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東京国際アニメフェア2007会場にて、『精霊の守り人』海外向け製作発表会が行われた!

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●『精霊の守り人』発表会は原作者&監督が登場!

 2007年3月22日より4日間に渡って東京ビッグサイトで開催される世界最大級のアニメの祭典"東京国際アニメフェア2007"(以下、TAF)。その初日となる3月22日。TAF会場にて『精霊の守(も)り人』の海外向け製作発表会が行われた。この発表会には、『精霊の守り人』の原作者である上橋菜穂子、監督・脚本を務める神山健治、音楽を担当する川井憲次、Production I.Gの代表取締役社長である石川光久が登壇。『精霊の守り人』の持つ魅力や見どころを国内外のアニメファンに向けて語った。
 また、同会場にて、原作本が全米出版されることが発表された。版元は『ハリー・ポッター』シリーズでおなじみのスコラスティック社となるとのことだ。
 

精霊の守り人

 

 原作者である上橋菜穂子に、「自身の作品がアニメ化されることに対する感想は?」と質問が飛ぶと「最初は不安がありました。どんな風に自分の作品が変わっていくのだろう、と。私は文化人類学を研究しているんですけれども、世界中どこの人々でも物語は大好きで作りますよね。物語を作るだけではなくて、人はそれを音楽にしたり、劇にしたり、絵にしたり、さまざまな表現手段に変えていきます。私はそれがすごくおもしろいことだと思っています。ですので、私の物語がほかの才能を持っている監督に、"何かを作りたい"という気持ちを起こさせて、それがアニメになるということはとてもとても幸せなことだと感じています」(上橋)とアニメ化への期待を寄せた。また「『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(以下、『攻殻機動隊 S.A.C.』)などの神山監督によるテレビアニメ化ということでとくに期待されているところは?」という質問には、以下のようにコメント。「じつは私は神山監督の大ファンでして(笑)。ですからこのお話をいただいたときは、本当に夢のようだと思いました。いまはもうとにかく、神山監督の手で私の作品がどんな風に変わるのか、ということを楽しみにしているところです」(上橋)。
 

精霊の守り人

 

 続いて、神山監督に質問が及ぶ。 「『精霊の守り人』では、どのような部分に力を入れているのでしょうか?」という質問に、「原作を読ませていただいたときに、登場人物たちの力強く生きている姿や、泥臭く生きる生命力といったものにすごく感銘を受けまして、アニメにするに至ってファンタジーという"設定"を描くのではなくて、"そこに生きる人々"を力強く描けたらな、という風にいちばんに考えました。その部分をアニメの中でも表現していきたいと同時に、"ハイ・ファンタジー"というジャンルですので、本来は活字で表現されていた世界設定を、いかにすばらしい映像で皆さんに観ていただけるようにするか、というところを心がけて作品を作っています」(神山)と監督は言う。その表情からは、原作に対する熱い想い、そしてこれまでの作品で築き上げてきた監督の緻密な世界構築の術とProduction I.Gの持つ映像技術への自信と信頼が見て取れた。

精霊の守り人

 

 また、音楽を担当する川井憲次は「『精霊の守り人』の音楽を製作するにあたり、どのような部分に力をいれたのでしょうか?」という質問に対し、「アジアの音楽を心がけようと思いました。ただ、それがどこの国だか限定されないような音楽がいいんじゃないかと思って、いろいろと考えました。アジア人の潜在的意識に、ちょっと当たるようなメロディーを考えたつもりです」とコメント。第1話を鑑賞しての感想を聞かれると「まず第一に絵がべらぼうにキレイだということですね。それがすごい印象的でした。それともちろん内容的にもすばらしいと思いましたし、今回は1話を観てから続きの音楽を作ることができたので、僕にとってはラッキーな展開でした」と笑みを浮かべた。発表会終了後には、スタジオに戻って『精霊の守り人』の音楽を作ることになっているという同氏。まだ残り10数曲あるということで、無事に完成することを祈りたい。
 

精霊の守り人

 

 最後に石川光久代表取締役社長が、全米、全アジア地域での展開がすでに決定している『精霊の守り人』の海外展開について以下のようにコメント。「ひと言で英語で言うなら、ベリーエキサイティングであると。じつは『精霊の守り人』を作るにあたって、"『ハリー・ポッター』のようなわかりやすさと『ロード・オブ・ザ・リング』に負けないようなハイクオリティーな映像の作品を作ってくれ"と言われたんですね。『ハリー・ポッター』と『ロード・オブ・ザ・リング』を足して2で割ったような作品を作ってくれと。それを聞いたときはできっこないと思ったんです。でも、1〜3話を観たら、"絶対にできない"と思っていたのが、"ひょっとするとできるんじゃないかな"という予感を感じさせてくれたんです。そういう意味でベリーエキサイティングだと思いました」(石川)。また、海外市場への戦略について問われると「戦略がないのが、戦略だと思っています。『ハリー・ポッター』と肩を並べる上橋さんの原作、そして『攻殻機動隊 S.A.C.』でとことんまで鍛え上げられた頭脳と体を持った神山健治が作る作品である、ということこそが戦略のない戦略だと、そう言い切れると思います」(石川)と、原作の持つ魅力と、神山監督への絶大の信頼を寄せるコメントを残した。

※『精霊の守り人』公式サイトはこちら
※東京国際アニメフェア2007公式サイトはこちら 

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