GO! BLOODY SUMMER !!!!!!!
と、威勢良くスタートしてみたが、実に一ヶ月近くブログを更新してなくてホントすみません! でもコレには理由があるんです! 去年の夏も似たようなことを書いた記憶があるけど、夏って季節はマジで洋ゲーの新作が少ない! 7月〜8月のサマーシーズンは、まるで北米市場全体が夏休みにでも入ったかのように、パタリと新作リリースが止まるので、毎年のことながら執筆のネタ選びに苦労するハメになる。実際のところ、執筆候補に挙がったタイトルは幾つかあったんだけど、許諾諸々の事情によりレビューを断念したり、そうこうしているうちに自分の仕事が、かつてないほど忙しくなってゲーム遊んでる時間が日々削られたりと、ただでさえ熱い夏が余計に熱く苦しくなる状況にはホントに苦労させられたッス!
というワケで、久々の更新となる今回の題目は、スクウェア・エニックスより直近で日本版発売が迫っている新作洋ゲー『SINGULARITY(シンギュラリティ)』(以下、『シンギュラリティ』)に決定! もちろん筆者がプレイするのは北米版なので、日本版とは色々と細かく差異があるのだが、注目すべき部分は何も過剰表現に限った話ではないので、まずはプレイした率直な感想とか、あらすじとか、その他ナイスなポイントについて触れてみたいと思う。
まず最初に断言しておきたいのは、『シンギュラリティ』の開発を担当したのが、悪名高きRAVENであること!(リリースはACTIVISIN) 悪名といっても、我々洋ゲー者にとっては美談に等しい称号であることは書くまでもない。RAVENといえば、あの極悪非道残虐無類な戦場FPS『ソルジャー・オブ・フォーチュン』シリーズを世に送り出し、最近ではX-MENシリーズでありながらも、あんまりのゴア描写炸裂に日本版が見送りとなってしまった『X-MEN ORIGINS:WOLVERINE』が記憶に新しいところ。とにかくゴア! そしてド派手! 細かいことは抜きにドッカンドッカン敵さんをやっつけようぜ! なんて意気込みがDVDーROMイメージに焼き付けられているようなゲームばかりを世に送り出しているという、全くもって見事なデベロッパーだと誉めておきたい。
それでは、RAVEN最新作『シンギュラリティ』とは、如何なる内容なのか?
物語の舞台となるのはロシア領内に存在するが、海図に載っていない孤島。そこでは政府機関による謎の研究を目的とした巨大施設が建造されていたが、ある日突発的な事故により爆破崩壊。その情報をキャッチした米軍は、すぐさま島に特殊部隊を派遣し、情報の収集及び探索に乗り出すのだった……。
現地に派遣された特殊工作部隊のメンバーであり、本作の主人公でもあるテストパイロットのNate Rancoは、孤島に隠された恐るべき実験の残骸を目の当りにする。島では"E99"と呼ばれる特殊な鉱石物質が発掘され、その物質に秘められたパワーを利用すれば、時間軸を自由に操作できるという研究が旧ソ連時代から続けられていたのだ! しかし実験は完成目前で失敗し、島全体が異常な時間軸に包まれてしまったために、爆発事故が発生したのだった。廃墟となった施設に残された残骸には、おぞましい記憶が封じ込められており、その思念の導きによって、Nateは時間を操作できるパワーグローブTMDを入手して脱出を試みるが、それは更なる悲劇の始まりにすぎなかった。特殊部隊の上陸を知ったロシア政府が、暗殺部隊を送り込んできたのだ!
時間も空間も飛び越えた究極の戦いの果てにあるのは一体何か!? その謎を探り尽くすまで、Nateの戦争は終わらないのだった……。
ゲームデザインの核となるのは、やはり時間軸を操作できるTMDの存在。右手には各種銃火器を装備し、左手のTMDでオブジェクトの移動や破壊、時間の早送りや巻き戻しなどを行えるのだが、早い話が『バイオショック』における特殊能力"プラズミド"と同じ感覚である。時間操作は単なる効果ではなく、TMDをアップグレードさせることで生身の人間相手に攻撃できたりするのがポイント。1発当てれば老化で死去して、2発当てれば老衰を通り越してゾンビ化! 3発当てればゾンビが自爆して周囲の敵もろとも破壊する(もちろん近くにいれば自分もダメージを受ける)。このへんの成長要素と使い分けが面白く、アクションの幅を大きく広げているのだ。
もちろん攻撃だけでなく時間操作も重要。たとえば錆びて朽ち果てたドラムSF缶にTMDを当てれば、在りし日のガソリン満タンなドラム缶が復活!それを敵にブチ当ててもろとも破壊! なんて芸当も可能だし、橋や扉が壊れて通行不能な箇所を時間軸の巻き戻しで復活させてルートを切り開いたり、意外な場所に隠されたアイテムをゲットするのに重宝する。難点は、時間操作できるオブジェクトやアイテムが決まっており、時間操作の利点を小規模にまとめてしまっているところか?
ちなみにFPSとしての完成度は、『ソルジャー・オブ・フォーチュン』と、ほぼ同じである。カバーアクションや隠れ撃ちなどは一切できず、敵の攻撃を逃れるには物影でじっとしゃがんでいるしかない。だからといって出来が悪いかというと、そういう問題ではない。そもそも本作はリアリティを追求しているゲームではないのである。その証拠としては、旧ソ連の科学者が開発したという設定で登場する様々なトンデモ武器。弾丸の軌道を微調整できる銃を使えば、敵を複数同時に倒すこともできるし、液体窒素のドラム缶に当てれば爆発と同時に敵が凍り付くなど、マンガチックな攻撃が可能。両手で持つには、いささか大きすぎるガトリングガンや、転がっていく方向をラジコン感覚で指定できるグレネードランチャーなどなど、どこかコミカルな銃火器が多いのは、本作が根本的な部分でSFアクションであることを示唆しているように思える。
もちろんRAVENお得意の人体破壊描写も北米版には健在。自動追尾銃で敵の急所を木っ端みじんにした時の快感は、それはそれは凄まじいものがある。もちろん無くたって構わない演出だが、そこを敢えて作り込むRAVENに乾杯! しかも敵の種類は異常にバラエティに富んでおり、旧ソ連時代の兵士や第二次世界大戦時代の米兵、
もちろん現代のロシア特殊部隊もいる。そして時間軸異常によって近未来から駆けつけたエイリアンやミュータントやゾンビといったモンスターが入り乱れて主人公に襲いかかってくるんだから、呉越同舟にも限度があるってもんです。とりあえず目に入った動くモノは全部敵だと思ったほうがいい。味方してくれる人々も何人か登場するが、彼らは狂言廻しでしかない。最終的な運命は、自分の手で切り開かなければならないのだ。
洋ゲー不作の季節にドロップされた『シンギュラリティ』は、パッと見は地味な印象かも知れないが、『バイオショック』や『METRO 2033』といったデストピア系アクションシューターが好きな人は間違いなくレコメンドできるタイトルである。難易度も高く、攻略にはそれなりに時間がかかるだろうが、プレイする十分に価値はあるタイトルだと思う。筆者は北米版ばかり遊んでいたので、いまいちキチンと物語を理解してないので、日本版がリリースされたら、もういっちょプレイする気マンマンなのだった。