日本と海外の違いといえば。
倫理に関する考え方もかなり異なるようです。
海外で制作されたゲームは、暴力表現が
日本のスタンダードよりも高くなる傾向があります。
日本の倫理的許容範囲に収まるように、修正をすることもありますけど、
一方で、ユーザー様には、できるだけオリジナルの雰囲気を
感じていただきたいとも思いますので、悩むところです。
特に「身体欠損」という表現には非常に気を使います。
身体欠損とは体の一部が本体から離れる表現で、
一般的に「首ちょんぱ」(古)などを指します。
これらは製品のリリース許可を頂けない可能性もある、
非常に問題のある表現です。
アサシンはもともと攻撃による身体欠損は
組み込まれていなかったので、ホッとしていたのですが・・・
ある日、キービジュアルを眺めていて、腰が浮きました。
肝心カナメの主人公が・・・一部欠損していました。
薬指があらかじめ欠損しており、
そこに「仕込み刀を収納」しているという
キャラクターデザインなのは、皆さんもご存じの通り。
はたして、これリリースできるのか・・・と。
指の欠損は、かなり衝撃的な表現と言えると思います。
(いわゆる「指つめ」を連想させるかもしれませんし)
しかしゲームのストーリーの根幹にも関する
非常に重要な部分なので修正は考えられませんでした。
アサシン教団という神秘主義教団のメンバーにおける
通過儀礼としての指切断であり、薬指=結婚指輪をする指を失うことで、
家族を持たない苛烈なアサシンの生きざまを象徴しているのです。
結果として、ファーストパーティ様、レーティング機構様ともに、
この表現に関してストーリー的見地よりご理解を頂いたようで
主人公の指の欠損に関しては不問となりました。
一方で、ゲーム内の自由度の高さ、
特に一般市民を殺傷できるゲームデザインに関しては深く検討頂き、
ご存知のようにレートは「Z」となったわけです。
ええ、大人向けのゲームですが・・・何か。
暴力表現も含まれていますし、
3大宗教の聖地エルサレムを舞台としたストーリーは
複雑で大人でないと理解しにくい部分もあり、
妥当なレートになったのかな、と個人的には思っております。
おあとがよろしいようで。
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