとしても名を連ねているのも見逃せない。
 そしてルチオ・フルチ! フルチといえば超グロ系スプラッターゾンビ映画『サンゲリア』(1979年)を筆頭に、『ビョンド』(1981年)、『地獄の門』(1980年)、『墓地裏の家』(1981年)といった残虐ゾンビ映画を世に送り出した、ゾンビ映画のマエストロ。そのフルチもまた、監督デビュー当時はマカロニウエスタンを撮っていった過去がある。フランコ・ネロ主演による『真昼の用心棒』(1966年)は、内容的には大して面白くもない作品だが、アクションと残虐描写に関しては早くもフルチ趣味が全開。60年代という時代を差っ引いても余りあるゴアな殺しの連続に、その才能の片鱗が見え隠れしている(この2人のエピソードは比較的有名なもので、この2人以外にも数多くの職人監督たちが、マカロニブームが去った後、ホラー/スプラッター映画ブームに便乗して路線転向を果たしている)。西部劇とゾンビの関係性を語るには、十分すぎる歴史的事実ではないだろうか。
 ついでに、余談ではあるが本作の海外版予告編映像のスタイルも凝りに凝っている点にも触れておこう。筆者の印象では、そのスタイルは1960年代にドライブINシアター向けの低予算クズ映画を数多く送り出したアル・アダムソン監督のB級ゾンビ/モンスター映画の予告編のスタイルに酷似しており、非常に興味深い。オドロオドロしい効果音やナレーション、大げさなキャッチコピーとショッキングな描写の連続は、B級映画感を狙ったR★の確信犯的な演出ではないかと睨んでいる。ちなみにアル・アダムソンは日本では無名に近い存在だが、海外ではエド・ウッドJr.と並ぶクズ映画監督として(悪い意味で)カルト人気を誇り、それなりに再評価もされている。また、完全に蛇足情報だが、アル・アダムソン監督本人は'95年に自宅近くで他殺死体で発見されたという。自宅の風呂場を改築した際に、リフォーム業者の大工と口論になり、怒った大工に殺されたらしい。マジかよ……。
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 そして最後に、ダン・ハウザー氏がインタビューで語っていた言葉を、今一度思い出してほしい。

「1970年代の映画スタジオを想像してもらえると解り易いかもしれないね。昼間は上質の西部劇を作り、夜はB級ゾンビ映画を作っているような感じだね。」

 ゾンビ映画と西部劇の親和性を表現した『UNDEAD NIGHTMARE』のコンセプトは、映画界の裏面史をゲームに盛り込むことで完成したといえるだろう。まさしく発想の勝利であり、そのコンセプトは歴史的事実に裏打ちされている。これこそR★の真骨頂ではないだろうか。あまたのサブカルチャーを貪欲なまでにゲームに取り込むという、発想の時点での自由度の高さこそR★の強みである。ぜひとも、そのブッ飛んだ世界に身を投じてほしい。
 あなたの知らない西部劇の世界が、そこに確実に存在するのだから!
 UNDEAD NIGHTMARE!!!!!!!!!!!!!!

(C)2005-2011 Rockstar Games, Inc.

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|22:01

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『レッド・デッド・リデンプション』ダン・ハウザーインタビュー完全版!(後編)

2010/11/05 (金曜日)

●オープン・ワールドのゲームを作るためには、その世界の生活全体を見せなくてはいけない

(編集部より:前回に引き続き、ロックスター・ゲームスのダン・ハウザー氏へのインタビューをお届けします。)

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<『RDR』の時代考証>
マスク・ド・UH(以下、UH)  100年前の当時の西部の人々の生活や風俗の再現が非常に細かいのですが、どんな資料を調べて再現したのでしょうか?
ダン・ハウザー(以下、ダン) それはもう“調査”に尽きる。R★には、フルタイムでリサーチだけを専門とするチームがいるんだ。オープンワールドのゲームを作る際には、その世界における生活全体を見せなくてはならない。西部の風景を作るだけならば、サンディエゴのスタジオ周辺が、まさにそういう風景なので簡単に作れるど(笑)、当時の人々の暮らし方については、本を読んだり、米国議会図書館へリサーチャーを送って写真を集めたり、"Sears"という老舗デパートの古いカタログなどを見て当時使われていた商品の広告を見たり、昔の新聞記事を参考にして情報を集めたんだ。
 このゲームの根底に流れるテーマでる、旧世界と新世界がぶつかり合っている様子がわかる情報を徹底的に拾い集めるのが重要だった。モダン・コンシューマー・アメリカン・グッズ(大量生産品)の誕生の時代だよ。
UH 登場人物たちが、女性キャラのボニーをはじめ、みんな歯が汚いところが細かいと思いました。
ダン 非常に優れたキャラクター・モデリングだね。コンピューターでは難しいことだが、フィーリングを大事にした。土で汚れた、有機的な質感の中から、人々が吹きさらしの世界で生きている感じなど、開拓時代の人たちの厳しい生活を表現している。そうでないと田舎がデジタル化して見える。


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<ゲーム史上最高の馬>
UH もう1つの『RDR』の主役といえば「馬」ですよね。馬を作るにあたって、一番苦労した部分は、どこでしょうか?
ダン アニメーションと、それを取り扱うメカニズムだ。GTAでは50種類くらいのクルマとバイクが走っていれば良かったけど、馬には個性がある。だから、苦労したのは馬のコアの部分のデザインと、乗馬を楽しくすることかな。馬は、このゲームでは重要な部分を占めるので、乗っていて楽しくて、しかも本物のように感じられないといけないと考えていたんだ。
UH ロデオの時の激しい動きや、太ももの筋肉、尻尾の動き、鬣(たてがみ)が風でなびくところなど、ゲーム史上最高の完成度の馬でした。
ダン それが我々のゴールだ。大きくて強い馬もいれば、小さくて弱い馬もいる。このゲームを作り始めて、色々新しいことを試したわけだが、最初から神経を尖らせたのが馬だ。馬の完成度が低いと、このゲームは駄作になってしまうからね。見た目もメカニズムも、これまでのゲームで登場した中では、一番いい馬だと思うよ。
UH 野良馬を捕まえてロデオで馴らすのは、GTAでクルマを盗むのと同じくらい興奮しますよね。長く乗り続ければ、馬との信頼度が増すところも、クルマでは味わえなかったです。
ダン それ以上に楽しいよ。GTAではクルマは乗り換えられるので、そういう興奮はない。乗り続ければ、それに従って馬の行動も上達するから、ぜひとも馬との交流を楽しんでほしいね。交流すれば、信頼度が上がり、それに従って馬の行動も上達するからね。


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<オープンワールドのゲームデザイン論>
UH  『RDR』のマップは、実際どのぐらいの広さがありますか?
ダン これまでで最大。『GTA:サンアンドレアス』の倍くらいか、それより大きいかも。しかし重要なのは、プレイヤーが完全に入り込んで、自分がどこにいるのか、わからなくなるようなマップにすることだった。荒野の探検を実感して欲しかったんだ。古典的な西部劇の様々な風景、山脈からメキシコの砂漠まで、それぞれが大きくてボリュームがある。これはとても重要なことだ。アメリカの西部は、特に英国や日本から来た人にとっては、とにかく巨大に感じるからね。このフィーリングをゲームに入れたいと思ったんだ。
UH 植物や岩といった自然の造形物を作るのは、ビルや家といった人口構築物を作るより大変だったのではないでしょうか?
ダン 技術面、モデリングで一番苦労したのは“断崖絶壁”だね。このワールドには崖がたくさんあるが、これを良く見せるのに大変苦労した。崖はすべて手作業で作ったんだよ。どうしてもコンピューターは直線が得意だからね。それを風や雨や太陽で曲げられたように見せ、環境が有機的に感じられて、風が吹いて埃が立って、陽が照り返しているように見せることが重要だ。それが全体としてのチャレンジだった。過去のゲームでは、片田舎をあれほど美しく見せていなかったからね。これはチャレンジだったが、全てのゴールでもあったんだ。
UH なるほど。天候変化や夜空の美しさなどは、尋常ではない完成度だと思いましたが、そのような苦労があったわけですね。

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ダン そしてゲームデザイン上の重要なポイントだが、ゲームを作り始めると起こる問題には、それに直面するまでわからない。このゲームを作っていて、自分たちは、オープンワールドについては誰よりも作り方を知っていると思い、ゲームデザインに真面目に取り組んでいたが、ここでGTAでは直面しなかった問題に直面した。それは「片田舎がとても退屈」だということ。これを解決する方法を見つけなくてはならなかった。GTAではクルマや人間があちこちにいて、警察がいて、エンターテイメントを提供してくれるし、あれこれインタラクションが可能なので、様々なミニゲームを作れば、それで完成する。これは過去にやってきたことだが、今回は町があって、誰かがミッションをくれても、それが終わればやることがなくなってしまう。そこでシステムを見直して、新しい発明しなくてはならなかったんだ。そのためにコンテンツを二層のレイヤーに分けてみた。1つは「ビーツ」と呼ぶシステムだが、これはプレイヤーにタスクをたくさん与える。道を進むと強盗が他人を襲っているとする。そこに加担して強奪することも出来るし、助けることも可能なら、何もせずに見ていることもできるようにしたんだ。
 もう1つは「フェリコ」システムで、鳥や熊などの動物が登場して、逃げ惑う人たちを食べてしまうかもしれない。動物を倒すこともできるし、放っておくことも可能だ。この2つのシステムが相互に働く、二層に構築されたイベントが有機的にプレイヤーの周りで発生する。動物はプレイヤーを追いかけたりもする。これが『RDR』のゲームデザインの上で、大きな突破口となったんだよ。
UH 二層のレイヤーによるゲームデザインですか! そうやって解り易い言葉で表現できることが、すごいです。
ダン ありがとう。プレイヤーは常にそのワールドにいるという感覚を持っているけれども、ストーリーに沿ったミッションをやってもやらなくても、実はあまり変わりはない。ストレンジャーも野生動物も関わるミッションも、ミニゲームにも、すべてテーマに一貫性があれば、プレイヤーには「自分はこの世界に生きているキャラクターだ」と感じてもらえるからね。もちろん、新しい何かを求めるゲーマーたちとの戦いみたいなところもあるよ。だからこそプレイヤーの没入感を高めることに努力しているんだ。


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<DLCと今後のR★の展開>
UH 『RDR』は、本編以外にもオンライン・マルチプレイヤーが作り込まれていますよね。また、すでに海外では、マルチプレイヤー・モード対応のDLCが何本か配信されていますが、今後の展開を教えていただけますか?
ダン 近い将来、日本でもDLC展開ができるはずだから日本のファンは期待して待っていてほしいね。今は『RDR』の世界にゾンビが登場する『Undead Nightmare(アンデッド・ナイトメア)』が最新リリースのDLCとなる。きっと日本のファンにも気に入ってもらえると思うよ。コンセプトとしては、1970年代の映画スタジオを想像してもらえると解り易いかもしれないね。昼間は上質の西部劇を作り、夜はB級ゾンビ映画を作っているような感じだね。1970年代のゾンビ映画風に仕立ててある。ゾンビにもゲームとしては退屈な部分があるけれども、自分たちは西部劇にゾンビを入れることで、面白いアングルを見つけたと思うんだ。何しろオープンワールドのゾンビゲームへのリクエストが一番多いからね。
UH 様々な映画のエンターティメントの味わいを、ゲームに持ち込んでいるんですね。
ダン YES! ゾンビ映画は、ある意味でカウボーイ映画と同じようにアメリカ的だ。2つのアメリカン・シネマの伝統を同じ世界で体験できるんだよ。他のタイトルではなく『RDR』にゾンビを取り入れたのは、どちらも同じぐらい映画的だったからなんだ。
UH また新しいチャレンジですね!
ダン そうだ。DLCは、今までと違うこと、主流でないことをやるには面白い手段だと思ったんだ。(R★が)完全なゾンビゲームを作りたいかどうかは、わからないが、このような小さなゲームを作ることは、既存の世界を面白く使う1つの方法だと思うよ。ゾンビがアメリカの片田舎にある丘を歩いているのを見ると、70年代のクラシック・ゾンビ映画のようで楽しいしね。ミッションにはシングルとマルチの両方が用意してある。そうそう! 是非とも「ゾンビ馬」の完成度も見てほしい。


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UH 非常に楽しみです! では、最後になりましたが、日本人には少し馴染みの薄い西部劇の世界ですが、日本のプレイヤーには、『RDR』のどんな部分を楽しんでもらいたいですか?
ダン 一番楽しんでもらいたいのは、ゲームデザイン全体だ。ワールドにいるという経験。このゲームの強みは、そこにあると思う。西部劇には、黒澤明の映画などを通じて侍文化や日本文化に繋がる部分もあるから、日本のファンにも楽しんでもらえると期待しているし、ある意味GTA以上に共感してもらえると考えているよ。
UH 最後に、今後のR★の展開を教えてください。どんな新作を準備しているのか知りたいですね。
ダン 現在は『マックス・ペイン3』を作っている。そして『LAノアール』も開発中だ。この2本のタイトルに総力を費やしていて、両方とも順調に進んでいるよ。日本のファンにも、きっと気にってもらえると思うよ!
UH 期待してます! 本日は長時間のインタビュー、ありがとうございました!

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|14:33

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『レッド・デッド・リデンプション』ダン・ハウザーインタビュー完全版!(前編)

2010/11/04 (木曜日)

●西部劇のゲームなんか作って、周囲からバカだと言われたよ

 ファミ通11/11号(No.1143)に異例の4ページという大ボリュームで掲載された、ROCKSTAR GAMESクリエィティブ部門・副社長ダン・ハウザー氏インタビューが、リクエストにお答えして、4ページでも収録しきれなかった完全版を掲載! 読み逃した人はここでバッチリ最後まで読めます! インタビュアーは、ロックスターとは所縁の深い私マスク・ド・UH! しかも単身でニューヨークに乗り込み、ロックスター本社にて1時間40分にも及んだロングインタビューを隅から隅までご堪能ください。

<メイキング・オブ・RDR>
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マスク・ド・UH(以下、UH) このたびは『レッドデッド・リデンプション』(以下『RDR』)39点獲得および殿堂入りおめでとうございます。
ダン・ハウザー(以下,ダン) ありがとう! チーム全員が感謝しているよ。とても重みのあることだからね。自分たちが気にしているゲームレビューは世界に3〜4つあるけど、ファミ通はその中の1つなんだ。10点が3つと、9点が1つは、イイ点数だ。欧米の人たちは、『ファミ通』で良いスコアが出れば、海外のゲームでも優れていると考えるからね。
UH ダンさんがロングインタビューの形でファミ通誌上に登場するのは初めてのことなので、ロックスター・ゲームス(以下R★)を愛する日本のファンの多くが、ダンさんの発言に注目すると思います。それを踏まえて、まず、ダンさんがR★において、どのような肩書きで仕事をされているのか、簡単に教えてもらえますか?
ダン 肩書きはクリエイティブ部門の副社長だ。仕事はゲーム開発全般がうまくいくようにすることだね。R★ではチーム全体での努力にフォーカスしているが、自分が関わるのは技術以外のところだよ。キャラクターやストーリー、ゲームデザインに関するところだ。技術のことになる途端に自分は追い出されるけど(笑)、技術以外では多くのスタッフを助けている。R★では、一人が何かをやるのではなく、常にチームとして動いているんだけど、自分は色々なエリアの仕事を助けるシニア(上級職)の一人なんだ。
UH 『RDR』の開発においても、『GTA』シリーズ同じ形で関わっていたのですか?
ダン もちろん。技術以外のすべてだね。特に深く関わったのはキャラクターとデザイン、ストーリー、ワールドの感じられ方、人々の話し方など様々なことかな。また最初から最後までのゲームの流れもね。
UH 日本では『GTA』シリーズのシナリオ・ライターとして、また、サム・ハウザー社長の実弟であることで知られていますが。
ダン それはその通り。『GTA』でも一緒だけど、『RDR』では自分とサムとレズリー・ベンジース(※ROCKSTAR GAMESのGTA開発部門ROCKSTAR NORTHのプロデューサー)の3人が全部のゲームの開発をまとめているんだ。自分は開発の初期を面倒見て、レズリーは、技術的にすべてをまとめる役なので最後の仕上げの段階を。そしてサムはゲーム開発の全体の流れを管理している。だから自分はシナリオライターでもあり、デザインもやり、同時にチームがフォーカスしやすいように動く。サムはプロデュース面で同じことをやり、全体を動かしているんだよ。
UH そのようなスタイルでR★のゲームが開発されてることは日本では知られていませんね。
ダン そういう意味では、『RDR』は『GTA』と同じクルーが作った。同じ開発チームではないけれど、シニアは同じだよ。そしてR★サンディエゴ・スタジオの優れた人材に、自分たちシニアの専門知識が『GTA』と同じように活かされたオープンワールドのゲームを作ったんだ。精神面は『GTA』とは違うけど、技術的な専門知識やデザイン上の理解は同じなんだよ。


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UH それでは、『RDR』制作までの経緯を伺いたいのですが。
ダン まず最初に『レッドデッド・リボルバー』というゲームを作った背景から説明しないといけない。カプコンが途中まで開発したものを入手して引き継いだものだった。カプコンのスタイルのゲームデザインに、R★による研磨で仕上げて、音楽を加えたものが、最初の『リボルバー』だ。
 当時、他のオープンワールドのゲームを作っていたんだけど、カウボーイの設定がとても気に入って、オープンワールドにピッタリだと考えた。こうして『RDR』のアイディアが生まれたんだ。オリジナルの『リボルバー』から引き継いで残したのは、<デッドアイ>の射撃システムとタイトルの『レッドデッド』の部分、そして西部という設定だけで、残りはすべて新しくした。でも遊びで残している部分もあるよ。たとえばキャンプファイアーの回りに座っている人たちの会話が『リボルバー』の話題だったりするんだ。
UH それは細かい遊びですね! 
ダン そこまで日本語字幕があるから、よく聞いてみると面白いよ。それで『リボルバー』発売後の少し後、西部を舞台にした本格的なオープンワールドのゲーム、最初から最後まで本物のR★スタイルのゲームを作りたい思ったんだ。その最初の難関は、<感傷的で安っぽく感じられる西部劇にはしないこと>だった。そして現代の若い世代にも共感してもらえるテーマと精神性を持たせたかった。そのために時代背景も19世紀末期ではなく1911年に設定した。西部開拓時代の終焉から新しい時代に突入する頃ならば、古典的な西部劇でありつつも、現代のファンにも共感してもらえるストーリーを取り入れていけると考えたんだ。
UH 実際の開発期間は?
ダン 全部で5年。最初の2年は小さなチームで、後の3年は大きなチームになったんだけど開発期間中には3つの技術的な挑戦を行った。それは“馬”と“美しい田舎”、そして精神的にも地理的にも退屈しないように、大勢の人々を配置することだった。


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<キャラクター設定とデザイン>
UH 主人公ジョン・マーストンは、これまでのR★のゲームにはいなかったタイプの、まったく新しい魅力を持つ主役級キャラクターですが、その人間性、性格で最も表現したかった部分を教えて下さい。
ダン 興味深い人物であることは必要だが、まずゲームデザインに合致してないといけない。しかしプレイヤーに自由が必要だし、またストーリーはある程度制限される。このゲームをプレイする人は、善人と悪人のの両方を試したいだろうから、それが可能な性格を表現したかった。この基本設定を発展させるためにガンマンの時代が終わり、米国西部開拓が終わり、技術的に進んだ新しいアメリカが始まりつつある時代設定になっているんだ。そして、マーストンには家族もいるので、自らの過去から逃れられない。
UH モデルにしたり、インスパイアされた俳優や実在の人物は?
ダン それはいないね。すべて我々が考え出したものだ。プレイヤーは、このキャラクターと共に長い時間を過ごすことになるから、人間として深みがあり、人格的に豊かで、しかも一貫性のあるところも含まれるように、ゲームにうまく合致する人物に仕上げたんだ。
UH なるほど。色々な西部劇の主人公のカッコいいところを集めたような印象を受けました。
ダン その通り。直接何かをコピーするのではなくて、色々なところから良い部分を持ってきて、整理したんだ。クラシックな西部劇だが、特定の誰かではない、現代の人たちに共感してもらえる人物を目指したんだよ。
UH ダンさんは、西部劇映画は好きですか?
ダン イエス! しかし熱狂的なファンではないよ。好きな作品もあれば、退屈と思う作品もある。『RDR』の開発中は、以前よりは西部劇の映画を観るようになったけど、出来の悪い映画を多く観るよりも、好きな映画を何度も見るほうがイイよね(笑)。
UH 今はほとんど西部劇の映画は作られていませんが……。
ダン だから、西部劇のゲームの開発に予算を注ぎ込んで、周囲からはバカだと言われたよ。これまで西部劇のゲームは売れなかったんだ。北米では売れないし、ヨーロッパや他の地域ではもっとダメだ。だからこそ、自分たちでしっかりしたゲームを作るだけではなく、「現代の人たちに共感してもらえるゲームを作るんだ」という意識を持って開発を進めていたよ。
UH 多くの人物が登場し、主要なキャラクターだけでも大勢いますが、ダンさんがお気に入りの登場人物は誰ですか? 
ダン 主要なキャラクターだけでも15人ぐらいいるけど、自分は詐欺師のウェスト・ディケンズと、セス・ブライヤーが好きだね。彼らは普通じゃない(笑)。
UH 私が一番好きなのはハロルド・マクドゥーガル教授ですかね。クスリ中毒で、いつもシャツがズボンからはみ出してて……。
ダン そうそう(笑)。でも当時はクスリも完全に合法だったからね。クスリをやることでインテリになったと思っている、だらしない男なんだ。ゲームのテーマにも通じるように、彼はモダンな人物であり、一方のジョン・マーストンは、オールド・ファッションというコントラストになっている。教授は片田舎にやって来た“モダン・アメリカン”なのさ。
UH たくさんの個性的なキャラクターが登場する『RDR』ですが、R★の作り上げる人物像には、常に何かしらの皮肉が込められている気がします。主人公以外の登場人物の設定や性格を作り上げるにあたって、重要視した部分は何でしょうか?
ダン キャラクターというのは、ゲームに限らず退屈しないように作らなくてはいけない。このようなゲームの中では、15人のタフなカウボーイを用意するだけではダメなんだ。ジョンソン保安官のような真面目な人、マクドーガル教授のようなジョークっぽい人など、様々な人間が登場するが、一人一人が二面性を持っていて、英雄的かと思うと、うぬぼれ屋だったり、小心者に見えて結構な太っ腹だったりと、見た目の通りのストレートな人物像ではなく、一個の人間的な性格になっているんだ。冗談ばかり言うと思ったら悲劇的な背景を持っているとかね。主人公のマーストンについては、この人物は悪い状況に置かれた善人なのか、それとも少し善人の心を持った悪人なのかは明確ではない。どちらなのかは物語の最後にプレイヤー自身に判断してもらいたいんだ。


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<出会いミッションについて>
UH 『GTAIV』にもありましたが、本編のストーリーとは直接関係のない“出会いミッション”のイベントも非常に面白いですね。しかも『GTAIV』の時より、さらに研ぎ澄まされた感じがします。これをゲームに加えた理由を教えてください。
ダン 「研ぎ澄まされた」という表現は、まさにその通りだと思う。『GTAIV』では、全く同じではないが似たものが入っていた。これは、まず『GTAIV』で実験をして、やり方をつかみ、今回はそれを改善した。メイン・ストーリーとは違う感覚に仕上げて色々な人物と出会えるようにしたんだ。そうすれば、ゲームプレイで、好きな時間に遊べるタスクが増えるからね。
UH 『GTAIV』の場合は、現代の物語だから人物像も現代的ですよね。しかし『RDR』の場合は、物語の舞台が100年前だけに、何か説明のつかない不気味な話が加わっているのが面白いと思います。
ダン ゲーム設定が片田舎であり、争いがある環境の中では、都市部より脅かされている。だからプレイヤーが出会う人々の中には変な人物もいて、彼らの行動は先が読めないし、100%論理的でもないし、理由づけができないんだけど、これは重要なことなんだ。この幅広さがゲーム全体のフィーリングをかもし出したと思っているよ。論理的ではなくとも、ゲームを活性化させられるし、それなりに筋も通っているからね。
UH 私は<出会いミッション>の中では“お見通し(I Know You)”がお気に入りです。あれは、ものすごく不気味な話でした。なんともいえない気分にさせられましたよ。
ダン GOOD!! ちょっと超自然現象的な話なので、これを入れるのは少し賭けだったよね。しかしカウボーイという存在には神話的な部分もあるから、ゲーム全体の経験の中に、何か他のものを追加できると思ったんだよ。結果としてはうまくいったけど、神経質にはなったよね。
UH あと、“花を集めるおじいさん”とは、ヤバい出会いでしたね。
ダン そうそう! 彼には笑ったよね〜。
UH そういう細かい描写や背景が、ただの銃撃戦ゲームに終わらない、深い味わいを出していたと思います。猟奇的な部分もあるし。
ダン その通りだと思う。オープンワールドのゲームでは、とてもうまくいくケースもあるんだ。今回はゲームを活性化できたよね。物語性の面から言えば、それぞれ完結する、たくさんの短い物語があり、最後には誰が死ぬのか、崖に飛び込んで死ぬのかなど、楽しみが増える。我々にとって“出会いミッション”は、『RDR』を構成する大事なゲームの一部だよ。
UH 食人一家のエピソードも取り入れているのも、すごいですよね。
ダン 実はベースにしているのは、15世紀にスコットランドの片田舎、グラスゴーとエジンバラの間あたりに実在した食人一家(※15世紀に実在したとされる食人ファミリーの“ソニー・ビーン一家”のこと。洞窟で暮らしながら20年間に数百人を襲い、金品を奪って食人行為を続けたが、最後は王室の派遣した軍隊に捕まり処刑された)だ。この人たちのエピソードを本で読んでいて、面白かったのでゲームに加えてみたんだよ。アメリカの西部で本当に同じようなエピソードがあったかどうかは知らないが、恐らくあったと思うよ。片田舎というのは、美しくもあるが、恐ろしい面もあることを再現したかったからね。
UH 美しさと恐怖というギャップが、ただキレイなだけじゃない、しかし猟奇的だけでもない『RDR』の持つ深さなんでしょうか?
ダン その通りだね。それは我々にとって大事なことだった。オープンワールドは360度あり、人々の生活のすべて取り入れたい。お尋ね者や、白い帽子を被った善良な人たちや、黒い帽子を被った悪人だけを登場させてもダメだ。風変わりなもの、おかしなもの、その中間のものなど、すべてを入れたんだ。
(以下、後編に続く!)


投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|10:33

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A FISTFUL OF VIDEOGAME!! 『RED DEAD REDEMPTION』REVIEW:SECONDO TEMPO

2010/05/25 (火曜日)

 IF YOU SHOOT KILL!! ROCKSTAR!!
 PRIMO TEMPO(前編)では、ロックスターゲームズ最新のオープンワールド・アクションゲーム超大作『RED DEAD REDEMPTION』(以下『RDR』)というタイトルが、いかにマカロニ・ウエスタンの影響を受けているかを検証しようとしたが、マカロニ・ウエスタンの周辺文化を掘り下げている内に文字数が尽きてしまい、肝心なところまで語れなかったので、今回お届けする後編ではゲーム、映画、音楽、そして歴史が複雑に絡み合う『RDR』の特筆すべきポイントについてタップリと語ってみたい。なにもマカロニ・ウエスタンを知らなければ遊べないゲームではない。その間口とてつもなく広く、探れば探るほど面白い。そこに興味を持ってもらえるかどうかで、このゲームの遊び方は全然変わってくるという事実を是非知ってほしいのであります。
 そもそも『RDR』とは、どういう物語なのか? あんまり細かく書くとネタばれになってしまうので、来るべき日本語ローカライズ版発売時まで割愛させていただく。主人公は孤高なガンマン、ジョン・マーストン。妻子が行方不明の状況で、大きな目的を持って西部の街に殴り込んできた。しかしそこは法はあってないような荒野の世界。あらゆる悪がはびこる中で、ジョンは妻子の行方の手がかりと、ある男を探し始めるのだった……。ここではメインストーリーに関してはネタバレ防止も兼ねて一切追わず、その脇道に用意された膨大な“ゲーム”の要素について解説しておきたい。
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 開拓時代の混沌とした北アメリカ大陸が舞台というだけでなく、果てしなく続く大自然の再現は圧巻の一言に尽きる。もうどこをほっつき歩いていてもキメカットになってしまうフォトジェニックさは尋常ではない。同じ原野でも、雨の日、風の日、晴天、そして昼夜それぞれが全く違った景観を楽しませてくれるのだ。この天候のプログラム技術だけでも相当大したもんだが、狂ったように照りつく太陽もまた、ゲーム中にリアルに喉の渇きを覚えてしまうピーカンぶりで、日陰に入ると思わずホッと一息ついてしまうほど。風景、景観を楽しむだけでゲームが1日終わってしまうだろう。メキシコ側から昇る日の出の素晴らしさは、特等席で数分はガマンしなければ味わえない。遮蔽物と空気汚染のない世界の夜は、こんなにも美しいものなのか! そんな観光スポットを探し出すゲームではないのだが、思わず写真に撮りたくなる世界を作り上げたロックスター・ゲームズに改めて賛辞を贈りたいのだ。
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 しかし、なにも原野をウロつくだけがゲームじゃない。原野にはレアな野草や花も生息していれば、珍獣から猛獣までアニマルパニックのオンパレード!登場する全ての動物(昆虫以外)は全て捕獲可能で、ナイフで五体を裁き皮革や肉、牙や角や爪やらを売る事で生活費(回復と弾丸の購入にほとんど使われる)を確保。『モンハン』のように、その場で調理して喰うことはできないものの、狩猟の楽しみは存分に味わえる。仕留めた獲物にナイフを差し込み解体する作業のゾクゾク感がたまらない。見晴らしの良い場所の岩陰の暗がりに陣取り、コヨーテや狼をライフルで射殺する度に「これで15ドル、あいつでまた15ドル」と計算している自分がいて、そら恐ろしくなった。
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 指名手配犯を“ALIVE(生)”か“DEAD(死)”で捕獲、または射殺したことで報酬を頂戴する“バウンティハンター”もイケてる職業だ。逗留している街や村に警察署や保安官事務所があれば、定期的に指名手配犯の情報ポスターが貼り出される。そのポスターをひっぺがせばミッション開始となるのだが、手配者が1人だからといって馬鹿正直に1人で行動しているワケない。最低でも4〜5人以上相手にすることを覚悟して、回復アイテムや周囲の行動がスロー効果になる“デッドアイ”モード維持のためのアイテムは補充を欠かさず、ついでに弾薬もタップリと持っていきたい。手配犯は情勢が悪くなると早馬で豪速球で逃亡したりするので厄介。さらにフリーランスの山賊や詐欺師、押し込み強盗などが荒野をウロついているので、「他人に会ったら敵と思え!」を合い言葉に行動しないと逆に殺されるのが、百年前のアメリカなのである。
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 そしてアメリカといえば“銃”である。銃社会アメリカの礎となった西部開拓時代ではあるが、とりあえず細かい時代考証は抜きにして、実に様々な銃火器が楽しめる。最初は装填数の少ないリボルバーしか所持していないが、ゲームを進行させれば次々と新しい武器が入手できる。遠くのカモシカも1発で仕留めるライフルは、スコープ付きセミオートなら同時に複数匹をぶっ殺すことも可。単身バレルのショットガンで『ケオマ・ザ・リベンジャー』のフランコ・ネロ気分を味わうことも可能なら、ユニーク武器で掟破りの連射殺戮までも可能であり、ついでに据え置き型銃器(キャノン砲、バルカン砲など)で大量殺戮を演出してジャンゴ気分全開。拳銃ならモーゼルをゲットして『殺しが静かにやってく来る』のサイレンスになりきりプレイ!(もちろん雪原エリア限定!)などなど、また話がマニアックな方向に行ってしまったが、ウエスタンの真髄は銃にあるので、その銃に対するコダワリは並大抵ではない。アウトロー、そしてカウボーイとは一体どんな人間だったのか? それを、これまでにないスケールで追体験をさせてくれるゲームが、『RDR』なのではないかと思う。
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 銃を手に入れたら射撃のテクニックを磨かねばいけない。前作に当たる『レッドデッド・リボルバー』から引き継がれた“DEAD EYE(デッドアイ)”システム(編注:発動するとスローモーションになる)は、より進化を遂げて凶暴になった。人質を盾にした敵の親玉のアタマを正確に撃ち抜きたい時、敵が多すぎて集中砲火を喰らっている時、馬で流している最中に背後から襲われた時、その全ての危機に“デッドアイ”が炸裂する。“デッドアイ”が洗練されていなければ、狩猟や護衛といったゲームとしての面白さの根幹に関わる要素までツマラなくなる。デッドアイ発動のタイミング、薬効の有無(ゲージ残量の回復など)、装弾数と敵の数を瞬時に判断しながら戦いを攻略する流れは非常に興奮する。GTAシリーズとは違った高揚感が確実にあるのだ。特に乗馬時のチェイスおよび銃撃戦の恐ろしさは『GTA: サンアンドレアス』における“ドライブバイ”の比ではない。
B
 移動は馬以外にも駅馬車(タクシーと同じ)や蒸気機関車などがあり、ゲームを進めていけばアッと驚く乗り物も用意されている。移動機関を乗りこなせば時間の節約にもなるし、どこの場所で放り出されても、愛馬は口笛ひとつで主のもとに飛んでくる。GTAにおけるクルマと同じ役割とはいえ、お気に入りの馬に出会うと愛情まで芽生えてくるから驚きだ。愛馬のケツに生け捕りにした山賊のボスをのっけて帰る道すがら、何度か山賊の待ち伏せをくぐりぬけ、最後は興奮剤を使用したラストスパートで安全な集落に突っ込んだ時には、異常な達成感が愛馬との間に生まれたことも付け加えておきたい。  また駅馬車は乗るだけでなく護衛ミッションや自ら運転するハメになる時もある。4匹の馬を駆動力に活かした駅馬車は、ダンプカーさながらのスピードで荒野を爆走してくれる。古き良きアメリカンバイオレンス&カーチェイスの世界に、いま『RDR』を介して飛び込むことができるのは、実に素晴らしいことではないか!
 カウボーイ、男の世界では時に男同士でじゃれ合うこともある。指の股をナイフで高速往復するミニゲームでは、意地と度胸と正確な動体視力が試される。酒場に行けば、いかつい男たちがポーカーを囲み、交わればハードボイルドの世界。帰ってミルクでも飲んでな的な硬派な戦いがテーブル越しに繰り広げられることに! もしポーカーを興じているのを見つけたら、迷わずゲームに参加して、相手の顔に注目してほしい。そこにあるのは、まさしく"ポーカーフェイス"。どんな手札を持っていようが顔色ひとつ変えない男たちとの争いこそ、西部男のライフスタイル! 勝利したらカウンターで一杯テキーラを飲んでしまおう(はんなりデッドアイゲージが回復する恩恵あり)。
C
 ここまで書いたものの、まだ『RDR』全体から見れば一部分にすぎない要素ばかり。もう書き続けていたらキリがないので、ここらで一旦マトメに入ろう。
 前編では、マカロニウエスタンと呼ぶのは日本だけで、海外ではスパゲッティ・ウエスタンが正しい名称となっていることを締めの部分で触れた。なぜマカロニではなくスパゲッティなのか? ここがものすごく重要で、長い映画の裏面史が巡り巡って『RDR』にまで辿り着いてしまうからである。
 そもそもスパゲッティは、東方の麺類がシルクロードを通じてローマにもたらされた出自の料理。日本が世界に誇る名作時代劇『用心棒』を源流にイタリア映画を代表する巨大ジャンルに育ったのだから、同じルーツを持つスパゲッティを組み合わせて生まれたのは実に自然なことだと、名付け親の1人である映画史研究家のクリストファー・フレイリング氏が語っていた。スパゲッティ・ウエスタンとは、遠く離れた日本とイタリア結ぶリスペクトの証であり、一言でジャンルの内容を簡潔に表現しているのである。
 そしてスパゲッティ・ウエスタンはスプラッター映画にも多大なる影響を与えている。いや、むしろ直接の源流として考えるべきだろう。『続・荒野の用心棒』の耳削ぎシーンやジャンゴに加えられた壮絶なリンチ。『さすらいのガンマン』ではマチェーテ(ナタ)が脳天に食い込み、頭皮が引き剥がされる。『ソルジャーブルー』のクライマックスは北軍による先住民キャンプ急襲虐殺事件を丹念に描き、女子供も容赦なく殺戮の対象となり、首が宙を舞った。この残酷表現の元ネタも、実は黒澤映画『用心棒』にある。チンピラの腕が三船の太刀で切り落とされ、真っ黒な血飛沫を吹き上げるシーンこそ、世界最初の露悪的リアリズムに乗っ取った切り株描写である。その影響は遠く海を越えた先で百花繚乱の時代を迎えるに至った。
 『サンゲリア』を送り出したイタリアの職人ホラー監督ルチオ・フルチは1960年代にフランコ・ネロ主演で『真昼の用心棒』('66)を撮っているし、『サスペリア』のダリオ・アルジェントは、若き脚本家時代にウエスタンを2本作った。その内の1本は仲代達矢主演の異色ウエスタン『野獣暁に死す』('68)。仲代が器用されたのは、もちろん黒澤映画『椿三十郎』における仲代が演じる室戸半兵衛の壮絶な死に様への、アルジェントのリスペクトから決定したそうだ。そして三船敏郎もテレンス・ヤング監督作品、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンの二大巨頭と共演した珍道中西部劇『レッドサン』('71)に主演。三船のウエスタン出演は時期的には完全に遅刻だったが、日本とヨーロッパの間で盛んに映画交流が繰り広げられていた点は見逃せない。そしてスパゲッティ・ウエスタンのえげつない物語、残虐描写は日本に逆輸入され、勝新太郎率いる勝プロダクションは特にビビットに反応。『荒野の用心棒』を更にハードコアに、そしてアシッドにアレンジしたかのような『新座頭市物語 折れた杖』は精神的には“和製すぱげってぃ・ウエスタン”とでも区分できる異常な傑作。そして若山富三郎主演による東宝の劇場版『子連れ狼』のマシンガン乳母車などは、原作の時点で『続・荒野の用心棒』のようなトンデモ武器系ウエスタンの影響を色濃く受けている。さらに日・伊の共演合作は白熱し、『暁の用心棒』シリーズのトニー・アンソニーが主演した『STRANGER IN JAPAN』('69)という、難破したスペイン船からガンマンが日本に流れ着き京都の史跡名所で大暴れするという大怪作まで存在するからビックリだ。
 もちろん日本だって負けてはいない。日活アクション路線といえば小林旭が有名だが、二番手に追っ付く“エースのジョー”こと宍戸錠は、日活の和製ウエスタン映画(なんじゃそりゃ?と、思うがソバ・ウエスタンということか?)『メキシコ無宿』では日本人なのに特濃のパンチョを熱演。世界で“三番目の早撃ち”というキャッチコピーも微妙で良かった。しかし日本とは環境も背景もDNAも違いすぎたので和製ウエスタンはすぐに廃れたが、男のロマンを求める観客はそのままいる。マカロニ・ウエスタンは、そんな市場に流れ込んできた強大なムーブメントだったのだ。
 かつて日本とイタリアの映画界は、ここまで濃密な関係を結んでいた時代が確かにあった。その流れは現在は完全に断絶されているが、そのミッシングリンクを結ぶのが『RED DEAD REDEMPTION』なのである。日本映画の模倣から始まったイタリア製西部劇。『用心棒』へのリスペクト抜きには語れない『荒野の用心棒』の存在あっての『RDR』である。全ての事象、歴史、文化は遠い旅路を経て原点に帰結したのだ。最新鋭のゲームに生まれ変わって。しかも、である。『RDR』も元々はカプコンが開発していた『レッドデッド・リボルバー』(略称はRDRのまんま!)がロックスターに移譲されたタイトル。日本製アクションゲームのシステムと欧米人の心の故郷・ウエスタンの世界の融合は、我々が気づかない間も常に行われていたのだ。この輪廻を深く考えずにはいられない。
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『Red Dead Revolver』
 ゲームのレビューとしては、ずいぶん長い文章になってしまったが、筆者としてはこれでも説明不十分ではないかと自問してしまう。書きたいことは山ほどあるが、それをうまく伝えられない自分の筆力を恨むしかない。そして『RDR』は本当に面白い! クリアまでこの先どれほどの時間がかかるか全く予想もつかないが、今は大自然の中に溶け込んだ、百年前のワイルドライフを思いっきり楽しみたい! それだけである。
 こうして筆者は今日もアリゾナの荒野を歩きまわり、ミッションそっちのけで鹿探しに熱中して不用意に茂みに足を踏み入れ、猛毒ガラガラヘビに噛まれて死にかけるのだった……。

 最後に前編に引き続き、マスク・ド・UHオススメの西部劇映画リストをオマケに付けておくので、各自DVDを探すなり借りるなりして、是非プレイ前プレイ中プレイ後のカンフル剤にお役立てください!

『クイック&デッド』(監督サム・ライミ!)
『カンニバル!THE MUSICAL』(監督トレイ・パーカー!)
『サボテンブラザース』(監督ジョン・ランディス!)
『盲目ガンマン』(主演リンゴ・スター!)
『夕陽のガンマン』
『ウエストワールド』
『ミスター・ノーボディ』
『郡盗荒野を裂く』
『真昼の用心棒』
『野獣暁に死す』
『サルタナがやって来る 虐殺の一匹狼』

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|12:49

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A FISTFUL OF VIDEOGAME!! 『RED DEAD REDEMPTION』REVIEW:PRIMO TEMPO

2010/05/24 (月曜日)

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 THE BAD, THE UGLY, THE ROCKSTAR!!
 恐ろしいほど面白いゲームが遂にリリースされてしまった。ロックスター・ゲームズ最新作にして、オープンワールドタイトルとしては『GTAIV』以来3年半ぶりとなる超大作『RED DEAD REDEMPTION』(以下『RDR』)である。そもそもゲーム史上稀にみる数奇な運命を経て世に送り出された歴史のあるタイトルが、ここまで凄まじい進化と完成度に到達してしまうものなのか! と、思わず感心せずにはいられない。とにかくこの『RDR』に関しては、筆者的には語りたいことが多すぎるので、独断で前後編の二回に分けてレビューさせていただきたい。


 『RDR』の前評判を聞いて、多くの人が「GTAの西部劇バージョン」を連想したに違いない。確かにそれは間違っていない認識だが、正確ではないと思う。なぜなら『RDR』の目指した西部劇の世界とは、“西部開拓時代の北アメリカ大陸”の雄大な大自然を徹底的に再現するという究極のオープンワールド! これまで都市部が中心だったGTAシリーズよりも更に踏み込んだ表現を模索した結果が、失われた大自然のモデリングだった。もちろんゲームの基本的なシステムはGTAを踏襲している。馬の乗り方はGTAでいうところのクルマの操作とほぼ同じ感覚。乗り降りのボタン配置まで同じなので、GTAシリーズを遊びこんでいた人なら、速攻で西部の荒くれ男になれるだろう。
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 操作感覚が慣れ親しんだゲームと同じでも、情景も違えば時代も違う。舞台は100年以上前のアメリカ大陸であるから、雄大な自然の美しさに目を奪われることもあれば、その渇き切ったに荒野に抱かれて命を奪われることもある。そこはルール無用の男の世界……テキーラ、拳銃、硝煙、サボテン、ガラガラヘビ、そして死体。『RDR』は確かに西部劇のゲームだ。ロックスターがオススメする西部劇映画も『ワイルドバンチ』『荒野のストレンジャー』などハリウッド製が多い。なにアメリカの開拓史を描いているんだからハリウッド映画で当たり前だろって? なるほど確かにその通りだ。しかし『RDR』を遊べば遊ぶほど、実は細かい部分ではハリウッド式西部劇とは似て非なるものだ。従来のハリウッド式西部劇とは、『シェーン』『真昼の決闘』に代表される、ジョン・ウェインやゲーリー・クーパーが悪党を“正義のために”射殺する勧善懲悪の世界が決まりである。日本で例えるなら『水戸黄門』の世界。「みね打ちでござる!」ってことだ。しかし『RDR』に描かれた西部劇は、ズバリ“マカロニ・ウエスタン”そのもの。粗野で、泥臭く、残酷で血なまぐさい、死と欲と悪が渦巻く西部劇の裏面映画史をベースに物語が構築されているのは間違いないだろう。その影響の度合いを分析する前に、そもそもマカロニ・ウェスタンとは何か? もしかしたらご存知ない読者もいるやもしれないので、その存在と定義について解説させていただこう。少し長くなるが、しばしお付き合いを願いたい。
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 マカロニ・ウエスタンとは、1960年代から70年代にかけて、イタリアで制作された西部劇映画全般を指すジャンル名だ。その起源は1950年代後半。ハリウッドの映画業界が『ベン・ハー』など中世ローマが舞台の大作映画を撮影するため、第二次世界大戦後の復興し、美しい景観を取り戻したイタリアに押し寄せた。そして地元の映画スタッフの大量雇用を生み、同時にイタリアの映画業界はハリウッド映画の新作のエッセンスを吸収。自国の映画産業の発展に大きく貢献することになる。
 しかしそこでいきなりマカロニウエスタンが生まれたわけではなく、どんなものにも歴史と段階がある。最初のイタリア映画界はローマ近郊で撮影された『ベン・ハー』などの影響もあって“ハーキュレイス(ヘラクレス)ムービー”と呼ばれる一風変わったジャンルが人気だった。その名の通り筋骨隆々のヘラクレスがサンダル履きでデカいカタナを振り回して暴れるマッチョ極まりない映画で、ものすごい本数が制作されているが、ジャンルの特殊性から日本ではほとんど未公開。アメリカでも最近になって“SWORD & SANDAL”と呼ばれ定着しはじめたばかりである。そんな映画でもテレビも満足に普及していなかった当時のイタリア情勢の中では大ヒットを記録。大衆は映画を求めるが、もう撮るものがない。そういえばアメリカはもう西部劇映画を作ってないじゃないか。じゃあ、俺たちで思いっきり面白い、俺たち好みの西部劇を作ろう。荒野だって砂漠だって、ちょっとスペインまで行けばアリゾナに負けないぐらい広大な自然がある……!
 かいつまんで説明すると、そんな経緯で誕生したのがマカロニ・ウエスタンというジャンルだ。その最初のヒット作を飾るのは、セルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演『荒野の用心棒』('65)。すでにアメリカ製のクリーンな西部劇の代表的作品ともいえるテレビドラマ『ローハイド』でも主役を演じていたイーストウッドが、無精髭ボサボサ、ポンチョに葉巻、羊皮のベストに泥だらけの履き古されたブーツという出で立ちでスクリーンに登場した瞬間、西部劇というジャンルが劇的なまでの変貌を遂げた。ロックンロールがグランジとハードコアに同時進化したような感じというか、とにかく下品に、衝撃的に、そして卑怯になったのだ。
 マカロニの世界には正義はない。あるのは金だけ。金のためだけに人を助け、金欲しさに人を殺す。『荒野の用心棒』の原題が“A FISTFUL OF DOLLERS(一握りのドル札)”というのも、実に簡潔にその路線を表現している。この『荒野の用心棒』なくしてマカロニは語れない理由は他にもある。邦題が示す通り、この作品は黒澤明監督、三船敏郎主演の日本映画史に残る大名作『用心棒』の存在を抜きには語れないのだ。
 監督を務めたセルジオ・レオーネは『用心棒』を鑑賞して衝撃を受け、すぐさま西部劇版のリメイクを検討。テレビ契約のために他のハリウッド映画に出演できないイーストウッドをイタリアで撮影することで主演を合意させ、ほぼそのまんまの脚本の随所に西部劇らしいロジックを多数織り込み映画を完成させたのだが、後に黒澤サイドから訴えられてしまう騒動に発展した。
 しかし『荒野の用心棒』の大ヒットにより、イタリア映画界は一気にウエスタン作品の増産体制に突入する。そして『続・荒野の用心棒』(原題『DJANGO』)の登場により、マカロニウェスタンとは何であるかが、決定づけられるのだった。
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 『続・荒野の用心棒』('66)は、タイトルこそ“続”と付いているが、セルジオ・レオーネ作品とは全く関係ない、別の映画である。監督はイタリア映画界が誇る“2人のセルジオ”の、もう1人、セルジオ・コルブッチ。主演はフランコ・ネロ。まずは泥だらけの道なき道を、馬にも乗らず徒歩で、しかも棺桶を引きずりながら登場する主人公ジャンゴの衝撃は忘れられない。まだ未見の人がいるのなら、万難を排してでも観てほしい超ド級の傑作ウェスタンである。汚泥にまみれたゴーストタウン“トゥームストーン村”を舞台に、サディズムとスプラッターの阿鼻叫喚地獄が展開! 映画が始まってから終わるまでの間に述べ百人以上が死ぬという豪快にもほどがある作品で、手持ちカメラを多用した生々しいアクションシーンと、登場人物が全員超ワケアリという設定も凄い。南軍の生き残りで人種差別主義者の白人地主ジャクソン少佐は、大勢の部下に赤い頭巾を被せたカルトを結成し、農地代が払えないメキシコ人農夫を面白半分に射殺する毎日を過ごし、対立するメキシコ反乱軍の落人集団ウーゴ将軍一派は、パンチョ顔も濃ければパンチョ魂も濃く残忍。密告者の耳を切り落とし、さらにソレを喰わせて大笑いする性格の持ち主。そんなどうしようもない対立構図の中に、これまたワケありの美女を救って衝撃デビューを飾るジャンゴの運命や如何に!

 この作品の凄いところは物語や設定のディティールなどではなく、画面全体を支配する湿った異質な空気感である。棺桶、墓場、十字架、十字を切る踊り子、死体、祈り等々、ジョン・ウェインの映画には存在しなかった異様な空気感こそが、マカロニウェスタンの醍醐味と言わんばかりの演出である。乾いた空気と湿った空気の混じり合う瞬間に銃弾が飛び交い死体が増える。この無情な演出こそマカロニ!
 日本から飛び火したマカロニの火種は『続・荒野の用心棒』によって再び日本に帰ってくる現象にも注目したい。独特のアクションシーンが展開する本作の演出は、70年代以降に制作された東映ヤクザ映画の実録路線にもピタリと当てはまる。特に深作欣二監督はサム・ペキンパーの影響が強いとされているが、筆者の私見ではセルジオ・コルブッチの手法のほうが深作演出のソレに非常に近いと感じる。読者諸兄にも是非観て比較してみてほしい。実によく似ている。
 マカロニウエスタンが盛況だったのは約10年ほどの間だったが、その間にありとあらゆる手段で殺戮が繰り返され、ありえない設定の珍ヒーローや、もはやSF的発想のユニーク武器が多数登場する有り様。その“何でもアリ感”は、第二次世界大戦後の世界を支配したアメリカ的マチズモへのイタリアからの反抗であり、正義ではなく金のために動く主人公こそ英雄という歪んだヒロイズムこそがマカロニの真骨頂なのではないか。

 だいぶ遠回りになってしまったが、以上でマカロニウエスタンに関する基礎知識は終わり。とにかく『荒野の用心棒』と『続・荒野の用心棒』の2本を観ずして『RDR』を遊ぶなかれ、である。いや遊ぶのは自由だが、絶対に観ておいたほうがゲームが面白くなる。
もちろん単なるマカロニウェスタンのゲーム化に終わっていないのがロックスターゲームズのスンゴイところ。過去最強とも呼ばれる壮大なマップの中に封じ込められた緻密な演出にも注目だし、爽快感とテクニック性の両面を追求したシューティングシステムと、西部ナンバーワンの早撃ちを目指す“デッドアイ”モードの迫力もたまらない。さらに移動手段として大活躍する、スピードに性能差がある馬たちは、大衆車からスタミナ満点の赤兎馬クラスまで多種多彩。そんな自由空間を用意された筆者が、まずどんな状況に陥ったか? 
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 ある月夜の晩に狩った狼の革を売ろうとバザーに向かうも、明け方に到着してしまい時間つぶしにボケーッと村の入り口に馬を停めて立っていたら、おっさんが近寄ってきて「小麦泥棒やらね〜か?」と持ちかけられ、軽い気持ちで引き受けるも、バザー内に駐車していた小麦業者の馬車を奪った瞬間指名手配。全速力で逃げて国境警備隊を巻くも、今度はお尋ね者の賞金首に。そうとは知らずに国道を馬で闊歩してたら背後から銃撃され、また全速力で逃走。スタミナ切れそうな馬に興奮剤を投与すれば一定時間ターボ効果で逃走は無事成功。しかし逃げすぎて迷い込んだ場所は狼の巣窟。一匹殺せば、その血の匂いを嗅ぎ付けてドンドン茂みから出現する。3匹以上を同時に相手にすると危険なので、片っ端からデッドアイモードで始末。デッドアイのためのゲージが足りない場合は“嗅ぎ煙草”で復活! もれなく殺したら死体から革を剥ぎ、また売る。嗅ぎ煙草を買う。モルヒネも買えばデッドアイの効果時間が延長されるから買えるだけ買う。金を使い切ってバザーを出ると、指名手配の張り紙を発見。捕縛すれば400ドルは稼げる! そっと剥がしてほくそ笑み、口笛で愛馬を呼んで現場に向かうの繰り返し……って、俺ぜんぜんミッションやってないじゃん!
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 現時点で筆者の西部開拓史は、こんな調子で全く進んでいない。進めたくても進められないほど、この作品に用意された寄り道、いや、ただブラブラしているだけで楽しいのだ。そんなゲーム、きょうびなかなかございやせん!

 とりあえず前編はマカロニ・ウエスタンの何たるかを語ることで文字数が尽きてしまったが、より細かいゲームレビューと、『RDR』というタイトルが行き着いた約束の地について、そして現代まで強い影響力と再評価のブームを繰り返すマカロニウエスタンというジャンルのゲームの関係性までドップリと語りたい。ちなみに“マカロニ・ウェスタン”というジャンル名は日本だけで使用されているジャンル名で、海外では“スパゲッティ・ウェスタン”が正式名称。外国人の友達と話す時があって「マカロニウエスタン」と言っても通じないので気をつけよう。(そんな機会はそうそうないと思うが)。そして“スパゲッティ・ウエスタン”という言葉にも、ジャンル名を体現する深い意味が込められているのである。その詳細は後編にて!
 最後にマスク・ド・UHオススメのマカロニ映画リストをオマケに付けておくので、各自DVDを探すなり借りるなりして、是非プレイ前プレイ中プレイ後のカンフル剤にお役立てください!

『殺しが静かにやって来る』
『情け無用のジャンゴ』
『ハチェット無頼』
『地獄から来たプロガンマン』
『さすらいのガンマン』
『ソルジャーブルー』
『ガンマン大連合』
『ウエスタン』
『西部悪人伝』
『夕陽のギャングたち』
『荒野の1ドル銀貨』

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|14:42

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Mask de LONDON Tour 2009 :EPISODE 1

2009/11/13 (金曜日)

LONDON IS BURNING !!

 今週の週刊ファミ通連載のAIRPORT51は読んでくれたかな? ピッツバーグの大学にて日本のビデオゲームについて熱弁を奮ってきた須田剛一兄貴と、それとは全く正反対に単なる遊びでロンドンに旅立ったマスク・ド・UHが、お互いの見聞について語り合う洋行レポート編がスタート! しかし今週号の時点では、須田剛一兄貴が先行で、ピッツバーグが如何にクソ寒い土地だったかなどを語っているため、連動企画である本ブログが先んじてロンドン事情を書いてしまうのはマズいと判断。お茶を濁すようで恐縮だが、とりあえずロンドンにまつわる他の洋ゲーの話でもしておきたい。

 まずロンドン、いや英国と聞いて思い出す洋ゲーは、やはりなんといっても『グランド・セフト・オート』! なぜGTAがロンドンなのか知らない人に説明しておくと、開発元であるロックスター・ゲームスのスタジオROCKSTAR NORTHの所在地は、実はスコットランドであり、インターナショナル部門を統括しているのはロンドンだったりする。ロックスターの本社はニューヨークのブロードウェイに構えているが、そこはあくまでビジネスの拠点。開発スタジオなどはサンディエゴ、バンクーバー、トロント、そしてスコットランドと、世界中に散らばっていたりする。
 そんなワールドワイドなロックスター・ゲームスの最新作といえば、10月末にXbox360で配信が開始されたばかりの『GTAIV』追加シナリオ『THE BALLAD OF GAY TONY』である。前回の追加シナリオ『THE LOST AND DAMNED』は、GTAIV本編のストーリーにも密接に絡んでいたリバティ・シティの暴走族THE LOSTの副総長ジョニーと仲間たちの物語だったが、果たして今回の主人公はどんなヤローなのか?
 前回の下町を拠点に暴れ回るバイカー集団とはうって変わって、今回の主役はドミニカ出身の移民青年であるルイス・ロペス。ルックスはバイカー集団と比べると地味だが、彼氏のライフスタイルは豪華絢爛でハイソサエティー! ルイスはリバティー・シティでゲイ向けのクラブを経営するトニー・プリンスの元で働いているので、仕事の基本はナイトライフ。ディスコにシャンパン、クラブサウンドにダンスダンスな毎日を過ごす姿は、復讐に燃えるニコ・ベリックとも、暴走とドラッグに明け暮れるジョニーとも違うヤッピー感全開の世界観。だが、それもまたリバティー・シティのモデルとなったニューヨークという摩天楼都市が見せる顔の1つなのだ。
 GTAシリーズの基本概念である「成り上がり」の物語だが、今回は成り上がった先にある世界を楽しませてくれる。そういう意味では、かなり画期的かつ異色の物語といえるだろう。
 新たなストーリーに新たな主人公とくれば、気になるのは新着のアイテム(クルマ、武器、道具などなど)だろう。もちろん大量に追加されているのだが、中でも注目なのがパラシュート! アイテムとして登場するのは『GTAサンアンドレアス』以来だが、ハイデフに生まれ変わったリバティー・シティの摩天楼を滑空する様は格別であり、着地するまで細かく操作できるので意味のなく何度も飛び降りたくなること間違いない。
 さらに新登場となる武装ヘリコプターを使ったミッションも充実しており、筆者とてまだ始めたばかりだが、寝食を忘れて没頭中。またリバティー・シティにプチ亡命する日々が始まってしまったことを日々実感している。つうか、寝れね〜よ! 寝不足だよ! これから出版業界は地獄の年末進行(クリスマスと正月のせいで、ほぼ全ての締め切りが2週間前倒しになる)なのに、ど〜してくれんの? と、ゲームのせいにしていても始まらない。オレにできることは、1日も早くクリアーすることだけだ!
 ちなみに今回はDLCだけでなく、THE LOST AND DAMNEDを同梱したパッケージ版も発売されており、北米アカウントを持っていない我々日本人でもアジア版ソフトさえゲットしてしまえば遊べるという親切仕様。『THE BALLAD OF GAY TONY』の日本版リリースは現時点で未定だが、気の早い洋ゲー野郎ならば先んじて遊ぶべきと、ゲイっぽい笑顔で断言しておきたい。

 ロンドンの話とは直接関係ない話題になってしまったが、こんなゲームが実際に開発されている大英帝国に敬意を表するという意味で執筆させていただいた。次回の更新ではロンドン話に戻したいと思っているが、それは須田剛一兄貴のピッツバーグ話が、どこまで続くかにもよるので、詳細は未定ということでヨロシク!

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|23:33

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オレは暴走ギャングスタ!〜『Midnight Club: Los Angeles South Central』(後編)

2009/04/09 (木曜日)

 BANNED IN AMERICA !!
 今回も引き続き『ミッドナイトクラブ:ロサンゼルス』の追加ダウンロードコンテンツ(DLC)第1弾となる『サウスセントラル』編について、その魅力と文化的背景を書き飛ばしてみたい。前回はサウスセントラルという地区の血塗られた歴史について書いたけど、今回はゲームのメインとなるクルマの話題だ。
 そもそも筆者はクルマの免許を持っていないので基本的な挙動とか全然理解していないんだけど、ゲームで乗り回すのは大好き。『グランド・セフト・オートIV』でも無事故プレイでゴールド免許を目指したぐらいだ(そんなミッションないけど)。

 そして今回の追加DLCには、あの『グランド・セフト・オート:サンアンドレアス』でもお馴染みのギャングスタなクルマたちがハイデフ仕様で登場しているのだ。追加車種は全部で9台。その中の3台がローライダー仕様となっており、ハイドロも搭載可能で新規バイナルやリムも追加されている。

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 なかでもギャングスタを目指すために必須といえるのがChevy Impala '64年型。こいつだけは外せない。車高は限界まで低く「ショッポ(ショートホープ)の箱を横にしてやっと入る」ぐらいのシャコタンが基本であるのは、日本のヤンキー文化と同じ。さらに新規リムにパールでツートンカラーのボディ。バイナルは渋めのトライバルでキメれば、『ローライダー・マガジン』の表紙を飾るのも夢ではない超ギャングスタ仕様の完成です!
 さぁ! 横断歩道で信号待ちになったらカー・ダンスの時間だ! せっかく積んでいるハイドロの威力を魅せる絶好の機会なんだから、ゲームをプレイ中は信号無視などせずに、積極的に赤信号で停車してカー・ダンスを踊るのだ! それがサウスセントラルのスタイルなのである。

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▲(迫力を出すためとは言われるが)なぜ彼らはパッツンパッツンに車高を下げたがるのかと考えてはいけない。不良の車文化とは、なぜかそういうものなのだと理解されたし。
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▲ハイドロとは、要は油圧で車体をビョンビョン跳ねさせるアレのこと。


 さらに通を目指すならば、Chevy Bel Air '55年型がオススメ! ギャングスタ・ラップの大御所サイプレス・ヒルのプロモビデオ『LOWRIDER』にも登場するこのクルマは、見た目は古いけど街で走れば目立つ目立つ。カスタマイズはサイプレス・ヒルと同じパープルとブルーのツートンカラーをパール仕上げでキメて、さらにサイドスカートやリムもカスタムすれば、完璧に同じとはいかないけれど、かなり雰囲気近いローライダーが作れるのである。ローライダーでギャングスタに振る舞うのなら、この2台は必ず押さえておきたいところ。

 例によって欲を言えば、屋根を取り外してオープンカーにしたり、パールやメタリックの塗装だけでなく、LAローライダーには必須のキャンディー加工も欲しかったところだが……。Rockstar Gamesからは、追加DLC第2弾“マシンパック”の配信も予告されている。近いうちに詳細が発表されるだろうが、期待してるぜ!

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 カルフォルニアには、他にもまだまだ魅力的な地域がある。ヒスパニック系が中心のEAST L.A.なんかイイよね! チーチ&チョン的世界観もカルフォルニアを象徴する文化なので、期待してますよ!
 つうわけで、そろそろ走りに戻ります。とにかくレースモードが爆発的に増えているので、毎日走っても終わりがみえない感じ。もちろんレースそっちのけでポリ公とも日夜激闘中。むしろそっちが本業になってる気がするが、そんな自由度の高い楽しみ方ができるレースゲームは希少である。不良性感度の高さこそ、Rockstar Gamesの作品の魅力なのだから。
 LET'S CANNONBALL RUN !!

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|11:54

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オレは暴走ギャングスタ!〜『Midnight Club Los Angels South Central』(前編)

2009/04/08 (水曜日)

 CANNONBALL RUN !!

 さる2月10日のブログにてインプレッションを執筆させていただいたリアリスティック無法レースゲーム『ミッドナイトクラブ:ロサンゼルス』。夕日に輝くロサンゼルスの街並を見事に再現しながらも、そこではポリ公上等の走り屋たちが、昼夜を問わず公道レーシングを開催! というクルマ大国アメリカらしいゲームが展開し、地道なレースでコツコツ貯めてチューンした愛車で道なき道(歩道や商店街のアーケード)を爆走すれば、速攻で通報されてポリ公とカーチェイスに突入(筆者的には用意されている各種レースよりも、警察との戦いのほうが、よっぽど熱いと思っている)。まぁ、いろんな意味でワイルドなレースゲームなのだが、カルフォルニアに年2回はプチ亡命する筆者にしてみれば登場車種やマップ構成に若干不満を感じたのも事実。しかしブログでも書いたとおり「これは追加DLCを期待させる“じらし作戦”ではないか?」と直感していたが、それが本当にその通りになったのには驚いた。

 つうわけで今回は、すでに現在絶賛配信中の『MCLA』追加DLC『Midnight Club: Los Angeles South Central』の魅力を、マスク・ド・UH的にフックした部分を中心にお伝えしよう(文化的背景が複雑なアメリカ西海岸事情を鑑みるに、話題が散らかる可能性もあるので前後編に分けておきます)。ゲームの概要に関しては、すでに斎藤モゲくん(反逆の七光りライター。『GTAIV』攻略特集ではお世話になりました)がこちらの記事でタップリ書いているので、まずは、そこでは触れられてない周辺文化について書き飛ばしてみたい。

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 まず、今回のDLCのタイトルとなっている“サウスセントラル”とは具体的にどういう地域なのか? 
 読者諸兄の皆さんは1992年に発生した「ロス暴動」を覚えておいでか? 大勢の白人警官が1人の黒人をボコボコにしてしまった衝撃映像で有名な「ロドニー・キング事件」をキッカケに、様々な複合要因によって発生したとされるロス暴動は、近代アメリカにおける人種問題の象徴的な事件の1つとして有名だが、その暴動の舞台となったのがサウスセントラル地区なのである。この地区はもともとアフリカ系アメリカ人(アフロアメリカン)が多く居住していたが、時代の流れとともにヒスパニック系、そして韓国系の住民が急増。人種構成の複雑化や極端な差別構図のなかで、暴動は起こるべくして起こった。その詳細はスヌープ・ドッグ主演のドキュメンタリー映画『ザ・LAライオットショー』を観賞すれば超わかりやすいのでオススメしておく。
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 そんな街だからして、走ってるクルマは基本がローライダー! またはマッスルカー! それ以外はドライブバイで襲撃準備中のレンジローバー! などなど非常にギャングスタ色が濃いクルマが走り回っており、金曜土曜の夕方以降は街中のそこかしこにギャング連中が溢れるというステキな街。筆者も過去に一度だけ見物しに行った(というより道に迷い誤って侵入した)経験があるのだが、そこはもう旭山動物園もビックリのギャングスタ行動展示が絶賛開催中という悪夢。道ばたでマリファナ吸ってるヤツ、ガソリンスタンドにて数十人単位でタムロするチカーノギャング(全員ポンチョ姿!)、そして交差点には必ずビカビカでBLING BLINGなローライダーがガッコンガッコンとカーダンスを踊る。今考えると「よく何事もなく生きて帰って来れたなぁ」と思うのだが、サウスセントラルの外れにあったビデオレンタル屋兼ゲームショップの品揃えは、すごく良かったと追記しておく。
MCLA_South_Central_090_1_tif_jpgcopy

 以上、サウスセントラルという地区が、いかに危険と興奮に満ちた場所であるかは理解していただけたかと思う。ちなみにこのサウスセントラル地区は、あの『グランド・セフト・オート:サンアンドレアス』にも(同じ地区名ではないが)登場する。観光客が行くような場所ではないからこそ、ゲームの舞台となる価値があるのだ! 現実ではちょっと近寄り難い場所でも、ゲームでならいくらでも行けますからね! DLC登場前に遊んだ時の不満はズバリ「もっと色んな地域に行きたい!」だったが、それは見事なまでに解消された。 しかもよりによってサウスセントラルである。このあたりのチョイスのセンスは流石Rockstar Games! もはやレースゲームのレビューになってないような気がするけど、こういう文化的背景を知ることこそ、ゲームへの没入感を高める意味で最も重要なのであります。
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 さて次回は、BANNED IN AMERCAなサウスセントラルにピッタリの不良性感度MAXな新規クルマについて書き飛ばしてみたい。あと、ゲームでも現実でも、事故と警官には気をつけよう!
 CANNONBALL RUN !!

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|12:36

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世界最高峰のアクションゲーム、遂にDSに降臨! 『GRAND THEFT AUTO: CHINA TOWN WARS』

2009/03/17 (火曜日)

 Death Smack!!!!!
 クライム・アクションゲームの世界最高峰であり、最も刺激的なタイトルとしても名高い“キング・オブ・Z指定”こと『グランド・セフト・オート』シリーズの最新作が、遂にNintendo DSに登場! 
『GRAND THEFT AUTO: CHINA TOWN WARS』(以下『GTACTW』)は、シリーズ初のDS版として本日17日に北米及び欧州で発売された。それを記念して最速インプレッションを執筆。日本では、この情報自体が正直あんまり知られていないのが不思議だが、とにかくこのDS版『GTA』は面白すぎてヤバいんだよ! 遊びすぎで充電がすぐ無くなっちゃうんだよ! 寝床にまで持ち込んじゃってるよオレ、どうしよう……というぐらい完成度が高いのだ。

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 と、興奮冷めやらぬ状態で本題に入る前に、まずはDS版リリースまでのシリーズの歴史を整理しておこう。『GTA』シリーズはプレイステーション2やXBOXなど、家庭用据え置き機のためのゲームという印象が日本では強く、携帯ゲーム版としてはPSPの『GTA:リバティシティ・ストーリーズ』および『GTA:バイスシティ・ストーリーズ』の2タイトルが日本でリリースされているのだが、実はゲームボーイ・カラーの頃から盛んに移植されていた歴史は意外なほど知られていない。最初の『GTA』(PS1)を移植したGBC版を筆頭として、『GTA2』も移植。さらにゲームボーイ・アドバンスのみのオリジナルタイトル『GTA Advance』なんてのもあり、その展開は多彩極まりないのだが、携帯ゲーム機版の『GTA』シリーズはPSP版以外は、これまで一度も日本版リリースされてなかったりする。
Brush_With_Death_tif_jpgcopy
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 そして今回の『GTACTW』である。GBA版のリリースが2004年なので、実に5年ぶりの任天堂携帯ハードへの登場、しかもDSの機能を最大限に活かした完全新作なんだから恐れ入る。果たしてどのようなシステムで我々をピカレスクロマンに導いてくれるのか!?
 『GTACTW』の舞台となる街は、お馴染みのリバティーシティ! しかもマップの広さは『GTAIV』と、ほぼ同じ! さすがにフリーカメラではないものの、3D化された市街地を徒歩やクルマで移動するのは変わらずで、カメラアングルは旧『GTA』の“真上からの俯瞰視点”を踏襲した、斜め後ろ上視点となっており、移動する主人公もしくはクルマを追跡するようなスタイルでアングルが調整されている。タッチスクリーン画面はPDAとなっており、メールやマップ、ラジオ局の切り替えや進行中のミッション情報などがリアルタイムに切り替わりながら表示され、プレイヤーは上の画面を見ながらタッチ画面で情報を確認するというゲームデザインに仕上がっている。DS向けの完全新作だけにシステムは全てタッチペン操作が基準となっており、マップの目的地にタッチペンでナビルートを書き込んだり、豊富に用意されたミニゲームを攻略したりと新要素満載となっているのだ。
Soldiers plaza
Escorting Chan 2
 今回の物語の主人公は、中国からリバティー・シティのチャイナタウンに住む親戚に、ある遺産を渡しにやってきた中国人のリー青年。曰く付きの骨董品だった遺産を叔父であり、チャイニーズ・マフィアの顔役でもあるウー・ケニー・リーに渡すはずが、いきなり半殺しにされたリー青年。からくも死地からの脱出に成功したものの、無一文で密入国者となってしまったリー青年。この悪徳の街で生き抜くために、様々な非合法ビジネスに手を染めることになる。
 リー青年は、これまでのシリーズにおける、どのキャラクターとも違うバックボーンを持った主人公だ。中国系のマフィアは度々脇役として登場したが、主役級は今回が初。しかもやることなすことメチャクチャな男である。
 非合法ビジネスは、そのほとんどがタッチスクリーンを使ったミニゲームに絡めてあり、これがまたハマる。オレはミッションそっちのけで街角の宝くじ屋に通い詰め、スクラッチカードで現金ゲットにひたすらハマっていた。もちろんラジオ局も健在で、さすがに曲数は多くはないが、しっかり音楽も吟味されているのが素晴らしい(主題歌は少林寺の魂を持つラッパー集団、ウータンクランが担当!)。そして、警察とのチェイスバトルシステムも変化しているのも見逃せない。これまでは逮捕レベルを逃亡行為によって下げることで逃げ切れたのだが、『GTACTW』ではパトカーをタイミング良くクラッシュさせることで逃げ切るという、まるで『チェイスHQ』のようなシステムとなっているのだ。このへんの元ネタのチョイスは流石ですわ。
Playing Dumb
Chopper Down
 ミッションのボリュームは非常に多く、据え置き機版に引けを取らないボリュームで、ミニゲームやサイドミッションを合わせると百以上という膨大な量のミッションが用意されている。これはいつまでたっても終わらんですよ。
 もちろんミッションの内容も過激極まりなく、DSでここまでやって大丈夫なのか? と余計な心配もしてしまうのだが、最も売れているゲームが最も普及してるハードに登場するのは自然なことであり、また新しいファン層の開拓にもつながるのだから大歓迎である。しかもアドホック対戦(2人まで)も可能になっている!
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Recruiting_Drive_2_tif_jpgcopy
 『GTACTW』の日本版発売に関しては現時点で全くの未定だが、北米でもここまでDSで過激なタイトルのリリースは初の試みなので、今後の展開を見守りつつも、日本版ローカライズを期待したい。その内容からして、かなり困難な作業になるのが予測されるけど。信じていればきっと願いは叶う! 待ち切れない人は海外版をゲットしてしまえ! DSソフトはリージョンフリーなので敷居は低い。最大の敵は“英語テキスト”だが、そこは英会話でも勉強するつもりで乗り切ろう!
 それじゃあ、また中華街に戻ります。ブツを売りに行かないと叔父貴に怒られるんで。
Digging_for_Guns



(C)2007-2009 Rockstar Games, Inc.

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|22:10

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バニシング in L.A. !! 『Midnight Club: Los Angeles』で炸裂する暴走遊戯

2009/02/10 (火曜日)

 おひさしぶり! ここんとこ、ずぅ〜っと『フォールアウト 3』のプレイ日記を心血注いで執筆&凶悪プレイしまくっていたおかげで、スッカリ本家のブログ更新してなかったけど、ようやくそっちが一段落着いたので復帰ですわ。
 今回は、洋ゲーといえばROCKSTAR GAMES! つうわけで『GTAIV』に続く新作タイトル『ミッドナイトクラブ:ロサンゼルス』(以下『MCLA』)について色々感想とか雑感とか書き飛ばしてみたい。

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 まず最初に触れておきたいのは、『ミッドナイトクラブ』シリーズの日本版が発売されること自体、かなり久しぶりというコト。ロックスターのゲームだから過激なイメージを持つ人も多いかもしれないが、実際のところは純然たるレースゲーム。たしかに自由度は高いけど人を跳ねたりするような内容ではない。作品に込められているのは、日本の“走り屋”に対するリスペクトと、オープンワールドで作り込まれた“街”への愛着、そして“クルマ”に賭ける情熱である。
 この『MCLA』は、ナンバリングタイトルではないものの、シリーズとしては5本目にあたる作品。第1作目は2000年にプレイステーション2で北米リリース(その後ゲームボーイ・アドバンスにも移植)され、2002年にはシスコンエンタテイメントから日本版も発売されたものの、当時は洋ゲーというジャンルの敷居が非常に高かった時代(何しろ『GTAIII』日本版ですら発売されてない)。歴史の狭間に埋もれてしまった感があり残念だが、今ではマニア筋から「隠れた傑作レースゲーム」として高い評価を得ていて安心した。
 その後、パート2、パート3がプレイステーション1&Xboxからリリースされたものの、日本版は未発売。パート3では北米のクルマ雑誌『DUB』とコラボレートした『ミッドナイトクラブ3:DUB EDITON』という番外編も登場したが、これまた日本未発売(ちなみに『DUB EDITION』はプレイステーション・ポータブルにも移植されている)。以上の経緯から『MCLA』の日本版発売は前作から実に7年ぶりとなるワケだが、さすが『GTAIV』を経て開発された初のハイデフ仕様とあって、その進化っぷりは凄まじい。

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 前作までは『ミッドナイト〜』のタイトル通り“夜の市街地で繰り広げられる違法公道レース”がゲームデザインの中核となっていたが、今作から全天候型になり昼夜晴曇雨の時間軸をゲームに導入。登場車種も増え、チューニングからバイナルのカスタムまで自由自在。街の作り込みもハンパじゃなく、毎年カルフォルニアにプチ亡命する筆者にとっては、思わずデジャブを感じる瞬間があったほど。なにしろロサンゼルス市内の主要幹線道路が全て実名で登場するうえに、マップの位置関係も再現。
「お、ここはフィゲロア通りだから、右に曲がればE3の会場だな」
とハンドルを切るとホントにコンベンションセンターがある。ダウンタウンには筆者が投宿してたホテルも建ってたり、買い物した覚えのあるショッピングモールや、屋台でピザを喰ったサンタモニカのビーチ、ハリウッドにはチャイニーズ・シアターとコダック・シアターに加えてドーム型映画館として有名なアークライトシアターまで発見した時には唸ったね。

アークライトシアター
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E3会場ことロサンゼルス・コンベンションセンター
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 このようなオープンワールドなので、レースをしないでドライブに徹して風景を眺めてるだけでも楽しいのだが、その道中でストリートレーサーを発見したらパッシング(ケンカを売る)せずにはいられない。そして、いざレースが始まると公道は無法地帯と化し、およそクルマが走れそうな場所なら全てのポイントに突撃できる自由度の高さで思わず無謀運転にも気合いが入る。
 しかし、あんまり飛ばし過ぎたり、ショートカットを狙って遊歩道とか建造物にクルマごと突っ込んでいくと即、通報。レース中なのにLAPDが容赦なく追跡してきて、気分はもう『バニシング in 60”』!! レースが終わっても警察との鬼ごっこは果てしなく続く。

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 今作が、これまでのシリーズと違うポイントは、まさにココなのだ。日本の走り屋へのリスペクトから、より映画的な進化を遂げた。そんな感じがする。実際、片輪走行や大ジャンプ、バイクでウィリー走行といったスタント行為が可能なのだが、これはレース中に繰り出すと確実に事故るという、かなり意味なしのパフォーマンス(笑)。車高の低いクルマ(カウンタックとか)なら、カー・アクション映画でお馴染みの“トレーラーの荷台の下を並走しながらくぐり抜ける”という荒技も可能! もちろんこれもレース中にやったら確実に最下位になる。でも、やるんだよ!
 そんな反骨精神溢れるゲームデザインこそ、ロックスターの真骨頂!

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 更にマシンをカスタムすれば没入感は倍増する。筆者はプレイ開始後、すぐにカマロをゲットしてグラインドハウス映画『デスプルーフ』のスタントマンマイク仕様にカスタマイズ! バイナル編集にはコツがいるけど、慣れてくれば大抵のクルマは好み通り作れるので、2台目にはダッチ・チャレンジャーをゲットして『バニシング in 60”』仕様にカスタマイズ! 筆者は基本この2台でロスを日夜爆走しているが、乗ってるクルマがクルマなので、思わずジャンプや正面衝突を繰り返すデスでプルーフなプレイに没頭中。おかげでいつまでたっても上位ランクのレースに勝てない有り様。でも、やるんだよ!

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 そして『ターミネーター2』でお馴染みの「乾いた河川敷」を突っ走り、下水からフリーウェイに突入。そのままショッピングモールに突っ込んで通報されて、警官に停車を命じられたら、素直に停まるフリして猛ダッシュで逃走!
「YEAH! F**K DA POLICE!!」
 なんて言ってるのも束の間。仏恥義理の瞬間こそ楽しいけど、LAPDはしつこく追跡してくるので、あっちこっちにぶつけながら逃げ続けるも、最後はクルマがブッ壊れて御用。ショットガンで武装したポリスメンに囲まれ、超高額な罰金をもぎ取られて稼いだ賞金もパーに……。でも、やるんだよ!
 この不良性感度の高さと自由度は、まさに『GTA』シリーズの系譜ならではの要素で、非常にロックスターらしいレースゲームに仕上がっている。

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 しかし(あくまで筆者個人の感想だが)完璧な傑作として手放しで賞賛できるほどの完成度ではないのも事実。以下、グッドな部分とバッドな部分を挙げてみた。

<良>
・渋滞と時間帯がリンクしており、早朝と夕方は道路が超混雑するという変化は相当リアル。ホントにロスで渋滞に巻き込まれた感じがする。
・バイクがチョー速い!
・スリップストリーム(先頭車の後ろに張り付いて風の抵抗を軽減してスピードアップ。一定時間でニトロが溜まる)やニトロを連発すれば、ドライブゲームが不得意な人でも比較的簡単にレースに勝てる(もちろん練習は必要)。
・事故るとクルマがどんどんボロボロになっていく。

<悪>
・マップの再現度は確かに高いけど、全体的に縮尺がかけられているので、実際のロスと比較すると不自然な箇所もそれなりにある。
・クルマ自体の挙動もリアルというよりゲームっぽく大げさに表現されてる。(人によりけりだが)

 マップに関しては、あくまでも雰囲気を楽しむドライブ&レースゲームなのだから、ムチャクチャ細部まで再現する必要はないとは思う。しかし現実ではハリウッドからダウンタウンまでは、フリーウェイを使っても30分は余裕でかかるのに、ゲームだと一般道を使っても1〜2分で到着してしまう。いくらなんでも速すぎでしょ! 4〜5分かかっても良かったんじゃないかな。

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 比較対象としては、ハワイを舞台にした同じオープンワールドのレースゲーム『テストドライブ・アンリミテッド』がある。こちらはマップのデザイン自体は“なんちゃってオアフ島”な感じで結構いい加減だったが、レースゲームとしては痒いところに手が届くゲームデザインになっており、不動産購入などもできるなど、レース以外のやり込み要素が多かったのが印象深い。筆者も相当やり込んだッス!
 そういえば『バーンアウト・パラダイス』も舞台が似たようなゲームだが、目的が全然違うので一概にどっちがいいとは断言できない。でも、『MCLA』の場合は、もうちっと作り込んでも良かったのでは、という思いが素直な感想(現時点での不満なので、今後アップデートで解消されるかもしれない)。
 いくらロックスターのゲームだからといって毎度毎度、無条件に褒めちぎるワケにはいかない。ネガティブな部分にもキッチリ触れなければ、原稿を書く意味がない。だからといって誤解してほしくないのは、出来が悪いと言ってるのではなく、洋ゲーのレースゲームの完成度としては非常に高水準であるのは間違いないということ。

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 以上の感想を踏まえたオススメのプレイスタイルは、基本はクルージングで街を流し、気が向いたらレースをチクチク攻める。オンラインでもドライブできるので設定で一般車やパトカーをOFFにすれば快適なL.A.カーライフが楽しめる(この設定変更オプションはオフラインにも欲しかった)。
 もちろん発売後はダウンロードコンテンツも配信されると思うので、そこから新たな楽しみが見出せるのは確実。そういえば日本未発売の『Midnight Club II』には、ボーナスとして東京コースが存在したっけ。銀座や渋谷や東京駅が適度に再現され、マップ中央にはドーンと"Imperial Palace"が……。
 そんなお遊びもロックスターならでは! 妙にディティールがリアルなんだよなぁ。でも日本語の看板に「酒池肉林」とか書いてあって、洋ゲーのテキトーな雰囲気も見事に炸裂していた(笑)。

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 色々書き飛ばしたけど、他のレースゲームとは一線を画す不良な雰囲気はズバ抜けているので、クルマ好き、洋ゲー好き、ロックスター・ゲームズ好きはマストバイなタイトル。もちろん、そうでない人にもオススメできる完成度であり、バーチャルな西海岸観光を楽しめるので、プレイすれば渡米への思いがこみ上げてくる。実際、筆者もプレイしてロスに行きたくなった。ああ! 今すぐ行きたい! でも旅費がないから、とりあえず『MCLA』だぜ!
 カスタムサウンドトラックのBGMでDave Dee, Dozy,Beaky,Mick & Tichの『HOLD TIGHT』を大音量で聞きながら、俺は今日もマルホランドを時速200キロでカッ飛ばすのだった。

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愛車のカマロと『デス・プルーフ』のサントラLPと一緒にファミ通.com編集部にて記念撮影をパチリ。革手袋は雰囲気で装着してみました。


『ミッドナイトクラブ:ロサンゼルス』(C) 2006-2008 Rockstar Games, Inc. Rockstar Games, the Rockstar logo, Midnight Club, and the Midnight Club Los Angeles logo are trademarks and/or registered trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. “PlayStation,” “PLAYSTATION,” “PS” Family logo and “PSP” are registered trademarks of Sony Computer Entertainment Inc. PSP(R) system -- Memory Stick Duo(TM) may be required (sold separately). Microsoft, Xbox, Xbox 360, Xbox LIVE, and the Xbox logos are trademarks of the Microsoft group of companies and are used under license from Microsoft. All rights reserved. ※画面は開発中のものです。 『Midnight Club II』(c) 2002 TAKE2 INTERACTIVE ALL RIGHTS RESERVED.

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|11:44

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BULLY(ブリー)(その5)

2008/07/26 (土曜日)

 『BULLY』の魅力について5回連続で語らせてもらったが、それでもまだ書いてないことが一杯ある。『BULLY』はいうなれば、青少年に向けてソフトに仕上げられた『GTA』である。マップの広さや乗り物の数では及ばないのだが、主人公が学生という設定だけに、その世界は中規模でちょうどいいぐらいだ(それでもかなり広い)。

Cool-Carnival.jpg

 そして、ジミーの活動拠点となるのは学生寮だけではない。市街地で特定のミッションをクリアするとセーブポイントが増えるので、門限を気にしなくてもいいようになる。門限は23時で、それを超えると警戒レベル1になって補導されやすくなる。深夜の午前1時を過ぎると体力が消耗して2時になると強制的に気絶してしまう。翌朝8時に倒れた場所で目覚めるのだが、たいてい何か身に付けていたアイテムを紛失した状態(履いていた靴がないとか)なので、着替えなくてはいけない。紛失してもクローゼットには残っているので問題はないが、ソックス丸出しの状態でスケボーやBMXに乗りながら寮へ朝帰りの姿は相当かっこ悪い。そうなると夜更かしは恥ずかしいので、最近は1時前には就寝するように心がけるようになる。悪がきジミー、更正への第一歩である。

Anyone-have-a-quarter.jpg

 しかし門限が近いことを軽く吹き飛ばしてくれる最高の娯楽施設がブルワースの街にはある。遊園地だ。この誘惑は非常に大きい。入場チケットを買って遊園地に入場すると、そこは市街地とは裏腹にものすごいハイテンション! 街のあらゆる人たちが集まり、そこに用意された様々な遊具で遊び回っている。観覧車やジェットコースター、ゴーカートレースに射的などなど。遊園地内のゲームに勝てばチケットが貰えて、お土産屋で交換してもらえるのだが、この店がまた学生の物欲を激しく刺激するおバカ系アイテムで溢れているのだ。思わず新聞配達のバイト代を遊園地で使い切ってしまうバカ学生。しかも門限を忘れて遊びほうけて遊園地内で気絶。そのまま翌朝も裸足で遊園地内を駆け巡るほど、それはそれは楽しい場所なのである。遊園地にはミッションで必ず行くことになるので、『BULLY』を遊び始めたら必ず行ってほしい。ここに用意されたピュアな高揚感は、『GTA』シリーズとは全く違う青春ドラマの1ページのような甘酸っぱい気分にさせてくれる。

At-the-Carnival.jpg

そしてそれが『BULLY』というゲームだけが持つ魅力なのだと思う。

 自分のようないい歳の大人がキャッキャッとはしゃぎながら遊べるゲームは、そうそう滅多にはない。『BULLY』を遊ぶ前には「学生の日常をゲームにして面白いのか」という疑いの気持ちもあったが、実際遊んでみるとマジで面白いから本当に驚いた。でも最初に遊んだのは2年前にリリースされたプレイステーション2版の北米盤ソフトで、当然英語なので必死に聞き取ったり字幕を解読したりと、かなり苦労しながらプレイしていた記憶がある。それがまさかの日本版発売! 完全日本語字幕によってミッションのチュートリアルやヒントもバッチリ理解でき、しかも画質が大幅に向上して追加要素も加わっているXbox 360版も同時リリースされるんだから最高だ。

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 アメリカ東海岸の全寮制学校が舞台というのは、日本には全く馴染みのない文化のため、正直受け入れられるか不安だった。しかし日本語字幕があれば話は違う。海外の人気連続テレビドラマが、日本でもそのまま放映されているご時世。『BULLY』も同じ感覚で楽しめる、しかもゲームという参加型でヤンキー生活を堪能できるのだ。

 洋ゲーを遊びたいけど、銃撃戦や激しいレースゲームとかはちょっとね……という人には『BULLY』は鉄板でオススメできるタイトルである。

 月刊ファミ通Wave DVDの8月号DVDコンテンツに掲載の「動く!AREA 51」では、9月号と2号連続で『BULLY』特集をお届け! ゲストにはKING OF STAGEの異名で知られるラップグループ、ライムスターからMC宇多丸が『BULLY』ファン代表として登場。3人でそれぞれの中学生ライフをプレイしまくっているので、そちらも是非チェックしてください!

GOOD NIGHT !!

(c)2006-2008 Rockstar Games, Inc.

・発売元:ベセスダ・ソフトワークス
・対応プラットフォーム: Xbox 360/プレイステーション2
・発売日:2008年7月24日
・価格:7140円[税込](Xbox 360版)/5040円[税込](プレイステーション2版)
・レーティング:CERO:D(17歳以上対象)
『BULLY(ブリー)』のホームページ
ファミ通.comの『BULLY(ブリー)』ニュース一覧

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BULLY(ブリー)(その4)

2008/07/25 (金曜日)

 ブルワースアカデミーへようこそ! 今回は意外と広くて観光もできるブルワースの市街地と、その移動手段について語り倒しましょう! 学校も広いけど街はもっともっと広い! そこにはキテレツな住人やポリスや不良たちが生活し、時には酔っぱらいのオッサンがミッションを依頼してくるから気が抜けない。そんな街を楽しく移動できるアイテムが用意されている。

 『BULLY』に登場する乗り物の中で、移動手段としてはもっとも活躍するのが"スケボー"だ。舗装された道ならば単に走るよりも全然早く、なによりもスケボーで滑っているスタイルがマジでクールだ。街中の至るところに配置されたジャンプ台から飛んで空中でグラブトリックを決めれば爽快感も抜群!

 俺はジミーをスキンヘッズ風のファッションに包ませて、Xbox 360のハードディスクに読み込ませたOi PUNKのCDをBGMに街をスケボーで爆走させて楽しんでいる。気分はもう4 SKINS! 拳を振り上げてプレイしたくなる!

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 しかしスケボーにも欠点がある。芝生や未舗装の道では全然スピードが出ないのだ。どんだけ遅いかというと、ズバリ走ったほうが速いぐらいである。敷石や路肩にも注意が必要だ。ジャンプしないと乗り上げられない微妙な高さなので、猛スピードで突っ込むと勢いあまって進行方向が変わってしまう。そして坂道にも弱い。どうにもスケボーでは移動に限界を感じる……。

 そこで注目されるのがBMXなどの自転車である。自転車は技術の授業を受けることで入手でき、ランクアップした授業をクリアすれば自転車もアップグレード! スピードやブレーキング、ハンドリングの性能が向上した自転車をゲットすれば街で開催される自転車レースにも勝ちやすくなるんだから、技術の授業だけは真面目に出席しておきたい。そしてその心意気は、そのままヤンキー文化へとつながっている。事実、ブルワースのロカビリー軍団はガレージ周辺を根城にしており、彼らのチャリンコへの熱い情熱を感じてしまう。

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 自転車はママチャリから競輪仕様まで幅広く用意されているが、やはり乗りやすいのはBMX系。ジャンプの高さもスケボーとは比較にならないし、何しろ速い。未舗装だろうが坂道だろうが立ちこぎ連打ならスイスイ走る! 小回りも効くのでブルワース市街地の散策には、うってつけのアイテムといえる。

 さらに街の自転車屋主宰で開催される自転車レースは、賞金稼ぎには絶好のミッション。グレードの高いBMXをゲットしているなら迷わず参加してギャンブルレーサーとして荒稼ぎしたい。レースは後半戦になると難易度が上がり、ライバルと並走中に殴り合いになることもしばしば発生する。もちろん殴り返すのが礼儀だ! レース内のコースには大ジャンプが可能なポイントがあるのだが、そこで飛ぶと滞空時間中に追い抜かれてしまったりするので多用は禁物である。ツーリングの時だけにしておこう。

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 さて、スケボーと自転車を続けて紹介したが、両方を所有していれば無敵に思えるアイテムも完全ではない。まだ"人力"に頼っているからだ。

 『BULLY』には最強の移動アイテムとしてスクーターが登場する。入手には特殊条件を満たす努力が必要だが、ゲットしてしまえばコレほど楽な移動手段はない。スピードもあり悪路も問題なしだが、ジャンプだけはできない。あとヘルメットを被ってないと、すぐ警察に追っかけられるので運転中はヘルメットを必ず装着しよう。

スクーター.jpg

 スクーターをゲットするには遊園地に用意された様々なミニゲームをクリアする必要があり、最強移動アイテムに相応しく入手は容易ではない。 とりあえずヒントとしては、写真の授業は全部クリアしておくこと。そうすると条件達成が少し楽になるからだ。

 以上の移動手段を駆使して、ブルワースの市街地エリアを散策してほしい。ウロウロしていれば、そこで様々なものに巡り会える。最初は買い物や遊びが中心だが、街にはミッションを依頼してくる人もいるし事件も起きる。エリアごとに不良の溜まり場があるし、高級住宅地では番犬に尻を追い回される。

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 そんな時、目の前に収集系のアイテムが落ちていたりするんだから散策が止められないのだ。輪ゴムやトレーディングカードといったアイテム集めは、全て集めることでボーナス要素がアンロックされていく。マップ上で濃い緑色の部分以外は、たいてい侵入することができるし、ビルの裏にはハシゴがあって屋上まで登れる。街中や校内のそこかしこに散らばっているラジオのパーツを集めれば、校舎裏に住み着く元軍人のじいさんから本格的な格闘技を教えてもらえたりする。収集アイテムは集めるとイイこと尽くしなので、授業をサボり街に繰り出す気にもなってしまう。まさに"書を捨て街に出よう"的なアナーキズム! アリス・クーパーの名曲「SCHOOL'S OUT」が頭の中でガンガン鳴り響くぜ!

 今回は乗り物を通して『BULLY』の自由度の高さについても語ったが、まだそれだけでは終わらない。授業やミッションや郊外活動以外にも楽しめる要素はある。ありまくる!

 次回はマスク・ド・UHのオススメBULLYプレイなどを書きつつ、そこで発見される新たな魅力について掘り下げてみたい。

GOOD NIGHT !!

(c)2006-2008 Rockstar Games, Inc.

・発売元:ベセスダ・ソフトワークス
・対応プラットフォーム: Xbox 360/プレイステーション2
・発売日:2008年7月24日
・価格:7140円[税込](Xbox 360版)/5040円[税込](プレイステーション2版)
・レーティング:CERO:D(17歳以上対象)
『BULLY(ブリー)』のホームページ
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投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|00:00

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BULLY(ブリー)(その3)

2008/07/24 (木曜日)

 ブルワース・アカデミーへようこそ! 今回は学校内の人間関係を掘り下げながら、学生の物欲を満たすべく登場する様々なアイテムについて紹介。

 ブルワース・アカデミーを取り巻く登場人物たちのズッコケぶりや、悪い冗談にしか思えないトンデモ集団など、『BULLY』には魅力的なキャラクター、しかもロックスター流儀でブラックユーモア満載に味付けされた人物が主人公に無理難題をしかけてくる。

Dr.-Crabblesnitch.jpg

 まず教師。各授業を受け持つ担任たちは授業中こそ真面目に勉強を教えてくれるが、中には放課後に危険なミッションを依頼してくる先生や、自らの欲望を満たすためのお使いをジミーに頼みこんでくる。

 厄介なのは風紀委員で、常にくまなく学校内を巡回しており、いたずらをしたり授業をサボっていたりすると警戒レベルが上がる。捕まっても抵抗して抜け出せる時もあるが、警戒レベルが高すぎると確実に補導されてしまう。

 教師の頂点に君臨するブルワース・アカデミーの校長に呼び出されると、芝刈りなどの奉仕活動を命じられるので、基本は捕まらないことである。

 このゲームは全体的に"大人なんて偉そうな顔してるけど、裏を返せば俺たちなんかより汚いぜ!" というロックスターのパンクな主張が全面に押し出されているのが本当に痛快なポイントだ。校則という『GTA』シリーズに比べるとユル〜いルールがあってこそ、このゲーム内においてのジミー(つまり遊んでいるプレイヤー)のヤンチャぶりが光るのである。

 生徒たちにも注目してみよう。まずは "悪ガキ"。白いワイシャツをダラしなく着た連中で、ジミーが転入生というだけで因縁をつけてくる。その場合は挨拶がわりにブン殴ってやるのがベストだ。もちろん仲良く平和的な解決もできる。

 "インテリ"はメガネをかけて科学部の緑色の制服を着ている。図書館を根城にテーブルトークRPGに青春をかける純情で危険な集団。いつもチャックが半開きのアルジーと仲良くできるかで、プレイの方針が変わってくる。殴り飛ばすこともできるけど、見かけ以上に強い連中なのでナメないほうが無難。朝の寝起きに遭遇したら真っ先に後ろからパンツを食い込ませてやろう。

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 "お坊ちゃま"は金持ちの子息どもで、人間の根本からして鼻持ちならない連中だが、ガタイも良く全員がボクシングを習得してるので喧嘩は強い。街中にあるボクシングジムを根城にしているので、そこでボクシングを習いながら反撃の機会をうかがうのが、喧嘩も強くなって一石二鳥。

 "ロカビリー"は古き良き時代の不良の生き残りだ。グリースを塗り付けたリーゼントに校則違反の革ジャンで決めるロカビリーだが、ハクいスケもいるので無視はできない。ガレージ付近を溜まり場にしているが、街にも大勢いて悪さを繰り返している。とりあえず仲良くしておこう。

 "体育会系"は最強だ。何しろスポーツマンである。とにかくガタイは最強クラスでスポーツ万能。ラグビー仕込みのタックル攻撃を仕掛けてくるので、目を付けられると厄介である。体育の授業に出席して様々な技を習得しないとなかなか勝てない。実質的にブルワース・アカデミー内では支配者クラスの連中で、我がもの顔で校内をのし歩いている。インテリを目の敵にしており抗争の火種がくすぶっているのが現状。ただし、チアリーダーの女は一度はコマしてやりたい学園の華といえるだろう。だが、非常に性格が悪いところも青春ドラマの定番を見事に押さえている。

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 主人公ジミーは、このような複雑なグループが入り乱れた狭い社会でどう生き抜くかを模索しなければいけない。こう書くと難しいテーマのように思えるが、ようするに拳(ナックル)で解決すればよいのである。快適に生き抜くためには、しかたのない選択である。

 生活は学校内だけでなく街にも広がっている。そこでも様々な人々に出会えるのだが、買い物も大きな楽しみになる。ミッションをクリアすれば多くの場合で報酬を受け取れる。多くのミッションをこなせば金が貯まるので、当然使い道が必要になってくる。

 そこでこの悪ガキの旺盛な物欲を満たしてくれるのが、街にある洋服屋や床屋、そして様々な雑貨や遊び場である。『BULLY』のゲーム内で購入できる服の種類は膨大で、その組み合わせも自由自在。完璧なお坊ちゃまスタイルからロカビリー、パンクスにスキンヘッズにテッズといった怒れる不良スタイルのほぼ全てが楽しめるのである。

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 この"おしゃれ"のチョイスっぷりが実にロックスター・ゲームスらしく、これまでのゲームでは登場しなかったタイプのリアルなストリートファッションが研究されている。それこそBーBOYもあれば、タクシードライバー風に、軍事マニア風、THE QUAKESのようなサイコビリー・ファッションだってバッチリだ。何しろ校長先生と対峙しているイメージイラストを注目してほしい。ジミーはドクター・マーチンのブーツを履き、ロールアップしたジーンズでキメている! いいねぇ〜! フーリガンのスタイルですよこれは。思わずレンガを投げて校舎のガラスをブチ割りたくなります。もちろん花火も仕掛けなくてはいけない。見つかったらスケボーで逃げて適当な場所に隠れましょう。学校さぼって街にスケボーで繰り出すなんて、爽快じゃあないですか!

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次回はブルワースで乗り回せる数々の乗り物や、街中の様々な娯楽施設について掘り下げてみましょう! 

GOOD NIGHT !!

(c)2006-2008 Rockstar Games, Inc.

・発売元:ベセスダ・ソフトワークス
・対応プラットフォーム: Xbox 360/プレイステーション2
・発売日:2008年7月24日
・価格:7140円[税込](Xbox 360版)/5040円[税込](プレイステーション2版)
・レーティング:CERO:D(17歳以上対象)
『BULLY(ブリー)』のホームページ
ファミ通.comの『BULLY(ブリー)』ニュース一覧


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BULLY(ブリー)(その2)

2008/07/23 (水曜日)

 ブルワース・アカデミーへようこそ! 今回もマスク・ド・UHがロックスター・ゲームスが放つ学園青春フリーダムアクションゲーム『BULLY』の魅力を語り尽くし、しゃぶり尽くし、遊び尽くす!
  
 『BULLY』編の第2回目となる今回は、ブルワース・アカデミーで学べる勉強について考察したい。ゲームの舞台は、あくまでも学園での生活が中心である。学業をおろそかにしては人間は成長できないし、それはゲームの中でも同じなのだ。

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 『BULLY』では、「英語」「美術」「体育」「技術」「科学」「写真」などの科目が1日の午前と午後に勉強できる。Xbox360版には追加要素として新たに「生物」「音楽」「数学」「地理」も登場し、さらに勉学の幅が広がった。授業は全てミニゲームとなっているのだが、それがどれも絶妙に面白い。Nintendo DSで流行している『脳トレ』のようなカジュアルゲームが、見事に落とし込んであるのだ。授業をクリアすれば主人公ジミー・ホプキンスのスキルが上昇し、生活がより豊かになる。授業に出るのは強制ではなく、プレイヤーの気分次第。ミッションを優先させると、どうしても授業に出られない場合もあるが、そこに学生生活における"1日の感覚の短さ"が表現されているのが、実はこのゲームの一番すごいポイントなのかもしれない。

「ああ〜、もう夕方になっちまった。寮に帰らないと怒られる」

 授業もミッションも満足にこなせなかった日には、ホントにこんな気分になるんだよ。もちろん優等生を目指して授業に出席しまくるのもプレイヤーの自由である。授業をクリアして得られるスキルは、何1つとして無駄がない。スキル以外にもボーナスアイテムやスペシャルコスチュームが貰えたりするあたりのシステムは「勉強しておけばイイことがある」という親の説教を思い出してしまった。特に美術の授業は、クリアすると「女生徒にモテるようになる」という素晴らしい特典がある。女生徒に花束を渡して口説きまくり、ブルワースのプレイボーイとして君臨するのも悪くない。こんな青春を過ごしたかった!

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 体育の授業に出れば新しい技を覚えるし、音楽はリズムアクションゲームの感覚を楽しめる。どれもこれもよくできているのだが、そこはやはり勉強なので、得意不得意も出てきて通知表オール5というワケにはいかなくなる。

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 そうなると自然に苦手な科目は避けるようになり、その授業の日は学校さぼって街に行ってしまうのが俺の『BULLY』生活の基本。街にも学べる機会はいくらでもあるのだ。もちろん魅惑的な遊びも、そしてミッションも!

 ブルワースはあくまでも架空の街であり、ブルワース・アカデミーもまた架空の学園である。しかしながらこのゲームの中で繰り広げられるドタバタな日常風景とドラマは、明らかに自分が過去に遭遇したことのある出来事なのだ。

 実は筆者は学生寮の経験者で、高校時代の3年間はド田舎の寮で過ごしていたが、そこでは通学ではありえない濃密な人間関係が形成されており、集団生活を通して社会の縮図を知ることができた。それは結果論で、当時はその生活がイヤでイヤでしかたなく、授業なんかサボりまくって街に遊びに行っていたもんである。

 サボるといっても金がないので、ゲーセンに行ったり、古本屋に行ったり、喫茶店でパフェでも喰って帰るのが関の山なのだが、街で不良に絡まれたり補導されそうになって逃げ回ったり、門限を過ぎてスクールバスが終わってしまい歩いて寮まで帰ったり……と、およそBULLY的なことは経験済みだったので、このゲームの世界観は非常に共感できるというか、共感しすぎてイヤな思い出までフラッシュバックしてしまうほど。

 そんな生活態度だったので勉強は赤点連発で単位も全然足らず、最後はほぼお情けで卒業させてもらったが、まさかゲームで再入学するハメになるとは思わなかったよ! 

 寮生活もゲームと大体同じで、部屋では先生に隠れてファミコンを遊びつつ上級生からの"かわいがり"から下級生の悩み相談まで何でもありの青春ヴァーリー・トゥード! プライバシーらしき概念が、まるで存在しない男子寮での生活は、最初は苦行だったけど慣れるにしたがって楽しくなったのも事実。その理由はやはり"友達"であり、人間関係の円滑するためのテクニックを覚えたからだ。

 田舎の学校だったせいか生徒のバリエーションも多種多用で、体育会系やインテリ集団、金持ちの息子連中にロック系、もちろんビーバップ的世界観全開のヤンキー軍団もいた。そういう連中と、どううまく渡りあえるかが学校生活をエンジョイする鍵だったのは間違いない。

 そしてその人間関係は、そのまま『BULLY』でも再現されている(さすがにヤンキーは登場しないが、それに近い連中はいる)。次回はゲームに登場するブルワース・アカデミー内のグループと人間関係について迫ってみたい。

GOOD NIGHT !!

(c)2006-2008 Rockstar Games, Inc.

・発売元:ベセスダ・ソフトワークス
・対応プラットフォーム: Xbox 360/プレイステーション2
・発売日:2008年7月24日
・価格:7140円[税込](Xbox 360版)/5040円[税込](プレイステーション2版)
・レーティング:CERO:D(17歳以上対象)
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BULLY(ブリー)(その1)

2008/07/22 (火曜日)

 ロックスター・ゲームスが放つ学園アクション『BULLY(ブリー)』の日本版発売バンザイ! ということで、今回は5回連続でブルワース・アカデミーを百倍楽しく遊べる三十路男のデビュー日記を書き飛ばします!

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 まずこの『BULLY』という聞き慣れない英語のタイトル。これはいうなれば「ガキ大将」的な意味で、別にジャイ○ンでもブタゴ○ラでも意味合いとしては同じと思っていい。ようは学園を支配する生徒を指すスラングのような言葉である。しかしこのゲームを開発したのは、最新作『グランド・セフト・オートIV』(以下、『GTAIV』)で売り上げ新記録更新中! 名実ともに世界一となったゲームメーカー、ロックスター・ゲームス! そうなると内容は大方の予想通り「学園版GTA」になるんだけど、これは正しくもあり間違ってもいる。『BULLY』に関しては、非常によく「学校で人が殺せるゲームなんでしょ?」なんて質問されるのだが、それは大いなる誤解である。

 たしかに自由度は高いが、物語はあくまでも学園が中心。そこでプレイヤーができる最大の反抗は"いたずら"なのである。ゲームで自分をとっちめに来るのは主に風紀委員や先生であり、学園生活を知り尽くしていれば逃げおおせることだってできる。しかし夜になれば眠くなるし、補導ばかりされると私物を取り上げられる。度が過ぎれば奉仕労働までさせられるのだ。

 まず目的が違う。『BULLY』は非合法な手段を中心としたピカレスクロマンではなく、誰もが経験したことのある学生時代の甘酸っぱいような塩っぱいような思い出を追体験させる、わんぱく小僧の青春ドラマなのである。

 そのストーリーも非常に練り込まれており、エンディングには本当のドラマに参加していた錯覚さえ感じてしまう。いや本当に。

 ゲームシステムの根幹は、あくまで箱庭系のアクションゲームだが、そこにはロックスター・ゲームスが過去にリリースした数々のアクションゲームの美味しい要素が、ほぼ全て盛り込まれている。ロックスター・ゲームスのタイトルはGTAシリーズ以外は、ほとんど日本版がリリースされてないのだが、実は様々なタイプのアクションゲームを産み出しているのだ。

 まず世界一残酷なゲームとして知られる『MANHUNT』は、恐怖演出とスニーキングシステム、練り込まれた銃撃戦などホラーアクションゲームとしてもかなり完成度が高いが、過激さゆえに日本版はリリースされていない。

 『BULLY』では、風紀委員や教員が学校内を巡回することで、プレイヤーの"いたずら"や校則違反行為を見張っている。このスキを突いてロッカー荒らしや便所にクラッカーなど、考えうる限りの悪事を働き、そして逃げる。ロッカーやゴミ箱に隠れて警戒モードをやり過ごす。これはまさに『MANHUNT』のスニーキングシステムを踏襲している! また喧嘩やボクシング、ドッジボールにレスリングといったアクションゲームは、『THE WARRIORS』に非常に近い。

 『THE WARRIORS』は同名の映画を原作としたシネマゲームだが、映画の雰囲気を損なわず、しかも格闘メインのアクションゲームとして研ぎ澄まされた完成度を誇るのだが、こちらも過激なシーンが多く日本版はリリースされなかったのが残念。多人数と同時に喧嘩したり、持ち武器や投げ武器を使ったり、落書きしたり逃げ回ったりといったアクションは『THE WARRIORS』を基本に改良が加えられた感じだ。

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 また、スケボーを使って移動したりジャンプするアクションは、プレイステーションの懐かしいタイトル『スラッシャー SK8』('00年/日本版はウェッブシステムより発売)を思わせる。本当にこれは集大成なのである。ただしGTA以外のアクションゲームの集大成だ。『BULLY』のGTA的な部分といえば、自由行動の権利とマップの広さだろうが、それでもGTAに比べると全然小さい。しかもその行動範囲の狭さが実に学生らしい。自転車でマップの端まで行くと、朝一番に出ても戻るのに半日かかってしまうだろう。スクールバスを使えば速攻で学校に戻れるが、寄り道はできない。

 学生の基本行動である寄り道も『BULLY』ではゲームを楽しむために必須の行動。町外れの遊園地には娯楽が待っているし、服屋やスーパーも開店している。学業以外にやることが本当に多すぎる! チンタラ遊んでいたら永遠にクリアできないのではないかと思うぐらい、密度がある。金を稼ぎたければ、学校をさぼってアルバイトをしてもいい。バイトには懐かしの海外アーケードゲーム『ペーパーボーイ』を彷彿とさせる新聞配達、芝刈りのミニゲームがあり、チルアウトしたい時には特定のポイントに設置されている、昔のアーケードゲームのパロディのようなミニゲーム筐体で遊んでもいい。

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 賞金狙いで白熱する自転車レースにゴーカート・レース、学校周辺で生活する人たちからも様々な依頼がやってくる。それをこなすのも無視するのも自分次第で、全てを破壊する手のつけられない悪ガキを演じることだって可能である。学校内で頻繁にみられる"かわいがり"行為を無視するか、助けるのか? 
それとも"かわいがり"に加わるか? そんな状況だって自分で決められる。もちろん遊びや喧嘩がゲームの中心ではない。学生は、まず学業である。

 次回は『BULLY』と勉強の大事な関係についても掘り下げたい。ゲームとはいえ、勉強しなければいけない局面が必ずあり、しかも勉強だって楽しくできるのが『BULLY』の面白さでもあるのだ。

GOOD NIGHT !!

(c)2006-2008 Rockstar Games, Inc.

・発売元:ベセスダ・ソフトワークス
・対応プラットフォーム: Xbox 360/プレイステーション2
・発売日:2008年7月24日
・価格:7140円[税込](Xbox 360版)/5040円[税込](プレイステーション2版)
・レーティング:CERO:D(17歳以上対象)
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