ファミ通.com

ファミ通媒体メニュー



実録!オンラインゲーム人生記

オンラインゲーム人生記カテゴリ
実録!オンラインゲーム人生記のホーム

2007年10月24日

『鍛冶屋:ULTIMA ONLINE』

兎にしか勝てなかった衝撃の日からこっち、僕の精神はずっと『Ultima Online』(以下、『UO』)の世界に彷徨っていた。

否、いま思えば引退するその日までそうだったのかもしれないし、いまでもそこから抜け出てはいないのかもしれない。2007年も暮れかかったいまでさえ僕の心は簡単にあの頃のあの世界へと思いを馳せることができるほどなのだから。

文字どおりそこには別世界が確実に存在したのだ。

続きを読む "『鍛冶屋:ULTIMA ONLINE』" »

2007年02月21日

『心機一転:ULTIMA ONLINE』

衝撃の告白の翌日、結構お酒を飲んだ翌朝にしては意外なほど目覚めのよい朝。

理由や過程はどうあれ、好きなものは好き。そういう部分は僕はとてもシンプルに考えるタイプなのだ。そして感情に素直というかあまり自分を偽らないし気持ちも押さえ込んだりしない。善し悪しは別にして僕はそういう自分は気に入っていた。もちろんそれゆえ人を傷つけることもあるが、言葉にしなきゃ伝わらないこともある、というのが持論だった。結論から言えばこれは僕にとってとても必要な素養であったということになる。なぜならオンラインゲームでのコミュニケーションはそのほぼすべてを文字に頼らざるを得ないからだ。当然のことながら、言わなくてもわかってくれるはずとか雰囲気を読むという言外の意味を前提とするコミュニケーションの難易度は高く、言わなきゃ伝わらないというスタイルのほうがしっくりくるのである。

そうして僕は昨夜言葉を以て気持ちを伝えて、M子と付き合うことになった。

といってもすぐに何かが変わるわけではない。ただ、駅へと向う冬の朝の陽の光り、それに照らされる街の様子がいつもとは違ってとても輝いて見えたのも事実だった。


続きを読む "『心機一転:ULTIMA ONLINE』" »

2007年02月02日

『魔力:ULTIMA ONLINE』

翌日、失うものが何もなくなった僕は再びべスパー目指して出発した。とは言え、死ぬのも気持ちのいいものではないので海岸線はあきらめ街道を行くことにした。動物たちが冷ややかに僕を無視してくれる。新米冒険者にはありがたいことだ。意外にも旅は順調で、襲われそうなモンスターはまったく視界に入ることなく快適であった。

昨日よりも更に街道を進む。ところどころ廃墟みたいな砦があったり、おそらくは他のプレイヤーの所有物である家が立ち並んでいたりと歩いているだけで刺激的だった。地域で生えている草木も違っていたりする。これが階層とかエリアで箱庭が区切られずに、世界はずーっと繋がっている。この海の向こうあの山の彼方を想像して、さらに旅が旅らしいものに感じられる。だんだん楽しくなってきた。道すがら現れる家々にもいろいろな形があるんだなあとぼんやり眺める。いつか僕も自分の家を持てるかな。そんなことを考えてしまうほど長閑な一人旅。


続きを読む "『魔力:ULTIMA ONLINE』" »

2007年01月12日

『新生活:ULTIMA ONLINE』

プレイヤーが多いとラグ(通信遅延)が酷くなるということがわかった。というかふつうに考えれば当たり前だ。プレイヤーごとに様々な装備で身を固めているわけだし、動き回ってもいる。人が多ければそれだけ画面に表示される情報や会話も多くなる。
つまり人が多い場所は身動きが取りにくくなるわけだ。なんだか現実世界っぽい表現に苦笑してしまう。調べてみたらどうやらブリテンの街は王都でありこの世界で最大の街でもあるらしいことがわかった。お店も充実しており、生活の拠点となる宿屋や銀行も複数存在するでかい街だった。当然、往来を行きかう人も多く、人が多ければそこで商売する人も増えるというのは道理。結果、ブリテンの街はとにかくラグがきつい状況になっていた。パソコンのスペックがそれほどよくもない僕にとってはラグはなんとか避けたい問題でもあった。幸い僕が当面目指そうとしているのは魔法使いであり、他人相手に商売をするわけでもないので、僕は最初の街はブリテン以外にすることにした。

続きを読む "『新生活:ULTIMA ONLINE』" »

2006年12月26日

『聖夜:ULTIMA ONLINE』

クリスマス、いい響きだ。
X'masって英語で書いてみるともっとわくわくするね。特にXってところが。なんでXでクリスなのかというよくわからなさがどきどきするね。Xが十字架のダブルミーニングなんだろうなと意味もなくキリストの受難に思いを馳せてみたりしてね。

恋人どうしでも家族でも暖かい部屋で楽しく過ごす夜。窓はうっすら曇り、かすかに覗き見る外の暗闇に静かに舞い落ちる雪。食卓にはとっておきの料理とケーキ。

ああ、世界が毎日クリスマスならきっと戦争なんて起こらないのにと本気で思える。それがクリスマス。クリスマスにはそんな慈愛に満ちた不思議な力が宿っていると思ってました。

昨日までは。

続きを読む "『聖夜:ULTIMA ONLINE』" »

2006年12月22日

『不正:DIABLO』

1997年という年はオンラインゲーム黎明期を語る上で最も重要な転機であったと言えます。
と言うのも、この年に発売されたオンラインゲームに、

『DIABLO』

『Ultima Online』

『QUAKE2』

といった複数の神ゲーがありました。これらを抜きにしてオンラインゲームの歴史は語れないでしょう。そして更に言えば、『HALF-LIFE』、『UNREAL』もこの年の年末あたりに発売が予定されていたはず。(僕は『HALF-LIFE』、『UNREAL』はプレイしていないので正確な発売日は記憶していない。正直、金欠だったのでそんなに出来なかったんです。申し訳ないm(_ _)m)。
更に更に、この年のPCゲーム雑誌には後に伝説となる『EVERQUEST』の開発初期段階のスクリーンショットが既に紹介されており、まさにオンラインゲームの未来は輝きに満ちている、そんな年でした。

続きを読む "『不正:DIABLO』" »

2006年12月13日

『PONR:DIABLO』

1997年も年の瀬が近づいた週末、僕は彼女と表参道を手をつないで歩いていた。

東京の冬は日が沈むのが早く、晩飯をどこで食べようかという話題を持ち出すより早くにあたりはすっかり暗くなっていた。

「俺、原宿のこのライトアップって嫌いなんだよね」

「なんで? 綺麗じゃん」

「去年まで会社がこの近くだったんだけど、この時期外回りから戻ってくると人が多すぎて鬱陶しいんだよね。ごみもぽいぽい捨ててく人多いしさ」

「ふ〜ん、そんなもんなんだ」

そんなことを原宿の表参道側の歩道橋の上で夜景を眺めながら話している。そういえばこの歩道橋っていわく付きの場所だったっけかな?ここでキスすると別れるとかなんとか。まああったとしてもそんな非科学的なことは信じないけど。

「こういうときくらいかな、眼鏡でよかったと思うのは」

「え?」

「乱視だから眼鏡を外すと、夜景が何重にもなってすごく綺麗に見えるし」

「はは、なにそれ。でも嫌いなんでしょ?」

「うむ?… そうか… そもそも人ごみの原因がこの夜景だとするとこの夜景をこそ憎く考えるのが妥当なわけだ。綺麗だからと言ってそれを許してしまえば人ごみも含めて俺は認めざるを……」

「ラーメンにする?」

「はい…」


続きを読む "『PONR:DIABLO』" »

2006年12月08日

『功罪:DIABLO』

そんなわけで、僕の一人暮らしの自宅の電話回線はISDNになった。

電話回線と書いたが通常の電話回線ではなく、わざわざ工事までしてもらってデジタル通信用の回線になるのだ。
いや、なったのだ。

ISDNとはIntegrated Services Digital Networkの頭文字をとったもので世界的な通信規格の呼び名である。
アナログ回線とデジタル回線の最大の違いは、1本の線で「同時」に通信できる回線数だ。アナログは1回線、デジタルは複数回線(チャネルと言う)で通信を行う。つまり、端的に言えば大量のデータ通信や、多数のアクセスに強いと言える。

実際導入してみて、確かに回線落ちの頻度は減ったし、
早送り巻戻し現象は多少改善された。

続きを読む "『功罪:DIABLO』" »

2006年11月28日

『不安(後編):DIABLO』

落ち着こう。
まずは晩飯だ。


もう8時を回っていた。僕はカップラーメンを作って食べた。
少し落ち着いて考えると逆にあのローグに感謝してもいいかなとさえ思えた。でも次にあの名前をみたらすぐに抜けるとは思うけど。

そして気を取り直してプレイ再開。

また同様のパブリックゲームを立ててナイトメアのクリアーを目指す。

今度はあっというまに4人集まり、順調というかむしろ不幸のあとには
幸運があると言わんばかりに、いいアイテムが出た。

King's Sword of Haste(BASTARDSWORDベース)
Arch Angel's Staff of Nova
Holy Platemail of Lion

あとで分配するとは言え、なんだこのフィーバーは?(笑
これでObsidian Ring of Zodiacでも出れば完璧じゃないか。

続きを読む "『不安(後編):DIABLO』" »

『不安(前編):DIABLO』

プレイ開始から数えて最初の週末でシングルプレイはクリアーしてしまった。シングルにしか出てこないアイテムがあったり、ストーリーがよくできていることもそうなのだが、これをクリアーしてオンラインを早くプレイしたいという欲求が大きかったからだ。

そしてシングルプレイクリアーの余韻も冷めぬ内に早速オンラインプレイ開始。モデムは100万円のローンと引き換えに得た288のモデムを使う。

オンラインプレイはまたレベル1からスタートになるが、1度目のプレイで能力値の育て方やアイテムの良し悪しをある程度把握している僕にとって、それはまったく苦にならなかった。

『DIABLO』のオンラインプレイ用にBLLIZARD社が利用無料のゲームサーバー、Battle.Netを提供している。いま風に言えばロビー&マッチングサーバーでキャラクターはクライアントにセーブされる形式だ。
オンライン対戦の盛んなメジャーFPSゲームでさえ対戦用ホストIPアドレスを有志のユーザーに頼っていることを考えると、メーカーがオフィシャルにオンライン用サーバーを提供するというのは画期的なことだ。

キャラクターはシングルと同じくソーサラーでいくことにした。
魔法の書を使うために必要なMAGIC値があればウォリアーでもローグでも魔法は使えるということはシングルプレイで気づいていたが、最終的なダメージ量がソーサラーだと桁違いなのでここはやはりほかの選択肢はない。

続きを読む "『不安(前編):DIABLO』" »

2006年11月21日

『兆し:DIABLO』

『DOOM』との出会いを果たした同じ年、ある土曜日の朝。
ひとり暮らしの僕の部屋に一本の電話が掛かってきた。

若い女の声がなんとかリゾートサービスの者だと名乗り、僕の名前を
告げて在宅を尋ねた。それが僕であることを伝えるとその女性は
さらに丁寧な口調で続けた。

女性「旅行とかスキーにご興味はございますか?」

世の中で旅行が大嫌いと言う人は少ないだろう。
それにたまたま僕は中学のころからスキーをやっていたってのもあり、
ちょっと興味を持ったのも事実。
で、ええまあとか答えると詳しいご説明をしたいので
新宿の説明会場まで来ませんかと言う。

もちろんさすがに怪しいなと思いましたよ。
でもですね、下心って言うんですか、声の感じはカワイイし、
どうせ断るに決まってるからと、

僕「じゃあ僕の晩飯のついでってことで飲みながら説明してくれます?」

と言ったら、即答で、

「いいですよ」

と言われちゃったら、やっぱ行かないって言えないじゃないですか。

続きを読む "『兆し:DIABLO』" »

2006年11月14日

『出会い:DOOM』

1992年春。僕は晴れて社会人になった。

バブルの最後っ屁の年に僕は東京にある小さな広告代理店に就職したのだ。その社会人最初の年の初夏のある日の朝礼で、

「今年度ボーナス100パーセントカット!」

というわけの判らない洗礼を浴びた新社会人はきっと僕だけではなかった筈だ。

隣に立っていた先輩が、
「初年度のボーナスなんて元々スズメの涙だから
 もらえなくてもそんなにがっかりすることないよ」
とこれまた意味不明な慰めを発した。
と言うか全然慰めにならないよ・・・

高校時代から使っていた愛機FM-77AVはすでに骨董品の部類に入っていた。元々ゲームが好きで高校時代に親に借金までして僕はパソコンを購入していた。

(就職したら新しいパソコンを買おうと思っていたのに・・・)


しかしながら、この事態が後のゲーム人生に多大な影響を与えることになったんだと自覚するのはかなり後になってからのことである。

続きを読む "『出会い:DOOM』" »