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オレとゲームとジェームス・ボンド〜『007/慰めの報酬』

2009/03/30 (月曜日)

 BOND IS BACK !!
 幼少のみぎりから、ド派手なアクション映画が大好物だった筆者にとって、「ダブル・オー・セブン」という響きは特別なものがあるんだよね。とにかく家族総出で映画館に行くことがあれば、それは必ず『007』の新作を観に行くという立派なレジャーであり、その習慣はスッカリいい大人になった今でも続いている。そしてもちろんゲーム化されれば、必ず遊ぶ! 007ゲームの最高傑作として名高い、懐かしのニンテンドウ64『ゴールデンアイ 007』なんて、一晩に何度遊んだかわからないほどハマった。FPSとして完成されたゲームデザイン、歴代ボンドキャラ全員集合のマルチプレイ対戦モード、スナイパースコープをのぞきこんだ時のドキドキ感、その全てが完璧にボンド映画への没入感を追求した結果であり、日本では爆発的ヒットとはいかなかったけれど、水野晴郎と浜村淳が共演したCMは個人的にはグッジョブとして評価してますよ。

Quantum_of_Solace_-_Spa_ambush
Quantum_of_Solace_-_Siena
 この時にボンドを演じていたのは5代目のピアーズ・ブロスナン。もともと濃い顔ではないのでポリゴンにすると微妙に似てない感じだったが、ハードの進化によって『007 ナイトファイア』(プレイステーション2)では日本版のみ伊東美咲(のポリゴン)と共演を果たすなど、過去10年のボンドゲームにおいて大活躍。さらに初代ボンドのショーン・コネリー主演で名作『ロシアより愛をこめて』(プレイステーション2)もゲーム化され、憧れのコネリーを操作してジェットパックで空中散歩など、映画のケレン味をタップリ再現していて最高だったね。ちなみにジョージ・レイゼンビー(2代目)、ロジャー・ムーア(3代目)、ティモシー・ダルトン(4代目)に関しては、まだポリゴン化されていない。いつか『大乱闘007』なんてゲームが作られて、薄命ボンドも全員ポリゴン化されてほしいと願います。閑話休題。

 そして2008年。『007カジノロワイヤル』にて、6代目ボンドを襲名したダニエル・クレイグになって初のボンドゲーム『007 慰めの報酬』が遂にXbox 360/プレイステーション3に登場! もはやポリゴンは“激似”から“本人”のレベルに進化し、ゲームは映画本編と遜色ないアクションシーンを再現することで没入感もアップという、至れり尽くせりの状態に突入したのは間違いない。
Quantum_of_Solace_-_Venice_pursuit
Quantum_of_Solace_-_Casino_Pool
 ゲームは『カジノロワイヤル』と最新作『慰めの報酬』のストーリーを合体させた内容となっており、ゲーム1本で映画2本分のボンドになりきれるというオトクな仕様。ゲームシステムは、基本FPSだけど、物陰にカバーする時にはTPSになる『レインボーシックス: べガス』のような感じ。アクティビジョンのタイトルなので、『コール・オブ・デューティー4』のゲームエンジンといえば解りやすいかな。
 FPSのボンドゲームということで、ロクヨンの『ゴールデンアイ』再び! と喜んでいたが、さらなる新要素「テイクダウン」が加わって、ここまで忙しくボンドを操作するとは思ってもみなかった。「テイクダウン」は敵に接近した時に表示されるコマンドをタイミング良く押すことで敵を一撃で倒すシステムだが、これが映画のまんまのエグい打撃で倒してくれるから爽快感バツグン。調子に乗って何人もテイクダウンしようとすると、接近する前に蜂の巣にされるので多用は禁物だが、困った時にはテイクダウン! コレだけは覚えておきたい。
Quantum_of_Solace_-_Takedown
Quantum_of_Solace_-_Explosion
 さらにFPSなのにスニーキングミッションがあり、これがまた焦る焦る。こんなに接近してバレないものかとヒヤヒヤする場面もあるが、タイミングさえ合えば通過できるんだから、敵の見張りも相当なマヌケ野郎である。
 スニーキングに加えて監視カメラのハッキングも重要。コレやらないと警備兵に発見されて蜂の巣にされる。あと、侵入時のピッキングはミニゲームだったり、ステージごとにヒントが隠された携帯電話やスペシャル武器が用意されているので、それらを集めるのも大事なボンドの仕事。ときには街中でチンピラと追っかけっこ。ときにはオフィスで殴り合い。そして要所要所で大銃撃戦を展開して、本当に隠密か? と思うぐらい、ド派手なスパイ活動という矛盾プレイを楽しんでいるが、テクニックがあればボンドらしく冷静に立ち回ることも可能。もっともっと練習を積んで最高難易度に挑戦するぐらいの腕前にならないといけない。
Quantum_of_Solace_-_Shanty_Town_explosion
Quantum_of_Solace_-_Science_Center_exterior
 プレイした感想としては、ボンドらしさ(似ているかどうか)は歴代ゲームの中で最高レベル(できればモッコリ海パン姿のボンドも見たかった)。ゲームプレイも快適で、FPSとしてもボンドゲームとしても高水準の出来である。もちろんシネマゲームとしての映画再現度も高く、今後もこの水準でボンドゲームが作られていくかと思うと感慨深い。007好きでシネマゲーム好きの人になら間違いなくオススメできるが、それ以外の人は、まず映画を観賞して、それから遊ぶのをオススメします。この手順、没入感を煽るという意味でも結構大事なんでね。
007_RACING


 ちなみにオレの一番好きなボンドゲームは、エレクトロニック・アーツからプレイステーションでリリースされていた『007 Racing』(日本未発売)という作品。そのタイトル通り、登場するのはボンド本人ではなく、歴代のボンドカーが総出演で何でもありの妨害レースに挑むという基本的な設定がイってるゲーム。どのボンドカーもオイルを撒いたりミサイルを発射するので大混戦は必至という『ビジランテ8』か『ツイステッドメタル』と変わらない大味極まりない仕上がりにはグッときたね!
 今度は次世代機でボンドカーのゲーム、よろしくお願いします!
BOND CAR IS BACK !!


Quantum Of Solace © 2008 Danjaq, LLC, United Artists Corporation, Columbia Pictures Industries, Inc. 007 TM and related James Bond Trademarks © 1962-2008 Danjaq, LLC and United Artists CorporationAll Rights Reserved. 007 TM and related James Bond Trademarks are trademarks of Danjaq, LLC licensed by EON Productions Limited. Game Code © 2008 Activision Publishing, Inc. Activision is a registeredtrademark of Activision Publishing, Inc. All Rights Reserved.

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|23:18

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世界最高峰のアクションゲーム、遂にDSに降臨! 『GRAND THEFT AUTO: CHINA TOWN WARS』

2009/03/17 (火曜日)

 Death Smack!!!!!
 クライム・アクションゲームの世界最高峰であり、最も刺激的なタイトルとしても名高い“キング・オブ・Z指定”こと『グランド・セフト・オート』シリーズの最新作が、遂にNintendo DSに登場! 
『GRAND THEFT AUTO: CHINA TOWN WARS』(以下『GTACTW』)は、シリーズ初のDS版として本日17日に北米及び欧州で発売された。それを記念して最速インプレッションを執筆。日本では、この情報自体が正直あんまり知られていないのが不思議だが、とにかくこのDS版『GTA』は面白すぎてヤバいんだよ! 遊びすぎで充電がすぐ無くなっちゃうんだよ! 寝床にまで持ち込んじゃってるよオレ、どうしよう……というぐらい完成度が高いのだ。

gta_ctw_logo_ai_jpgcopy
 と、興奮冷めやらぬ状態で本題に入る前に、まずはDS版リリースまでのシリーズの歴史を整理しておこう。『GTA』シリーズはプレイステーション2やXBOXなど、家庭用据え置き機のためのゲームという印象が日本では強く、携帯ゲーム版としてはPSPの『GTA:リバティシティ・ストーリーズ』および『GTA:バイスシティ・ストーリーズ』の2タイトルが日本でリリースされているのだが、実はゲームボーイ・カラーの頃から盛んに移植されていた歴史は意外なほど知られていない。最初の『GTA』(PS1)を移植したGBC版を筆頭として、『GTA2』も移植。さらにゲームボーイ・アドバンスのみのオリジナルタイトル『GTA Advance』なんてのもあり、その展開は多彩極まりないのだが、携帯ゲーム機版の『GTA』シリーズはPSP版以外は、これまで一度も日本版リリースされてなかったりする。
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Chaingun_Assassin_tif_jpgcopy
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 そして今回の『GTACTW』である。GBA版のリリースが2004年なので、実に5年ぶりの任天堂携帯ハードへの登場、しかもDSの機能を最大限に活かした完全新作なんだから恐れ入る。果たしてどのようなシステムで我々をピカレスクロマンに導いてくれるのか!?
 『GTACTW』の舞台となる街は、お馴染みのリバティーシティ! しかもマップの広さは『GTAIV』と、ほぼ同じ! さすがにフリーカメラではないものの、3D化された市街地を徒歩やクルマで移動するのは変わらずで、カメラアングルは旧『GTA』の“真上からの俯瞰視点”を踏襲した、斜め後ろ上視点となっており、移動する主人公もしくはクルマを追跡するようなスタイルでアングルが調整されている。タッチスクリーン画面はPDAとなっており、メールやマップ、ラジオ局の切り替えや進行中のミッション情報などがリアルタイムに切り替わりながら表示され、プレイヤーは上の画面を見ながらタッチ画面で情報を確認するというゲームデザインに仕上がっている。DS向けの完全新作だけにシステムは全てタッチペン操作が基準となっており、マップの目的地にタッチペンでナビルートを書き込んだり、豊富に用意されたミニゲームを攻略したりと新要素満載となっているのだ。
Soldiers plaza
Escorting Chan 2
 今回の物語の主人公は、中国からリバティー・シティのチャイナタウンに住む親戚に、ある遺産を渡しにやってきた中国人のリー青年。曰く付きの骨董品だった遺産を叔父であり、チャイニーズ・マフィアの顔役でもあるウー・ケニー・リーに渡すはずが、いきなり半殺しにされたリー青年。からくも死地からの脱出に成功したものの、無一文で密入国者となってしまったリー青年。この悪徳の街で生き抜くために、様々な非合法ビジネスに手を染めることになる。
 リー青年は、これまでのシリーズにおける、どのキャラクターとも違うバックボーンを持った主人公だ。中国系のマフィアは度々脇役として登場したが、主役級は今回が初。しかもやることなすことメチャクチャな男である。
 非合法ビジネスは、そのほとんどがタッチスクリーンを使ったミニゲームに絡めてあり、これがまたハマる。オレはミッションそっちのけで街角の宝くじ屋に通い詰め、スクラッチカードで現金ゲットにひたすらハマっていた。もちろんラジオ局も健在で、さすがに曲数は多くはないが、しっかり音楽も吟味されているのが素晴らしい(主題歌は少林寺の魂を持つラッパー集団、ウータンクランが担当!)。そして、警察とのチェイスバトルシステムも変化しているのも見逃せない。これまでは逮捕レベルを逃亡行為によって下げることで逃げ切れたのだが、『GTACTW』ではパトカーをタイミング良くクラッシュさせることで逃げ切るという、まるで『チェイスHQ』のようなシステムとなっているのだ。このへんの元ネタのチョイスは流石ですわ。
Playing Dumb
Chopper Down
 ミッションのボリュームは非常に多く、据え置き機版に引けを取らないボリュームで、ミニゲームやサイドミッションを合わせると百以上という膨大な量のミッションが用意されている。これはいつまでたっても終わらんですよ。
 もちろんミッションの内容も過激極まりなく、DSでここまでやって大丈夫なのか? と余計な心配もしてしまうのだが、最も売れているゲームが最も普及してるハードに登場するのは自然なことであり、また新しいファン層の開拓にもつながるのだから大歓迎である。しかもアドホック対戦(2人まで)も可能になっている!
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Driven_To_Destruction_2_tif_jpgcopy
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Recruiting_Drive_2_tif_jpgcopy
 『GTACTW』の日本版発売に関しては現時点で全くの未定だが、北米でもここまでDSで過激なタイトルのリリースは初の試みなので、今後の展開を見守りつつも、日本版ローカライズを期待したい。その内容からして、かなり困難な作業になるのが予測されるけど。信じていればきっと願いは叶う! 待ち切れない人は海外版をゲットしてしまえ! DSソフトはリージョンフリーなので敷居は低い。最大の敵は“英語テキスト”だが、そこは英会話でも勉強するつもりで乗り切ろう!
 それじゃあ、また中華街に戻ります。ブツを売りに行かないと叔父貴に怒られるんで。
Digging_for_Guns



(C)2007-2009 Rockstar Games, Inc.

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|22:10

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スタイリッシュ大虐殺! 『MADWORLD』で世界を殺せ!

2009/03/16 (月曜日)

 TOO MUCH BLOOD !!!!!!!!
 最近アレだよね、洋ゲーも完成度が高くなったせいか往年の過激さや馬鹿さ加減が足りない気がするんだよオレは。90年代から2004年ぐらいまでの洋ゲーって、ホント凶悪なタイトルが多かった。モラルへの挑戦というか、とにかくMATURE指定で販売が制限されることを逆手に取った超残虐な描写や内容のゲームが時折登場して、もちろん日本でリリースなんかされないから、海外版コンソールを持っていた一部の洋ゲーマニアさんしか遊んでいなかったし、そんなゲームを喜んで遊んでいると変態呼ばわりされたのも、今となっては懐かしい思い出ですよ。
 しか〜し! そんな変態洋ゲーマーである筆者のココロの琴線を激しく掻きむしるタイトルがドロップされた! しかも日本国産! なのに北米オンリーの発売! それもWii専用タイトルなんだから二度、三度どころか四度ビックリな事態、いや事件である。
 そのタイトルは『MADWORLD』。プラチナ・ゲームズ×セガによるビッグプロジェクトにおいて海外リリースのみがアナウンスされていたが、その時点で日本版発売は全く全然何も未定。目指すは「家族で楽しむ残虐エンターテイメント」ということで話題になったが、語るべきところはソコじゃない。本作には「いわゆる洋ゲーを日本人が本気で作ったらどうなるか?」という、これまでありそうでなかった壮大かつ実験的なアプローチが内包されているのだ。そして組織を率いる三並達也氏、稲葉敦志氏に代表されるこのクリエイター集団は、日本のみならず海外で真正面から勝負できるクリエイター集団であるのは間違いない。その挑戦の結果や如何に!?

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 『MADWORLD』のディレクター西河繁範氏は、本作がプラチナゲームズで初のディレクション作品となるわけだが、そのセンスはガイジンのソレを遥かに突き抜けた感があり、作品のメインテーマとなる「明るい暴力」をバッチリ表現している。 昨年5月にファミ通.COMに掲載されたプラチナゲームズの発表会記事で「コミカルなバイオレンス」という表現があったが、コレはまさしくアメコミそのもの。参考にしたどころか、完全にアメコミ独特のグルーヴや世界観、タッチなどを自分たちの糧にしてしまっている。グラフィックをパッと見ただけなら洋ゲーと勘違いしてしまうぐらい完璧だ。そしてそこで爆発するエクストリームな暴力描写の数々! 
 プレイヤーは“デスウォッチ”と呼ばれる近未来の殺人テレビショーに参戦して、そこのランカー保持者たちと退廃したステージで対決する。勝ち抜けば栄誉、負ければ死……そんな命がけの状況下でも単に相手を殴り殺せば良いというワケではなく、観客を楽しませなければいけない。だから殺り方にも工夫を凝らして観客の声援をゲットして高いポイントを稼がなければいけない。
 そこでタイヤやドラム缶などを敵に被せて動きを封じ、次に道路標識をひっこ抜いて首に突き刺して体力を奪い、最後に持ち上げて巨大な鋲の突き出た壁に投げ刺す、または叩きつけ刺す! この手順でハイスコアゲットォォオオ! もっとド派手に殺りたいなら、右手に装備したチェーンソーをブルンッと発動させてWiiコントローラーを横に振れば真っ二つ! 縦に振れば唐竹割り! 処刑コマンドが表示された瞬間に、対応する攻撃ボタンを押せば心臓ぶっこ抜きやジャイアントスイングで処刑完了! ボーナスゲームでは敵を次々を血祭りに上げて、またまたハイスコアゲット! 観客のボルテージも最高潮!!まさに“殺しのスター誕生!”の瞬間に立ち会えるのだ!
 OH YEAH ! TOO MUCH BLOOD !!!!!!!!!!!


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 しかし単なる残虐描写で終わらないのが、本作のゲームデザイン。サクサク敵を斬殺して進行するステージは、かつての和製アクションゲームの爽快感をきちんと取り込んでおり、操作感覚さえ身に付けてしまえば純然たるアクションゲームとしての作り込みを十分に堪能できるのだ。見た目はだいぶ違うけど『ビューティフル・ジョー』の魅せプレイに近いものがある。もちろん物語が「殺人テレビショー」なのも(筆者を含む)ゲームおっさん世代にはタマラない世界観だ。そう、『MADWORLD』は2009年の『スマッシュTV』なのである!
 『スマッシュTV』は1990年にアーケードに登場した洋ゲーだが、殺人テレビショー(合い言葉は「ビッグマネー! ビッグプライズ!」)に参加する賞金稼ぎを主人公にワラワラと出現する敵をパンチキックで肉ダンゴにしながら進むという根本的な設定が狂ったゲーム。それまでピースな世界のゲームを楽しんでいた日本のゲーマーの記憶にはベッタリとトラウマが塗り込められ、かくいう筆者も未だにゲームギア版を所持しながらXbox Liveアーケード版もダウンロード済みの名作中の名作である。つまり『MADWORLD』とは、最新版『スマッシュTV』である事実に異論を挟む余地はないだろう、たぶん。
 あと、カプコンの名作『シャドウ・オブ・ローマ』も北米版に限った話だが公開殺人ショーとしてのエッセンスが投入されているのも見逃せないポイントだ。北米版ではド派手な四肢切断技や、敵の生首を掲げて観客にアピールすると体力回復アイテムや強力な武器が投げ込まれるなど、色んな意味でパワフルなゲームに仕上がっていた。余談だが、筆者がアメリカのゲームショップにて『シャドウ・オブ・ローマ』を買おうとレジに持って行くと、店員に「お前、このゲーム買うのか? いいのか? これチョッピング・ミートだぞ!」と真顔で諭されたことがある。もちろんオレは笑顔で「チョッピングミートだから買うんだよ。日本版は違うからね」と返答すると、店員は満面の笑みを浮かべてオレにハイタッチを求めてきたね。YES ! TOO MUCH BLOOD !!
 おっと話が横道にずれてしまった。


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 しかし『スマッシュTV』のような残虐ショー的ゲームの系譜が途絶えていたワケでもない。海外では『キリング・ゲームショー』や『ピットファイター』のような似たような設定のゲームは続々と制作され続け、近年ではロックスター・ゲームズ開発による『MANHUNT』(日本未発売)が、その残虐度数の高さで話題を呼んでいた。『MANHUNT』はアクションゲームではあるが、そのゲームデザインは誤解を恐れずに書くと『メタルギアソリッド』に通じるものがある。ステルス&キルによって地道に、でも確実にスタイリッシュに敵を葬りながら進むので、爽快感よりも"死んだ感"のほうが遥かに大きい。殺害行為は全て変態で大富豪の映画監督によって隠し撮りされ、主人公は死刑囚で執行寸前に身柄を拉致された男という設定も生々しくて恐ろしい。欧州各国で発売禁止になったのもうなづける超ゴアな描写は“世界10大残酷ゲーム”のベスト1に輝くだけのことはある。
 そしてこれらのタイトルが全て洋ゲーだったので、「洋ゲーとは残酷で血がブシャーッと出るのばっかり」というイメージが定着してしまったが、別に間違ったイメージではなく、ホントにその通りなんだからしょうがない。


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コチラは『MANHUNT2』の画像。

 『MADWORLD』はリアル路線に突き進んでいった洋ゲーのゴア路線を、また昔のアクションゲームに戻してくれた。「ゲームなんだからゲームらしく楽しめる」。そんな基本的な部分を思い出させてくれるのだ。それでもゴア描写は最上級、しかもグラフィックは鮮血の赤を目立たせるためにモノトーンを基調としたアメコミタッチなので、気持ちが悪いとは思わない(個人差はある)。まるでフランク・ミラーの『シンシティ』に『北斗の拳』が合流したような、そんなイメージである。だってフランク・ミラーのコミックも相当残虐だな。『300』は生首飛びまくり、『シンシティ』だって超残酷シーン目白押しなのにコミックは大ヒットしてハリウッド映画化ですよ。でもフランク・ミラーは日本のマンガの影響をものすごく受けているのも事実。オリジンが日本にありながら、それが必ずしも評価にはつながらない……それもまた事実であり、その状況を逆手に取ったのが『MADWORLD』なのではないかと。
 もちろんアメリカ人には『MADWORLD』のプレゼンが馬鹿受けしたらしいので、狙いはバッチリだったといえる。何よりもゲームデザイン自体が良くできている。ただ残虐なだけではなく、日本人ならではのキメ細やかな配慮があることが純洋ゲーとの最大の違いではないだろうか。
 さらにWiiタイトルであることも奮っている。周知の通り、日本のWiiタイトルの多くは家族向けのファンシー系や、実用重視のシリアス系が占めている。それに比べて海外(特に北米)WiiタイトルはMATURE指定が多い多い!
 Wiiコントローラーに対応した『モータルコンバット』や『プリンス・オブ・ペルシャ』(残酷版)、『ゴッドファーザー』や『スカーフェイス』までリリースされており、まさかの続編『MANHUNT2』に至っては、あまりの残虐描写に修正を余儀なくされて発売日が大幅に延期された後に発売という逸話まである。また、オレの数少ない洋ゲー・ソウルフレンドの1人、グラスッパー・マニファクチュア代表の豪腕クリエイター、須田剛一氏の作品『ノーモア・ヒーローズ』北米版の存在も忘れてはならない。
 『ノーモア・ヒーローズ』北米版と日本版との最大の違いとは、画面が真っ赤っかになりキャラが見えなくなるほどの大流血&人体破壊描写の目白押しなことだろう。別に北米版が本気モードという意味ではなく、須田氏は日米のレーティングの格差を利用して2つのバージョンを作ったのが正しい解釈だ。そして殺人ランキングという設定も、突き抜けた暴力描写と共に『MADWORLD』と親和性が高いと感じる。プラチナ・ゲームズと須田剛一氏が密接な関係にあるのも偶然ではなく必然であり、日本から海外にゲームを発信する新たな潮流を作ろうというハードコアな意気込みが、そこに確実にあるのだ。


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 また北米版Wiiタイトルを日本で遊ぶには、北米版コンソールが必要という関門の高さも、往年の洋ゲーをプレイする際につきものだった制約を彷彿とさせる。リージョンフリーは最近のトレンドであり、洋ゲーの遊び易さは一昔前とは比較にならなく好転している。それなのにこの敷居の高さ! 時代に逆行しているとも思えるが、筆者のような変態おっさん洋ゲーマーにとっては探究心を煽られてやまないし、関門があれば越えたくなるのが男ってもんではないか。
 最後になってしまったが、『スマッシュTV』から『MADWORLD』に至るまでの過程には、避けては通れない映画が存在する。それが原作スティーブン・キング、主演アーノルド・シュワルツェネッガーで製作されたSFアクション『バトルランナー』だ。1987年の正月映画として日本公開されたこの作品は、設定はまんま『スマッシュTV』。荒廃した近未来のアメリカを舞台に、任務失敗で失業した元特殊部隊の男が、家族を養うために最高視聴率を誇る人間狩りエンターティメント番組“ランニングマン”に出演するというもの。立ちはだかる敵はオペラを歌いながらチェンソー片手に大暴れする“バズソー”を筆頭にクセものばかりでサイコーにPSYCHO! 最後は逆襲に出たシュワちゃんが番組の司会者をブッ殺して爽快にTHE ENDという娯楽映画にも程がある内容なのだが、この映画を期待に胸を膨らませて、お正月にわざわざ劇場まで足を運んだ筆者のココロには、映画鑑賞後にポッカリと大きな穴が空いていた……。
 『MADWORLD』は、その時筆者に生じたココロの隙き間を埋めてくれるトラウマ解消ソフトであり、日本から世界に放つ強烈なアジテーションなのである。つまり「お前らにできてオレたちにできないことはない」のだ!
 YES ! TOO MUCH BLOOD !! WE WANT MORE BLOOD !!!!

 あ、あと大事なことを書き忘れてました。『MADWORLD』の日本版発売は現時点では未定であります。日本のセガに問い合わせたりしないように!


(C)SEGA, the SEGA logo and MADWORLD are registered trademarks or trademarks of SEGA Corporation. Developed by PlatinumGames Inc. (C)2006 Rockstar Games. All rights reserved.

投稿者 マスク・ド・UH : パーマリンク|15:11

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