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Banned in Japan!! 宇宙からのダイイングメッセージ『DEAD SPACE 2』

2011/02/08 (火曜日)

絶命異次元2!!!!!!!!!!!!!
 世界には、どんなに傑作でも諸事情により日本で発売されないゲームが存在することは、このブログでも書き続けてきた。だが、いまや大抵の洋ゲーはローカライズされ、修正したりしなかったりで、とにかくリリースはされる現在は、ひと昔前と比較すると相当恵まれた環境にあるといえる。しかし! その数こそ少なくなったが、上陸を果たせないタイトルがいまだあるのも事実。その筆頭が、EAが放つ超絶ゴア系サバイバルホラー『DEAD SPACE』だ!
 リドリー・スコットの出世作にして、SFゴシックホラーの傑作として名高い『エイリアン』('79年)をベースに、ゲームデザインは『バイオハザード4』を深化させ、奥深い物語とヤリ込み要素満載で2008年のハロウィンに合わせて北米リリースされた『DEAD SPACE』。その中身は、それはそれは凄まじいものだった。ここでその物語を軽く補足しておこう。
 2509年。人類は地球上の鉱物資源を採掘し尽くし、新たなる資源を求めて宇宙にまで探索を広げる。なかでも日本系企業のUSG石村は、その貪欲な営業姿勢でライバル企業を圧倒。次々と独占採掘を開始する中、採掘試験中だった石村所属の宇宙船<イージスVII>が。通信機器の故障で航行不能というSOS信号を発したまま消息を絶った。救助に向かったのは宇宙船修理のエキスパートであるエンジニアのアイザック・クラークと仲間たち。恋人であるニコルが医療班としてイージスVIIの船内で働くアイザックは、彼女を救うために旅路を急ぐが、到着してみればイージスVIIは既に壊滅状態。船内は謎のエイリアン<ネクロモーフ>たちに占領され、生存者は1人もいなかった。SOS信号は、さらなる獲物を求めるエイリアンの放った罠だったのだ! 乗組員の死体に寄生して増殖する凶暴なエイリアン軍団の攻防を退けながら、アイザックは唯一生存してると思われる恋人を探すために、巨大母船の修理を開始するが、そこには恐るべき陰謀が隠されていた……!
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 なるほど。その物語はまんま『エイリアン』である。しかし『エイリアン』の影響を受けたゲームは多いが(『エネミー・ゼロ』とか)、『DEAD SPACE』は設定からゲームデザインからグラフィックまで群を抜いている。黒幕が日系企業という部分や、謎の惑星から発掘された<マーカー>と呼ばれる巨大オブジェに秘められた呪い。そして次々と人間の死体に寄生することで無尽蔵に誕生する異形のエイリアン<ネクロモーフ>の気色悪すぎる造形。そんな恐怖と対峙する主人公アイザックもまた、カッチョいい宇宙の戦士などではなく、肩書き的には単なるエンジニアというブルーカラーな労働者。ジョン・カーペンターの『ダークスター』のダラしない宇宙船操縦士を彷彿とさせ、残虐描写ではポール・バーホーベンの『スターシップ・トルーパーズ』真っ青のゴアゴアなグラフィックが炸裂するゲーム展開は、それはそれは恐ろしく、かつ凄まじい。
 なかでも強烈なのがアイザックに襲いかかるエイリアンのルックスである。寄生した宿主である人間の面影を残しながらも、まるで『遊星からの物体X』さながらにグチャグチャに変身したルックスは「きめぇ」の一言に尽きるのだが、そんな気色悪い連中が神出鬼没でアイザックを襲撃。頭部、両手、そして両足をバラバラに切断しないかぎり死なず、腕一本の状態になっても這いずりながら攻撃してくるんだから恐ろしすぎる。そんな悪夢のようなゲームが、いま再び我々の前に立ちはだかるのだから、これはもう事件である! 本作を取り上げずして、何がMAD GAMERか! と、俺は1人宇宙(そら)に向かって叫んだね。
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 今年の1月25日に北米リリースされた『DEAD SPACE 2』は、前作よりも大幅にスケールアップを果たし、主人公アイザックもまた再び悪夢そのものの戦いに巻き込まれていく。
 イージスVIIの惨劇から3年……。石村の採掘宇宙船から命からがら脱出したアイザックは、宇宙空間を瀕死の状態で漂っているところを救出され、土星の衛星タイタン近くに建設された巨大な宇宙コロニーに収容される。しかし重度のPTSDにより認知症を患っていたアイザックは、コロニー内で拘束されて執拗な尋問を受けていた。その最中に、イージスVIIで発生した恐るべき事態が現場から遠く離れたコロニーにも侵蝕を始め、拘束されたアイザックの周囲は阿鼻叫喚の修羅場と化す! 恋人ニコルの幻影に悩まされるアイザックは、侵蝕を開始したネクロモーフ軍団、そして諸悪の根源となった遺物<マーカー>の謎を解き明かすために再び立ち上がるのだった……!
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 採掘用の宇宙船から一転して、舞台が巨大な宇宙ステーションになった『DEAD SPACE 2』は、ゲーム序盤からいきなりクライマックスのような盛り上がりを見せてくれる。新武器や新コスチュームも追加され、謎の宗教施設や住民たちの居住区、幼稚園から学校まで様々なステージで血で血を洗うネクロモーフとの壮絶バトルが繰り広げられる。特に注目したいのがスケールアップした物語で、なんとXBOX360版は2枚組! 謎が謎を呼ぶ展開と、新種のネクロモーフを相手にタップリ長時間遊べるのだが、難易度が高いと普通によく死にまくるゲームなので、折れない精神力が大事。でも、アイザックの死亡シーンが実に多種多様なのも魅力の1つであり、状況や敵に合わせた死に様が何十パターンも用意されている。死に様を味わうのも『DEAD SPACE』の世界観を構築する重要な要素なのだ。幸い、ゲームを一度クリアしてしまえば、クリアデータを引き継いで難易度を変えて再挑戦できる仕様なので、実績やトロフィーの解除を狙うために何周もプレイしたくなる。
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 とくにプレイを繰り返したくなるのは、成長要素の存在だろう。アイザックの装備する宇宙スーツや各種武器はPOWER NODEと呼ばれるアイテムを入手すれば、改造作業台BENCHを介在することでパワーアップが可能となっている。しかし、単純なレベルアップではなく、複雑な成長ツリーを埋めていくことでパワーアップの順番が決まるため、中途半端に振り分けると武器に込められた真の威力を発揮できないまま、強敵と対決するハメになる。やはり育成は計画的に進めないといけないのは、RPGのソレと非常に近い。かくいう筆者も初見プレイの段階で全体の約半分ぐらいまで進んだあたりで成長ツリーの振り分けを完全に間違えていたことに気づき、そこまでのプレイ経過を捨てて最初からやり直しを決意したほどである。
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 その結果を踏まえてアドバイスをするとすれば、パワーアップは初期装備の武器<プラズマカッター>が最優先。MAXまで成長させれば終盤まで頼れる強力武器になる。宇宙服のレベルアップは体力増強とダメージ耐性を優先し、酸素残量は最後でかまわない。余裕があればサブ武器としてマシンガン並みの連射が可能な<パルスライフル>の所持をオススメしたい。アイザックは十字キーに振り分け可能な4つの武器を同時に持てるが、そのぶん弾丸も複数種類を所持しなければならず、アイテムボックスが埋まりやすいのが難点。少なくとも1周目はプラズマカッターとパルスライフルだけでもクリアは可能なので、様々な武器の威力を試すなら2周目以降が望ましいだろう。
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 『DEAD SPACE 2』は、パート1と同様に激しい人体損壊描写が売りのゲームであるからして、そういった描写がNGの日本市場では発売が非常に難しいし、またその破壊描写をマイルドにすることはゲームのプログラムを根幹から変える必要があるため、欠損表現を削除したローカライズも不可能といえる。そうなると日本版の発売は限りなく無理なのだが、筆者は別にそれで構わない。洋ゲーの、実に洋ゲーらしい部分を残したタイトルは、最初に述べた通り、ほとんどの洋ゲーが普通にローカライズされる今となっては貴重な存在だ。リージョンはフリーだし、攻略に行き詰まったらYOU TUBEに海外から投稿された攻略動画が手助けしてくれる。何も困ることはない。あとは阿鼻叫喚のSF地獄絵巻に身を投じるだけで良いのだ。
 制作スタッフ全員が『バイオハザード4』をフェイバリットとして挙げている通り、『DEAD SPACE』シリーズは日本のサバイバル・ホラーゲームを手本に作られた洋ゲーである。その遺伝子を感じ取るか取らないかで、『DEAD SPACE』に対する印象は変わってくるだろう。とにもかくにも、いま最もHOTなゲームは『DEAD SPACE 2』であることは間違いない。その臨場感、緊迫感、そして死んだ感を味あわずして、洋ゲーの"今"を語ることはできないのである!  BRING THE TERROR TO SPACE !!!!!!!!!!
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投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|01:10

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ZOMBIES GO WEST!! 『RED DEAD REDEMPTION: UNDEAD NIGHTMARE』

2011/02/03 (木曜日)

ZOMBIES GO WEST !!!!!!

 超久々の更新DESTROY!! 年末年始はスッカリ別枠の『Fallout: New Vegas』プレイ日記に全力投球しすぎて、本チャンブログの更新が疎かになっていたことを素直に謝りたい。マジごめん! というわけで、筆者が単身で魔都ニューヨークに突撃取材したロックスター・ゲームス開発部門副社長ダン・ハウザー氏インタビュー以来の更新ネタは、実は全然そこから地続きの話題だったりする。そう、日本版の発売を目前に控えた、あのタイトル……『RED DEAD REDEMPTION: UNDEAD NIGHTMARE』だ!
 この度、めでたく配信版と共にパッケージ版もリリースされる本作は、既に北米では配信済みだった3本のオンライン対戦用ダウンロードコンテンツに加えて、全く新規で制作された追加シナリオエピソードが、誰もが驚く<西部劇・ミーツ・ゾンビ>という超ブッ飛びの内容だった!
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 その良い意味での"期待の裏切り"具合が、相変わらずタマラないR★だが、その中身もゴーイング・マイウェイ! ストーリーは『RDR』本編をクリア済みである人であれば、確実にのけぞるパラレル・ワールドが展開するのである。思わず「こんなんアリか?」と我が目を疑うが、ナシをアリにしてしまうのもまたR★流。しかし今回、このインプレッションを執筆するにあたって、最も留意したのは「本編をクリアしていない人にとっては、かなりのネタバレになってしまうのではないか?」という部分であり、少なくとも本編を未プレイの人が、いきなり『UNDEAD NIGHTMARE』から『RDR』の世界に触れるのは、正直いかがなものかと思う。それほどブッ飛んだゲームなのである。 だからといっては何だが、願わくばこのブログを読む人は『RDR』クリア済み、もしくはプレイ中である人であることを望みたい。『UNDEAD NIGHTMARE』は、あくまでも追加シナリオであるからして、やはり本編をタップリとプレイしてから挑んでほしい。注意点はそれだけ。前置きが長くなってしまったが、早速本題に入ろう。
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 『UNDEAD NIGHTMARE』は、お馴染みの主人公ジョン・マーストンと、その家族が平和に暮らしているところに、いきなり生ける屍が襲いかかる嵐の夜からスタートする。なぜ死者が突然甦ったのか? そこに明確な説明もないまま、次々と襲いかかるゾンビ軍団! 最愛の家族までゾンビに感染してしまい、途方に暮れたマーストンは解決策を求めて町に繰り出すが、そこはすでに死者の世界。生存者たちは建物に籠城し、ゾンビの侵攻を防ぐべく銃を乱射している。マーストンの良き協力者だった友人たちも次々とゾンビに襲われ倒れていく中で、マーストンは生存者を救出しながら孤独な戦いを強いられるのだった……。
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 同じ時代、同じマップ、同じ登場人物が織りなす物語でありながら、その実まったく別のストーリーが味わえる本作では、ゲームシステムにも大胆な変更が数多く加えられている。その中でも、まず一番大変なのは弾丸や武器の確保だ。ゾンビ軍団が押し寄せる状況下では、当然ながら武器屋も絶賛休業中。弾丸の補充ができないのは<死>に直結する問題なので、最初は弾探しで苦労することになるのだが、この「弾丸数制限」が実にゾンビゲームらしいゲームデザインとなっており、大量のゾンビ相手にするには弾数が微妙という緊迫感はゾンビ映画、そしてゾンビゲームのお約束ともいえる(『バイオハザード』シリーズがその筆頭)。R★は、お約束を守る漢のゲーム会社なのだ!
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 そして、お約束も大事だが『UNDEAD NIGHTMARE』では他社のゾンビゲームでは有り得ないクリーチャーも多数登場する。その筆頭が、ダン・ハウザー氏インタビューでも話題に登った<ゾンビ馬>の存在。マーストンの愛馬がゾンビに襲われて死ぬと、荒野のどこかでゾンビ馬となって甦り、マーストンのところに戻ってくるのだ。もちろんそれだけで終わるはずもなく、広大な西部のマップの彼方此方に、伝説のゾンビ馬が生息していたりする。しかも何頭も! 全身から炎を吹き出す馬や、毒ガスを巻き散らしゾンビを蹴散らす馬など、これまでの常識を覆すモンスター級の馬に乗らずして『UNDEAD NIGHTMARE』は語れない。もちろん捕獲の際はロデオで飼いならそう!
 さらに付け加えるなら、ゾンビ化するのは馬だけでは終わらない。平時には狩りの獲物として荒野に生息していた各種アニマルたちも、漏れなくゾンビ化しているうえに、飛んでる鳥は屍体を貪るハゲタカばかり。狼も猪も、そして最強アニマルの熊までがゾンビと化しているから始末が悪い。当然、脳天を狙い撃ちしなければ死なないので厄介極まりないのだが、この徹底したゾンビ化現象によってゲームの難易度は急上昇。ただ撃ちまくっているだけでは生き残れない絶妙なバランスも、『UNDEAD NIGHTMARE』の魅力なのである。


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 これだけでも、もうお腹一杯という状況だが、これで終わらないのがR★のスゴイところである。またまたダン・ハウザー氏がインタビューで語っていたことを思い出してほしい。

「オープンワールドには、単純に善と悪を配置するだけでは不完全だ。常識では説明のつかない人物や現象も織り交ぜる必要がある」

 その発言は本作でもバッチリ反映されている。何しろゾンビとは全く違う、まさしくモンスター級の敵まで登場しちゃうのである。その筆頭が<ビッグ・フット>と<チュパカブラ>だ! 誰もが一度は耳にしたことがある怪奇生物であり、一般にはUMA(Unidentified Mysterious Animal)と呼ばれるファンタジックな存在。有名どころではネッシーや雪男、日本だったらツチノコや河童だが、そんな文字通りのモンスターまでもがマーストンの前に立ち塞がるのだから、このゲームは本当にヤバい! ビッグ・フットに至っては、超有名な記録映像パターソン・フィルム(註:1967年に北米カルフォルニアの山間部において、元カウボーイのロジャー・パターソンが偶然撮影したとされるビッグ・フットの証拠映像。しかし発表から現在まで真偽を疑われている)まんまの姿で走り去るんだからタマラない! 西部劇ファンやゾンビ映画ファンだけでなく、UMAファンまで取り込んでしまう懐の深さが素晴らしいではないか! チュパカブラに関しても同様で、現代の神話ともいえる二大モンスターを臆面も無くゲームに登場させる心意気を評価したい。遭遇するまでには、それなりに時間がかかるが、ヤツらを探すためだけに森林を探索したくなる。そう、マーストンはパターソンでもあるのだ!
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 いささか興奮してしまったが、本題に戻ろう。『UNDEAD NIGHTMARE』には、上記のように実に様々な要素がテンコ盛りに詰まっているのがお判りいただけたであろう。あとはひたすらプレイしてもらうしかないが、最後に本作に込められた文化的背景についても触れておきたい。
 そもそも、R★がゾンビゲームを作るのは初めての事態である。これまでR★はゾンビゲームに対して関心が薄かった。かつてサム.ハウザー社長は、「ゾンビは動きが遅くてゲームの敵としては退屈だ」と語っていたし、ダン・ハウザー氏もまた同様の発言をしている。しかし、西部劇にゾンビを盛り込むという発想は、R★的には<アリ>だった。なぜなら、そんなゲームは今まで存在しなかったから。

 じゃあ、元ネタはあるのか? 映画とか? と思うだろうが、実はゾンビ&西部劇という映画もほとんど無い。あっても超B級だ。筆者が知る限りでは、『ゴーストタウン』('88年/アメリカ/エンパイア・ピクチャーズ)とか、『インディアン・ゾンビ 死霊の詰め合わせ』('85年/アメリカ)、もしくは『ゴーストライダース』('87年/アメリカ)ぐらいしか思い当たらない(それだけ思い当たれば充分だというツッコミもあるが)。しかし、いくつかの使い古された要素を組み合わせ、新しいコンセプトに仕立て上げる手法は、B級娯楽映画の王道でもある。『UNDEAD NIGHTMARE』もまた、見事にその手法を継承しているのではないだろうか。その裏付けとして、マカロニウエスタンとゾンビ映画の関係性にも言及せねばなるまい。  1960年代中盤から映画市場に登場したイタリア製の偽西部劇は、その後の約10年間で黄金期を謳歌するが、70年代後半より急速に衰える。しかし、マカロニウエスタンで仕事をこなした多くのイタリアの職人映画監督たちの娯楽映画魂が死に絶えることはなく、ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ DAWN OF THE DEAD』(1979年)の登場を期とする、1980年代に世界中を席巻したゾンビ映画ブームにイタリア映画界が呼応。その結果、多くの傑作が輩出されることになる。そのブームの底上げに貢献したのが、ダリオ・アルジェントとルチオ・フルチだ。

 ダリオ・アルジェントといえば『サスペリア』に代表されるジャッロ映画(殺戮サスペンスものを示すジャンル名)の名手だが、実は下積み時代には西部劇や戦争映画のシナリオライターとして活躍していた。その頃の代表作には、仲代達矢が主演を果たした異色のマカロニウエスタン『野獣暁に死す』(1968年)があり、DVDも発売されているので興味のある方は要チェックだ(そんなに面白い映画ではないけど)。さらにアルジェントは、ロメロの『ゾンビ』では共同プロデューサーとしても名を連ねているのも見逃せない。
 そしてルチオ・フルチ! フルチといえば超グロ系スプラッターゾンビ映画『サンゲリア』(1979年)を筆頭に、『ビョンド』(1981年)、『地獄の門』(1980年)、『墓地裏の家』(1981年)といった残虐ゾンビ映画を世に送り出した、ゾンビ映画のマエストロ。そのフルチもまた、監督デビュー当時はマカロニウエスタンを撮っていった過去がある。フランコ・ネロ主演による『真昼の用心棒』(1966年)は、内容的には大して面白くもない作品だが、アクションと残虐描写に関しては早くもフルチ趣味が全開。60年代という時代を差っ引いても余りあるゴアな殺しの連続に、その才能の片鱗が見え隠れしている(この2人のエピソードは比較的有名なもので、この2人以外にも数多くの職人監督たちが、マカロニブームが去った後、ホラー/スプラッター映画ブームに便乗して路線転向を果たしている)。西部劇とゾンビの関係性を語るには、十分すぎる歴史的事実ではないだろうか。
 ついでに、余談ではあるが本作の海外版予告編映像のスタイルも凝りに凝っている点にも触れておこう。筆者の印象では、そのスタイルは1960年代にドライブINシアター向けの低予算クズ映画を数多く送り出したアル・アダムソン監督のB級ゾンビ/モンスター映画の予告編のスタイルに酷似しており、非常に興味深い。オドロオドロしい効果音やナレーション、大げさなキャッチコピーとショッキングな描写の連続は、B級映画感を狙ったR★の確信犯的な演出ではないかと睨んでいる。ちなみにアル・アダムソンは日本では無名に近い存在だが、海外ではエド・ウッドJr.と並ぶクズ映画監督として(悪い意味で)カルト人気を誇り、それなりに再評価もされている。また、完全に蛇足情報だが、アル・アダムソン監督本人は'95年に自宅近くで他殺死体で発見されたという。自宅の風呂場を改築した際に、リフォーム業者の大工と口論になり、怒った大工に殺されたらしい。マジかよ……。
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 そして最後に、ダン・ハウザー氏がインタビューで語っていた言葉を、今一度思い出してほしい。

「1970年代の映画スタジオを想像してもらえると解り易いかもしれないね。昼間は上質の西部劇を作り、夜はB級ゾンビ映画を作っているような感じだね。」

 ゾンビ映画と西部劇の親和性を表現した『UNDEAD NIGHTMARE』のコンセプトは、映画界の裏面史をゲームに盛り込むことで完成したといえるだろう。まさしく発想の勝利であり、そのコンセプトは歴史的事実に裏打ちされている。これこそR★の真骨頂ではないだろうか。あまたのサブカルチャーを貪欲なまでにゲームに取り込むという、発想の時点での自由度の高さこそR★の強みである。ぜひとも、そのブッ飛んだ世界に身を投じてほしい。
 あなたの知らない西部劇の世界が、そこに確実に存在するのだから!
 UNDEAD NIGHTMARE!!!!!!!!!!!!!!

(C)2005-2011 Rockstar Games, Inc.

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|22:01

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