ROCK YOU!!! WE'RE FROM VIDEOGAME!!!
これまで2回に渡って驚異のメガヒット音楽ゲーム『ROCK BAND』の魅力、そしてプレイした者をトリコ仕掛けの明け暮れ(BY TAKASHI NEMOTO)にしてしまう魔力について散々書き殴ってきたが、やはり文章や動画だけで伝えるのは限界があるのではないか? と、本ブログ記事担当編集者・ミル吉村に相談してみたら、「じゃあ、イベントやっちゃいましょう!」と意外な方向に話が発展。
過去に筆者が関わったイベントといえば、我が洋ゲー盟友・須田剛一氏と共に主催した"洋ゲー不法集会"ぐらい。しかもそれも2年前の話である。筆者の極端なアンダーグラウンド思想により、最初は地下集会を目指して恵比寿の今は亡き某ブックカフェにてヒッソリと開催した4年前(もう4年も経ったんですか!)第1回洋ゲー不法集会も、世間に洋ゲーが受け入れられ、洋ゲー人気そのものの高まりに押されて2年前はギロッポン(編集部註:六本木のコトです)にて大々的に開催された第2回洋ゲー不法集会において多くの観客を迎えたことは、嬉しい反面で隔絶の感もあり複雑な心境だったのも事実。
そこで今回は"BACK TO THE BASIC"をテーマに再びアングラ路線でイベントを敢行しようと思い立った次第。もちろんテーマは『ROCK BAND』の生演奏ならぬ生プレイ! そして『ROCK BAND』のライバルでもあるACTIVISIONの『ギターヒーロー』シリーズの最新作にして、そのゲームデザインをガラリと変えて新たなリズムアクションゲームのデザインに挑戦した異色作『DJ HERO』(もちろん日本未発売)を、これまた生でプレイしてしまおうという企画が速攻で実現してしまった。それが、過日7月16日に開催された"FOREIGN VIDEOGAME ROCK FESTIVAL 2010" なのである。今回はこのブログで、イベント開催までの経緯と、当日の白熱した会場レポートを執筆させていただく。
会場に選んだ場所は、自由が丘の歓楽街にそびえ立つ雑居ビル。そこには
レオパルドン高野くんが経営するDJバー"ACID PANDA CAFE(以下、アシパン)"があるのだ! ちなみに1階はラーメン屋、2階はパチンコの景品交換所という最高なテナントが入居する物件の3階にあるアシパンは、以前は中国古式按摩を売りにした違法風俗店の居抜き店舗だったというから、もう何から何まで最高である。MAD GAMERブログのイベントスペースとして、これほど根拠はないけど由緒正しい物件は他にないと断言できる!
問題は、そこで何を披露するか、である。そもそも『ROCK BAND』というゲームは、実際にプレイしている場面、しかもバンド編成でプレイしなければ、その面白さを伝えるのは難しい。動画サイトなどでゲーム画面だけを鑑賞しても、真の魅力が伝わるとは思えないのだ。やはり、ライブハウス並みの爆音の中で演奏し、観客と一体になってこそのROCKである。そこには爆音とリズムに身を任せるプリミティブな衝動とスリルが混在し、それをビデオゲームというツールを使って本物のアーティストと同化することで得られる快感と表現できなければイベント、もといライブをやる意味がない。筆者は日常的に『ROCK BAND』をプレイする数少ない同士を集めて即席バンド"MASK DE UH AND THA NASHVILLE ZODIACS"を一夜限りのつもりで結成して前日に猛練習することで、なんとかライブの体裁を繕うことにしたが、それがイベントのメインでは、決してない。我々はオープニング・アクトに過ぎないのだ。
ではメインは誰か? 担当編集ミル吉村が召還したメインアクトは、なんとDJ HANGER! スクラッチ世界一に輝いた、今最高に熱いDJであり、無類のゲーマーとしても知られるDJ HANGERに、レコードではなく『DJ HERO』のターンテーブル型のコントローラーをコスらせようというのだ! マジありえねえ企画だと思ったね。しかし、それだけでも十分面白いが、『DJ HERO』には、『ギターヒーロー』シリーズと同様に対決モードが標準装備されているのを忘れてはならない。『ROCK BAND』の場合は、決して対決がメインではなく、バンドそれぞれのパートが本領を発揮して、どれだけ高得点が叩き出せるかが見せ場となっているが、やっぱゲームは対決してナンボの世界。その意味では『DJ HERO』のほうが確実に盛り上がると踏んだ。そこで筆者は、長年の付き合いにしてアンダーグラウンド・クラブシーンを共に楽しんだ良き仲間でもある変態DJプレイヤー、L?K?Oを召還! ここにDJ HANGER vs, L?K?Oという21世紀の激突!GAME KING大決戦が実現してしまったから、サァ大変。DJ界の二大スクラッチ名人の頂上決戦は、高橋名人 vs. 毛利名人の伝説の一戦を連想させるスターソルジャー・オブ・フォーチュン! どちらも『DJ HERO』を触るのは初めてという悪条件の元で、遂にイベント当日がやって来てしまった。
集客は約30人、その内半分は身内と関係者という予想通りのアングラな状況となった7月16日のアシッドパンダ・カフェ。うだるような日中の暑さが少々和らいだ夜19時30分にいよいよ洋ゲー・ロックフェスティバルが開幕!
トップバッターはMASK DE UH AND THA NASHVILLE ZODIACS。メンバーはワタクシMASK DE UHがベースを担当し、残りのパートはROCK BAND仲間の中で腕に覚えのある猛者を曲目によって入れ替えるという荒技で約45分のゲームプレイを乗り切ることに何とか成功。そのセットリストは以下の通り。
<MASK DE UH & THE NASHVILLE ZODIACS - Set List of ROCKBAND>
KUNG FU FIGHTING - CARL DUGLAS
BEAT IT ON DOWN THE LINE - GRATEFUL DEAD
TRUCKIN' - GRATEFUL DEAD
HIGHWAY STAR - DEEP PURPLE
THE PASSENGER - IGGY POP
FURTUNETE SUN - CCR
ENTER THE SANDMAN - METALLICA
MY GENERATION - THE WHO
FLIRTING WITH DISASTER - MOLLY HATCHET
GIMMIE SHELTER - THE ROLLING STONES
BLOOD RANE - SLAYER
CHAINA CAT SUNFLOWER - THE GRATEFUL DEAD
SEX MACHINE - JAMES BROWN
| MASK DE UH & NASHVILLE ZODIACSのROCK BANDプレイ。メンバーは左からメチクロ(ギター)、kanemi@(ドラム)、そして筆者(べ−ス)。全員初ステージの即席バンドである。 |
アンコールもやったような記憶があるけど順番は忘れた。大体こんな感じの曲目だったと思うが、今見ると節操ねぇな。この日のために臨時で引っ張ってきたヘルプメンバーのバカテクギタリスト・ぷるみえ君のEXPERT MODEのギターソロに会場は大盛り上がり! 筆者は元々リアルにベースプレイヤーだった過去があるが、その時の手癖でどうしても小指でフレットを押さえられないため、どんな曲でもMIDIUM MODEが限界なのだが、ドラマー(なぜか2人とも女性)は難なくHARDをクリア。筆者の盟友でグラフィックデザイナーのメチクロ君もガンガンHARDでギターを弾きまくる。Oi Oi すげぇなみんな!
| HARD & EXPARTモードに対応して編成チェンジ。メンバーは左から、ぷるみえ(ギター)、みるこ(ドラム)、そして筆者。ぷるみえ氏のバカテクは会場を一体化させたが、実は彼氏も人前でプレイするのは今回が初めてだったりする。 |
| ギターはROCK BAND専用の標準モデル、フェンダー/ストラトキャスターモデルを使用。もっとも使いやすいと評判で、カラーバリエーションも若干存在する。 |
決して広いとは言えない、もっとハッキリ言えば"狭い"アシパンカフェ内も、気付けば満員の人だかり。前座としては、まずまずのプレイができたので、我々はここで終了して、いよいよメインアクトのDJ HANGER VS. L?K?Oの『DJ HERO』対決の開始である。が、その前に『DJ HERO』とは一体いかなるゲームであるのか、軽く解説しておこう。
| 『DJ HERO』をデモプレイするブログ担当編集者にしてイベントの仕掛け人でもあるミル★吉村。 |
『DJ HERO』は、そのタイトル通り『ギターヒーロー』シリーズのDJ版である。専用のターンテーブル型コントローラーを操作して、スクラッチ、クロスフェーダーを駆使しながら本物のDJと同化できるプレイを目指したゲームデザインとなっており、特にスクラッチというテクニックの再現を重視しているのが、これまでのリズムアクションゲームと大きく異なる点である。
そしてクラブではお馴染みのDJ同士による対決、いわゆるスクラッチバトルも完全再現しているのが本作最大の特徴で、2人のプレイヤーが、どれだけ多くの得点を稼げるか、見事なスクラッチを魅せるかで勝敗が決まるというシステムは、形は違えど『スター・ソルジャー』から脈々と受け継がれるゲーム対決のスコアバトルと同じであり、ゆえに盛り上がること必至。実際、北米では『DJ HERO』にもアーティストとして参加しているEMINEMとJAY-Zが、XBOX LIVEでマジ対決するというイベントも開催されており、これを見た筆者と担当編集者ミル吉村は「これは負けてらんね〜」と、特に理由もなくライバル意識を剥き出し、今回の招聘&対決が実現したという次第。
| 実際のDJも登場する。『DJ Hero 2』よりスクラッチの神様Qバート | 『DJ Hero 2』よりDeadmau5 | 『DJ Hero 2』に出る予定のTiesto |
夜21時から開始されたDJ HANGER VS. L?K?Oの『DJ HERO』対決は、出だしから前夜に影練(秘かに練習する行為。本来は格闘ゲーム用語だが、敢えてここでも使う)したというL?K?Oが一方的にリード。対するDJ HANGERは、スクラッチ世界王者の名に相応しい超絶スクラッチを魅せてL?K?Oを牽制するも、『DJ HERO』を触るのは当日のリハが初めてというハンデが災いしてL?K?Oに点差を付けられてしまう。3本勝負X2というマッチメイクの中、果たしてHANGERに勝利の女神は微笑むのか?
| 白熱するL?K?O(左)とDJ HANGER(右)の『DJ HERO』対決。操作する手つきを見る限りでは、本物のターンテーブルをコスってるようにしか思えないのがスゴイ。 |
| ターンテーブル型コントローラーを巧みに操る2人。両者ともゲームに精通しており、その感覚は常人のソレを越えている。DJにしておくのはもったいない。 |
DJ HANGER VS. L?K?Oの『DJ HERO』 SET LIST
SCRATCHING THE SURFACE
Bobby "Blue" Bland Ain’t No Love In The Heart Of The City VS Connie Price & The Keystones Fuzz And Them
Daft Punk Robot Rock VS Queen We Will Rock You
Jean Knight Mr. Big Stuff VS Masta Ace Born To Roll
DJ JAZZY JEFF PRESENTS
The Aranbee Pop Symphony Orchestra Bittersweet Symphony VS LL Cool J Rock the Bells
Tears For Fears Shout vs Eric B & Rakim Eric B Is President
Cypress Hill Insane In The Brain VS David Axelrod The Edge
結果から報告すると、残念ながらHANGERはL?K?Oの普段と変わらないトリッキーなDJプレイに翻弄され、惜しくも敗北。ゲーマーとしては嵐を呼ぶ負けず嫌いとして高名なHANGERは本気で悔しがり、雪辱を晴らすためのリベンジ戦のために『DJ HERO』購入を決意した模様。一方のL?K?Oは憎たらしいくらい余裕しゃくしゃくで、得点として加算されないエフェクトをかけまくったり、コントローラーを片手で掲げてプレイしたりと影練の成果を魅せていたのがバカバカしくて最高だった。試合の結果、リベンジ戦がマッチメイクされるのは確実っぽいので、今回見逃してしまった皆さんも、またこのド熱い勝負を観戦できるチャンスはある! 続報を期待して待っていてほしい。
| ギリギリの攻防が続くも、勝負はL?K?Oの勝利に終わる。DJプレイよりも画面に釘付けになる観客が続出した好勝負となった。 |
以上、結果的に奇跡のイベントに終わった"洋ゲーロックフェスティバル"のレポートである。来場してくれたお客さんには、いま日本では最もレアで、なおかつ熱い洋ゲーの真の魅力を堪能してもらえたかと思う。まだまだアンダーグラウンドなイベントではあるが、規模としてはこのぐらいがちょうど良い気がする。ゲームが好きでロックが好き……もっと言えば、洋ゲーが好きで洋楽が好きという方々には、コレ以上はないほどオススメできるイベントだったと思う。願わくば、今回取り扱ったタイトルが日本でローカライズされて、もっと多くの人にこの魅力を知ってほしいと思う次第である。