『ドラゴンズ ドグマ』勝手に応援サイト ドラゴンズドグマで暮らす
週刊ファミ通副編集長。好きになったゲームにウザいほどの愛情を注ぎ、熱いメッセージを発信し続ける男。ときにバカバカしく、ときに泣ける文章を書き、ゲームの“プレイ日記”なる文学ジャンル(!?)を確立。そんなプレイ日記をまとめた単行本が、現在10冊も発売中。とくに、カプコンの『モンスターハンター』シリーズを遊ぶ模様を描いた『逆鱗日和』シリーズは、累計部数45万部を突破するベストセラーとなっている。
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ドラゴンズドグマ
■発売元:カプコン
■対応ハード:プレイステーション3、Xbox 360
■ジャンル:オープンワールドアクション
■発売日:2012年5月24日
■価格:7990円[税込]
■公式サイト
http://www.capcom.co.jp/DD/ (PC)
http://mcap.jp/g/DD/ (モバイル)
■公式twitter
・アカウント @DD_CAPCOM
・ハッシュタグ #DragonsDogma


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【ドラゴンズドグマ】第13回 『ドラゴンズドグマ』、発売日に思う
2012/05/24

 俺がこのゲームの存在を知ったのは、ちょうど1年ほど前。

 日本が発祥とされながらも、ほとんど欧米で熟成された“オープンワールド”という概念を導入した超大型タイトルが開発中であり、そのタイトルが『ドラゴンズドグマ』と呼ばれていることをファミ通の報道で知ったのである。すでに発表が行われた会場には遊べる状態の試遊台が出展されていて、プレイ動画も公開になっていた。

 俺はその発表の場には行っていなかったので、ファミ通に掲載された『ドラゴンズドグマ』の思想を読み、プレイ動画を視聴した。何度も何度も、くり返し読んだ。目が痛くなるほど、動画を観た。そして観終わったときにはすでに、このゲームの虜になっていたのである。触ってもいないゲームにこれほど魅せられてしまったのは、間違いなく初代『モンスターハンター』のイメージPVを初めて観たとき以来だ。あのときも、海外の発表会で『モンハン』の思想を見てひと目惚れし、「俺、このゲームと結婚するわ」とまわりに宣言してドップリとのめり込んでいったんだよな……。

 そんなことを懐かしく思い出しながら記事を読み込んでいくと、『ドラゴンズドグマ』のディレクターは『デビル メイ クライ』シリーズを手掛けてきた伊津野英昭さんで、プロデューサーは『バイオハザード』や『戦国BASARA』シリーズなどでおなじみの小林裕幸さんだということがわかった。このとき、俺は伊津野さんとはまったく面識がなかったので、昔から馴染みのあった小林さんにコーフンを隠せないメールを送る。そのメールが残っていたので、恥ずかしげもなく貼り付けてみよう。

◆◆◆
 小林さん、すごいっすねこのドグマ!!
 その思想と、画面写真見ただけで鳥肌が止まりませんでしたよ……。
 これが完成したら、日本のゲームが根底から変わるかも!!
 っていうくらい、いまの段階でホレ込んでしまいました!

 興奮のあまり、思わずメールしてしまいましたw
◆◆◆

 このときの俺が、遠足前日の子どものようにハシャイでいたのが、よくわかる文面である。

 以来、俺は『ドラゴンズドグマ』の“勝手に応援者”となった。ことあるごとにカプコンの開発ビルにお邪魔しては伊津野さんに会い、『ドラゴンズドグマ』だけにとどまらないいろいろな話を聞かせてもらった。

「ずっとずっと、こういうゲームを作りたかったんです」

 と伊津野さんは言った。

「中学生のときに“ゲームブック”に出会い、ファンタジーの世界に興味を持ってから、こんな世界をゲームで表現できたらな……ってことを夢想していたんです」

 と目を輝かせた。でもそれは作り手だけでなく、ゲームを遊ぶプレイヤーのほうも、長く夢見ていたことなんじゃないかと思うのだ。

 おそらく大多数のゲームファンが、テレビゲームに触れ始めたばかりのころにこんなことを思ったはずだ。「ゲームの世界に入ってみたい」と。そして「その世界で自由気ままに生活してみたい」と想像の翼を広げ、広大な世界で暮らし、闘う自分の姿を夢想したと思う。この“ゲームファンの夢”は、MMORPG(多人数参加型ネットワークRPG)の登場によりかなりの部分が実現された。しかしMMORPGの最大の調味料はあくまでも“人”であり、他のプレイヤーとの関わりかた次第でゲームの味はいくらでも変化した。

 そんな中に現れたのが、“閉じた世界”でありながら“開いた”という言葉を冠に持つ“オープンワールド”という概念だ。目の前にいるのはすべてコンピューターが操るキャラクターなのに、プレイヤーはそこで生活しているかのように自由に、思い通りに生きていくことができる……。そういう意味でオープンワールドは、ゲームファンとゲームクリエイターの両方が、長年思い描いていた“夢”が実現したジャンルと言えるのではなかろうか。

 ↑の一文は、かつて週刊ファミ通誌上で書いたコラムから抜粋したものだが、いままた同じことを強く思ったので転載してみた。緊張感に満ちたモンスターが跋扈する世界で、しかし自由に、気ままに冒険できるゲームが、ついに我が手元にやってきたから……。

 さあ暮らすぞ。『ドラゴンズドグマ』の世界で。

 剣を持ち、弓を担いで、相棒のポーンと旅に出るんだ。

 立ち塞がるのは、キメラかハイドラかドラゴンか。きっとたくさん倒されるだろうけど、覚者の使命を全うするためにがんばって生きていこう。

 長い長い『ドラゴンズドグマ』での暮らしが、いま始まった−−。