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マスクド刑事の『L.A. NOIRE』密着24時!(後編) 刑事たるもの、革靴が磨り減って履けなくなるまで捜査しろ!

2011/07/07 (木曜日)

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A DARK AND VIOLENT CRIME THRILLER !!!!!!

 前編に引き続き、マスクド刑事が『L.A. NOIRE』を語り倒す後編に突入! 記念すべき日本版発売当日の更新なので、今回はロサンゼルスの歩き方および市警としての心得、捜査のイロハなど、ゲームにおける実践的な部分について報告したい。
 前編では、筆者のいつものスタイル……即ちゲームを巡る周辺文化や、そこに秘められた思想やメッセージについて論説を展開したが、やはりゲームは遊んでナンボの世界である。まずは『L.A. NOIRE』の世界に飛び込まなければ話にならない。しかし、『L.A. NOIRE』はオープンワールドであっても『GTA』シリーズとは全く違うゲームである。もちろん『RED DEAD REDEMPTION』とも違う。 あくまで基本はアドベンチャーゲームであり、推理と思考をフル回転させなければ何も解決できない厳しいルールがある。何よりも自らの足で証拠を探し、証言を集め、追い詰めて捕らえた犯人を尋問しなければならない。オープンワールドだからといって、それが「何でもアリ」という世界ではないのだ。それを根本から理解しなければ、永遠に出世できないだろう。


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 その意味においては、これまでのROCKSTAR GAMESのタイトルとは大きく違うテーマをもって作られている。それは主人公コール・フェルプスが、「正義の味方」であること。それと同時に、コールは太平洋戦争に従軍した帰還兵であり、沖縄戦によって絶望的なトラウマを植え付けられ、その過去に苦悩する1人の人間という設定が重要だ。こういった影のある人物像は、ここ数年間に発表されたROCKSTAR GAMESのタイトルにおける主人公全てに共通している。かつて名うての侠客として恐れられたが、家族を守るために改心したにも関わらず、血なまぐさい世界に引き戻された『RDR』のジョン・マーストンしかり、セルビア内戦と政情不安に巻き込まれ、アメリカに逃亡して再起を図ろうとする『GTAIV』のニコ・ベリックしかり、である。複雑な過去を持つ主人公たちは、自らの過去を断ち切るために現在目の前に立ちはだかる問題を必死に解決しようとする。時には非合法な手段を用いてでも……。だが、コールは違う。心の闇を抱えながらも、彼は正義を貫くために生きようとしている。そのために悪は徹底的に容赦なく暴き、捕らえ、追求して告発し、然るべき社会的制裁を受けさせる。『GTAIV』と『L.A. NOIRE』の違いは、ズバリ「追う者と追われる者」の違いなのである。


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 「追われる者より追う者のほうが強いんじゃ……」とは、日本が世界に誇る傑作任侠映画『仁義なき戦いー第1部ー』における、松方弘樹演じる山守組若頭・酒井に向けて、出所早々にヒットマンを命ぜられた菅原文太演じる広能昌三が放った名台詞だが、『L.A. NOIRE』で最も重要なファクターは、まさしく「追う者の強さ」なのだ。
 だからこそ、ゲーム内で緻密に再現された1947年のロサンゼルスでは、警察官としての正しい行動が重要視される。信号を守らない無謀運転で通行人を跳ね飛ばしたり、あたり構わずクルマを盗んだり、街中で意味もなく銃を乱射することは許されない。むしろ、そういう連中を逮捕するのが役目であるからして、クルマが必要な時は盗むのではなく警察手帳を見せて「借りる」手続きを踏まねばいけないし、犯人がいないところでは銃を抜く必要性もない。信号を守らなければ左右から一般車が突っ込んできて衝突事故を起こすし、捜査中に一般人をクルマで跳ね飛ばしたり、標識や街路灯を破壊したりすれば被害届が報告され、上司や人事部からの評価が著しく下がってダメ刑事の烙印を押される。ルール無用の快感を味わいたいのならば、いますぐ『L.A. NOIRE』ではなく『GTAIV』にディスクを入れ替えたほうが良い。しかし、ルールを守ることもまた、ゲーム性として重要なファクターであり、無法を繰り返すことより守るほうがよっぽど難しいことを思い知らされるのが『L.A. NOIRE』におけるゲームデザインなのだ。同じオープンワールドでありながら、非常に緻密で繊細なプレイを要求され、それをこなすことが快感に変化して、プレイヤー自身が悪の道から更正したような気分になるのが、本作から与えられる最大のカタルシスではないかと、筆者は理解している。


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 では、プレイにおいて具体的に注意すべき点とは何か? ルールを守ることは、意外と簡単だったりする。パトカーを思いっきり飛ばしたければサイレンを鳴らせばよい。対向車も通行人も協力的に避けてくれる。無闇に鳴らす必要はないが、選任事件以外にも、ロスの市街ではそこかしこで路上犯罪が発生し、警察車両を運転中は常に無線連絡が入る。その時こそコールの出番だ!サイレンを鳴らしてアクセルを踏み、時には逆走してでも現場に急行する姿は、まさしくアメリカンポリス! もしも運転に自信がなく、被害総額が増えるのを心配しているなら、それはそれで解決策がある。バディ(相棒)に運転を代わってもらえば良いのだ! 新米刑事のくせに偉そうな態度だが、バディは文句を言ったり言わなかったりしつつも運転してくれる。おかげで今月も無事故だったと上司に報告できそうだ。  ただし、カーチェイスだけは自分で運転しなければならないが、うまく犯人のクルマを追い詰めればバディが助手席から射撃の腕前を披露してくれるだろう。タイヤをパンクさせてパトカーを体当たりさせれば一件落着。距離を詰められなくても、サイレンを鳴らしてしつこく追えば、犯人は焦って自らアクセルを踏みこみ、誤って路面電車と正面衝突してくれることもある。諦めこそが最大の敵なのだ。


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 路上犯罪において留意すべきことは他にもある。例えば銃撃戦。武装強盗などが頻発するアメリカン・バイオレンス(※山本又一郎プロデュースによる同名ドキュメント映画を知ってる人には座布団百万枚差し上げたい)な街であるからして、時には容赦なく犯人を射殺する必要がある。もちろん正統防衛なので、銃撃戦になったらガンガン撃ちまくったほうが良いのだが、そこで最も危険なのが"誤射"。間違えて仲間の警官を殉職させたら即クビになってしまうので、くれぐれも銃撃戦の際には同僚警官のポジションに注意を払いたい。また、防弾チョッキなども無い時代なので、コールは生身の人間としての生命力しか持っていない。しっかり物影にカバーしなければ、殉職して二階級特進間違いなしで、ゲームは終わってしまう。死なない限り問題はないので、時に慎重に、時には大胆に犯人と撃ち合う度胸が必要だ。太平洋戦争帰りの意地の見せどころである。


 運転や銃撃戦をくぐり抜けたら、次は本格的な事件捜査だ。上司からの指令を受けて現場に急行すれば、そこでは陰惨な殺人の跡を目の当りにすることになる。そこでハンカチで口を押さえて吐き気を催すようなら、いますぐ辞表を提出したほうが宜しい。しかし、死体は証拠の塊である。まずは実況見分中の監察医(この監察医に会う度に、ロス疑惑事件の時に日本のワイドショーに頻繁に登場したトーマス・ツネトミ・ノグチ監察医を連想してしまうのは俺だけか?知らない人はウィキペディアで今すぐ調査!)に事情を聞き、死亡推定時刻や凶器を割り出す。死体をじっくり観察し、何か手がかりが残されていないか調べまくる。現場の周囲に散乱する、一見するとガイシャとは何の関係もなさそうなアイテムでも、よくよく見れば重要な証拠だったりする。周りの警官や相棒が見つけてくれるわけではない。自らの足でソレを発見し、分析することが重要だ。もし物証が現場のあちこちに散らばっていて、全てを発見するのが難しいなら…最後の手段ではあるが…"虫の知らせ"を発動させるというテクもある。ただし、これは本当に最後の手段。無闇やたらに発動させると肝心な時に自力で解決しなければいけなくなるので、なるべく地道に捜査したほうがよい。時間は十分にある。ガサ入れでも殺人現場でも要領は同じ。全ての証拠を見つけるまで諦めないことが肝心なのである。

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 現場も捜査し、ガサ入れも完了。後は犯人を逮捕するだけ……そんなタイミングで容疑者が帰宅し、刑事の姿を見るなりダッシュで逃走されたらどうするか? もちろん追いかけるのだが、とにかく容疑者は捕まりたくない一心で逃げる。パイプをつたって屋上に登り、ビルからビルへとジャンプする。コールも負けじと追い詰めるが、パイプをつたってる時に接近しすぎると、蹴り落とされて大きく距離を稼がれる場合もあるので、こういう時に深追いは禁物。平地であればダッシュで追いついてタックルで捕縛できるので、容疑者の動きに注意しながら確実に追い詰めたい。発砲許可が降りている場合には威嚇射撃もできるが、実はコレ意外と狙いどころが難しいので、容疑者の逃走ルートを見極めながら狙いを定めるよう心がけたい。
 時には逃げ切ったと思われる容疑者が物影で待ち伏せしてクローズラインをぶちかましてくることもある。マップを見れば待ち伏せを見破ることができるので、危険を察知したら余裕を持って徒歩に切り替え、そこから肉弾戦に突入しよう。ボクシングの要領でガードして殴り返すのが基本だが、この時に帽子を落とさずに勝利すれば男っぷりが上がる。それが男の身だしなみってもんである。
 無事に容疑者を捕らえたら、署に連行して尋問の開始だ。ここからが『L.A. NOIRE』の最も重要なゲームシステムに突入するワケだが、これより先は読者諸兄の胆力と頭脳が試される場面だからして、敢えて筆者は指南しない。指南してしまえば、アドベンチャーゲームとしての最大の楽しみを奪うことになってしまうからね。諸君の健闘を祈る、敬礼!


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 オープンワールドでありながら、緻密な頭脳ゲームによる駆け引きを同梱した次世代のアドベンチャー『L.A. NOIRE』。単に用意された事件を解決するだけでなく、今後配信が予定される様々な追加シナリオによって、その世界は無限の広がりすら感じさせる。100%クリアまでの道程は険しく遠いが、そこを目指さなければ意味がない。だから最後にもう1点だけアドバイスしておこう。
 「クルマは片っ端から乗れ!」
 それだけで100%までの工程がだいぶ短くなる。登場する95種類全てのクルマを乗り回すまでゲームは終わらないが、この関門にこそ『GTA』の魂が存在する。まさしく「三つ子の魂百まで」。クルマ収集こそオープンワールドの、そしてROCKSTAR GAMESならではのゲームデザインなのである。さらに付け加えるならば、OPTIONの項目から切り替え可能な"BLACK & WHITE"モードの存在にも触れておかねばなるまい。
 そもそも本作の時代の記録は白黒写真が大半。カラー撮影の技術は当時の最新鋭として軍が独占していた。つまり、現存する当時の資料のほとんどが白黒写真であり、映画も当然白黒。全てがモノクロで統一された当時の様相が、実は現代と変わらない色鮮やかな世界だったところまで細かく、彩り豊かに再現されている部分こそが、実は『L.A. NOIRE』の最も誇るべき作り込みなのである。だからゲームを一度クリアしたら、やり残したことがあるCASEはBLACK & WHITEモードで再挑戦してみてほしい。それこそが、本当のノワールの世界。モノトーンの中で繰り広げられる熱い人間ドラマを、是非とも体感してほしいものである。

 DETECTIVE PHELPS, GOING MY WAY !!!



©: 2011 Rockstar Games, Inc. ※画像はすべて海外版のものです。

投稿者 マスク・ド・UH : 2011年07月07日 14:10

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