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未来といまが交差する――『イヴの時間 劇場版』の試写会とトークショーが開催

2010/2/20

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●『イヴの時間』を制作するきっかけなどが明らかに

 2008年8月よりWebアニメーションとして配信され、全6話で300万回の総視聴回数を記録した『イヴの時間』が、その人気に応える形で劇場映画化。2010年3月6日より『イヴの時間 劇場版』として池袋テアトルダイヤほかにて劇場公開されることになった。

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 そして2010年2月19日には、劇場化を記念してのイベント“ネクスト・リアル1『イヴの時間〜上映&トーク〜』”が開催された。当日は、同作の原作・脚本・監督を担当した吉浦康裕氏をゲストに迎え、Twitterを活用してのトークショーが行われたほか、AR(拡張現実)を活用してのデモンストレーションが行われるなど、まさに“ネクスト・リアル”を実感させるイベントだった。

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 アンドロイドが“家電”として、家庭に入り込んでいる時代を描く『イヴの時間』。「なぜロボットのアニメを作ることにしたのか?」との司会者の質問に対して吉浦氏は、「僕はロボットが大好きなんです」ときっぱり。SF作家のアイザック・アシモフに代表される古典的なSFをこよなく愛していたという吉浦氏は、その作品に描かれるロボットが大好きだったのだという。そのため、より人間に近い“アンドロイド”という存在は、吉浦氏にとってはあくまで机上の空論でしかなかった。ところが、「もしアンドロイドが実用化されたら、関わりをもつのが恥ずかしくなるのでは?」と思ったところで発想の転換が図られる。かわいいアンドロイドが目の前にいたら距離感を取るのが難しい。でもそれは通常の人対人でも同じ。コミュニケーションを取ることの難しさは人対人でも、人対アンドロイドでも変わらず、それは普遍的なドラマになるのではないか……という着想から『イヴの時間』は生まれたという。

 トークショーは、来場者からTwitterで質問を受け付け、その質問に吉浦監督が答えるという趣向が凝らされていたのだが、率直な質問が続出。「続編はあるのか?」との問いには、「最初の構想では13本のシナリオがあったんですよ」と吉浦監督。「最初はリスキーだったので、とりあえず6本にしました(笑)。だから少なくともあと6本はあります」とのこと。Webアニメーション用に6本を制作してみて「少人数でやっていると身がもたない」と悟った吉浦監督は、「つぎはひと月に1本リリースできるくらいの枠組を作ったうえでやりたい。いずれは必ず作りたいです!」とファンにうれしい宣言を行った。また、「いちばん好きなキャラは?」との問いには「ナギです!」ときっぱり。「ナギは無償の人です。好きに理由はないのですが、最初にできたキャラですね」とのことだ。

 トークショーが終わったあとは、“『イヴの時間』ファン代表”としてAR三兄弟の長男が登場。『イヴの時間』を絡めてのAR(拡張現実)のデモンストレーションを行った。二次元バーコードをWebカメラで撮影し、専用サイトをとおして見ると3DCGがリアルタイムで生成されるAR。デモンストレーションではWebカメラでTシャツを撮影するとお腹の部分が機械になったり、カードを頭にかざすことで頭上にリングができたりと、『イヴの時間』ファンなら思わずにこりとしてしまうような趣向が凝らされていた。“現実と未来”を実感させるイベントとなった。


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 なお、イベントには『イヴの時間 劇場版』の主題歌“I have a dream”を担当する女性ヴォーカルユニットKalafinaがサプライズゲストとして登場した。映画のエンディングに流され、深い余韻を残す“I have a dream”。曲が流されているあいだは、印象的なイラストによりストーリーが綴られることになるのだが、これは劇場版のために作り足したもの。吉浦監督によると、楽曲をもらってフルコーラスを聞いているうちに、頭の中でコンテができあがったのだという。「あとから付け足したものではなくて、最初からはまっていたんですね」とは吉浦氏。しかも絵コンテンを見て、楽曲を作った梶浦由記氏も歌詞を変えてくれたとのことで、まさに『イヴの時間 劇場版』にぴったりの楽曲となったようだ。

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▲左からHikaru、Keiko、Wakana。Kalafinaの3人。

 
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※[関連記事]新しいアニメTシャツ『イヴの時間 劇場版』が始動します
※『イヴの時間』公式サイトはこちら

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