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マスクド警部の特捜タイ前線 PART2 〜東南アジア最強最後のゲーム魔境サパーンレックは驚愕の品揃え!!??

2011/09/02 (金曜日)

※以下の内容はマスク・ド・UH氏によるタイ現地事情のリポートであり、いかなる不正行為も推奨するものではございません。
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サパーンレックにてマスクド警部が身銭を切って証拠品として押収したソフトたち。諸事情により見えにくくなっておりますが、大人の事情を察していただきたい所存です。

 MAGICAL SUPER BOOTLEG ASIA!!!!!!!!!!!!

 前回に引き続き、微笑みと灼熱の国・タイの現状をレポートする第2回目である。カオスと呼ぶに相応しい首都バンコクのチャイナタウン、ヤワラー。その街の外れに位置する違法建築の水上マーケット、サパーンレックを目指し、辿り着くまでの行程が前回の内容だったが、辿り着くまでの説明が長すぎて文字数が尽きてしまった。そこで今回は、いよいよサパーンレックの内部の詳細について、自称・国際ゲーム警察所属のマスクド警部という意気込みで単身でアンダーカバーした結果を報告したい。

●サパーンレックでは何を売っているのか?

 サパーンレックには両端にクソ狭い渡り廊下が2本並走し、その合間を隙き間というか抜け道というか、網の目のように走っている。集まった店は軽く見積もっても百軒以上あり、全て1畳から4畳程度の広さしかないが、扱う品目は実に多岐に渡るので、箇条書きにしてみた。上から扱う店舗が多い順になっている。

・ゲームソフト
・ゲームハード(携帯機含む)
・周辺機器
・ゲーム雑誌&攻略本
・フィギュア、カードゲーム関連
・コスプレ衣装、Tシャツ、アクセサリーなどグッズ関連

 まず最も売れ筋、サパーンレックの主力商品となるゲームソフトだが、お察しの通り全てがコピーROMの海賊盤である。しかも、この海賊盤には、どういったプロテクトが施されているのか不明だが、絶対にコピーできない仕様となっている(笑)。自分たちはコピーを売るくせに、それをコピーさせないとは太ぇ野郎どもだが、何しろ価格が激安なので文句を言う気も無くなる。
 コピーROMの値段はプレイステーション2のソフトなら1枚50バーツ(1バーツは約2.6円)。最も取り扱う種類が多く、タイでは未だに主力商品である。次に多いのがPCソフト。これまた当然コピーだが、1枚80バーツと少々高め。さらに2枚組の場合は、海賊盤の基本である「内容ではなく枚数で計算」が適用されるため、160バーツになる。それでも410円だから、当たり前だがコピーと頭では理解していても、安いと唸ってしまう。
 PS2、PCほど数は多くないが、PSPタイトルも充実している。UMDディスクに2〜3本のソフトが収録された、かつて海賊ファミコンソフトで猛威を奮ったアジアお得意の「inワン」スタイルとなっている。もちろんマジコンに関しては書くまでも無いだろう。ここは日本ではない。タイなのだ。「けしからん!」と怒ったところで日本の常識も法律も通用しないのである。また、ここまで海賊盤が氾濫する理由には、正規品の価格が高すぎるという理由が挙げられる。タイではゲームソフトもハードも基本的に全てが輸入品扱い。特に洋ゲーは、正規品を取り扱うサイアム(※バンコクで最も栄えたエリア。原宿と渋谷と六本木が混じった感じ)あたりにある金持ちタイ人や成金の華人、外国人駐在員のマダムなどが入り浸るショッピングセンターなどでは、正規版の洋ゲーがPS3、Xbox 360ともに1本3000バーツから5000バーツ。PS2でも2000バーツはする。日本円にして1万円を超す価格設定なのだから、貧乏人がおいそれと手を出せるシロモノではないし、そもそもタイの一般企業に務めるサラリーマンの一ヶ月の平均所得が10万円程度の国であるからして……決して海賊盤を肯定するつもりは無いが、この環境では致し方が無いといったところだろう。
 話をソフトに戻すと、いまサパーンレックで一番人気は360タイトルである。PCソフトと同じ1枚80バーツだが、日本のタイトル、洋ゲータイトルのみならず欧州限定タイトルまである。日本では欧州タイトルはPALシステム+リージョン設定のため、一部しか輸入されていないのが現状だが、そもそもタイはPALシステムなので互換性は高い。ある意味、世界で最も充実した品揃えを実現させているのだ。サパーンレックが最強最後の海賊盤市場と呼ばれる理由がソコにある。


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閉店後のショップ店内を激写! ソフトは軽量化&低価格化のためトールケースを排除している。足下に散らばるバーツの札束が生々しいが、こんな写真でも撮影に軽く応じる罪悪感の無さが…サパーンレック内の典型的なゲームショップ。座り込む子供連中は店の関係者と常連客。閉店後は従業員としてコピーROMのパッキング作業をお手伝いする。手前に陳列されている大量のGTAにも注目!
●サパーンレックで買ったソフトは、サパーンレックで買ったハードでしか遊べない!!??

 サパーンレックでは世界最多と思えるほどのバリエーション豊富なタイトルが揃っているが、問題もある(海賊盤云々ではなく)。サパーンレックで購入したコピーROMは、基本的にサパーンレックで売られているハードでしか起動しないからだ。販売されているハードは全て中古品で、漏れなく海賊盤が起動できるように改造を施してある。もちろんバリバリ違法であり、仮に故障しても正規の修理サービスは受けられないし、360に至っては本体改造が発覚すると、当然ながらアカウントを剥奪されてオンラインサービスの一切が停止する。それじゃあ「本体アップデートが必要なソフトはどうするん?」とは、『火垂るの墓』の節子でなくとも疑問に思うところだが、抜け道はしっかり用意されている。
 アップデートが必要な場合、各店がサービスとしてアップデート専用のコピーROMをくれたり、本体を持っていくとアップデート済み状態に改変してくれたりするのだ。まったくなんて連中だ……。サービスは充実しているが、その方向性が大いに間違っている。しかし、そんな文句は何処吹く風、である。何しろここはサパーンレック。何度も書くが、我々の常識など全く全然何も通用しない。
 ネット対戦に関しては日本よりも数が多いゲーム専門のネットカフェでプレイすれば良いし、そもそもタイは未だにADSLがデフォルトのため、高速回線による据え置きハードのネット対戦など一般家庭では不可能に近い。
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改造済みのPS2本体。DVDのリージョンまでオールフリーだったり、ドライブが新品だったりすると価格が変化する。その陳列ケースの上でくつろぐ猫。ガラスがひんやりと冷たく、起動中のPS2が温かいので寝心地は最高の模様。これぞアジアの純真ってヤツですかね(古っ!)。
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こちらは改造済み360本体。良い子は買ったらダメ絶対ダメ!さすがにノーコメントということで。

 気になるハードの価格だが、改造済みのPS2本体が平均4000〜5000バーツ。新品に改造を施したものになると6000バーツほどになる。Wii本体および360本体は、少し高めの7000バーツからのスタートなるが、それでも1台買ってしまえば、あとは激安コピーROMを買いまくるだけ。メタクソな話だが、これが東南アジアの現実である。ちなみに他で買った未改造のハードを持ち込めば改造を施してくれる改造専門の店も多数ある。価格は店……というより店主の腕によって異なるが、平均で1000バーツ程度。預けてから早ければ数時間、遅くても数日で改造専用ハードに仕上げるらしい。需要と供給のバランスが崩壊しているからこそ成り立つ市場であり、呆れるを通り越して感心してしまう。
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訪れた時期(6月下旬)に発売直後だった『SHADOW OF DAMNED』の海賊盤が大人気だったけど……。そんな撮影でも笑顔で応じる店員のチャンネーの罪悪感のなさ…改造請け負い専門店。分解されたハードの数々が世紀末感を煽るが、店員は明るい好青年。写真撮影にも軽く応じる兄ちゃんの……(以下同文)

●周辺機器は意外と高額?

 サパーンレックではハードもソフトも安いが、唯一高いものがある。専用コントローラーなどの周辺である。メモリーカード程度なら、ありえない大容量(表示詐欺が多い)の非正規品が腐るほど売られているが、コントローラーやアーケードスティックとなるとコピーが難しい……というより工業製品そのものなので、こればっかりは正規品を購入するしかない模様。
 日本未発売で筆者が大好物のリズムアクション洋ゲー『ROCK BAND』は、タイでも相当人気があるらしく、輸入品の専用ギタコンも売られているが、当然かなり高額。しかし、そこで転んでもタダでは起きないのが東南アジアのクォリティ。なんと、ギタコンそのものをコピーして、しかも専用のオリジナルタイトルをコントローラー内部に同梱したパチモンゲームマシンが大人気だったりする。筆者が確認しただけでも5〜6種類売られており、その名称も含めて思わず軒先で爆笑してしまったのもイイ思い出だ。サイズがでかいのが旅行者にとっては命取りだが、コピーROMと違ってオリジナル商品(それでも相当グレーゾーン)なので、荷物に余裕があれば土産に買うのも悪くない。欲しがる人がいればの話ですが。
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ROCK BANDパチモンギタコンin 1ゲーム機の在庫。それぞれの名称が本当にイカす!『GUITAR STAR』だってよ! サイズも心なしか小さくなってる気がする。

●あなたの知らないGTAの世界

 さて、ここからが本題である。ゲームにまつわる商品であれば、実に豊富なラインナップを誇るサパーンレックであるが、売っているソフトに話を限れば、必ずしもコピー商品だけが主力ではない。そう、サパーンレックには単なるコピー,海賊盤を超えた究極のゲームソフトが流通しているのである。それこそが筆者が我が目を疑った存在。事情通ならば、その存在は知られていたが、まさかこれほどのバージョンが存在したとは……と、息を飲んでしまった驚愕の人気タイトルがある。それが通称"クローンGTA"だ!
 世界最高峰のアクションゲームは、ご他聞に漏れず東南アジアでも大人気を誇っている。しかし、ただ人気があるのを通り越して、ゲーム内容そのものに大幅に改造を加えてしまった、データ改竄済みのMOD仕様が超絶すぎる! 内容は基本的に改造の容易な『GTA:バイスシティ』および『GTA:サンアンドレアス』が中心だが、問題なのは改造そのものより、その方向性。有名どころでは、『GTA:SA』のキャラを某ドラ●ンボールの登場人物たちに書き換えて、おまけにスーパー●イヤ人に変身して通行人をワンパンチで撲殺したり、ベ●ータとなって空を飛んだりできる超絶改竄を実現させた『GTA:ド●ゴンボール』や、バイスシティの登場人物をス●イダーマンやスー●ーマン、ウ●バリンなどに代表されるアメコミヒーローに書き換えた『GTA:ス●イダーシティ』などが挙げられるが、現在は更にバージョンが増加して、某人気忍者漫画のキャラに書き換えた『GTA:SHINOBI WORLD』や、登場する車が某ゲームの車種にソックリ書き換えられた『GTA:ニード・フォー・スピード』、データ改竄により、削除された要素が全て復活し、無敵かつ無法の最強プレイが楽しめる『GTA:サンアンドレアス2』、マップ全てが豪雪に覆われた『GTA:サンアンドレアス SNOW』、そして究極は、サンアンドレスの主人公CJをニコ・ベリックに書き換えてしまったPS2版『GTAIV』あたりになると、もはや何がなんだか理解できない地平に到達してしまっている。
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 これはもはや単なるブートレグを超えた「オリジナル海賊盤」という、世にも奇妙なジャンルの誕生である。データ改竄ソフトは他にも確認されたが、種類の多さではGTAがダントツのトップだった。これがアジアの現実だ。筆者は、自分の知らない文化圏で生まれたゲームソフトを求めて洋ゲーにドップリとハマったが、まさか今更こんな世界が誕生しているとは、話には聞いていても、この目で確かめるまでは信じられなかった。地球は広い! そして世の中には、まだまだ自分の知らないゲーム文化が存在すること知り、その認識不足を深く反省した次第。ちなみにサパーンレックで売られている海賊盤ソフト全てに共通している注意事項がある。これらのコピーROMは、GTAに限らずコピー作業がいい加減なために焼きミスがあっても平気で売っている。起動できないROMも多いので、本気で遊びたいなら同じソフトを複数購入する必要がある。されど1枚50バーツ。日本でならペットボトル飲料1本分の値段なのだから、保険としてはお安いリスクと断言できる。

 また、サパーンレックはタイ全土および周辺国で販売されている海賊盤ソフトの供給源であり卸問屋の集合体である。よほど大量に購入しない限り値引きには応じないし、値引きしてくれるほど大量に買ったら間違いなく税関で没収される。もしも、である。もしも買うのであれば、あくまでもジョークの範囲内に留めておいてほしい。どのみち買ったところで普通のハードでは起動できるわけもないので、買うこと自体がギャグなのだが、きちんとリスクも考慮してこその大人の買い物であることを承知していただきたい。これはあくまでタイのお話。旅先の思い出として残しておきたい1ページにすぎないのである。

 そしてまだまだ電脳珍道中は続く。次回更新はサパーンレックにほど近い超絶無法フリーマーケットであり、某人気戦場カメラマンが「もしも〜カメラや機材が盗まれたら〜、ここに来れば〜買い戻すことができます〜」と語っていた本物の暗黒市場"クローントム"に突撃! 土曜の夜なら24時間営業! 絶滅したかに思われた時代遅れのソフトやハードも現役で販売中! 他にもアレもコレも何でもかんでも、買えないモノは人の心ぐらい(それさえも何とかなりそうな気がする)という狂乱の泥棒市場潜入レポートをお届けします!
 乞うご期待!
 MAGICAL SUPER THIEF ASIA!!!!!!!!!!!!

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|13:00

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