ジョン・バエズ ザ・ベヒーモスの共同創立者およびプロデューサー。日本語の名刺では“社長”になっているが、社内ではこの肩書きはほとんど使わない。ザ・ベヒーモスは2003年創立、マルチプラットフォーム向けのふたつのタイトルを出している。最新作は『キャッスルクラッシャーズ』(Xbox LIVE アーケードのゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲得)、『エイリアン ホミニッド HD』、(同上)。
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2011/2/25第15通:日産リーフ RPG
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Xbox 360のXbox LIVE アーケードタイトル『キャッスルクラッシャーズ』などの開発元としておなじみのザ・ベヒーモスのコラム。ファミ通Xbox 360で連載中の同名コラムを再録。毎月下旬更新予定です(今回のコラムはファミ通Xbox 360 2011年3月号に掲載されたものです)。 |
先ごろ、私は初めてアメリカに届いた日産電気自動車のうちの1台を受け取りました。人気のビデオゲームと同じように、何ヵ月も前から予約をして、日本で生産が完了し、アメリカに送られてくるのを待ちに待っていました。このクルマにはさまざまな最先端の新機能が備わっていることは知っていましたが、ほとんど説明されていない機能のひとつがRPG的な要素をそなえていることです。もちろん、完全なRPGとは言えませんが、実際にフリーウェイを飛ばせる乗物そのものがコントローラのようなものなので、デザインを改善すれば、とても楽しいゲームになると思います。
電気動力伝達という以外に、このクルマの大きな特徴は、自動車テレマティクス(※1)を日産サーバーとつなぐセルモデムであることです。通常のGPSシステムはGPSサテライトからデータを受け取ることしかできませんが、リーフはデータを読込むGPSに加えて、日産とデータのやりとりができます。毎日”カーウィングス”(※2)サーバーをチェックして、完了行程数、走行距離やアクセサリー消費電力など、多くのデータポイントを記録します。これまでのところ、うちのクルマは行程数(10日間で70行程)で第一位、エネルギーの節約でゴールドメダルを獲得しています。データポイントはいまのところ6つほどなので、ゲームとして考えると未熟ですが、近い将来さまざまな自動車メーカーが、よりすぐれたRPG的要素の充実を目指して凌ぎを削るようになるかと思うと驚くべき試みと言えます。
カーウィングスのよいところは、シリアスなゲームや教育ゲームを目指していないところだと思います。アバターネームを決め、メダル(プラチナ、ゴールド、シルバー)、トロフィー、世界認識度を目指して競うストレートなゲームです。
たぶん、つぎの段階では”目標達成=報酬”の楽しみを強化するさまざまなアチーブメントが追加されるのではないかと思っています。たとえば、個々のクルマにはバッテリーを充電できるホームベースがあるので、このホームに戻らずに何マイルまで走行出できるかはひとつの簡単なアチーブメントになります。これは純粋な電気自動車は、(ハイブリッドと比較して)毎日の通勤距離を超えたドライブにも適しているという考えかたを広めるきっかけになるかもしれません
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現在表示されるデータポイントは6つですが、テレマティクスはユーザーには見えない数多くのデータを記録し、送信していると思います。”乗客生存を条件とした衝撃時最高速度”は、おそらくすぐには表示されるようにはならないと思いますが、ひとりのゲームデザイナーの思考を活発にしてくれます。今後はクルマがどこを走行したかで決まるクエストなどが出てきて、毎日の通勤を楽しくしてくれるのでしょうか? このRPGの楽しさを知ってしまったゲームデザイナーたちが、ゲームの拡張やアップデートを許されれば、たぶんそうなるでしょうね。
※1テレマティクス:クルマなどの移動体に通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報サービスを提供すること。
※2カーウイングス:日産自動車が提供するテレマティクスサービスのこと。
(翻訳:みちよパティロ) |

