HOME> アニメ・声優> 中島愛:運命を感じた、ランカ・リーとの出会い

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360(毎月30日発売)の人気コーナー “エンジェル・ボイス アゲイン”がファミ通.comとコラボレート。誌面の都合などから、本誌では泣く泣くカットせざるを得なかった声優さんの貴重なお話の数々を完全収録。声優さんの“声のお仕事”に対するこだわりぶりを聞きます。本日のゲストは、中島愛さん(不定期連載第18回)。
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| 【本日のゲスト・中島愛(めぐみ)さん】 |
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5000人(!)の応募者のなかから見事『マクロスF(フロンティア)』のランカ・リー役を射止める。その歌声と演技が多くのファンを魅了している。 |
●最初は自分の声がコンプレックスだった
――昨年の春に行われた『マクロスF(フロンティア)』歌姫オーディションで、見事5000人の応募者の中からランカ・リー役を射とめたわけですが、この道を目指すきっかけは何ですか?
中島 私が生まれた家は音楽が1日中溢れていて、音楽に囲まれていることが自然なことだったんです。それで物心ついたときから、自分は歌手になるものだという思い込みがあったんですね。いま思うとかなり大きな思い込みですが(笑)。だから、とくに大きな“きっかけ”というものはないんです。強いて言えば思い込みかな(笑)。それで、中学1年生のときに、いまの事務所のオーディションを受けたんですよ。
――ご両親が音楽好きだったのですね?
中島 そうなんです。とくに父がバンドのドラマーをやっていて、うちではロックとかポップスとかがずっとかかっていました。音楽が体に染み込んでいるんですね。だから、私が歌手を目指していることを伝えたときも、「だよね」って感じでした(笑)。でも、中学1年生のときに受けた事務所のオーディションは受かると思っていなくて……。
――あら、それはなぜですか?
中島 自分の声にコンプレックスがあったんですね。これもまた違った種類の思い込みかもしれないのですが、私は声に特徴のある歌手の曲を聴くことが多くて、自分と比べたときに、「なんて個性のない、かわい気のない声なんだろう」って思ってしまったんです。だから、あまり話すことも好きではなかったんですね。声で誰かに何かを伝えることに抵抗があったんです。歌の技術に対する自信もなくて、ただ、自分が歌を好きなことに対する自信だけしかなかった感じです。
――それは意外ですねえ。その後、声に対するコンプレックスは解消されたのですか?
中島 歌うのも楽しいし、演じるのも楽しいけど、やっぱり自分は……という思いはどこかにありましたね。声が印象的な方に出会うと、「どうやったらこういう声になれるんだろう?」って思ったり。とはいえ、自分の持って生まれた声はこれしかないので、「どうやったらこれを活かせるんだろう?」ってだんたん思えるようになりました。
――なるほど。では、『マクロスF(フロンティア)』歌姫オーディションを受けたときの気持ちを教えてください。
中島 ランカ・リーがどういう子かということを知ったときに、すごく自分と重なる部分があって、運命を感じました。歌で自己表現をするというのも衝撃的で、「私はランカを演じるために、レッスンを重ねてきたのかな」と思いました。
――オーディションでは手応えを感じていた?
中島 とんでもない。オーディションでは本当に緊張しました。河森総監督を始め、いろんな方たちに囲まれていたので(笑)。でも、オーディションでは、自然体というか、自分のやりたいことがよくできたと思うんですよ。歌も楽しく歌えたし、面接のときの受け答えも楽しくできたので、満足感はありました。だから、手応えというよりは、『マクロスF(フロンティア)』のオーディションに自分がなじめた気がしたんです。マネージャーさんから合格のお電話をいただいたときは、あまりにトーンが低くて「これは落ちたな」と思ったのですが、「合格!」と言われて何回も聞き直してしまいました(笑)。
――アフレコはどうでしたか?
中島 アフレコ自体が初めてで、「そもそもアフレコって何だろう?」って感じでしたね(笑)。なにしろ最初は台本のめくりかたもわからなくて、「私はここにいていいのかしら?」って思っていました。じつは、『マクロスF(フロンティア)』の最初の数話は、皆さんが吹き込んだ声を聴きながら、単独で収録していたんです。それが、ある日みなさんといっしょにアフレコをすることになって、少し弱気になったりもしました。一方で、ランカもストーリー的に瀬戸際に立っていて、「自分(ランカ)に何ができるんだろう?」っていう時期だったんです。そこで私の心境とランカの心境が重なって。
――図らずも、現実の中島さんとランカ・リーがシンクロしてしまった?
中島 緊張とか焦りとか、喜びや楽しさといった感情が心の中でシンクロしていました。それは『マクロスF(フロンティア)』でないと体験できなかっただろうし、もしかすると、ランカと私じゃないと体験できなかったことかもしれない……と思っています。
――それはランカにとっても幸せなことかもしれませんね。
中島 だとうれしいですね。ランカというキャラがいたからこそ、私に自信が持てたというのはあります。声に自信がなくて経験も浅い私が、「どうしよう……」というときに、いっしょに成長してくれる存在が近くにいるということが、本当にうれしかった。分身、友達、家族……どれにも属するようで属さない存在というか……。
――とにかく身近な存在だということですね?
中島 そうなんです。それで、じつは私、たまにランカに語りかけてしまうことがあるんです。自分が困ったときとか、うれしいときとか……。だいたいは心の中で語りかけているのですが、実際に口に出してしまったこともあります(笑)。たとえば、悲しいことや悔しいことがあったときは、「ランカ、あなたならどうするの?」とか。ランカはすごく明るくて芯の強い子なので、「この子ならどうするんだろう?」ってことはよく考えますね。ベッドの壁にランカのポスターが貼ってあるので、とくにベッドで考えているときにそんな気持ちになります。
――実際に体験した掛け合いでの収録はどうでした?
中島 ひとりのときとはぜんぜん違いましたね。先輩方の熱気が感じられるというか……。初めてアフレコに混ぜていただいくことになったときは、本当に心臓がバクバクで緊張、緊張といった感じでしたが、皆さんがとても温かく迎えてくださいました。
――ベテランさんも多いので、気を遣いませんでした?
中島 憧れの先輩方ばかりだったので、最初は隅のほうでじっとしていました(笑)。でも、遠藤綾さんや井上喜久子さんが「肩肘張らずにがんばって」などいろいろ話しかけてくださって、すごく救われました。
――演技をしてきて、掴んだことはどんなことですか?
中島 私はまだまだなのですが、先輩方を見ていて実感するのは、キャラクターとの一体感。舞台やテレビなどの演技は体全体を使って表現していて、声優は声だけだと思われるかもしれませんが、そんなことはぜんぜんなくて、体ごとアニメに飛び込んでいるんですね。収録が始まるとアフレコブースの中が、一気に別世界になってしまう感覚があって……。だから、アフレコが終わってブースの扉を開けると、まるで宇宙旅行から戻ったような感じがします。
――中島さんもいっしょに宇宙旅行をしているわけですね。
中島 なんとか乗り遅れまいと、必死になってしがみついている感じでしたね(笑)。
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▲中島さんにとって生涯忘れられない役になった『マクロスF(フロンティア)』のランカ・リー。 |
●自分しか表現できないような高みに登りたい
――いま趣味にしていて、それがお仕事で役に立っているなんてことはありますか?
中島 仕事に役立っているかどうかはわかりませんが、いちばんの趣味はレコード集めですね。私、’80年代のアイドルが大好きなんですけど、念願のレコードプレーヤーもゲットしまして(笑)、いまはレコード集めに熱中しています。レコードのノイズがたまらないんですよ。
――いま何枚くらい集めているのですか?
中島 150枚はありますね。松田聖子さんはおおむね集まってきまして、あとは河合その子さんとかを集めています。私、おニャン子クラブのファンなんです。
――いつの時代の人ですかって感じですね(笑)。
中島 両親よりも好きなので、ビックリされています。それで私には、’80年代のテイストを現在に持ってこられないかなという野望がありまして。当時の音質でレコードを出してみたいなあと。もちろん、ジャケットも当時の雰囲気で!
――19歳にして驚くべきこだわりぶりですね(笑)。
中島 せっかく大きなステージにも立たせていただけるようになったので、自分の好きな音や自分の好きな作品を吸収して、自分のなかで新しくしてみなさんの前にお届けしたいという気持ちがありますね。
――もしかして、ランカ・リーも’80年代のアイドルを参考にしている?
中島 私の中でランカというのは、古きよきアイドルの王道的な存在ですね。シェリルさんはディーバ的な新世代の女性。ランカは昔の時代から”かわいい”とされているものを詰め込んだような女の子ですよね。デビュー曲となった「星間飛行」が、そういったテイストを絶妙に表現した楽曲で、ちょっとなつかしい曲と新しい曲が融合した名曲です。しかも作詞が松本隆さん! これは運命です(笑)。
――松本隆さんと言えば、松田聖子さんの楽曲を数多く手掛けているわけですが、そんな松本さんに楽曲を提供してもらえて、やっぱりうれしかった?
中島 うれしかったです! 歌わせていただけるだけでもうれしいのに、さらに松本さんにも直接お会いできて!! ひとつアドバイスもいただきました。松本さんからのアドバイスは、歌の極意のようなもので、大切に心の中にしまっています。
――デビュー曲にして、いきなりの極意だったんですね。
中島 そうなんです。松本さんの言葉を胸に沁み込ませて、もちろん努力はしているつもりですし、いろいろなことを感じて吸収したりするようにしていますが、本当にまだまだだと思っています。でも、「星間旅行」のレコーディングはすごく楽しくて、テンション高く突き抜けた感じで歌えました。ランカとリンクして、星の上まで行った感じです(笑)。だから、松本さんにいただいたアドバイスを、少しは実現できたかな……って思っています。
――では、最後に今後の目標などを教えてください。
中島 『マクロスF(フロンティア)』という作品でランカに出会って、とても恵まれた環境でデビューできたわけですが、そんな幸運に甘んじることなく、ランカに負けないくらいの高みに行きたいです。歌でも演技でも、どんどんいろんなことに挑戦していって、自分でしか表現できない高みに登りたいです。
皆さん今後もぜひ応援よろしくお願いします!
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▲劇場版の公開も決まった『マクロスF(フロンティア)』。まだまだ中島さんとランカとの旅は続く。テレビ版はブルーレイ&DVDにてバンダイビジュアルより好評発売中だ。最新巻の第4巻は11月21日発売予定だ。 |
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