最終回:プロデューサー岩本けい氏と対談だぜ!
GAME OF THE YEAR !!
ついに最終回を迎えてしまった放射能汚染ブログ追加更新シリーズ! 通算22回目となる今回はゼニマックス・アジアのローカライズ・プロデューサーである岩本けい氏をスペシャルゲストに迎えての“放射能汚染トーク”が実現! ローカライズの苦労話、ここだけのぶっちゃけ話などなど、実に1万字を超える盛り沢山な内容で『FALLOUT 3』の更なる魅力について語り尽くします!
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▲我々はふたたびベセスダ廃墟……もとい、ゼニマックス・アジアへの潜入に成功した! というわけで最終回はコレ。前回大反響を呼んだ高橋徹ゼネラルマネージャーとの対談(記事はコチラ)に続く、プロデューサー岩本けい氏との対談! |
●ローカライズでランナーズハイ
マスク・ド・UH(以下、UH) おかげさまで、2009年もずっと『Fallout 3』やってるハメになりましたよ!
岩本けい(以下、岩本) ははは、ありがとうございます(笑)。
UH 合計5本のローカライズ作業を続けた感想は?
岩本 普通1本大作が終わったら、「やったーっ!」って気が抜けるんですよ。
UH まぁ普通はそうでしょうね。
岩本 そこがなかったですね。そこからDLC作って、さらに次のDLC作ってってなると、モチベーションがおかしなテンションになってくるんですよ。一息つけないので。ランナーズハイってこんなもんなんだろうなっていうのが少し見えました。
UH 走り続けたと。2カ月に一回ぐらいのペースで。
岩本 そうですね、賞味1年半ぐらいやってましたからね。
UH そりゃ普通じゃない(笑)
――ほとんど新作1本ぐらいですか?
岩本 そうですね、テキストの量とかも、本編が終わったときに台本を一回処分したんです。それでDLCが全部終わってからパッと見たら、同じぐらいの量があったんですよ、2セットあって。「紙のムダになってんなぁ……」と。
UH いやいや、僕らやる方の側にしてみれば、いつまで経っても『Fallout 3』のソフトだけは中古に売れないですよ。これはもう持ってないと。実際、中古ソフトも少ないですからね。プラチナコレクションとか出て良かったですよ。
岩本 今回かなり頑張って2940円ですからね。ちょっとね、『オブリビオン』(※)と比べると、「あいたた、1000円損してんじゃ?」ってぐらい(笑)。まぁそれは、いずれDLCの方も買ってくれると見込んでなんで。
UH うんうん、買った人は手放さないっすよ。
岩本 うれしい限りですね!
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※『オブリビオン』 もちろん、本作と同じベセスダ・ソフトワークスが誇る最強RPG『ザ エルダースクロールズ IV: オブリビオン』のこと。ベセスダ・ソフトワークスからXbox 360のプラチナコレクション、プレイステーション3のPS3 The Bestとして3990円で発売中。また、拡張パック『シヴァリング・アイルズ』は残念ながら発売中止となったが、『シヴァリング・アイルズ』を収録した『ザ エルダースクロールズ IV: オブリビオン Game of the Year Edition』が2010年春に発売予定。 |
UH じゃあ順繰りに色々と話を聞きたいんですが、まず『Game of the Year Edition』。そもそもどういう経緯でリリースすることになったんですか?
岩本 ダウンロードコンテンツを全部出しましたが、ネットワーク環境がない人とか、買えない人とか、あと日本ではネットワークで買い物をするということ自体に抵抗ある人がまだ結構いると思うんですね。
UH そりゃちょっと遅れてるんじゃないですか?
岩本 わはは、まぁそこを救うためにも、コレを出して、完全版ですべて遊べますよっていうことなんです。
UH 今回はプレイステーション3とXbox 360両方出るんですよね。プレイステーション3は1本もDLC出ていなかった。
岩本 海外では360版のあとで出たんですけど、日本では諸事情により出せてなかったんですよ。それでも出したかったので、今回は追加コンテンツパックという形で既存ユーザーもフォローして、楽しんでもらおうと。
UH めんどくさい事情が色々からむんですが、それが洋ゲーの宿命ですからね。
岩本 まぁ今後変わるかもしれないですが、現状我々が取れる最善の形を取ったらこうなったということです。
UH ではGOTYに関しては、すでにあるデータをまとめたという形だし、そんなに苦労はしなかった?
岩本 Xbox 360版は苦労しなかったですね。プレイステーション3版は(DLC自体を)出してなかったので、データはそのまま持っていけるんですけど、ローカライズにあたって微調整をしていかないと、ちょっとずつ、メモリーが足りないとかいろいろあったりするもので。それと表現の許容の違いがあったりとか、そういうのはちょっとずつ変えてあります。
UH マニアの人は2本買って、差異を見つけて楽しむこともできますね(笑)
岩本 すごい見つからないと思いますよ。かなり細かいところを見ないと、違いは見つからないと思います。60万語のなかの、5つぐらい単語を見つけるとかそういうレベルになっちゃうので。
UH 基本全部フルボイスでやられているじゃないですか。そうなるとローカライズ作業は延々とアフレコが続くことになりますよね?
岩本 続きましたー! 終わらないですね、毎月のようにスタジオに通って、エンジニアさんと「よっ! 毎回コーヒー牛乳飲んでるよねー」ぐらい親しくなって。
UH ダハハハ! エンジニアの人と距離が縮まるぐらいの頻度で。
岩本 メシもずっと一緒に食ってるじゃないですか。もうなんか「俺ら仲間だよね? 同じ目標に向かって」というぐらいの感覚が生まれました。
UH ああもう、最高じゃないですか、そんな絆も生まれるぐらいの仕事だったと。しかもその現場で収録してるセリフがヤバいですよね。一番ヤバめだったエピソードとかありますか?
岩本 ふたつ挙げていいですか。ひとつは本編を作っていたときに、あまりにもスケールが大きすぎて、どこどこのジョーさん、どこどこのマイケルさんって言われても、把握ができなかったってことですかね。普通はゲームを80%ぐらい把握しておいて、マイケルさんだったらこういう人だなってのはわかるんですけど、『Fallout 3』の場合は、「誰?」ってなる。セリフを見て“〜〜をしている人”っていうのを見て、ようやくわかったってなるぐらい。4つのスタジオを同時に1カ月間動かしてやっていたので、僕がひとつのスタジオにつきっきりになって、別のところは別のディレクターさんがやっていたんですけど、そこの意思統一をするのがすごい大変でした。
UH あー、そうか。全然別のところですもんね。
岩本 最初に、「ここはこういうゲームで、こういうニュアンスで言うから、こういう風にディレクションしてね」って、イメージが崩れないようにあらかじめ打ち合わせをしといたんです。それでも当日現場になって「こういうキャラクターがこういうセリフを言ってるんですけど、これでいいんですか?」って。
UH 「それ、誰?」って。
岩本 「俺のリストにないんだけど!」っていうのがちょくちょくありましたね。それともうひとつは、ひとつひとつにキャラクターの色付けをしておいてもいいと思うんですけど、もちろんある程度はやっていますが、僕は声優さんのアドリブとかを結構使っていってたんですね。ノリだけ伝えて、「あとは勝手に作ってください」とやっていたところもあって、それでキャラクターのいくつかは、「これはヤバいかな?」というのはありました。
UH 誰ですか、たとえば。
●アドリブ&アシュリー 第1弾『Operation: Anchorage』編
岩本 アンカレッジ(※)に出てくる中国兵は、アレはアドリブです。
UH ワハハハハ!! アイツらみんなアドリブなんですか。
岩本 はい。ゲームのなかで喋っている言葉ってかなりカタコトの日本語でやってるんですが、最初は日本語のチャンとしたセリフがあったんです。でも、だんだんハイになった状態で作業をしていくと、「コレ、カタコトにしたほうがおもしろくないですか?」って話になって、一応2パターン録ってたんですけど、結局そっちのほうを採用しました。
UH 「撃つアルよ!」みたいな。
岩本 そうそう(笑)。
UH まぁでも、海外版も似たようなもんじゃないスか? そのほうがグッドです!
岩本 ありがとうございます。
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※アンカレッジ 第1弾『Operation: Anchorage』のこと。ひょんなことから戦闘用シミュレーターに入り、過去の大戦の“アンカレッジ作戦”を体感することになる。ちなみにコメディ映画『ポリスアカデミー』(通称ポリアカ)好きの担当編集は勝手に「オペアカ」と呼び続けていたが、一般的かどうかは知らない。 |
岩本 じつは海外版の中国兵のやられキャラクターは、向こうのアシスタントプロデューサーが中国系のアメリカ人で、彼が喋っているんですよ。
UH 全部?
岩本 全部。
一同 ワハハハハハッ!!
岩本 スタッフロール見ていると、バーっと出てきて、アシュリーってあって、「アシュリー!?」と。
UH ひとりで何人もの中国兵を。そうなんですか。オペアカはまぁ短めで、プレイは2〜3時間て感じですかね。
岩本 そうですね、わかってれば、ササーっと行けます。
UH 最後のジンウェイ将軍、アイツだけちょっと強敵ですけどね。アイツなんであんな固いんですか?
岩本 ボスぐらい強くないと、おもしろくないでしょ!
UH ロケラン5発ぶっこんでも死なないッスよ。「もうこりゃダメだ」と思って、最後はパラライジング・パームでボコボコ殴ってましたからね。
●トロッグは吹替えてみた 第2弾『The Pitt』編
UH さて、オペアカの次は『The Pitt』。こちらはどうでしたか?
岩本 『Operation: Anchorage』があれくらいのボリュームだったので、「アレくらいのボリュームで行くのかな?」と思っていたんですけど、本腰を入れちゃったらしく、来てみたら結構な量があるんですよ。分岐とかもあって、『Fallout 3』らしいダウンロードコンテンツだと思うんですよね。どっちを選んでも正義じゃないっていうか……
――救いが無い。
UH ないね! 最初やったとき、俺レイダーの味方になってしまった。キーアイテムを敵のボスに返しちゃったりして(笑)。
岩本 返しても問題はないですからね。あの後味悪い感じが、これも『Fallout 3』なんだな、と。それと、本編ではレイダーって、レイダー1、2、3、4っていうキャラクターで配役をやっていたんですけど、
UH 『The Pitt』は細かくレイダーに名前があるんですよね!
岩本 そう。それで、「この人もしかして重要なキャラクターなんじゃないか?」と思うと……
UH 全然重要じゃない!
岩本 本当、雑踏のなかで死んでしまうようなキャラクターでした。
UH “トラブルマン”とか好きですよ。立ってるだけの男でしたが。でもメインクエストには、分岐によっては行けない場所とかも出てくるじゃないですか? 「あ、コレ違うんだ!」ってわかってから、セーブポイントを戻してやり直しもしましたね。
岩本 なんでまぁ、『Fallout 3』のDLCのなかでは一番『Fallout 3』っぽいなと思います。
UH スケールが大きいのが良かったですね。。いきなり丸裸にされて「どうしよう?」って感じになってたら、コロッセオ(あなぐら)で勝ち抜いたら装備を返してくれるんだって! まさに『マッドマックス サンダードーム』の世界観じゃないですか! よかったなぁアレは。また雑魚キャラのはずのトロッグが強いじゃないですか。丸裸で放り出されて、束になってやってきたらかなわネェ。そこでヤケクソになって殴ったら、パラライジング・パーム持ってたから即死させられた(笑)。そのまま全員ヤっちゃいましたね。そんなトロッグも吹き替え作業をされたとか?
岩本 トロッグとかも原語のままで行こうと思ったんですけど、「ちょっと吹き替えてみようかな?」と思って、アドリブ感覚で「台本にセリフあるし、録ってみようか?」って、ほとんどエフェクトなしで収録してみたんですよ。演者さんに苦労してもらって。
UH 苦労しますねそれは(笑)。
岩本 声を作ってもらって、「ヴェハーッ!」って。
UH それは……やらなくてもよかったんじゃないですか?
岩本 そこをやるのが楽しいんですよ!
UH さすがですね(笑)。
●奇跡の延長戦! 第3弾『Broken Steel』編
UH で、『The Pitt』の次がまた、驚愕の『Broken Steel』ですよ。コレ、結構大変だったんじゃないかって気がするんですけど。
岩本 ほかのDLCは独立した別の場所で話が進んでいるんですけど、コレは本編のあとの世界なんで、誰か追加されたりしても、本編のキャラクターとリンクしちゃってたり。そこの調子を合わせるのが大変でしたね。
UH 『Broken Steel』は、桜井政博さんが週刊ファミ通の誌面で連載されているコラムでも絶賛していましたからね。俺としてはレベル20の先があるっていうのがまず驚きだったんですけど、バランス調整はどうでしたか?
岩本 あそこまでいっちゃうとバランス調整とかはあんまり考えてなくて、逆に「いろんなことができますよ」とどう広げるかですね。そこでPerksを足したのは、ユーザーからすごい要望があって、レベル20までだとすぐ上限に達してつまらないという意見があったからです。レベルの上限が上がればPerksを取れるじゃないですか。上のレベルのPerksじゃなくても、下のレベルのを取ることもできるので、要素として追加しました。
UH もっともっと強いキャラに育てられるってことですよね。
岩本 このゲームは難易度は自由に変えられるじゃないですか。だから難しいとか簡単とか、そういうことではなくて、どれだけ育てたキャラクターで楽しめるかという部分を海外でも追加したんだと思いますね、作りかたを見ていると。
UH もったいなかったッスよ。あんだけPerksがあるのに、レベル20で終わっちゃうと。もちろん(30に増えても)全部取ることはできないんだけど。「どうせだったら“サイボーグ”も欲しかったな」とか。
岩本 ありますね。マップがわかったら“エクスプローラー”なんかいらないですよ。
UH ボトルキャップいっぱい拾えるとかも、最終的に金、余るんでね(笑)。コレいらないなと。スティムパックの回復量が増えるのも、いらないなと。オレは『Broken Steel』が出てから、Vault 101を出るところからやり直しましたからね。「これで全部のバランスが変わったな」と。
岩本 まぁ、それでも30でとどめておいたっていうのは、それ以上をやっちゃうと、本当にバランスが崩れちゃうから、止めたんだと思いますね。
UH 『Broken Steel』を入れた状態でしょっぱなからゲームをやり直すと、レベル20のまえからスーパーミュータント・オーバーロードとか出てきちゃって、あれ結構ビビりましたね。
岩本 はい、強いですもんね(笑)。
UH あれちょっと、強いですよ……。あと、ブリーチ・ラッドスコルピオンね(笑)。最初レベル30なのに死にました。グレネード投げて「あれ、死なない!?」
岩本 まぁそういうのも、追加していかないと。レベル30で簡単すぎますってのは困るんで。
UH ああいうのがレベル20を超えるか超えないかぐらいでボチボチ出てくるようになっちゃって、「これはもうヌカ・グレネードいっぱい持つしかないわ!」って。ヌカ・グレネードをたくさん造れるPerksもできたじゃないですか、クァンタム・ケミストでしたっけ。アレが便利でしたよ。ああいう追加要素と……一番スゴいのはエンディングの続きがある!
岩本 まさか僕らも続きがあるとは思ってなかったので……
UH 「それから2週間」(笑)
岩本 あの状態なら主人公死んだよねぇ? と思ってて。そうしたらウチのエミル(※)ってシナリオライターがうまく作ってくれて。ちょっとお約束な部分もありつつも、上手につなげていってくれたなぁと。
UH バッドエンディングだと若干変わるじゃないですか。毒ぶっこんだかぶっこまなかったかと。オレ、それ両方やりましたからね(笑)。
岩本 (じつは)微妙にエンディングのムービーとかも違うんですよね。
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※エミル エミル・パグリアルーロ氏。『Fallout 3』のシナリオライター。2009年にサンフランシスコで行われたGDC 09では、須田剛一氏と上田文人氏とのパネルディスカッションが行われた。 |
――水売ってるアヤしいオヤジのクエストも、内容が変わるんでしたっけ。
UH そういや、あの水売りいいですよね。
岩本 あのキャラクターも、現場で少しイジりましたね。「これもうちょっとキメ台詞があったほうがいいよねー」、「じゃあ“保証します!”って言うのをもうちょっと伸ばしましょう!」とか。「ほしょ〜うします!」って形にして。
UH ワハハハハ、「この水は本物です! ほしょ〜うします!」って、まぁ偽物スけどね。僕もちょっとアイツのズラ拾って被ったりしましたよ。結局最後、エンクレイヴの基地まで行くじゃないですか。そのまえに乗る大統領専用脱出列車、あの世界で地下鉄が動いているっていうのにビックリしましたね。で、基地に着いたら「うわすげぇ、大戦争じゃねぇかよ!」って感じになってって。アイテムスゲーいっぱいいいのあんのに帰るの超めんどくさいんですけど、オレ地下鉄で3回は戻りましたね。
岩本 いいアイテム落ちてんですよね〜。
UH そうなんですよ、持ち切れないからバファウト飲んで戻ったりとか。で、衛星兵器で撃ち込むところ、コンピューターに一番最初に出てきたところにポンと押しちゃったんですよ。そうしたら要塞に撃ち込んじゃって。
岩本 総スカンですか。
UH 戻ってみたら蜂の巣ですよ。アレはひっかけですよ。一番うえに来たら押しちゃうもん。でも、撃ち込んだあとがちゃんとあるってのもスゴいですよね。これからほかの場所にも撃ち込んでみたいなと。
岩本 そこら辺はやってみてのお楽しみということで。
UH この対談を読んでいる読者の人にもぜひ試してみてほしい感じ。
岩本 選択肢はあるだけ選べと。
UH セーブポイントはいっぱい作っておけと。僕のセーブデータなんか、600ぐらいあるんじゃないかな。
岩本 そんだけあるとハードウェア的にアップアップになっちゃうんじゃないかなぁ。
UH ブログの撮影用に、いい場所を見つけるたびにデータを作って。
――ブログをやってない期間もデータは作ってたんですよね?
UH そう! ウチに来た人に「ココがスゲぇんだよ!」って見せるために、スーパーミュータント・ベヒーモスが出る直前とかね。
岩本 (笑)
●どこかのおじさんです 第4弾『Point Lookout』編
UH まだまだ続きます。『Point Lookout』では、アンカレッジ、ピッツバーグと来て今度はかつてのメリーランド。これまたガラッと雰囲気変わってカルト教団! ボートのチケットがあれば自由にウェイストランドと行き来できるっていうのがスゲー良かったです! 戻らなきゃいけないクエストとかもありますよね。
岩本 本のヤツですね。どれだけウチのスタッフはクトゥルフ好きなんだと(笑)
UH ほんとホラーのテイストですよね。
岩本 『Point Lookout』では、雰囲気をとにかく壊さないようにというのが重要になってました。説明とかも、語り過ぎちゃってもいけないじゃないですか。幻覚を見るシーンでもボヤーっとわからないようにしたりとか。
UH (突然ニヤリと笑って)幻覚のシーン、最後に●●●(※)出てきますよね?
岩本 出てきません、出てきません!(苦笑)
――ど、どこかのおじさんですよね?
岩本 そうです!
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※●●● 部屋はあるのに姿は見えぬ謎の存在。ちなみに『Point Lookout』に出てくるおじさんの姿は下画像を参照。 |
UH (ニヤニヤしながら)いきなり出てきてもわかんないんじゃないのかなぁ、なんの人なのか。あのシーン、ヤバかったんじゃないのかなと思ったんですが。
岩本 大分ヤバいですね。
――クトゥルフとかB級ホラー感とか、あのボンクラ(褒め言葉)っぽい趣味はエミルさんのものなんですか?
岩本 多分エミルの趣味だと思うんですけど、彼個人だけじゃなくて、チーム自体が結構ああいったものが好きで、「ちょっとずつなんか入れちゃおうよ」っていう考えがあると思うんですよね。
UH 『Point Lookout』といえば、フリークスの連中、超強かった! リンカーン・リピーターを脳天ブッ込んでんのに「うわこれ参ったなぁ」と。最初にやったときはあんまり育ってない状態かなんかで「ちょっと無理だわ」って戻りましたね。で、『Point Lookout』はテキストやマップのポイントもやったら多い。
岩本 わはは、確かにアイツらはめちゃめちゃ強いですね。それと、DLCのなかで一番広いマップになっているんです。
UH 俺は“グールサファリ”、アレ最高ですよ。何回もやりました。それとオチも最高でしたね、『Point Lookout』は。
岩本 「やっぱりFalloutなんだな」って感じですね。それと、『Broken Steel』もそうなんですけど、『Point Lookout』はメインだけじゃなくて、サイドもすごい楽しめます。
UH 宝探しとかもありますからねー。あとは密造酒! モーテルで泊まる場所も日によって変えたりしましたよ。キレイな部屋と、死体だらけの部屋と。
岩本 どこでも空いてますから、ご自由にお泊りください(笑)
UH ダンウィッチビルに戻って「ここが繋がってきたか!」っていう驚きもありましたが、考えてみれば意味深な場所いっぱいあったなぁと。
岩本 種は最初から撒くだけ撒いてあって、どこをあとで使うか選択できるようになっているので、制作チームも楽しかったと思いますね。「これを伏線にできるな」とか。
UH 伏線だらけじゃないですか。まだちょっと開かない扉とかあるし。まぁ途中でボツにした場所もあるとは思うんですけど、こんなやり方があったのかと。日本のRPGもマネするんじゃないですか。
岩本 ぜひ真似してください。種は撒くだけ撒いてくださいと。
UH バジェット(予算)的に難しい部分もあるとは思うんですけどね。DLCであらためて「やっぱコレすげぇゲームだな」と感心しました。
岩本 ありがとうございます。
●グレイと吹替えと『SFソードキル』 第5弾『Mothership Zeta』編
UH で、その次が一番の問題作『Mothership Zeta』が来るわけですが、これ反則でしょ(笑)
岩本 まさかの展開でした(笑)
UH 確かにあのUFO墜落現場が何の説明もなくあったし、墜落するシーンも運が良ければ遭遇するじゃないですか。でもまさかそれがこう来るとは思わなかったですね。
岩本 第4弾でホラーだったのが今度はSFになって、好き放題にやってますねえ。
UH 好き放題ですね〜、エイリアンとロズウェルと……
岩本 キャトルなんとかもね、いろんなことやってます。
UH 誘拐されちゃった方々がね。やっぱココは侍カゴ・トシローじゃないですか?
岩本 本当にびっくりしました。UHさんなら分かると思うんですが、海外版でも、ものすごい流暢に喋っているじゃないですか。映画の脇役などで出演されている方にやっていただいているんですよ。
UH 「ワシの刀はどこじゃ!」ちょっと『SFソードキル』(※)入ってて良かったですねー。あのアーマーとか見たら欲しいに決まってるじゃないですか……結局1回目にやったときは全員殺しましたね。
一同 ワハハハハハハッ!!
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※『SFソードキル』 1986年公開のアメリカ映画。藤岡弘が氷漬けのまま冷凍保存され、現代に甦ることになってしまった侍タガ・ヨシミツを怪演。どう考えてもB級な設定にも関わらず、熱い演技のおかげで一流の娯楽作品として成立している。ちなみに本作を契機に芸名を“藤岡弘、”としたのは有名な話。 |
UH グレイとか、さっき言ったフリークスよりさらに上手。バリヤー張ってるヤツいるじゃないですか。あれキツいですよ……。
岩本 見た目弱そうなんで「チョロいかな?」と思ったら、結構やられちゃいますよね。
UH 最初バトンで殴られてボコボコ死にましたよ。
岩本 そこはDLCも5本目なんで、多少は難度あげておかないと。
UH とっくにレベル30の人も行くことを想定しているわけですよね。で、円盤のなかがまた超広い。
岩本 ワハハハ! U.S.S.エンタープライズ(『スタートレック』の宇宙船)ぐらいありますからね。
UH 俺、宇宙空間に出なきゃいけないシーン、海外版でやってたから最初よくわかんなくて何度も頭破裂して死んでましたね。5回死んだぐらいで「……あ、スペーススーツ?」って気がついて。行ったら行ったで「もう『Dead Space』じゃん」って。で、足滑らせて「ホワ〜〜〜♪」って飛んでっちゃって。「こういう死にかたあるんだ!」と。
岩本 マジですか!? それだけはやらないだろうなと思ってたんですけど(笑)。
UH 星になりました。レアアイテムはたくさんあるわ、キャトルミューティレーションされてるアイテムはスゴいわ、俺ビターカップの馬が“ああいうこと”だったとは……あれびっくりしましたね。
岩本 じつはそうだったんですよ……。
UH だから本当に伏線の張り方がスゲェなぁと。
UH 噂に聞くと最初はグレイの声まで日本語吹替えをやっていたとか。
岩本 ああ、あの……やらせました。やらせましたが……声優さんが音をあげました。「無理ですこれは」と言われて、「じゃあやめましょう」と。
UH ワハハハ! ですよねぇ。で、あそこも終わったあとでまた戻れるんですよね。アイテムを地球に下ろすのに何往復もしていて「俺は何をやってるんだろう?」という疑問が(笑)
岩本 またいい武器が落ちてるんですよ。
UH 全部貯めておいて、取りに行って戻って売ってを繰り返しやってましたねぇ。あと、クエストの展開もスゴかった。ちょっとコレ『ヤマト』入ってんなって規模になる。
岩本 あぁ〜、確かに。
UH あの“波動砲”とか。未プレイの人のために詳細は伏せますけど、とにかくすごいのが出てくるんですよね。
岩本 あそこは『Fallout 3』のエンジンを使って、ああいうこともできるんだっていう一例ですね。
UH あんな壮大な戦争まで演出するとは思わなかった。
岩本 『ヤマト』ファンも楽しめるし、エンタープライズに乗りたい人も楽しめますよと。
UH あと『未知との遭遇』好きな人もですね。「ホワ〜〜♪」っと。別の種類のエイリアン、アイツとか完全『未知との遭遇』じゃないですか。で、指さしてくるところもいいですよね。「今度は『E.T.』か!」
岩本 こういうのがわかってくると、さらに楽しいですね。
UH だから本当にベセスダの人はボンクラだなと。『Mothership Zeta』は本当に反則でした。いまの格好は、サムライアーマーにグールマスクなんで。
岩本 落ち武者っていうか亡霊的な感じですね。
UH それでショックソードも装備して。カゴ・トシローの刀もいいんですけど、やっぱショックソードのほうが格好いいかなと。最初シシカバブだったんですけど、ちょっとタンクが合わなくてね。
●「続いちゃいます!」
――もともと日本語のキャラクターを日本にローカライズするときに難しいことはありましたか?
岩本 今回結局吹替えはしてないのかな? あまりにもともとの出来が良かったので。
UH (物真似で)「何を言っているのかさっぱりわからん!」
岩本 というわけでそのまま使ったんですけど、一般的には(ほかのゲームで日本語が入っていると)結構カタコトだったりするんですよ。日本語を喋ってはいても「ナニ? ドシテルンダー」って感じになっているときは、しょうがないから吹替えしますね。
UH 『Kane&Lynch』とか適当な日本語でしたけどね。カゴちゃんは完璧でしたねぇ。
岩本 ここは変えた方がいいのか、オリジナルのテイストを残した方がいいのかというのはケースバイケースで考えてやってます。
UH すばらしい! どれも海外で出てからかなり早く日本でも出たと思いますけど、なかなかないと思うんですよね。ほかの会社も本当に見習ってほしいけど、このスピード。ほぼ1カ月半ぐらい?
岩本 1カ月から、2カ月かからないぐらいで出せましたかね。最後の方ちょっと息切れしましたけど。「もう俺の体力は残ってねぇよ」って(笑)。
UH ランナーズハイも終わっちゃって。ダハハハハハ! 『Fallout 3』だけじゃないじゃないですか。『WET』とか『50 Cent: ブラッド・オン・ザ・サンド』なんかをやっているなかで、でも『Fallout 3』のDLCが続々と来るわけですよね。
岩本 ペース的には1カ月でも、やってる作業自体は3カ月ぐらい欲しい感じでしたね。
UH でも一回そのスピードが定着しちゃったら、ユーザーさんも納得してくれないだろうし。『Mothership Zeta』だけ4カ月ってワケにはいかないですよね。
岩本 ちょっとずつ空いちゃったんですけど、一回ペースを戻してるんですよ。確か『Broken Steel』と『Point Lookout』の間だと思ったんですけど。
UH ああ、『Point Lookout』かなり早かった印象ですね。
岩本 はい。死ぬかと思いました。『50 Cent』やって、『WET』の作業も微妙に始まってて。
UH ダハハハハ! よりによってあんな膨大な。
――やっぱり記事の反応を見ていても『Fallout 3』はローカライズの印象が良くて、前に掲載させて頂いた高橋徹ゼネラルマネージャーとの対談への反応でも、「ここまでのローカライズをやってくれるならベセスダ・ソフトワークスのゲームは海外版じゃなくて日本版を待つ」っていう趣旨のコメントを見かけましたよ。
岩本 ローカライズをやっている人間からするとなによりの言葉ですね。
UH ではそろそろ終わりに近づいてきたので……2010年も、この流れは続くんでしょうか?
岩本 続いちゃいますっ!
――ちょ! 書いて大丈夫なんですか?
UH いや、細かいことはいいんだよ。続くか続かないかで言うと、続いちゃうんですか?
岩本 続いちゃいますねぇ……ぶっちゃけ「『Fallout』が終わるって誰が言ったの?」っていうハナシですよね。DLCは5弾までで打ち止めですよとは言ったかもしれないですけど。
UH 2010年には2010年の『Fallout』が……
岩本 ある、と。
UH きっとそうじゃないかなと思ってました!
岩本 そろそろ僕も体力回復しておかないと、息切れしちゃうなと。
UH 日本のゲームクリエイターさんも、結構『Fallout 3』の影響受けてる人いますよ、実際のところ。
岩本 ありがとうございます! 業界の人にも評判が良くて、飲み会に行ったりすると、「好きです」とか「ここスゴかったですよね」という話を聞けて、すごいうれしかったです。
UH ちなみに、今回出た『Game of the Year Edition』をあらためて購入する読者の人もいると思うんですけど、「ココがいい!」っていうオススメはありますか。
岩本 コレがあれば全部プレイできるんで、本当に骨の髄までしゃぶりたいという人はコレでプレイしてください。不況でお金がないって人もいるかと思いますが、かなり価格的にはお得で、1本あったらザラに300時間とか遊べるので、そういう面でもいいかなと。週刊ファミ通さんでプラチナ殿堂もいただきまして、おもしろさは折り紙つきだと思うので、ぜひプレイしてみてください。保証します!
――ひと冬いけますよね。
UH 行ける行ける。俺2009年ずっと『Fallout 3』やってたからね!
岩本 いや本当、7000円ぐらいで3カ月は楽しめると思うので!
●ちょっとだけ延長
UH やってる友達とか、みんな止め時がわからなくて。ちょっと自作武器の材料を探しに行っただけなのに、何で俺はこんな戦いに巻き込まれてるんだと。
岩本 楽しんでもらってありがとうございます。
UH 今回ブログのためにXbox 360の新しいゲーマータグ作って、それでイチからやりましたからね。もうセーブデータわけわかんなくなってるので。
岩本 日本で一番やってる部類だと思いますよ(笑)。
(岩本氏からの追筆:知っている限り、日本で一番Fallout 3をプレイしている人はUHさんです)
UH あざーっす! ちなみにメガトンの住人の服、全部レイダーに変えるってプレイしましたよ。今度画面撮って送りますね。ステルスアーマーがあるとこういうことができるという(笑)。
岩本 スゲー時間かかるじゃないですか! ブログに載っけちゃってください。
UH かかりましたよ! 全員レイダーに変えましたね。モイラまで変えましたから。
岩本 縛りプレイもできますよと書いておいてください(笑)。
UH 住もうと思えばどこに住んでもいいし。俺いまアーリントンハウスに住んでますけど、レイダーがいる電波塔のところに引っ越したこともあるし。
岩本 デュコフのところなんかもオシャレでいいですね。ちょっと外にヤツが沸くので危ないですけど。
UH ロボット修理センターもいいんですよ。収納多くて便利。
岩本 カンタベリーコモンズの行商人もいますから便利ですね。
UH いやー、ただラッドスコルピオンが出るんで、あんまり会いに行くと死んじゃうんですよ。俺のいまのデータ、Dr.ホフのダンナ死んでますからね。あいつだけ弱いんですよね。武器ハンドガンだから。どこで死んでるのか捜してるんですけど見つからないッス。
岩本 レギュレーターどっちやりました?
UH どっちもやりました。●も××も集めました。××は重量ないんですけど、わざと冷蔵庫に貯めたりして。
一同 ワハハハハハッ!!
岩本 あれ『Diablo』とかの流れなんでしょうね。
UH クリエーターの人に「Falloutはオンライン対戦できないの?」ってよく聞かれるんですけど、あれでソレやったらマジぃだろと。
岩本 『ウルティマ(オンライン)』に匹敵するぐらいめんどくさいゲームになりますね。
UH なりますし、「どっちみちみんなレイダーだろ?」って。
岩本 ですよねぇ。
UH 最近MMOに行きがちなところ、シングルであの世界にどっぷりできるっていうのが魅力のひとつでもありますよね。ではここらで、今日はどうもありがとうございました! 読者のみなさん、『Game of the Year Edition』をヨロシクお願いします!
岩本 よろしくお願いします! 『追加コンテンツパック』とかもあるので、いろいろ選べます!
UH 本編持ってる人はこっち、全部一気にって人はこっちと。全部入りってズルいですよ。
岩本 まぁまぁ、ラーメン屋でも全部入りが一番ウマいじゃないですか。
今から遊ぶもよし、この機会にダウンロードコンテンツで新たな冒険に出るもよし! 驚異の自由度と圧倒的な世界観を誇る本作では、お得なパッケージが登場。そのトンでもねぇブッ飛んだ世界観と自由度の高さはこのブログで証明済み!
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すべてを味わい尽くせる 全部入りパッケージ |
『Fallout 3: Game of the Year Edition』 Xbox 360/プレイステーション3 価格:7140円[税込] |
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まずは本編をプレイするなら コチラがお得 |
『Fallout 3 プラチナコレクション』 (Xbox 360) 『Fallout 3 PlayStation3 the Best』 (プレイステーション3) 価格:2940円[税込] |
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『Fallout 3: 追加コンテンツパック』 プレイステーション3 価格:5040円[税込] |
マスク・ド・UH
洋ゲーの魅力を日夜伝道する謎のマスクマン。その正体は、超有名な某海外デベロッパーの元社員との噂もあるが……詳細は不明という設定。
週刊ファミ通にてゲームクリエイターの須田剛一氏と共に「洋ゲー発着便AIR PORT51」を毎週連載中。月刊ファミ通Wave DVDでは、須田剛一氏とともに映像コンテンツ「未確認洋ゲー基地AREA51」を毎月連載中。座右の銘は「毒蛇は急がない」。





















