STELTH HAS COME !!
最近プレイした洋ゲーの中で、一見地味だけどキラリと光るサムシングがあったゲームはなにか? と尋ねられたら、筆者はズバリ『VELVET ASSASSIN』と答えるだろう。派手な描写が連続する期待の洋ゲー超大作と違って、あまり日本には情報が伝わってこなかったタイトルだが、往年の洋ゲーにありがちな"死んで覚える洋ゲー魂"も健在の、かなり硬派な仕上がりには久々に唸ったね! では一体どんなゲームなのか?
『VELVET ASSASSIN』は、第二次世界大戦中に実在したというイギリス軍直属の女スパイ"バイオレット・サマー"が主人公。女スパイが主人公というだけあって、ゲームデザインは薄氷を踏むようなセンシティブな操作が要求されるステルス・アクションとなっている。ナチスドイツ軍占領下にあるパリを舞台に、指令された奪取案件を求めて、1人でイカついドイツ兵がウヨウヨしている基地や拠点に侵入する緊張感はハンパではない。そして多くのステルスゲームがそうであるように、本作もまた敵に発見されたら、ほぼ瞬殺という冷酷非情なシステムを踏襲。よってプレイ開始直後の操作やシステムを把握していないうちは、死んで死んで死にまくる、まさに"死んで覚える洋ゲー魂"に相応しい苦労をすることになるだろう。
しか〜し! 鼻歌を歌いながら特定の巡回ポイントしかウロウロしないドイツ兵は、よく観察すれば愚鈍な連中ばかり。中には裏でサボって酒を飲み、スッカリ出来上がってる不届き者までいやがる。それさえ見極めてしまえば、あとはベルベットのように滑らかな殺人ショータイムの開始だ! 背後から忍び寄り、ナイフで喉笛を切り裂いて心臓もグサリ! 余裕がある時はサイレンサー付きのコルトで司令官の後頭部をブチ抜いても構わない。とにかく敵の行動パターンさえ覚えてしまえば、パズルゲームの要領で順番に敵を葬っていけば任務完了となるワケだ。 この敵ナチス兵がまた、やたらと人間くさい側面を見せたりするから油断ならない。鼻歌を歌うだけでなく、くだらない噂話に聞き耳を立てていたら重要機密を漏らしてくれたり、仲間が次々と始末されていても、死体さえ片付けてしまえば異変に気づかず、また鼻歌で巡回を続けている(笑)。
そんな連中は毒ガスで満たされたドラム缶に照明弾を撃ち込んで全員お掃除してしまうのも可能だが、敢えて1人づつおびき出して倒すのに挑戦するのも可能。ステルスゲームではあるが、このへんの自由度が比較的高いのも面白い。
さらに本作独特なのが禁断の必殺技"モルヒネ"。超強力麻酔薬として知られるこのクスリは、ステージでは決まった本数しか入手できないが、こいつを摂取するとアラ不思議! バイオレットの周囲がお花畑に包まれ、下着姿でスキップしながら敵をザックリ倒してくれるのだ。コレってもしかして色仕掛け? さすが女スパイ! 使える武器は何でも使いますね〜。
しかし潜入→暗殺だけ繰り返せば良いというゲームではなく、時にはナチスの女幹部に変装して、敵だらけの中を涼しい顔して突破しなければいけない。敵は怪しむかもしれないが、背筋を伸ばして堂々と日陰を移動すればバレないで潜入できるし、腕に余裕があるなら全員倒してしまうのもアリ(かなり無茶なのでオススメはできないが)。倒し方もステルスだけでなく、ド派手な銃撃戦や、敵兵が持っているグレネードのピンを背後から接近して抜いてしまい、そのまま井戸端会議に戻らせて全員を爆殺! なんてこともできるから色々試したくなる。
STELTH HAS COME !!
『VELVET ASSASSIN』をプレイして感じたのは、2009年は“ステルスゲーム元年”だというコト。昨年リリースされた日本が世界に誇る最高峰ステルスアクション『メタルギアソリッド4』の影響力は甚大で、今年は海外大手パブリッシャーから続々とステルスゲームのリリースが予定されているのは見逃せない現象といえる。開発途中に、ほぼ全てを作り直したという『スプリンターセル コンヴィクション』を筆頭に、やはりナチス占領下のパリを舞台に活躍するレジスタンスが主人公の『Saboteur』や、ステルス盗賊ゲーム久々の続編『THIEF 3』、バットマンが『ダークナイト』級に暴れまくる『Batman: Arkham Asylum』など、ハイデフゲーム市場は空前のステルスブーム到来! ともいえる状況に突入しているのだ。『VELVET ASSASSIN』は、その先鋒として登場した渋めのアクションゲームとして筆者の脳裏に刻み込まれ、かなり遊ばせてもらった。こんなにステルスゲームを遊んだのは『MANHUNT 2』以来かも。どんだけ遊んだかといえば、すでにXbox 360版の実績解除が1000に到達するほど、である。
スキルのアップグレードや攻略ルートの構築など、ステルスゲームでありつつヤリ込み要素も満載。ゴア表現も残虐(馬乗りになってメッタ刺しとか)なので、男臭い戦場の銃撃戦に飽きた人にはオススメのアクションゲームといえるかもしれない。 ちなみに本作を開発したReplay studioという会社は、ドイツの新進気鋭のデベロッパー。ドイツ国内開発というだけあって、言語は基本ドイツ語というのも珍しい。北米産のバイオレンスゲームとは、また違った雰囲気を楽しめるという意味でもオススメのタイトルといえるだろう。
ドイツ語、女スパイ、そしてモルヒネと、一風変わったゲームデザイン満載の『VELVET ASSASSIN』。まさにセクシー&バイオレンスな洋ゲーとして、ナチスドイツ幹部のような薄気味悪い笑顔でレコメンドしておきたい。
STELTH HAS COME !!
©2008 Replay Studios, All Rights Reserved. Velvet Assassin is a Trademark of Replay Studios, All Rights Reserved. ©2008 Gamecock Media Group